暴虐の魔王と世界の破壊者   作:カトポン

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 どうも、おはこんばにちは。
 今回は、文字数3千ちょいと最近に比べてたら短めです。
 理由としては、今回思いついたサブタイトル通りの内容となるのとキリの良さから短めとなりました。
 ボリューミーな内容を期待していた方々は申し訳ありません。
 それでは、第23話をどうぞ。


第23話 白き世界の乱入者

 後ろを振り向いたら、俺達とアイヴィス・ネクロンしか居ない筈のこの場所に、見知らぬ黒コートの人物がいた。

 その黒コートの人物が指パッチンをすると突然、世界が暗闇に包まれる。徐々に暗闇が晴れて行くとそこはさっきまでいた所と全く違う場所だった。

 床は円形の白い床でそれ以外は暗闇に覆われていた。辺りを見回しても、アノス達やアイヴィス・ネクロンは何処にも居ないのは何となく予想が付いていたが、俺をこの場所に連れて来た黒コートの人物は見当たらなかった。

 

「何処だよ、此処・・・」

 

 思わず愚痴ってしまったが、当然そんな事で状況が変わったりしない。とりあえず、白い床の縁まで歩いていく。

 白い床の部分は、そんなに大きくないのであっという間に縁に辿り着いた。

 そして、白い床の縁に辿り着いた時、俺は驚きで開いた口が塞がらなかった。

 暗闇に覆われた所は、壁も無ければ足場も無い。例えるなら、虚無と表現するのがピッタリな程、何も無い漆黒の闇が広がっていた。

 

 さらに、俺が立っているこの場所もただの白くて丸い床ではなく、白い円柱の頂点だった。一歩でも足を踏み外せば、漆黒の闇へと真っ逆さまに落ちて行くだろう。

 

「ようこそ、俺の世界へ。歓迎するよ、フィリウス・マーロウ」

 

 突然、後ろから声がしたので振り向くと、そこには俺をこの場所に連れて来た黒コートの人物が居た。

 

「お前が俺を此処に連れて来たのか?」

「そうだ。此処は俺が一時的に作り上げた空間。さっきも言っただろう。俺の世界だと」

「そうかいそうかい。それで、俺をこの世界に連れて来て何の用だ。黒コートの人物さんよ」

「黒コートの人物さん、とは呼ばないで欲しいものだ。俺にはウルという名がある」

 

 そう言って黒コートの人物は顔を隠しているフードを取る。

 黒コートの人物の素顔は前髪を七三分けに、後ろ髪はウルフヘアに近く、毛先だけが外側へ跳ねている銀髪が特徴のイケメンだった。

 

「で、こんな所に連れて来て何の用だ」

「お前とは少し話がしたかった。フィリウス・マーロウ」

「さっきも思ったが、何故お前は俺の名前を知っている」

 

 ウルと会うのは初対面だ。なのに、ウルは俺の名前を知っている。

 

「お前の事はアイツから聞いている」

「アイツ?」

「リベリオン。聞いた事ないか?」

 

 それは、魔王学院の試験日のやるに闇討ちしてきたあの兄弟にホッパーゼクターとゼクトバックルを与えた奴の名だ。

 

「なんで、リベリオンが俺の名前を知ってるんだ」

「やっぱり知ってるのか。大方、リベリオンから力を貰った奴等から聞いたんだろうな」

「はぐらかすな。俺の質問に答えろ」

「教えてやっても良いが、言ったところでお前は信じないだろう。それなら、俺の口から説明する必要は無い」

 

 「いずれ、お前とリベリオンは会うことがになるだろうからな」と付け足して。

 

「俺はそんなに疑い深い奴じゃないぞ」

「俺がリベリオンの協力者、と言ってもか?」

 

 ウルは衝撃の一言を発する。

 

「お前がリベリオンの協力者だと・・・!」

 

 リベリオンが敵かどうかは良く分からない。あの兄弟が俺とミーシャを闇討ちしてきたのも、ホッパーゼクターやゼクトバックルを渡す代わりに俺達を襲うよう指示したのか、ホッパーゼクターとゼクターバックルを渡しただけで俺達を襲ったのはアイツら自身の意思なのかは分からないからだ。

 

「言っておくが、リベリオンはお前を目の敵にして狙っている。どういう事か分かるな」

 

 ウルの言葉が正しければ、リベリオンは俺の敵。そして、ウル自身も敵であるリベリオンの協力者・・・つまり、俺の敵という事だ。

 

「じゃあ、協力者であるお前は何故、俺を殺さずにわざわざこんな場所に連れて来た」

 

 ウルは俺の方へと歩いて来る。

 俺は咄嗟にウルに近づきながらマキシマムマイティXの伸縮自在の腕を伸ばして攻撃する。が、ウルは俺の拳が当たる直前で初めからそこに居なかったかのようにフッと消える。

 

「リベリオンは俺以外にも協力者が居るが、お前を殺してでも倒そうとしているのはリベリオンだけだ」

 

 後ろからウルの声が聞こえた俺が振り向くと、ウルが話しながら俺に近づく。

 俺は脚を伸ばしてリベリオンに後ろ回し蹴りを繰り出すが、それも蹴りが当たる直前で初めからそこに居なかったかのように消える。

 

「これでもまだ分からないか?今のお前じゃ俺を倒すのはおろか、攻撃を当てる事すら出来ない。言っておくが、リベリオンは俺よりもずっと強いぞ」

 

 確かに、俺の攻撃はウルに1回も当たっていない。もし、ウルの言う通りリベリオンがウルより強いなら、攻撃を当てれないだけで済むのかどうか。

 

「確かにお前はこの世界に存在してはいけない。だが、それはお前にディケイドの力があるからだ」

 

 リベリオンが俺を殺そうとしてでも倒そうとしているのもそれが理由なのか?

 

「お前がそのドライバーを渡せば俺達はお前の命までは取らないと保証しよう。それでも、リベリオンがお前を殺そうとするなら、俺達がお前を守ろう」

 

 ネオディケイドライバーを渡せと言わんばかりに手を差し伸べるウル。

 

「悪いが、ネオディケイドライバーは渡せない」

 

 俺はウルの提案を拒絶する。

 

「確かにこの世界においてディケイドは存在してはいけないのかもしれない。だけど、これは俺自身が望んだ力。あらゆる不条理をぶち壊す為に必要な力だ」

 

 今、ミーシャとサーシャを運命を変える為にもこの力を手放すわけにはいかない。

 

「あの姉妹なら心配しなくても良い。お前がいなくとも暴虐の魔王が救うだろう」

「確かに、アノス1人でもミーシャとサーシャを救う事は出来るだろうな」

「なら、何故俺の拒絶を拒む。お前が損をするをするような事は無い筈だ」

「確かにな。だが、それはお前がリベリオンの協力者じゃなかった場合の話だ」

 

 俺はウルがリベリオンの協力者と名乗った時点でウルの話を鵜呑みにしていた訳ではない。あくまで、情報の1つとしか思っていない。

 

「ウル。お前が知っているかどうかは分からないが、この世界には物語としてライダーが存在しているみたいでな」

「その事なら知っている。確かにクウガ~キバ、W~ビルドのライダーが物語として存在している。最も知っている奴は少ないだろうがな」

「本来なら、この世界にライダーなんて異物も良い所だ。だが、ライダーが間接的に存在しているこの世界で存在してはいけない、なんて言い過ぎなんじゃないか?」

 

 俺はウルに近づきながら話しかける。

 

「お前らは、どうして俺をそこまで狙う」

 

 ウルは一瞬、口ごもるがすぐに声を発した。

 

「全てはこの世界の為。お前は『プロジェクト・レナトゥス』の為の礎となるのだ」

 

 ウルは自身の背後にオーロラカーテンを出現させる。

 

「残念だ、フィリウス・マーロウ。お前は選択を見誤った」

「俺の選択が間違いだと決めつけるには早いんじゃないか」

「随分と自信があるようだな。だが、その自信はへし折られる事になるだろう」

 

 ウルは指パッチンして、オーロラカーテンをくぐる。

 ウルが作り出した世界が白い光に包まれる。余りにも凄まじい光に思わず、腕で目を隠す。

 光が収まり、腕をどかすと元の白い世界に戻っていた。辺りを見渡せば、アノスとミーシャとサーシャ、アイヴィス・ネクロンの姿もある。

 だが、俺の目の前にはオーロラカーテンがあった。勿論、俺が出した物ではない。大方、ウルが出現させた物だろう。

 オーロラカーテンから影のような物が見えた瞬間、俺はライドブッカーからカードを取り出す。

 俺の予想通りなら、コイツじゃないと対抗出来ない。

 オーロラカーテンが出現したのは俺の予想通りのライダーであったとも、違うとも言えるライダーだった。

 赤と金を基色に、目の部分は血走ったような赤い線が見え、左手には金と黒の宝盾『デウスランパート』、右手には金と黒の宝剣『デウスラッシャー』を装備したライダーが居た。

 

「今こそ審判の時」

 

 クロノスでも厄介なチートライダーだというのに更に強いゲムデウスクロノスがそこに居るのだった。




 如何でしたか?
 フィリウスとウルとの会話は試行錯誤しながら書き進めました。大学での空き時間をフルに使い家で物書いたりしてました。
 ウルがリベリオンの協力者だったり、リベリオンがディケイドを狙う理由が存在してはいけないからだったりと新たに判明したりした事もありました。
 ウルの言っていた『プロジェクト・レナトゥス』が何なのか・・・その辺りの謎もいずれ分かる事になると思います。
 それでは、また次回お会いしましょう。
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