大学の試験が近づいてきたので、そろそろ勉強しないといけないカトポンでございます。マジで憂鬱です。しかも、そのせいで投稿するの遅くなりそうだし。
ちょっと雲行きが怪しいですが、それでは第27話をどうぞ。
オーロラカーテンをくぐった先は、ダンジョン内の何処か・・・という事は起こらずに、ちゃんとダンジョンの入り口だった。
オーロラカーテンから現れた俺達に、エミリア先生は心底驚いていた。「何ですか・・・コレは・・・」とか言っていたが、無視して王笏を提出した。学院で本物かどうかの検品を行うため、しばらく預かるという事になっているからだ。
また、今日は明け方までダンジョン試験の予定があったため、2組の授業は終日休みだ。さらに言えば、明日は土曜。つまり、実質3連休という訳だ。
「試験も終わった事だし、家に来ないか?」
「何があるのよ」
「母さんがご馳走を用意して待ってる筈だ。それに」
アノスは笑いながら言う。
「誕生日だろ、2人とも」
それを聞き、サーシャは微笑する。
「ご招待にあずかるわ」
「行く」
ミーシャもこくり、と頷いて言う。
「俺も来て良いよな」
「勿論だ」
アノスの家で急遽、ミーシャとサーシャの誕生日パーティーを開く事が決定し、アノスの〈
アノスがドアを開けると、中に居たイザベラさんがすぐこちらを向いた。
「おかえりなさい、アノスちゃん!」
もの凄い勢いでイザベラさんは駆け寄って来て、アノスをぎゅーっと抱き締める。若干、涙ぐんでいたのは気のせいではないだろう。
「こんな時間まで帰って来ないなんてお母さん心配しちゃったよ」
「今日の朝までかかるかもしれないと言っておいたが」
「そうだけど、そうだけどね。アノスちゃんはまだ1ヶ月だし、大丈夫かなって心配だったの」
アノスに対して言っているが、イザベラさんの言葉にちょっと不安になる。
いやまぁ、朝に帰るとは言ったし父さんも母さんもアノスの両親よりも親バカじゃない。生後2ヶ月でも大丈夫な筈だ。
「おかえり、アノスちゃん」
イザベラさんは笑顔を浮かべて、改めて言った。
「ただいま」
イザベラさんは、再びアノスを抱き締める。
「あれ?」
イザベラさんがようやく気がついたのか、イザベラさんの視線は俺達に向けられた。
しかし、何故かイザベラさんは途端にハッとした。何かに気がついてしまったといった表情を浮かべている。
「きょ、今日の朝までかかるって、今日の朝までかかるって・・・」
イザベラさんは動転したように大声で言った。
「朝帰り宣言だったのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!?」
あぁ、イザベラさん。今日も、思いがけない方向に思考が転びますね。
「だから、朝帰るかもしれないと言ったが」
「朝帰りの意味が違うと思うわよ」
サーシャの言う通り、イザベラさんの朝帰りはたぶんアッチの事だろう。
「朝帰る以外にどういう意味があるんだ?」
「どういうって、それはアレだわ、アレ・・・だから・・・」
サーシャは急にしどろもどろになった。恥ずかしくて言えないんだろうな。
「・・・い、いいこと・・・」
サーシャは俯き、茹でタコのように顔を真っ赤にして言う。
サーシャのウブな一面が見れたと思っていたら、イザベラさんが勢いよくサーシャに駆け寄って来た。
「サーシャちゃん!」
「・・・な、なによ?」
イザベラさんはサーシャをぎゅっと抱き締めた。
「サーシャちゃん!」
「だから、何?何なの!?」
イザベラさんの勢いに、サーシャは若干たじろいでいる。
そんなサーシャの頭を慈しむように撫で、イザベラさんは意を決したように訊いた。
「だ、大丈夫だった?ちゃんと優しくしてもらった?」
それを聞いたサーシャの顔は無になった。
「・・・あのね。誤解の無いように1つ言っておくけど、優しくしてもらうような事なんて、何にもしてないのよ」
サーシャはこの上なく冷静に訂正した。
しかし、イザベラさんはそれを聞くなり、更に衝撃を受けたように口を大きく開いている。
「・・・ど、どうしたのかしら?」
「い、いいえ。良いの、良いのよ、サーシャちゃん。そういう事は人それぞれだものね。うん、大丈夫。大丈夫よ」
イザベラさんは1人納得したように、そして自分に言い聞かせるように、うんうんと頷いている。
たまらずサーシャは問い質した。
「だから、何なの?そういう事って、なんの話?」
「だけど・・・」
「良いから、言って。何かしら?」
すると、イザベラさんは仕方ないといった風に、サーシャの耳元に小声で言った。
「ね、好みはね、人それぞれだから。乱暴にされないと燃えないっていうのも、良いと思うわ」
「馬鹿なの!!」
サーシャは真っ赤になって叫ぶ。
一応聞き取れたが、その内容は予想していたものと同じだった。当たっても、全然嬉しくないけど。
呆れたように頭に手をやり、首を左右に振った。
「だからね、誤解なのよ。朝帰りって言っても、そういう意味じゃなくて。ほら、ミーシャとフィリウスも一緒だし」
「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!4人共、朝帰りって事おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
イザベラさんの勢いは止まるどころか、さらに増す。
「って事は、フィリウスくんはミーシャちゃんと、って事?そいういう事なの!?」
イザベラさんが言っている事は何となく想像がついているが、もし、イザベラさんの言うそういう事が予想通りならそういう事では無いのだが、言ったところで悪化するだけだ。
「どういう事かは分かりかねますが、俺達はダンジョンに行っていただけですよ」
「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!フィリウス君とミーシャちゃんはダンジョンで朝帰りって事おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
やらかした。
俺が余計な事を言ったばかりに、何故か俺とミーシャの2人はダンジョンで朝帰りして来た事になっちまった。
「み、ミーシャちゃんはそれで良いの?」
「・・・それ・・・?」
ミーシャは良くわからないのか、小首を傾げる。
「その・・・フィリウスくんとダンジョンで一夜を過ごしても良いの?」
「一緒なら」
その瞬間である。バタンと工房のドアが開き、アノスのお父さんであるグスタさんが現れた。
「フィリウスくん。俺はな、これでも昔はけっこうマセガキだったんだ。良く大人の階段を登るのが早過ぎて、その内転げ落ちて来るなんて言われたもんだよ。ははっ」
グスタさん。そんな事は誰も聞いてません。
「だけどな、アノスがサーシャちゃんと付き合ってるって聞いただけでも羨ましかったのに、フィリウスくんはミーシャちゃんと付き合って、しかもダンジョンでなんて!?」
動転したように口走りながらも、グスタさんは俺の肩に手を置く。
「これはな、実際に階段から転落した俺からの忠告なんだがな、フィリウスくん」
グスタさんは真剣そのものと言っても過言ではない顔で言った。
「どうやったら野外でなんて出来るんだ?」
忠告じゃなくて、欲望剥き出しな質問だった。
「なぁ、ミーシャちゃん。どうやったら、その、何だ、そんなに数段飛ばしで大人の階段上がれるんだ?フィリウスくんはミーシャちゃんに何したんだ?」
グスタさん、此処がオーズの世界だったら俺は真っ先に貴方をグリードだと疑っていたでしょうね。
此処が、魔王学院の世界で本当に良かったです。だからって、こんな質問を貴方の息子のクラスメイトにするのもどうかと思いますが。
「・・・優しくしてもらった・・・」
「優しくするぐらいなら、誰にでもでき・・・」
グスタさんは途中で何かに気がついたようにあっと口を開き、まるで恐ろしい物を見たかの如く、俺に言ったのだ。
「フィリウスくん、君はそんなにテクニシャンだったのか・・・?」
グスタさんはミーシャの言った優しくを激しく誤解している。
「だから、違うのよ。今日は私達の誕生日だから、アノスが招待してくれただけなの!」
サーシャが必死に訴える。
「俺は誕生日ではないですが、ミーシャとサーシャを祝いに来ただけです」
俺もそれに便乗する。出来れば、誤解を解きたいがたぶん無理なので、これ以上朝帰りの話題を続けさせないよう強引に終わらせる。
「そう、そうよね。当人達が良いって言ってるのに、周りがとやかく言うものじゃないわよね」
案の定、誤解は解けなかったが朝帰りの話題を終わらせる事は出来そうだ。
「大丈夫、お母さんはいつでもアノスちゃんの味方よ。アノスちゃんがやりたい事をいつでも応援するわ」
イザベラさんの言葉に、グスタさんがうんうんと頷いている。
「そうだな。ヤリたいなら仕方ない。ヤリたいなら・・・」
そう言っている、グスタさんは悔しそうだ。きっと、誤解まみれではあるが俺の事が羨ましいのだろう。
「そうと決まれば、すぐにご馳走の支度をするわ。サーシャちゃんとミーシャちゃんの誕生会なのよね。じゃ、ケーキも焼かなくっちゃ」
イザベラさんが張り切って台所へ向かおうとした時、俺はふと思い出した。
「あぁ、そうだ。ミーシャ。お前に渡す物があった」
ミーシャはじっと俺を見てくる。
「何?」
「手、出して」
言われるがまま、ミーシャが俺に左手を出す。
ざっと見た感じ、サイズが合いそうなのは薬指か。まぁ、指輪なんて入れば何処でも良いだろう。
俺はミーシャの薬指に〈蓮葉氷の指輪〉をそっとはめた。
「私が見てた指輪・・・」
ミーシャは自分の指にはまった〈蓮葉氷の指輪〉を目の前に持ってきて、それを呆然と眺めた。
何故か、俺がミーシャの指に〈蓮葉氷の指輪〉をはめた時に驚いていたが、何かしたのだろうか?
「ミーシャ、誕生日おめでとう。15歳になった気分はどうだ?」
ミーシャがいつもの無表情で俺を見る。
しかし、はらり、と涙の雫が頬を伝った。
「怖かった」
ミーシャは震えた声でそう言った。
まぁ、そんな事だろうと思った。10年近くもの長い間、ずっと我慢してきたのだろう。
「もう強がる必要はない。これからは、ありのままのミーシャで居て良いんだ」
頷くミーシャの瞳からはまた、涙がぽたぽたとこぼれ落ちる。
サーシャが微笑みながら、ミーシャの肩を抱く。
そして・・・
「分かるわ、ミーシャちゃん。怖かったよね。良く頑張ったね」
何故か、何も知らない筈のイザベラさんがそう言った。
「・・・分かる・・・?」
「うん。私もね、プロポーズをされるまでは怖かったの。どれだけ信じていても、やっぱり形になるまでは怖い事ってあるよね」
ミーシャが目を丸くする。
「なぁ、指輪はめただけで何でプロポーズだと思われてるんだ?」
「貴方がミーシャの左手の薬指に指輪なんてはめるからでしょ」
「それがどうした?」
指輪なんてどの指にはめたって、変わらないだろ。
「あのねぇ、左手の薬指に指輪をはめる事は婚約を意味するのよ」
左手の薬指・・・指輪・・・婚約・・・あ!?そうだ、前世でも婚約指輪や結婚指輪は左手の薬指にはめられるんだった。
サーシャに言われてすぐに思い出したが、なんでこんな事を忘れてしまったんだろう。
「でも、大丈夫。フィリウスくんならきっと、ミーシャちゃんを幸せにしてくれるわ」
イザベラさんの的外れな言葉に、誰もがどう突っ込んでやれば良いのか分からなかった。
その後、誤解は解けぬまま、ミーシャとサーシャの誕生日パーティーが開催された。
イザベラさんの作った料理とケーキはとても美味しかった。
そんな楽しい時間はあっという間に終わり、そろそろ帰らなくてはいけない時間となった。
ミーシャとサーシャはアノスが〈
「と、その前に」
俺は異空間に収納していたマゼンタの2眼レフトイカメラ「BlackBirdFly」を取り出し、首にかける。
「2人が15歳の誕生日を無事に迎えた事を記念に、写真を撮ろうか?」
首にかかった「BlackBirdFly」を2人見せて、問いかける。
「良い?」
「勿論。サーシャは?」
「私も良いかしら?」
「了解。じゃ、2人共、並んで」
2人は『太陽の風』の前で横に並ぶ。
「それじゃ、撮るぞ。3、2、1」
カウントを数え、カメラのシャッターを切った。
後に現像された写真には2人共、花が咲いたような笑顔だった。
そして、その写真はネクロン邸でいつまでも大切に飾られたのだという。
如何でしたか?
これで第一章は終わり、と思うかもしれませんが後、2話だけ続きます。
話は変わりますが、今日のセイバーはリアタイで見ましたが蓮とデザストのシーンはマジで親が居るのに思わず泣きそうになりました。玲花さんはなんかもう色々とぶっ飛んでました。皆さんは、くれぐれも玲花さんの前でお兄様をからかったり、お兄様の技を真似しようとしないでください。一般人だろうと煙叡剣狼煙で攻撃されます。
夏映画は勿論、仮面ライダーではないですが先日放送されたウルトラマントリガーがマジで楽しみです。ヒロイン可愛いな、誰だろ?と思ってググった時には同い年だった事に驚きましたが。とうとう特撮のヒロインが同い年の時代になってしまったのか・・・。
それでは、また次回お会いしましょう。