サブタイの『Hinter Den Kulissen』の意味はドイツ語で舞台裏という意味です。
文字数も2千字ちょいと少なめなので28.5話にしました。そして、前回の後書きで書いてあったように今回で第一章は終了します。長かった第一章もこれで最後となると、感慨深いものですが、これより長い章もあるかもしれないと思うと怖くもなります。
それでは、第一章の最後を飾る第28.5話をどうぞ。
白い床に白い円卓。その円卓を囲むように置かれた椅子に黒いフード付きコートを羽織った2人の人物が座っていた。
「随分と手酷くやられたようだな、ウル」
ウルと呼ばれた人物はフードを脱ぎ、素顔を露にする。
前髪を七三分けに、後ろ髪はウルフヘアに近く、毛先だけが外側へ跳ねている銀髪が特徴のイケメン。時の番神の力を授かったアイヴィス・ネクロンとの戦いの際、エグゼイド マキシマムゲーマーレベル99へとフォームライドしたフィリウスを自身が作り出した空間に連れ込んだあのウルである。
「俺としても予想外だ。まさか、ゲムデウスクロノスをムテキゲーマーで倒すとは思いもしなかった」
「ほぅ、俺には手を抜いているように見えたが違うのか?」
黒コートの人物から鋭い視線を浴びせられるが、ウルはどこ吹く風と言わんばかりに帰るを発する。
「俺自身が戦った訳じゃないが、手を抜いたつもりはない。相手が一枚上手だっただけだ」
「ウルがそこまで言うって事は随分と骨がある奴みてぇだな。そのディケイドってのは」
コツコツと靴を鳴らしながら、黒コートの人物がやって来た。
「やっと来たか。ビブレスト」
「悪りぃな。もう始まっているか」
「あぁ。とはいえ、まだ始まったばかりだ」
「悪りぃな。此処に来れねぇ奴等から伝言があってな」
ビブレストはドカッと椅子に座る。
「誰からだ」
ウルがビブレストに質問する。
「メディアとエリスからだ」
「ならば、メディアからの伝言を聞かせて貰おうか」
黒コートの人物がそう言うと、ゾロアスターはメディアという人物から預かった伝言を話し始めた。
「メディアからの伝言は、俺達が頼んでいたアレの完成の目処が立ったみてぇだ。ゾロアスター様に感謝しなさい、だとよ」
「メディアの奴は相変わらずだな」
ウルが呆れたように呟く。
「まぁ、メディアの事は今に始まった事ではない。次に、エリスからの伝言は何だ」
「ディエンドがディケイドと同じ世界に現れたみてぇだ」
「何だと・・・!」
ビブレストの言葉に黒コートの人物は驚く。
「しかも只のディエンドじゃないぜ。ディケイドと同じく強化改造されたドライバーを使っているみてぇだ」
「随分と面倒な事になったな」
黒コートの人物が顎に手をやる。
「エリスが言うには、ディケイドと手を組んでいる訳じゃねぇが俺達の味方になる事はまず無いって事だぜ」
「第3勢力って事か・・・どうする、
ウルの質問に、リベリオンは少し考え口を開いた。
「ディエンドが居ようが俺達の為すべき事は変わらない。全てはプロジェクト・レナトゥスの為に」
「彼も気づいたようですね」
全てが白く染まった世界でフィリウスを魔王学院の世界へ転生させた女神が呟いた。
「ですが、まだ知る術は無いでしょう。それよりも・・・」
女神の前に小さなスクリーンのような物が現れる。
「ディエンド。あの時、ディエンドライバーを奪われてしまったのであり得る話ですが、厄介な事になりましたね」
スクリーンに映し出されたディエンドを見て愚痴る女神。
「ディエンドは良いですが、彼のドライバーが強化改造されているという事は行方不明だったあの人も生きているとみて間違いないですね」
スクリーンを消して、女神は口を開く。
「まぁ、良いです。彼の為にも様子を見ておきましょう」
そう言って、女神は再び魔王学院の世界を観察するのだった。
辺り一面、漆黒の世界に1人の男が立っていた。
「いつも思うけど、此処は辺り一面なのに僕達が鮮明に映るなんて随分と不思議な空間だよね」
男の背後にオーロラカーテンが出現すると、そこからディエンドの変身者であるルパン・アルネウスが現れた。
「君の言った通り、ディケイドの変身者があの世界に現れた」
「ディケイドの変身者は門矢士だったか?」
「いや、フィリウス・マーロウという名前だった。君が言っていた人物像と似ている所もあったけど、ほとんど違っていた」
「門矢士とは別人という事か?」
「僕だったらそう思うね」
ルパンは、フィリウスが門矢士という人物とは別人だと言いきった。
「それと、リベリオン達が彼に接触していた。ホッパーゼクターをあの世界の住人に渡してたし、コレとかね」
そう言って、ルパンは異空間に収納していたバクヴァイザーⅡを取り出した。
「それを使ったとなると、リベリオン達は本気でディケイドを殺そうとしているようだな」
「とりあえず、これが僕の知っている全てだ」
「あぁ、ご苦労だった。また、何か分かったら伝えてくれ」
「全く、君との契約とはいえ随分と扱き使ってくるね」
「別に私の指示に従わなくても構わないが、その場合は契約違反と見做して良いんだな」
ルパンの嫌そうな言葉に、男は脅迫とも言える言葉をルパンに突き付ける。
「冗談だよ。こうして僕が此処に居る事が出来るのも全て君のおかげだ。だから、君の目的を果たすまで僕は君に従うとするよ」
ルパンはオーロラカーテンを出現させると、そこに向かって歩き出すが、途中で立ち止まり男の方に振り向く。
「けど、君の目的が果たせたら僕への契約の対価、しっかり払ってくれるよね?」
「あぁ。私の目的が果たせたら、だがな」
「今はその言葉を信じるとするよ」
ルパンはオーロラカーテンをくぐり、その場を後にするのだった。
如何でしたか?
リベリオンサイド、フィリウスを転生させた女神サイド、ルパンサイドが描かれました。
彼らが魔王学院の不適合者の物語にどう影響を及ぼしていくかも注目して欲しいです。
因みにですが、現時点でリベリオン達の目的が何なのか分かったらめっちゃ凄いです。一応、現時点で何をしようとしているのか当てる事は出来ない事はないです。皆様がどのような考察(する人が居るか怪しいですが)をしているのか、晒しても構わないという方はコメントとかで送っていただけると嬉しいです。
さて、第一章も終わり次回からは第二章の魔剣大会編となります。
それでは、また次回お会いしましょう。