暴虐の魔王と世界の破壊者   作:カトポン

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 どうも、おはこんばにちは・・・というか、お久しぶりです。
 執筆スピードが上がったと思ったら全然上がっていなかったカトポンでございます。今回からオリジナル展開です。尚、オリジナル展開にしたせいで遅くなったのですが・・・
 それでは、第36話をどうぞ。


第36話 全てを無に還す紫の欲望

「やぁ、久しぶりだね。フィリウス」

「ダンジョンで会った時以来だな」

 

 ルパン・アルネウス。俺の知り合いの中で唯一魔法学校に通っておらず、俺と同じようにライダーの力を使う謎の男だ。

 

「それで、わざわざ試験中に俺をこんな所に呼び出して何の用だ」

「君と少し話をしたくてね。こう見えて僕も忙しいから」

 

 とは言うものの、ルパンはおどけた口調で話すので本当に忙しいのかは分からない。

 

「奇遇だな。俺もお前と話をしたいと思っていたからだ」

「フィリウスがそんな事を言ってくれるなんて・・・僕も嬉しいよ。それで、僕に話したい事ってなんだい?」

「俺と戦った時の別れ際、お前は俺に「記憶しているもの全てが正しいとは限らない」と言っていたな。それはこの世界に来る前の記憶が無い事と影響しているのか?」

 

 ミーシャに〈蓮葉氷の指輪〉を左手の指輪に何も考えずにはめた時、サーシャから指摘されるまで左手の薬指にはめられた指輪は婚約を意味するという前世の知識が抜け落ちていた。まるで、サーシャに指摘されるまでそんな事を知らなかったかのように。

 そして、その日から自分には前世で培ったであろう知識はあるが、前世の記憶や思い出が欠如しているのでろうと結論づけた。

 

「この世界に来る前の記憶・・・ね。やはり、君はまだ知らないようだね」

「どういう事だ」

「自分が何者なのかって事さ」

 

 俺が何者なのか俺自身が何も分かっていない。

 

「あぁ、それと僕が言っていた忠告は間接的に関係あると言えるのかな。少なくとも、僕はその事であんな忠告をした訳じゃないよ」

「なら、あの忠告は一体何を指しているんだ」

「それは君自身の力で知って欲しいな。まぁ、1つ言えるのは変に難しく考えない方が良いね」

「変に難しく考えない方が良い・・・」

「君は僕の事胡散臭い人間とでも思ってるんだけど、これだけは本当の事を言ってるよ。忠告した言葉のまま、変に難しく考えなければ自ずと答えは出てくる」

 

 確かに、ルパンの事は胡散臭くて信用するに値しない人物だとは思っているが、いつものおどけた口調ではないせいかルパンの言うように本当の事を言っているような気がする。

 根拠がおどけた口調じゃないからという少し弱い物だが、それでも情報がそれしか無い以上、今はルパンの言葉を信じるしかない。

 

「さて、君が僕へ聞きたい事も聴き終えた事だろうから今度は僕の要件を済ませるとしよう」

 

 そうだった。ルパンも何か俺に目的があって接触してきたのだ。

 ただ、その目的が何のか未だ見当がつかないが。

 

「君はリベリオンという人物を知っているね」

「あ、あぁ。直接会った訳じゃないがな。その協力者を名乗る奴とも一度会ったしな」

 

 魔王学院の入学試験があった日の夜に実技試験の対戦相手が兄を引き連れてパンチホッパーとキックホッパーにそれぞれ変身して闇討ちしてきた。兄も弟もクロックアップを知らないなどとても使いこなしているとは言えない状態だったので危なげなく返り討ちにしたのだが、その時の尋問でホッパーゼクターとゼクトバックルを渡したのがリベリオンという人物だったのが判明した。

 そして、ミーシャとサーシャの過去を変える為に時の番神エウゴ・ラ・ラヴィアズと戦っていた際、リベリオンの協力者と名乗るウルが俺に接触して来た。ネオディケイドライバーを渡せとか言われて俺は拒絶したのだが、選択を間違えたとかと言ってゲムデウスクロノスを呼び出してきた。

 そして、リベリオン達が俺を狙う理由にこんな事を言っていたな。確か・・・。

 

「・・・『プロジェクト・レナトゥス』」

「なんだい?それは」

「リベリオンの協力者・・・ウルという奴と言った時が言ったんだ。俺を狙う為の理由はこの世界の為であり、俺は『プロジェクト・レナトゥス』の為に礎になるのだと」

 

 奴等の言う『プロジェクト・レナトゥス』が何なのかは分からない。

 只、その『プロジェクト・レナトゥス』に俺・・・いや、俺の持つディケイドの力が必要なのだろう。

 

「その『プロジェクト・レナトゥス』がどんな物なのかは僕にも分からないけど、その行き着く先が彼等の目的であるのは間違いないだろうね」

「お前はアイツらの目的を知っているのか?」

「知っているというよりもこうなんじゃないかっていう予測に過ぎないけどね。君を呼び出した理由も彼等の目的を共有する為だし」

「じゃあ、単刀直入に聞く。お前の予測するアイツらの目的はなんだ?」

「・・・この世界から、ライダーの存在を抹消する。それがリベリオンの目的なんじゃないかと僕は推測しているよ」

 

 この世界からライダーの存在を抹消する。

 確かに、この世界には俺やルパンのようにライダーの力を持つ物が居る訳だし物語としてライダーが間接的に存在している。

 そして、本来なら、この世界にライダーなんて物は存在しない。

 つまり、リベリオン達の目的は本来ならこの世界では異物とも言えるライダーの存在を抹消し、世界をあるべき姿に戻すとでも言ったところか?

 とりあえず、ルパンに詳しい事を聞いてみようと視線を上げた時だった。

 

「ルパン、横に飛べ!」

 

 ルパン以外の気配を感じた俺は、そっちの方を見てみると手から光の玉のような物を放とうとしている瞬間だった。

 ルパンは懐疑的な態度を取りつつも、俺の指示に従い横に飛ぶ。俺も横に飛ぶと、元々俺達が立っていた所を光弾が通過し、湖に着弾した。

 

「出てこいよ。そこに居るんだろ?」

 

 光弾が飛んできた方を見て俺は言葉を発する。

 程なくして、光弾から飛んできた方からフードを被った黒コートの人物が現れた。

 

「俺に気づくとは腐ってもディケイドの力を持っているだけの事はあるみてぇだな。フィリウス・マーロウ」

 

 そう言って、黒コートの人物はフードを脱いで素顔を露わにする。

 短めの赤味がかった茶髪に髭の生えた厳つい男で、筋骨隆々でごつい見た目がそれを助長させている。

 

「そして、貴様がディエンドだな」

 

 黒コートの人物がルパンの方を見る。

 

「エリスから聞かされた時は半身半疑だったが、どうやら本当だったみてぇだな」

「そう言う君はリベリオンの協力者かな?仮に違っていたとしても僕達を問答無用で攻撃してきた辺り、敵である事は間違いないようだし」

「なら、隠す必要もねぇな。俺の名はビブレスト。テメェの言う通り、リベリオンの協力者だ」

 

 黒コートの人物改め、ビブレストもリベリオンの協力者のようだ。まぁ、ウルと同じ黒コートを着ていたのでそんな気はしていたが。

 

「ディケイドにディエンド。『プロジェクト・レナトゥス』の為に此処で死んで貰うぞ」

 

 ビブレストの背後にオーロラカーテンが出現すると、そこからカザリとガメルが現れた。しかも、両方完全体である。

 カザリ完全体とガメル完全体を呼び出したビブレストは、カザリとガメルが出てきたオーロラカーテンをくぐり、その場を後にする。

 

「俺達に直接、手を下すまでもないってか」

「僕達は随分と舐められてるみたいだね。ところで、フィリウス。ここは1つ共闘といかないかい?」

「奇遇だな。俺もそう思っていたところだ」

 

 俺はネオディケイドライバーを取り出すと、腰に当てて装着。ライドブッカーからディケイドのライダーカードを取り出すと顔の横に構え、ネオディエンドライバーに挿入する。

 ルパンもくるくるとネオディエンドライバーを回しながら顔の横に持ってくると、ディエンドのライダーカードを敵に見せつけるように構える。ネオディエンドライバーを下げ、ディエンドのライダーカードをネオディエンドライバーのライドリーダーに挿入し、左手でディヴァインフォアエンドを前にスライドさせる。

 

『『KAMEN RIDE』』

「「変身!!」」

『DECADE』

『DIEND』

 

 俺はネオディケイドライバーのディヴァインサイドバンドルを押し込み、ルパンはネオディエンドライバーのエンドトリガーを引いて変身する。

 

「カザリは俺がやる。お前はガメルを頼めるか?」

「君1人で大丈夫なのかい?」

 

 ルパンが俺を小馬鹿にするように言う。

 

「なんだ、1人じゃ不安なのか?」

 

 それに対して、俺は皮肉を込めて言い返す。

 

「言ってくれるね。それじゃあ、僕はガメルの相手に専念するよ」

 

 ディエンドはガメルの方へと銃弾を放ちながら走り出す。

 俺もライドブッカーをソードモードにして、カザリへと向かい、ライドブッカーを振るうが、前腕の装甲部分に防がれる。

 

「君が僕の相手かい?」

「そうだな。お前を野放しにする訳にはいかないし、此処で倒させて貰う」

 

 ライドブッカーで腕を押さえつけて、森の中へと強引に押し込むと、カザリの顔面を正拳突きでぶん殴る。

 

「誰だか知らないけど、僕の邪魔をするなら容赦しないよ」

 

 カザリの後頭部にあるたてがみを触手のように操り、俺の身体に巻き付けて動きを封じてくる。

 さらに、動きを封じられた俺を地面に何度も叩きつけ最終的にポイッと放り投げられる。凄まじい速さで放り投げられた為、木々を薙ぎ倒しながら吹っ飛ばされてしまった。

 

「流石、完全体なだけあるな」

 

 なんとか、起き上がった俺はライドブッカーからカードを取り出す。

 

「だが、この姿でも同じ事が出来るかな」

『FORM RIDE』

 

 取り出したカードをネオディケイドライバーに挿入すると、カザリがたてがみの先端から弾丸を射出してきたので転がりながら避けてディヴァインサイドハンドルを押し込む。

 

『OOO SHAUTA』

『シャッ・シャッ・シャウタ!シャッ・シャッ・シャウタ!』

 

 ディケイドオーズ シャウタコンボにフォームライドした俺はカザリの攻撃を液状化でやり過ごしながら接近する。

 

「お返しだ」

 

 ウナギウィップをカザリの身体に巻きつけて動きを封じるとウナギウィップに高圧電流を流す。

 

「吹っ飛べ」

 

 さらに、ハンマー投げのようにその場でグルグルと回転して遠心力を加えると、ウナギウィップごとカザリをぶん投げる。

 

『FINAL ATTACK RIDE』

「これで決める」

 

 ライドブッカーから取り出した黄色のライダーカードをネオディケイドライバーに挿入する。

 

『O O O OOO!』

 

 ディヴァインサイドバンドルを押し込みカードの力を解放する。

 俺は木々を蹴って、吹っ飛んでいるカザリに追いつくと、タコレッグを1つに束ね、カザリを貫こうとするが・・・

 

「あまり、僕の事を舐めないでもらえるかな。オーズもどき」

 

 直前になってウナギウィップの拘束から脱出し、無数のたてがみを触手のように操って1つに束ねたタコレッグを包み込むと、ブンッと頭を振って地面に叩きつける。

 

「ぐっ!」

 

 地面に叩きつけられた衝撃で動けない俺にカザリは爪で攻撃しようとしてきたのをゴロゴロ転がってなんとか避ける。

 

「だったら、スピードにはスピードだ」

『FORM RIDE OOO RATORATA』

 

 ディケイドオーズ ラトラーターコンボにフォームライドして、カザリに突撃する。

 カザリがたてがみの先端から弾丸を射出してくるがチーターレッグの俊足で避けると展開したトラクローでカザリを攻撃する。カザリも負けじと爪で応戦してくる。

 攻撃こそ最大の防御と言わんばかりに接近戦を繰り広げるが、一瞬の隙を突かれて爪の連撃を食らってしまい、地面をゴロゴロ転がる。

 

「やっぱり、アレを使うしかないか・・・」

 

 正直、あんまり使いたくないが腐っても完全体。アレを使わなければ、今の俺では勝てない。

 

「しゃあねぇ。特別出血大サービスだ!」

『FINAL KAMEN RIDE』

 

 ライドブッカーから取り出したカードをネオディケイドライバーに挿入。

 この力を使うと俺がどうなるのか定かではないが、やるしかない。

 覚悟を決めた俺は、ネオディケイドライバーのディヴァインサイドハンドルを押し込む。

 

『OOO PUTOTYRA』

『プ・ト・ティラーノ・ザウルーゥス!! 』

 

 ディケイドオーズ プトティラコンボにファイナルカメンライドした。

 どうやら、実際に恐竜メダルを使ってる訳ではないので、今のところ大丈夫そうだ。

 

『ATACK RIDE  MEDAGABURYU』

 

 カードの力で地面から取り出したメダガブリューを振るうがカザリの爪に防がれ、こっちがカザリの爪の攻撃を受けて後ずさる。

 やはり、メダガブリューによるメダル破壊を警戒しているのかメダガブリューの攻撃だけはしっかり防いでくる。

 なら・・・

 

「これでどうだ」

 

 ライドブッカーから取り出した黄色のライダーカードをネオディケイドライバーに挿入。ディヴァインサイドハンドルを押し込みカードの力を解放する。

 

『FINAL ATTACK RIDE O O O OOO!』

 

 両肩にあるワインドスティンガーを伸ばしてカザリを貫き、そのまま羽ばたきによる冷気でカザリを氷漬けにする。

 さらに、氷漬けにして動きを封じたカザリにメダガブリューで標的を両断する必殺技、グランド・オブ・レイジを放ちカザリの動きを封じていた氷諸共、体内にあるコアメダルを砕く。

 グランド・オブ・レイジによってコアメダルを砕かれたカザリはセルメダルを輩出して後ずさる。

 

「これで決める」

 

 カザリから輩出されたセルメダルをメダガブリューに1枚投入する。

 

『プ・ト・ティラーノ・ヒッサ~ツ!! 』

 

 メダガブリューをアックスモードからバズーカモードに変形させ、セルメダルのエネルギーを凝縮した強力な破壊光線を放つ必殺技、ストレインドゥームを放つ。

 ストレインドゥームによって、カザリは樹々を薙ぎ倒して吹っ飛んだ。

 

「ハァ・・・ハァ・・・くっ!」

 

 俺は思わず片膝をつく。

 変身も強制的に解除され、元の姿に戻る。暴走する危険性は無さそうだが、体力はごっそり持ってかれた。

 

「ハァハァ・・・どうなった?」

 

 ヨロヨロと立ち上がり、木々を伝ってカザリが吹っ飛んでいた方向へと向かう。

 ところどころにセルメダルが落ちているのでそれを伝っていくと、カザリが人間態の姿で横たわっているのを見つけた。

 手を伸ばして、何か言っているが距離が離れていたので聞き取れなかった。そのまま、カザリはメダルとなって消滅し、定かではないが意識を司るライオンメダルが砕け散るのだった。




 如何でしたか?
 前半はルパンとの対話、後半はカザリとの対決でした。尚、ガメル戦は次回です。予定では三人称視点でお送りする事になります。ルパンの一人称視点だと色々と面倒臭いので。
 それはそうと、現在公開中のビヨンド・ジェネレーションズを見てきました。見終わった後でまさか、こんなにもセンチュリーにハマるとは思わなかったです。
 リバイスも第一シーズンが終わりましたが、目が離せません。一番、気になるのはパパさんの心臓がない問題。しかも、ギフ様の石像には心臓があるようですし・・・これは、まさかパパさんがギフ様なのか?しかも、新年明けた1発目には新フォームと目が離せません。
 それでは、また次回お会いしましょう。
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