あーでもないこーでもないと書いては削ってを繰り返していたらこんなにも遅くなってしまいました。別の作品を書いていたのもある訳ですが……。さらには、お気に入りも50人を突破していて本当にびっくりしました。こんな駄文にお気に入りしてくださりありがとうございます。
それでは、前書きもここまでにして第7話をどうぞ。
カランカラン、と店のドアベルが鳴った。
「いらっしゃ――あ、アノスちゃん、おかえりなさい」
店番をしていたアノスの母さん……イザベラさんがアノスの方へ歩いてくる。
「……ど、どうだった?」
緊張した面持ちでイザベラさんが言う。
「合格したよ」
アノスがそう口にすると、イザベラさんがほっとしたように顔を綻ばせ、アノスををぎゅっと抱きよせた。
「おめでとうっ!おめでとう、アノスちゃんっ!すごいわ! 一ヶ月で学院に合格しちゃうなんて、本当にどうしてそんなに賢いの、アノスちゃんはっ!今夜はご馳走にするわねっ!!アノスちゃんはなにが食べたい?」
「そうだな。キノコグラタンがいい」
知ってる。アノス好きだもんな、キノコグラタン。
「ふふー、わかったわ。キノコグラタン、アノスちゃん、大好きだものね。そう言うと思ってお母さん、ちゃーんと下ごしらえしてあるのよ。ん?どなた?」
「あぁ、紹介が遅れた。今日、学院で知り合ったミーシャ・ネクロンとフィリウス・マーロウだ」
「……よろしく……」
「お邪魔してます」
俺とミーシャはイザベラさんに挨拶する。
「アノスちゃんが……アノスちゃんが……」
イザベラさんは動転したように大声で口走った。
「わたし達のアノスちゃんが、もうお友達を連れてきちゃったよぉっーーーーーーーー!!!」
イザベラさんの声が家中に響き渡る。
と思ったら、バタンッと勢いよく工房のドアが開かれた。
「イザベラ!本当か!?アノスに初めての友達が出来たのか!!」
とアノスのお父さんが歓喜の声で入って来る。名前は……ごめんなさい、忘れました。
「振り返れば、お前が生まれたのがつい先日のように思い出される」
アノスのお父さんはなんだか気取ったポーズを決めて、窓に視線を注いでいる。
「いつか、父さんはこんな日が来るだろうと思っていたんだ。だけど、長いようで少し短かったな」
はは、と爽やかにアノスのお父さんは笑った。
そりゃそうだ。アノスは生まれて1ヶ月か2ヶ月くらいだから短いに決まってる。
「いや、めでたい。イザベラ、今夜はご馳走だ。派手に祝うぞ」
「うん、わかってるわ、あなた。アノスちゃんのお友達だものね」
満面の笑みを浮かべるアノスの父さんと、涙ぐむアノスのお母さん。
二人は向かい合い、うんうんとうなずいている。
「アノス。今日は手伝わなくても、父さんたちだけでやるから。ミーシャちゃんやフィリウスくんに部屋でも見せてやりな」
アノスのお父さんに背中をぐいぐい押されるがまま、二階に上がり、俺の部屋までやってくる。
「ごゆっくり」
と言ってアノスのお父さんはドアを閉める。
さて、アノスの部屋に来たーー押し込まれたの方が正しいがーー
ミーシャはアノスの部屋にぼーっと視線を巡らせている。
「……なにもない部屋……」
「引っ越してきたばかりだからな」
「元々此処に住んでなかったのか?」
「うむ。デルゾゲードからの招待状が届いた時に引っ越してな」
「そうだったのか」
アノスが此処に引っ越してきたのは知らなかった。
「でも、ほんとに悪かったな。騒がしい両親で」
ミーシャは首を左右に振る。
「……慣れてる……」
「確かにミーシャの父さんも、似たようなところあるな」
「……違う……」
「ああ、悪い。さすがにうちほどじゃないか」
ミーシャはまた首を左右に振った。
「……お父さんじゃない……」
「今朝、見送りに来ていたのが父親じゃないってことか?」
ミーシャはうなずく。
「……親代わり……」
「じゃ、実の親はどうしたんだ?」
「……忙しい……」
そういや、ミーシャのネクロン家は七魔皇老の直系だったな。親が忙しいのも納得である。
この後はアノスとミーシャが兄弟や姉妹の話題になり、アノスがミーシャによしよしされていた。
その話題についていけなかった俺は、ライドブッカーからカードを取り出して何が入っているか確認していた。
「フィリウス、そのカードは?」
「ライダーカードだ。このカードを使って変身したり、技を使ったり出来るディケイドの力の源だな」
「見ても良いか?」
「あぁ。ほら」
全部出すとしまうのが面倒なのでクウガ〜ジオウにカメンライドするためのライダーカードをアノスに渡す。
「クウガ………アギト………」
え?なんでアノスがライダーの名前を知っているんだ?ライダーカードは英語で書かれているから俺にしか読めないだろ。
「アノス、ライダーを知っているのか?」
「らいだー?初めて聞いたが、カードに描かれた戦士なら2000年前に書物で見た事あってな」
ちょっと待て書物で見た事あったってどういう事だ?
「詳しく聞かせてくれないか?」
「構わんぞ。そのカードに描かれた戦士達だが、18の物語になっていた。この赤い戦士は『ア_ニューレジェンドクウガ』に出てきたクウガ、この黄金の戦士は『金色龍のアギト』に出てきたアギトといった感じでな」
その題名どっかで聞き覚えがあるなと思ったらセイバーのレジェンドワンダーライドブックと題名一緒じゃねぇか。
いや待て、18の物語って2つ抜けてんじゃん。
「アノス、そのカードの中で知らない奴はどれだ」
「この2人だな」
アノスはそう言って2枚のカードを俺に見せる。見せてきたのはディケイドとジオウだった。
なんで、この2人だけ物語が無いのかは分からないが、どんなに考えたところで答えは出てこないであろう。
俺はアノスからライダーカードを受け取るとライダーブッカーに全てしまうと、料理が出来るまで3人でとりとめのない会話を交わすのだった。
如何でしたか?
いつもよりも文字数は少ないですが、これ以上伸ばすといつ投稿出来るか分かったものじゃないので。
今回は色々と気になる所があるんじゃないでしょうか。この辺りもいずれ色々な事が判明していくので楽しみにしていてください。
それではまた次回お会いしましょう。