501のウィザード   作:青雷

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えー、はい。奴には頼らず頑張りました。何がかはお楽しみに。


アフリカの星

 マルタ島奪還を翌日に控えた昼の訓練──美緒監修の下、隊員全員で滑走路を5往復という中々ハードなトレーニングに励む501部隊。そこに混じって走る"アフリカの星"ことマルセイユは、意外と言うべきか当然と言うべきか、美緒のトレーニングにもついて行っていた。

 大抵の者がスタミナを切らしてキツくなってくる最後の1往復。マルセイユの姿は3番手にあった。彼女の前を走るのは、先頭を行くシャーリーと、その後ろを付いて行くユーリだ。

 

「はぁ、はぁ……よしッ、このまま1着は頂き──!」

 

「いいや、私だ──ッ!」

 

「なにっ!?」

 

 ゴール目前でマルセイユは意地を見せ、前にいたシャーリーとユーリを抜き去る。そのまま彼女が1着でゴールし、最後の最後で抜かれたことで動揺してしまったのか、シャーリーもタッチの差でユーリに先着を許してしまった。

 足を止めて肩で息をするマルセイユは、ほぼ最後尾を走るハルトマンを見やる。やはり彼女はマルセイユとの勝負に興味は無いらしく、自分がゴールすることで精一杯といった様子だ。

 

 それならばとマルセイユは、自分と同じく息を整えるユーリの元へ向かうと……

 

「はぁ…はぁ……どうだ!私の勝ちだ!」

 

 と、堂々の勝利宣言を行う。唐突に敗北を言い渡されたユーリはというと、

 

「はい、最後の巻き返しはお見事でした。流石アフリカのエースです」

 

 と、素直にマルセイユの勝利を讃えた。

 

 訓練を終えた後の昼食──ここでも、マルセイユはハルトマンとユーリに勝負を持ちかけていた。内容は大食い及び早食いといった所だろうか。食べる速さと量を競うつもりらしい。

 

「──もう一杯」

 

「あ、はい!」

 

 お櫃からご飯をよそう芳佳はマルセイユの食べっぷりを気に入ったらしく、ご機嫌な様子だ。

 

「扶桑の料理、お好きなんですか?」

 

「ああ。ウチの部隊にも扶桑のウィッチがいるからな」

 

 おかわりの盛られた茶碗を受け取るなり、勢いよく食べ始めるマルセイユ。おかずの魚も綺麗に食べている辺り、彼女の言葉に偽りがないのは明らかなのだが……

 

「──でも、納豆(コイツ)だけはダメだな。部隊の仲間からも勧められたが、未だに美味さが分からん」

 

「うーん……納豆、美味しくて体にも良いんですけど……501(ウチ)、食べられる人少ないんですよねぇ」

 

「では、僕が頂きます。丁度ご飯が余ってしまったので」

 

 と、マルセイユの分の納豆はユーリに渡り、茶碗に残ったご飯に納豆を乗せて食べ始める。

 

「私はもう一杯くれ」

 

 またもおかわりを所望するマルセイユだったが、先程のおかわりを最後にお櫃の中の白米は底を突いていた。

 

「そうか、残念だ──また私の勝ちだな!……ウッ」

 

「マルセイユ大尉、急いで食べ過ぎですよ。今日はもう訓練はありませんし、少し部屋で横になられては?」

 

 正面と隣に座るハルトマンとユーリに再び勝ち誇るマルセイユだったが、流石に詰め込みすぎたのか、少し苦しそうにしている。丁度食べ終えたユーリに、部屋まで付き添って貰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は過ぎ、その日の夜──マルセイユは、ハルトマンと共に風呂に浸かっていた。

 

「昼間の訓練と昼食。お前と奴を合わせて私の4勝だ。そのはずなのに……ッ」

 

 何かが爆発したらしいマルセイユは、勢いよく湯船から立ち上がる。

 

「──あのウィザードは何なんだ!?勝負は間違いなく私が勝ったのに、イマイチ釈然としない!」

 

 訓練で1着を取った時、ユーリは悔しがる素振りなどまるで見せず、素直にマルセイユの実力を賞賛した。昼食の時に至っては、完食のスピードと量ではマルセイユが圧倒的だったにも関わらず、彼女が食べられなかった納豆を嫌な顔一つせず食べており、挙句の果てには食べ過ぎたマルセイユを部屋まで送ってくれた。

 マルセイユとしては何か1つでも悔しがるような素振りを見せてくれれば良かったのだが、ハッキリ言って勝った気がしない。勝負に勝って戦いに負けた気分だ。

 

「だからそもそも勝負なんてしてないんだってば──っていうか、ユーリにまでちょっかいかけるなよ」

 

「益々イメージと違う……もっと張り合いのある奴かと思っていたが、とんだ肩透かしだ──あんな奴1人で、本当にネウロイを相手出来るのか?お前と私で飛行訓練してた時も、あいつは1人で遊んでただけじゃないか」

 

 マルセイユ達が作戦メンバーに決まってからというものの、ユーリはずっと1人で訓練を行っていた。ただ、マルセイユが目にしたその訓練というのが、束ねた鉄パイプを両脇に抱えてブンブン振り回すというもので、傍目には訓練にすら見えない、遊んでいると思われても仕方のないものだった。

 

「ユーリなりに何か考えてるんだよ、多分」

 

「……私は、あんな奴に……」

 

 ボソリと呟いたマルセイユの言葉を、ハルトマンは聞き逃さなかった。

 

「……そもそもさ、どーしてユーリにまで突っかかる訳?初対面でしょ」

 

 前に聞いた時は答えなかったマルセイユだが、お風呂効果というやつなのか、静かに語り始めた。

 

「……私のいるアフリカ戦線が、依然厳しい状況にあるのは知ってるな?」

 

「うん。そっちのネウロイって強いの多いんでしょ?」

 

「そうだ。今では戦況もかなり持ち直したが、それでもまだアフリカの巣には手が届いていない──兵士やウィッチの間からも、一定数不安の声はあるのが事実だ」

 

 ただでさえアフリカは砂漠地帯で、物資も潤沢とは言えない。何より「水の一滴が血の一滴」と言われる程に水の重要性が他の地域よりも格段に高かった。そんな状況下で強力なネウロイと毎日のように戦っているのがアフリカ戦線の実状だ。

 ストームウィッチーズが結成されてからは戦況もいくらか好転したし、中でも突出した実力を持つマルセイユの存在は、現場で戦う兵士やウィッチ達の士気向上にも役立っていた。文字通り、彼女は砂嵐吹き荒れるアフリカの地に道を指し示す"星"だったのだ。

 しかしそんな彼女の力を以てしても、ある時には怪我人が、またある時には死者が出る。いくらマルセイユという希望があるとは言え、このまま戦って勝ち目はあるのか?という声が上がるのも、無理はなかった。

 

 そんな時だ。世界初のウィザードが、502部隊と共に白海に出現したネウロイの巣を破壊したという報せが舞い込んできたのは。

 

 まさかのニュースに、アフリカの人々も浮き足立つ。マルセイユも、果たしてどんな奴なのだろうと興味を惹かれて新聞に目を通していたのだが……

 

 

 ──彼がアフリカに来てくれたら、大助かりなんだけどなぁ。

 

 

 ふと、兵士達の雑談が耳に入る。次の瞬間、読みかけだった新聞を握り潰していた。加えて、以降は僚機であるライーサに新聞を読ませて、ウィザードに関する情報は意図的にシャットアウトするようになった。自分で読んだのは、彼の記事が載ってない日だけだ。

 

「──私は"アフリカの星"だ。私という星がその輝きを失えば、後に続く他の奴らが道を見失ってしまう。だから絶対に負ける訳にはいかない。勝って、輝き続けなければならないんだ」

 

「アフリカも大変なんだなぁ……」

 

「ふふっ、大変だが良い所だぞ。うるさい上官もいないし、胡散臭い連合軍上層部も殆ど関わってこない。お陰で気ままにやらせてもらってるさ」

 

「……じゃあ何で今回の作戦に参加したわけ?その胡散臭い上層部の言うこと聞く必要ないんじゃない?」

 

 今回の作戦に於ける突然のマルセイユの参加は、連合軍上層部──厳密には、その多くを占めるカールスラント軍の思惑が見え隠れしている。さしずめ、自軍のトップエース2人と、現在連合軍お抱えとなっているユーリでマルタ島を奪還することで、ブリタニアの失態を取り戻すと同時に、ブリタニアに対する発言力を増大させる狙いがあるはずだ。

 

「上層部の人気取りくらい、たまには付き合ってやるさ──それでアフリカ部隊が守れるなら、安いもんだ」

 

 如何に"アフリカの星"といえど、太刀打ちできない圧倒的な力というのは存在する。それらから仲間を守る為に、彼女はここへ来た。何より──

 

「何より、501にはエーリカ・ハルトマンと、あのウィザードもいたからな」

 

 予てよりライバルだったハルトマンとの決着。そして"アフリカの星"として自分はユーリよりも強いのだと証明する為に、マルセイユはこの作戦を受けた。もしハルトマンもユーリもいなかったなら、或いは参加を拒否するか、そうでなくとも渋っていたかもしれない。

 そんなマルセイユの心情を察してか否か、ハルトマンは「なんだそりゃ」と気の抜けた返事を返すのだった。

 

 風呂での語らいを終えた2人が脱衣場へ戻ると、これから入ろうとしていたらしいシャーリーらと鉢合わせた。

 

「おっ、どうだった。初めての風呂は?」

 

「ああ、中々悪くな──いィッ!?」

 

 言葉の最後が跳ね上がったのは、彼女の背後から伸びる手──いつの間にかマルセイユの背後を取り、彼女の胸を揉みしだくルッキーニが原因だった。

 

「おぉ~!おっきい!」

 

「お、お前……私の後ろを……ッ!?」

 

 タオル越しにマルセイユの胸の感触を堪能したルッキーニは一瞬だけ悩んでから、

 

「んー、でもやっぱりシャーリーの勝ち!」

 

「ふふん。まぁ当然だな!」

 

 と、シャーリーに軍配を上げた。これまで数多のウィッチの胸を揉んできた彼女だが、シャーリーと出会って以降トップの座は揺るがず、今回もその例に漏れなかったようだ。普通なら付き合うのも馬鹿らしいと思うこの勝負。しかし生憎、彼女はハンナ・マルセイユ──大の負けず嫌いであった。

 

「バカな、私の負けだと……!?──見ろ!形は世界一だ!」

 

「へんッ、形なんて好みの問題だろ!」

 

「垂れてるよりはマシだ!」

 

「んなッ!?どこが垂れてるってんだ!ほらよく見ろォ!」

 

「どうせすぐに垂れ始める。所詮は仮初の世界一だ、精々楽しんでおくといい」

 

「何だとォ……!?」

 

「やる気か……ッ!?」

 

 睨み合うシャーリーとマルセイユ。このままでは埓が明かないと判断したシャーリーは、ある提案を持ちかけた。

 

「だったら、決めてもらおうじゃないか……!」

 

「なにっ、誰にだ?」

 

「ふっふっふ、決まってるだろ──」

 

 

 

「──どうしてそこで僕なんですかッ!?」

 

 

 

「こーいう時は男の意見が1番だろッ!」

 

「マルセイユ大尉!シャーリーさんに乗せられてます!気づいてください!」

 

「そんな事を言って逃げるつもりか!」

 

「こんな事をされれば逃げますよッ!」

 

 風呂場を後にしたシャーリーとマルセイユが向かったのは、ユーリの部屋だった。ノックに応じてドアを開けたユーリは「ちょっと聞きたいことがあるんだけどさぁ」というにこやかなシャーリーの言葉を聞いた瞬間、背筋にゾクリとした感覚を覚え、反射的にドアを閉めようとしたのだが……向こうの方が一瞬早かった。

 完全にドアを閉じるには至らず、現在ユーリはシャーリー達2人とドアを開けるか閉じるかの戦いを繰り広げていた。

 

 1対1ならまず確実にユーリが勝つであろうこの戦いが拮抗しているのは、やはりマルセイユの存在が大きい。彼女がシャーリーに加勢していることで、ユーリに対抗できていた。

 

「くっ、こうなったら──マルセイユ!」

 

「いい加減に……観念ッ──しろォ!」

 

 シャーリーの目配せで、2人は禁じ手である魔法力の発動に踏み切る。身体能力が強化された事で、ユーリの必死の抵抗も空しく、ドアは破られてしまった。

 

「さぁて、決めてもらおうか。あたしとマルセイユ(こいつ)、どっちの胸が1番か……!」

 

「ぼ、僕をどうするつもりですか……!?」

 

 床に倒れ込み、ベッドまで後ずさったユーリに、シャーリー達の魔の手が迫る。

 

「決まってるだろ……!」

 

「世界一は、私だァ──ッ!」

 

 夜の501基地に、ユーリの悲鳴が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日──心なしか疲れた顔をしているユーリは、朝起きるなり格納庫へ向かっていた。作戦前にユニットの最終調整をしている整備兵達に声をかける。

 

「おはようございます。あの、504部隊から何か届いてませんか?」

 

「ああ、准尉。おはようございます。贈り物なら届いてますよ。ついさっきね」

 

 整備兵が顎で指し示した先には、細長い木箱が。箱を開け、中身を取り出してみる。

 

「……よし、これなら」

 

「にしても、急にそんなもの持ってきてもらうなんてどうしたんです?別に壊れた訳でもないでしょうに──あの、まさかたァ思いますが……?」

 

「はい。そのまさかです。正規の方法では間に合いそうになかったので」

 

「……そんな小さい体で、無茶しますねぇ」

 

「坂本さんの言葉を借りるなら、ウィッチに不可能はない。ですよ」

 

「へいへい。くれぐれも、ユニットだけ帰ってくるなんてこたァ止めてくださいよ」

 

「善処します」

 

 そう言った所で、基地にけたたましいベルの音が鳴り響く。どうやら時間のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青々とした地中海を、物々しい船団がマルタ島に向かって進んでいく。ロマーニャ、ブリタニア、カールスラントの3カ国からなる連合艦隊だ。その上空には501部隊のウィッチ達が護衛についており、万が一新たなネウロイが出現した際にも対応できるよう、準備は抜かりない。

 

「──3人とも聞こえる?」

 

 

『ああ、通信は良好だ』

 

 

 そう答えたマルセイユの姿は、ミーナ達の傍には無い。彼女だけでなく、ハルトマンとユーリの姿も無かった。今回の作戦に於いて最も重要な役目である突入部隊の3人は、ミーナ達の下──海中を征く扶桑の伊-400潜水空母に乗り込んでいた。

 

 

『確認するわよ──目標は、2体のネウロイに占拠されたマルタ島。まず最初に、第1目標の内部へ浮上し次第、ハルトマン中尉とマルセイユ大尉が出撃。潜水艦は即座に急速潜行して、続く第2目標へ向かいます。第2目標へ到着し次第、ザハロフ准尉が出撃。この時点で、潜水艦は戦線を離脱。突入部隊は護衛のネウロイを倒しつつ、速やかにコアを破壊する──ネウロイはどちらも要塞化していて、外からは手が出せない状態よ。この作戦が成功するかはあなた達に掛かってるわ。準備はいい?』

 

 

「いつでもオーケーだ」

 

「こっちもいいよ」

 

 

『30秒後に第1目標内部に浮上します。2人は出撃準備を』

 

 ミーナの指示を受けたハルトマンとマルセイユは、ストライカーをカタパルトにセットする。潜水艦が揺れ、浮上を始めたことを知らせてきた。

 

「──おいお前。精々落とされないよう頑張るんだな。とにかく生き残ってれば、私とハルトマンで助けに行ってやる」

 

「お気遣い、ありがとうございます。そちらもお気をつけて。カールスラントのトップエース2人が揃っているとはいえ、規模はそちらの方が大きいですから」

 

「はッ、人の心配をする余裕があるなら、出て行ってすぐ撃墜なんて無様な事にはならなさそうだ──ラル少佐達が認めたお前の実力、見せてもらうぞ」

 

「見せてもらうぞ──って、私達見えないじゃん」

 

「うるさい、言葉の綾だ!」

 

 

 束の間の雑談は、一際大きい揺れと波の音で終わりを告げる。

 

 

『第1目標到着!ハッチ開放!』

 

『作戦開始──!』

 

 

「「発進──ッ!」」

 

 

 2人を見送ったユーリは、つり革に捕まって急速潜行の揺れに耐える。程なくして、インカムからハルトマンの声が聞こえてきた。

 

 

『うわ、いっぱいいる!ざっと40くらい!』

 

 

「40……坂本さんの予想よりも多い」

 

 規模の大きい方でこれだと、ユーリが向かう第2目標には少なくともこの半数は待ち構えていることが予想される。こうなる事を見越してユーリとしても準備はしておいたが、それが果たしてどこまで通用してくれるか。

 最悪の場合はマルセイユが言っていたように、とにかく耐えと逃げに徹して彼女達が再度潜水艦で突入してくるのを待つ事になる。

 

 改めて気を引き締めた所で、再び大きな揺れ──ユーリの番だ。

 

 

『第2目標到着!ハッチ開放──!』

 

 

「発進──!」

 

 カタパルトに後押しされ、凄まじい速度で飛び出したユーリが目にしたのは、辺りを飛び交う大量の小型ネウロイと──

 

 

『ユーリさん、そっちの状況は!?』

 

 

「小型が20以上と、あれは──」

 

 

『他に何かあるの!?』

 

 

「ッ──すみません、話しながらは流石に── 一旦切ります!」

 

 

 通信を閉じたユーリは、先程からワラワラと群がってくる小型ネウロイの群れから逃げ回りつつ、()()()()()()銃を差し向ける──次の瞬間、愛銃であるシモノフと、今回の作戦の為に504部隊から融通してもらったゾロターンS-18対装甲ライフルが火を噴いた。

 

 轟音と共に放たれた2発の巨大な弾丸が群がる小型の1体に命中したかと思えば、内部に充填されたユーリの魔法力が〔炸裂〕──周囲にいた他のネウロイを巻き込んで、宙に2輪の白銀の花を咲かせた。

 

 この一瞬だけで固まるのは危険と判断したのか、ネウロイ達は散開。周囲からの集中砲火でユーリをすり潰そうとする。しかしこの状況こそ、ユーリの想定していたものだった。

 

「ッ───!!」

 

 襲い来るビームを躱し、シールドで防ぎながら、ユーリは縦横無尽にドーム内を飛び回る。そんな中、左右のライフルを腰だめに構えて引き金を引く。ネウロイが粉砕されると同時に、上方や背後、側面から深紅の閃光が襲いかかる。

 上と背後からの攻撃は回避とシールドでどうにかなったが、側面の攻撃は完全に躱しきれず、右肩を掠めた。

 

「ちぃッ──!」

 

 横目で肩の状態を確認するが、幸い文字通りの掠り傷のようだ。多少ピリピリと痛みはするが戦闘続行に問題はないだろう。

 しかし、思った以上に敵の攻撃が厚い。ユーリが1機落とす間に、視界の外から最低3本は閃光が襲いかかってくる。今のままでは、その内手痛いのをもらうのは必至だろう。

 左に抱えるもう1丁は機関銃にしておくべきだったかと後悔するが、今はそんな暇すら惜しい。悔やむよりも対策を考えなければ。

 

 数秒考えた結果、ユーリが選択したのは「徹底的に無駄を削ぎ落とす」ことだった。

 

 まず、照準にかける時間を極限まで削る。

 いちいち敵をしっかり狙っていては、他の敵の攻撃に反応できない。ユーリは「狙う」という動作を排除した。

 

 ──足りない。

 

 次いで、2丁の銃をもっと効率的に扱う。

 敵は周囲を囲むようにして攻撃を仕掛けてくる。ユーリの銃は速射が出来ない以上、こと今回に於いて銃口を正面に向け続けるメリットもほぼ無い。腕は2本あるのだ、左右で別の標的を同時に攻撃した方が効率的だろう。ユーリは「構える」という動作を排除した。

 

 ──まだ足りない。

 

 ならば次に排除するのは回避だ。攻撃されてから避けるのではなく、そもそも当てにくい変則的な機動を取ることで、回避に割く思考を攻撃に回す。戦闘に差し障る、致命傷になりそうな攻撃だけをシールドで防げばいい。

 

 瞬く間に最適化が施されていくユーリの動きは、すっかり見違えるものだった。

 まるで曲芸飛行の如く、小さな宙返りや体の捻りを織り交ぜてネウロイに狙いを付けさせず、逆に一瞬でもユーリの射線上に入ったネウロイは全て一撃の下に粉砕されていった。

 

 この戦い振りをもし誰かが目にしていたなら「異常」の2文字が口から溢れていたことだろう。何せ常人ならすぐ目を回してしまうだろう滅茶苦茶な飛び方をしながら、1丁でも相当な重量を誇る対装甲ライフルを片手で、それも2丁振り回し、本来じっくり狙って撃つ狙撃銃であるはずのこれらを、僅か一瞬の照準で──最早照準ですらない、偶然射線上に入ったような敵であろうと──撃ち、あまつさえ当ててみせる。〔三次元空間把握〕や〔未来予知〕でも持っていない限り出来ない芸当だ。

 

 次々と撃ち落とされていく小型ネウロイ達の思考を代弁するならば、きっとこんな事を考えているのではないだろうか。

 

 

 ──化け物。

 

 

 自分達の攻撃は確かに大部分防がれているが、掠っているものもある。攻撃を受ければ痛みを感じ、多少なりとも動きが鈍る。人間とはそういうモノのはずだ。なのに何故、自分達を手当たり次第に撃ち落とすこの人間はそうならない?

 それどころか攻撃を躱し、防ぎ、反撃を繰り返す度に、動きがどんどん正確無比になっているのは気のせいだろうか?……否。事実、こちらの戦力の消耗速度が上がっている。

これでは自分m──

 

 

 突入してから僅か1分──内部で実際に待ち構えていた小型ネウロイ30機の内、25機を片付けるまでに掛かった時間だ。

 あの攻撃と同時並行で行われる滅茶苦茶な機動のせいで、排莢されたばかりのまだ熱を持った空薬莢が何度も頬や首筋を掠めたが、ユーリは一切動じない。

 

 ただ冷静に、冷徹に、淡々と──まるで機械のように、ネウロイを次々撃墜していく。

 

(敵、残り5──3)

 

 残敵を確認する間にも2機を落とし、残り3機──すれ違いざまに1機。時間差で攻撃しようとしたもう1機も、その前に撃ち落とす。

 

(──ゼロ)

 

 最後の1機を撃ち抜いたユーリは、本体であるこのドームを形成するコアにシモノフを差し向ける。

 

 しかし──

 

「ッ──!?」

 

 突如、下から深紅の光が駆け上った。

 寸での所で回避したユーリは、光の根源──ここまで微動だにしなかったことから一時的に意識より排除していた、地上にある巨大な六角形の物体を見下ろす。このドームの一部だと思っていたアレは、どうやら別個体のネウロイだったらしい。その証拠に、ユーリ目掛けて放たれたビームはドームの天井を突き抜け、そこにあったコアを破壊していた。

 

 核が破壊されたことで、周囲を覆っていたドームがゆっくりと崩れていく。天井に空いた穴から差し込む陽の光を浴びたネウロイは、遂にその巨体を揺るがした。

 

(なる程……ドーム型ネウロイは卵だったのか)

 

 巨大な陸亀──といった所だろうか。あの六角形を中心に、4本の足と、頭部と思しき部位が伸びてきた。ただ普通の亀と決定的に違うのは、甲羅の上に背負った2門の大砲だろう。

 

 亀型ネウロイは背中の大砲と、甲羅の随所に配置されたネウロイ特有の赤い砲門から、一斉にビームを放つ。一見無差別にも見える攻撃だが、恐らく本命なのだろう大砲の攻撃は連合艦隊へと向いている。

 幸いビームは狙いを逸れ、艦隊周辺の海を大きく揺らすに留まった。上空でマルタ島を見守っていたミーナ達は、突如ドームの中から出現したネウロイに驚きつつも応戦しようとするが──それより先に、亀型ネウロイの大砲が1門弾け飛ぶ。ユーリが破壊したのだ。

 

 亀型ネウロイは甲羅の砲門を全てユーリに照準し、一斉に放つ。しかしユーリはその弾幕を縫うようにして接近。右前足の付け根目掛けて、シモノフの引き金を引いた。通常のものより一際頑強に見えるネウロイの装甲だが、足の付け根という比較的脆い部位であった事と、戦う相手が〔炸裂〕を使うユーリであった事が災いし、巨体の支えを1つ失ってしまう。

 

 僅かにバランスが崩れたところへ、ユーリは容赦なく追撃を加えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 普段とはまるで違う戦い方をするユーリに言葉を失うミーナ達は、援護することも忘れていた──否、手を出す隙間が見つからなかったのだ。それ程に、亀型ネウロイを相手取るユーリは一方的だった。

 普通ならば仲間の実力に舌を巻くところだが……彼女達の間から、感嘆の声は一度として上がらなかった。

 

「なぁサーニャ。アイツの、戦い方……」

 

「……うん。なんだか、前のユーラに戻っちゃったみたいで、怖い……」

 

 かつて501部隊に入ったばかりの頃のユーリは、自らの危険を顧みない戦い方が目立っていたのを、エイラもサーニャもよく覚えている。今目の前で独り戦いを繰り広げるユーリは、その頃を彷彿とさせるのだ。

 

 話している間に亀型ネウロイを追い詰めたユーリは、まず最初に亀の頭へ狙いを定めて吹き飛ばす。

 

(違う──)

 

 コアが無かったと見るや、今度は背部に回ってシモノフの引き金を絞った。まるでハリネズミのようにビームを放っていた背中の砲門はユーリによって全て潰されており、再生を待つには、あまりにユーリの接近を許し過ぎた。

 

(ここも違う……こっちか?)

 

 ひび割れた巨大な甲羅の上で、ユーリは淡々と作業のように引き金を絞り続ける。やがてシモノフの残弾が無くなると、S-18に持ち替えて、再びコアを探し始めた。

 

(──見つけた)

 

 果たして何度引き金を絞っただろうか、甲羅の内部から、赤く輝くコアが顔を覗かせる。ようやく見つけたコアに然したる感慨もなく、ユーリは即座に引き金を絞った。

 

 S-18に残された最後の1発がコアを撃ち抜き、突如現れた巨大な亀型ネウロイは、四肢と頭部を捥がれるという無残な状態で残った機体を四散させた。

 

 あまりにも一方的で、圧倒的だったユーリの戦闘が終わりを告げる。先んじてドーム型ネウロイを倒し、ハルトマン共々彼の戦いを見ていたマルセイユは、静かに息を呑むのだった。

 

 

『──さん、聞こえる、ユーリさん?──ザハロフ准尉!』

 

 

「ッ──は、はい!聞こえてます」

 

 

『はぁ……返事がないから心配したわ』

 

 

「すみません。どうも、集中し過ぎていたようで……」

 

 

『……とにかく、作戦は終了よ。こちらに戻って来て』

 

 

「了解」

 

 疲れているのか、ややフラつきながらミーナ達の元へ向かうユーリ。それを他所に、マルセイユとハルトマンは睨み合っていた。

 

「──さてハルトマン。覚えてるだろうな?」

 

「……うん。撃墜数はお互い20、だったよね」

 

「私は引き分けは好きじゃない」

 

「知ってるよ」

 

「……決着をつけるぞ、今ここで」

 

「……私が勝ったら、約束は守れよ」

 

「ふっ──ああ。お前が勝ったら、な」

 

 その言葉を皮切りに、ハルトマンとマルセイユは弾かれたように距離を取り──戦い始めた。

 

 最初に背後を取ったのはマルセイユだ。得物のMG34を構えると、躊躇なく引き金を引く。ハルトマンはそれを見事な動きで躱していった。彼女の回避機動は勿論だが、それ以上に見ている者達へ驚きを与えたのは、マルセイユが撃ったという事実だ。何せ、あの銃は先程までネウロイ相手に使用していたもの──中に入っているのは実弾なのだから。

 

「あ、あのッ!止めなくていいんですか!?撃ちましたけど!?」

 

「ああ、撃ったな。仕方のない奴らだ」

 

「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないですよ!万が一当たったら──」

 

「2人はウィッチだ。シールドがある以上、死にはせん──それよりよく見ておけ。あれが、最強とされるカールスラント四強同士の戦いだ」

 

 この戦いの勝敗条件は2つに1つ──相手より先にシールドを張るか、相手より先に弾切れになるか。

 使用するのが実弾である以上、シールドを張る=回避できない直撃コースである事を意味し、弾切れは攻め手を失う事になる。相手の攻撃を的確に回避しながら、慎重に──時には大胆に攻撃を加えていく。言葉にする以上に難易度の高い戦いを、2人は繰り広げていた。

 

 ハルトマンはすれ違いざまに、斜め上方向へUターンするシャンデルを行い、こちらに向かって引き返してくるマルセイユの頭上という好位置を取りに掛かる。

 しかし対するマルセイユもハルトマンの狙いをいち早く見抜き、即座に螺旋状の軌道を描くハイGバレルロールに移行。頭上を取ろうとしていたハルトマンの更に上へと回り込んだ。

 

 空戦(ドッグファイト)というのは、基本的に敵の射線が通りづらい後方や頭上を抑えた方が有利となる。

 相手が何か動きを見せれば、それに対して自分も動く。ならば相手は裏を掻き、自分はその更に裏を掻く──2人の脳裏では、この上ない程高度な心理戦が行われているのだ。

 両者の実力であれば、一手判断をミスすれば即敗北に繋がる。そんな戦いを制する為に、頭と体を絶え間なく動かし続ける様は、まさしくカールスラントのトップエースに相応しいものだった。

 

 そんな中、背後を取ることに成功したマルセイユがハルトマンの背中に狙いを定めた。

 

「もらった──!」

 

 大量の7.92mmモーゼル弾がハルトマンに襲いかかる。しかしハルトマンも簡単には落とされない。落とされる訳にはいかない理由が、今の彼女にはあった。

 

 

「──シュトゥルムッ!」

 

 

 銃撃の中にある刹那を捕まえて発動した風の魔法により、ハルトマンの体は通常では有り得ない動きで上昇していく。マルセイユも逃すまいと追従するが、ハルトマンが向かう先には眩く海を照らす太陽があった。逆光で視界を封じられるのを嫌ったマルセイユは追撃を断念し、距離を取る。

 狙い通り追跡を振り切ったハルトマンは攻守を逆転させると、急降下の勢いを上乗せしたスピードでマルセイユに追いつき、今度は自分がその背中を追い回し始めた。

 

「くっ──まだ、だァ──ッ!」

 

 負けじとマルセイユもハルトマンの攻撃を振り切り、彼女の後ろに付ける。しかしその時には、既にハルトマンも体を向き直っており──互いの銃口が、全く同時に突き付けられた。

 

「……ありゃ、弾切れだ」

 

「……私もだ」

 

「引き分け、だね」

 

「ふっ……これだけやっても決着はつかないか」

 

 こうして、カールスラントが誇るエース同士の私闘は、8勝8敗に1引き分けを加えることで幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──もう少しゆっくりしていけばいいのに。もう行っちゃうのね?」

 

「ああ。アフリカ(むこう)で雑誌の取材があるんだ」

 

「流石"アフリカの星"、どこもかしこも引っ張りだこだな」

 

 翌日──マルセイユはミーナ達の見送りの下、滑走路にいた。前方にはアフリカ行きの輸送機が着陸しており、乗り込み口から手を振る人影が。

 

「──いやぁ、申し訳ない。ウチのエースが迷惑かけちゃったみたいね」

 

「気にするな。我々としても貴重なものを見させてもらった」

 

「ケイにも見せてやりたかったくらいだ。私とハルトマンの華麗な戦いをな」

 

「あなたは少しくらい反省しなさい!……はぁ、こんな事ならライーサも一緒に行かせとくんだったわ」

 

 呆れた様子で顔を覆うのは、加東圭子少佐。扶桑陸軍のアフリカ派遣独立飛行中隊の隊長であると同時に、マルセイユの所属部隊である第31統合戦闘飛行隊 ストームウィッチーズの創設者兼指揮官だ。

 あがりを迎えてシールドが張れなくなった現在でも、引き続きユニットを履いての後方指揮やカメラを使った記録係として戦場に赴いており、アフリカに行く以前、報道写真家として活動していた時のコネや経験を使って部隊を支える、良き隊長である。

 付け加えると、美緒とは7年前の扶桑海事変で共に戦った間柄であり、彼女自身23機の撃墜スコアを挙げ、まだネウロイへの有効な対抗手段が確立していなかった当時としては破格の記録を持つトップエースとしての側面も持つ。

 

「まぁマルセイユに関しては、ウチの方できっちりけじめを付けさせるわ。もしまた何かの縁で一緒に戦う事になったら、その時はよろしく頼むわね」

 

「ああ。達者でな」

 

「──ああそうだ、コレをバルクホルンの妹に渡してやってくれ」

 

 マルセイユがミーナに差し出したのは、彼女のサイン入りブロマイド。先の作戦の折、ハルトマンと勝負を繰り広げる原因になったものだ。

 

「自分で渡せばいいのに……」

 

「とにかく、頼んだぞ」

 

 そう言ってマルセイユは機内に引っ込んでしまう。圭子が再び小さく頭を下げていると、彼女は遠目に何かを見つけたようで──

 

「あれはもしや──ッ!」

 

 と、圭子の腕が閃いた。同時に、パシャリ、というシャッター音が小さく聞こえる。

 

「あはは……それじゃ、失礼するわね!」

 

 ハッチが閉じ、輸送機はアフリカに向けて発進する。離陸を始める機内では、

 

「ふふ~ん、最後の最後で運が良かったわ~!」

 

「また盗み撮りか?」

 

「その言い方は止めなさいって!仕方ないでしょ、ホントに一瞬だし、距離も遠かったんだから」

 

 カメラマンとして活動していた圭子の特技の1つ──居合抜きの要領でカメラを出し、撮影、仕舞うという一連の動作を一瞬で行う高等技術を駆使して最後に撮影したのは……

 

「噂のウィザードさん、新聞の写真より可愛い顔してたわね。現像するのが楽しみだわ」

 

「可愛いのは顔だけだぞ、アイツ」

 

「あ、そうそう。その彼とはどうだったの?"実力を確かめてやる~"とか言ってたじゃない」

 

「……ああ、確かに強かったよ──でもダメだ。あいつはアフリカに来るべきじゃない」

 

「……何かあったの?」

 

 物思いに耽るマルセイユの脳裏では、昨日の作戦で目にした光景──位置的にマルセイユだけにしか見えなかった、あの亀型ネウロイを倒した直後のユーリの顔が蘇っていた。

 

 

 "アフリカの星"として数多の強力なネウロイと戦ってきた、そんな彼女の背に冷たいものを走らせたユーリの顔は、

 

 

 

 ───訓練や昼食で見せたあの柔らかな顔が嘘のように、冷たく、静かで、無であった。

 

 

 





【挿絵表示】



マルセイユがユーリ君の顔を知らなかったのは、ペテルブルグ戦直後でまだ顔写真とかが無い新聞記事を読んでた為ですね。
ユーリ君来てくれたら頼もしいのは理解してるけど、一方で「アフリカには私がいるだろう!こんな奴~!」みたいに、アフリカの星としてのプライドもあったんでしょう。以降ユーリ君絡みの記事は読まないようにして、勝手に脳内イメージを膨らませてた訳です。
ただ、アフリカ兵の人達も決して彼女を軽視してたわけではなく、寧ろ「彼が来ることでマルセイユさんの負担が減ればいいなぁ」と気遣っての発言です。見事にすれ違っちゃいましたねぇ

あと因みに、描かれてないだけでユーリ君は2丁のライフルに見立てた鉄パイプをぶんぶんして感覚を掴む練習以外にも片手持ちライフルを腰だめで狙った場所に当てる訓練とかちゃんとやってました。



活動報告の更新致しましたので、よろしくお願いします。


●唐突ですがアンケートを実施致します。

※この結果次第でヒロインが決まるというわけではありません。単なる市場調査的なアレです
※選択肢にいる/いないからといって、ヒロイン候補に含む/含まないは関係ありません。
 何故彼女?逆に何故彼女はいない?ということも多分あります。

ヒロインは誰がいい?

  • エイラ&サーニャ
  • サーニャ&エイラ
  • ミーナさん
  • リーネちゃん
  • ニパ
  • 下原さん
  • ルチアナ
  • ここに載ってないけどあの娘!
  • 登場するかもわからないけどあの娘!
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