この素晴らしい世界の火継ぎを!   作:出没する18禁

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推敲しました。
再投稿でさ。


波乱

"問題児”達のおもりを引き受けた騎士はゴブリンが出没するという山へ向かっていた。

(崖際に差し掛かった商人や旅人を数で取り囲み襲う……か。)

受付嬢に言われたゴブリンの特徴を騎士は整理していた。

(数…、数が多いことは大きな脅威となりうる。いくら一個体一個体が弱くても囲まれて全員から攻撃を貰えばひとたまりもない。)

 

「ねぇ!まだ着かないの?わたし疲れたんだけど!!」

 

「ゴブリンは群れます。群れてる所に我が爆裂魔法をドカンッ!!です。フッフッフッ」

 

「ゴブリン……。私も最初は抵抗するが、取り囲まれて身を封じられてしまい……ハァハァ、身動きが取れない所を…ゴブリン共に、、わたしは……私は!!!…ハァハァ…良い!!」

 

(他のパーティのメンバーが参加するから多少はマシになるかと思ったが……。通常運転のようだな。)

 

「なぁ!あんたらはどんなスキルが使えるんだ?一応把握しておきたい。」

 

(ダスト…と言ったか。味方の戦闘力を知っておくことは大切だな。)

 

「まずはあんたからだ。クルセイダーの姉ちゃん。」

 

「ん…?私か?私のことは盾として使ってくれ!防御力には自信がある!仮に私が嫌がったとしても無理やり盾として使ってくれ!!ハァハァ…」

 

「ハッハッハ!!おもしれぇ冗談だな!だが、女の子を盾になんか出来ないぜ!前線を張ってくれるって事でいいんだよな?分かった。次、アークプリーストの娘だ。」

 

「私は回復とか色々なんでも出来るわ!!アンデッドだってなんだってこの聖なる拳が砕いてやるわ!とりあえず何か困ったらこのアクア様に任せると良いわ!」

 

「ハッハッハ!!自信家だな!流石上位職のアークプリースト、頼もしすぎるぜ!! 了解!!怪我したら速攻アクア様に頼むからな!次、アークウィザードの娘だ。」

 

(このダストと言う男はアクアやダクネス騎士の言葉に違和感を感じないのだろうか?だとしたら相当に、鈍い…な。)

 

「私はですか。私は最強にして最高の魔法。爆裂魔法が使えます!」

 

「ば、爆裂魔法だと!? なんてこった!すげえな嬢ちゃん!」

 

「フッフッフッ。嬢ちゃんではないですが、あなた、爆裂魔法の凄さが分かるとは分かりますね?」

 

「たりめえだ!破壊に特化した至高の魔法、当たったら相手を塵に還すんだろ?王都でも滅多に使える奴は居ないって聞いたぞ?」

 

「むっ。き、貴公。あまり褒めすぎると……」

 

「そうでしょう!そうでしょう!!あなた話が分かりますね!!それを、あのカズマときたら全く爆裂魔法の良さを分かっていないんですよ。」

 

「まぁ、所詮ただの冒険者ってことだな!こんなすげぇ魔法使いがパーティメンバーにいるなんておらぁあいつが羨ましいぜ」

 

「貴公!!その辺でッ……」

 

「クックック。しょーーーがありませんね!!そこまで言われてしまっては我が魔法の真髄ッ!!見てもらうしかありませんねぇ!!」

 

「……は?」

 

「お、遅かった…か。」

騎士は急いで【ヨルシカの聖鈴】を取り出そうとするが──。

めぐみんの詠唱によって周囲に突如吹き荒れた風によって鈴が飛ばされてしまった。

 

(ッ!!ま、マズイ!)

 

「我が混沌よりうねりし魔力の渦、竜をも殺すその力を持って敵を砕け!!現出せよ!!!!「ちょッ!!待ッ」エクスプロージョン!!!!!!!!!!!!!!」

一瞬の静寂。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!

灼熱の熱線が辺りを包み込む。

「フハハハハハ!!!!!!これが我が、、ち、力、です!!」

パタンとその場に倒れ込んだめぐみんを騎士は支え。未だに空いた口が塞がらないダストの肩に手を置いた。

 

「貴公……。貴公が半分悪い。」

 

めぐみんを抱えて、未だに自分が如何に凄いかを語り続けるアクアと、いまだ想像の快楽に浸っているダクネスを連れて今日は町へ引き替えそうとした。すると突然。砂煙を破るようにして黒い影が現れた。その黒い影を見るやいなや開けっ放しだった口を動かしてダストが叫んだ

「し、しょ、ッ初心者殺しだ!!」

(察するに先程の爆発を聞きつけてきたのだろうな。……、デカイ…。)

ドス黒い猫科の猛獣と対峙しながら騎士は思考を巡らせる。

(あの素早い動き。厄介だな。)

ダストは驚きの連続で腰が抜けてしまったようで、地面にへたりこんでしまっている。

それに気が付いた初心者殺しは騎士からダストにターゲットを変更した。

(ッ!?動けないものから狙うとは獣のくせに狡猾なやつだ。)

初心者殺しの牙がダストの首にかかる瞬間──。騎士は初心者殺しとダストの間に割って入り、手に持った盾を初心者殺しの顔面に叩きつけた。

 

ギャウンッ!!と吹き飛ばされた初見殺しは受身を取り、立ち上がると騎士を睨みつける。騎士が体制を整えようとアクアとダクネス騎士の方を振り返ると。

「不意打ち……周りには逃げも隠れる場所もない…。私が…私が盾となるしかない……ようだな…ハァハァ……そ、そして…私は……わ、私の身体によ、欲情した獣風情に…あ、あんな事や…ハァハァ…良い!! うぉぉぉぉぉぉ!」

 

「ッ!!貴公!!まッ、待つんだ!!」

 

騎士の制止を聞かず雄叫びを上げて初心者殺しに飛び込んで行くダクネス。

 

「ハァハァ…かかってこい!獣が!!」

 

そう言って斬りかかって行くダクネス。しかし全く攻撃が、当たらない。

それどころかおおきく振りかぶった隙を突いた初心者殺しに突き飛ばされてしまった。

 

(なんと、あのダクネス騎士を吹き飛ばすとは…なんという筋力だ。あのパワーにあの速さ。なかなか厄介だな。)

 

「ふん!どいつもこいつも情けないわね!!あんた達はそこで指をくわえて見てるが良いわ!こんな猫程度一瞬で倒してやるわ!」

 

吹き飛ばされたダクネスと入れ替わるようにしてアクアが初心者殺しに突っ込んで行った。

 

「喰らいなさい!!ゴッドブロォォォ!!…あれ?」

 

アクア渾身の一撃は初見殺しに綺麗にかわされてしまった。そしてお返しとばかりにアクアは噛み付かれた──、脳天を。

 

「いっっったい!!くい込んでるから!!牙がくい込んじゃってるから!!いだい!いだい!」

 

騎士はアクアが足止めをしているうちに初心者殺しの腹目掛けてタガーを突き立てた、

腹に傷を負った初心者殺しはギャアッと声を上げて飛び退いた。

 

(クッ…浅いか。行動不能のダクネス騎士に負傷したアクア、魔力切れのめぐみんに腰が抜けたダストか。流石に全員を庇いながら戦うのは大変だろう。しかし、逃げるにもあの素早さだったら直ぐに追いついてしまうだろう……なら。)

 

騎士は【ヨルシカの聖鈴】をチリンと鳴らした

瞬間──。初見殺しの動きが鈍くなる

「うっおぉぉ、なんだそれ。急に初心者殺しの動きが鈍くなった」

 

 

【緩やかな平和の歩み】

範囲内の歩みを遅くする逃走の為の奇跡。

平和とは、つまり全くそれで良いのだ。

 

「貴公!!ダクネス騎士を連れて逃げたまえ!!アクア!!泣いていてもめぐみんを抱えるぐらいは出来るだろう?任せたぞ。」

 

「ひっぐ、わ゛、わがっだ…わがっだよお゛」

 

「わ、分かった!だ、だが騎士。あんたは!?」

 

 

「私は…こいつを仕留めていく。」

 

──────────────────────────

 

騎士は獣と睨み合いながら獣の事を分析していた。

(初心者殺し……。ゴブリンなどの弱いモンスターの周りに住み着き、弱いモンスターを狩りに来た弱い冒険者を襲う狡猾なモンスター。中級職が3人居て初めて安全に倒せるようになると言われるほど凶暴かつ危険。ゴブリン退治に行った冒険者のパーティが無惨な姿となって発見されることも少なくなく、故に付けられた名前が初見殺し……。特に注意すべきは素早い動きとそこから繰り出される連撃……か、厄介だ。)

 

(それにしても、負傷しているものから狙うとはどこまでも狡猾かつ不愉快な獣だ。)

 

騎士はふぅっと一息つくと。

自身のソウルから槍を取り出した。

 

騎士と初心者殺しが睨み合う。

騎士の落ち着いた息遣いと、初心者殺しの獰猛な息遣いがだだっ広い草原に浸透していく。

突如。ブワッと風が吹き、葉が舞い上がる。

その一瞬を突いて"初心者殺し”が駆け出した。

向かって来る初見殺しに向かって騎士は槍を突きつけた。

 

──が、初心者殺しは高く飛び上がると騎士を踏み越え、アクア達の方向へ向かって行った。

 

(ッ!?しまった!!)

 

初心者殺しは始めからダスト達のことを狙っていたらしい

「おいおい!マジかよ!!こっちは人1人担いでるんだぞ!!勘弁してくれぇぇぇぇぇ!!アークプリーストの姉ちゃんんん!!いま!今困ってますからァァァ!!」

後ろから迫る足音に気が付いたダストはそう叫ぶと初心者殺しから少しでも離れようと走る速度をあげた、

しかし、それが悪手となった、

「やばいやばいヤバッ…うぉおッ」

 

ダストはあろう事か転んでしまった。

 

後ろから迫る足音。

 

顔見知りの冒険者が無惨になった姿。

 

突き刺さる殺気。

 

「ちくしょう!!殺られるくらいならやってやる!!うぉぉぉぉぉぉ!」

 

ダストは意を決して振り返ると剣を振り上げた、

 

が、初心者殺しの狙いはダストではなくダストが担いでいた"ダクネス”だった。

 

彼女はいま気絶しており、無抵抗だ。

 

 

「あッ待ってく、」

 

ドシュッッッ

 

草原の綺麗な緑に赤が混ざる。

 

鮮血と臓物が混ざり地面に染みわたる。

 

「あっ、あッ、あ。」

ダストは目の前で引き起こされた惨状に声にならない悲鳴を漏らす事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初心者殺しを"槍”が貫いていた。

 

 

 

【幽鬼のジャベリン】

 

腹を貫かれた初心者殺しはギャアギャアともがいた後、そのまま絶命した。

 

騎士は腰が抜けてしまったダストを見下ろし、

「貴公……。これでも、カズマ少年はおんぶにだっこだろうか?これでも、カズマ少年は苦労知らずだろうか?」

 

ガタガタと震えるダストと獣の亡骸を一瞥し、騎士はダストに投げ捨てられたダクネスを抱えると、

 

「彼には気の毒な話だが、私にはそうは思えない……。」

騎士はそれだけ言うと、

もう見えなくなってしまった、アクア達を追う事にした。




すぃりあすにしようか迷った結果中途半端な結果に。
ごめんちゃい。
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