この素晴らしい世界の火継ぎを!   作:出没する18禁

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お股です。
短いけれど呼んでくれたら嬉しいです。


失って気付く者

初心者殺しの報告をアクアに任せ、魔力切れで倒れためぐみんにポーションを飲ませた後。

未だに気絶したダクネスのことを騎士は椅子に寝かせた。

(……なぜ、何故だ。どうしてダクネス騎士は少し嬉しそうな顔をしているんだ。)

初心者殺しの攻撃によって全身傷だらけなのだが、ダクネスの頬は紅潮し、ニヤつきながら涎を垂れ流していた。

すると─、

〈おい見ろよ…あのクルセイダー、あんなあられも無い姿にされてるぞ〉

〈ああ、エロいな、おっと間違えた…ああ、やばいな。あの騎士が何かしたに違いない。そうだッ!!そうに違いない〉

〈ああだろうな。あんな美人をあんなにするなんて羨まし…おっと、違う違うなんて羨ましいんだ。〉

〈くっころかな。〉

〈あぁ。くっころだろうな。〉

 

(…聞こえているぞ……)

騎士は【くっころ】と言う謎の言葉に疑問を抱きながらも自身に降り掛かった不名誉をどう振り払うか難儀してしまった。

(弁明するべきだろうか?いや。だが、弁明した方が逆に怪しいだろうか。ここは1度、"ノーカウント”だとでも言ってみようか…うーむ、うーむ……おっとそうだった)

 

騎士はふと思い出したかのように自身のソウルから【フィリアノールの聖鈴】を取り出すと【中回復】を鳴らした。

ふわりと暖かい光が騎士たちを包み込み、みるみるうちにダクネスの傷は癒えていった。

 

〈ッ!!おいなんだあの光!!〉

 

〈あれは恐らく洗脳の類いだろう。可哀想に、あの姉ちゃんはアイツに洗脳されているんだ。〉

 

騎士は深い溜息を吐くと、未だにだらしのない顔をしているダクネスの顔にタオルを掛け、水を1杯頼んだ。

 

(カズマ少年よ。はやく…早く帰ってきてくれ。)

 

そんな事を考えていると──。

ギルドのドアが開いた。

 

「あ、ああ、ああぁ。か、か、か、ガズマ゛ざぁぁぁぁん」

 

雄叫びを上げながらアクアが駆け出す。

 

カズマはアクア、ダクネス、めぐみんを一瞥した後、

至って冷静に──。

初めから分かっていましたと言わんばかりに。

そっとドアを閉めた。

─────────────────────

「何があったかは分からない─。いや正確に言うと想像はつくがしたくないし、知りたくもない。」

カズマが最初に言った事がこれだった。

 

「なぁいいからとりあえず聞いてくれ!まずそこのアークウィザードだ!爆裂魔法が使えるって言うからすごいなって褒めたんだ。そしたら見せてやるって言い始めて…それにそこのクルセイダーの姉ちゃんは防具も付けてないのにモンスターに突っ込んで行くし、攻撃は当たらないし、そこのアークプリーストはなんか……なんかとりあえずあんまり役に立たないし!!そこの騎士はなんか怖いし!!」

ダストが半狂乱になりながら説明したがカズマは

 

「そうか。それは大変だったな。そしてこれからはもっと大変になると思うけれど頑張ってくれな。」

それだけだった。

 

「…は?そ、それってどういう…」

 

「よっしゃ!!今日は新パーティ結成を記念してお祝いだ!!飲むぞー!!」

そうカズマが言うとそれに続くようにして、

ダストのパーティメンバー"だった”男と女が、

「「おー!」」

と相槌を打つ。

 

「たのむぅぅぅぅぅ!謝るから!!お前を馬鹿にしたこと謝るからァァァ!!オレを元のパーティーに戻してぐれぇぇぇぇ!!」

ダストの悲痛な叫びは虚しくも。

ギルドに響くだけだった。

 

閑話休題。

騎士は膝をついて絶望に沈むダストを尻目にかけながらカズマの方へ寄ると

 

「カズマ少年。そちらのパーティメンバーとは仲良くなれたようだな。」

 

「ん。ああ、そうですね。この人達がきちんと"連携が取れて”かつ、"まとも”だったからですかね。」

 

「……そのようだな。貴公らにはカズマ少年が世話になったようだ。私からも礼を言わせて欲しい。……ありがとう。」

 

「え!いえいえ!そんな!世話になったのはむしろ私達の方です!!カズマったら凄いんですよ!!初級魔法しか使えないのにクリエイトウォーターで水を出した水をフリーズで凍らせて敵の足場を悪くしたり、クリエイトアースとウィンドブレストで敵の視界を奪ったり……とにかく立ち回りが凄いんです!私なんかより全然凄くて…。」

 

「そうか。……カズマ少年。その……本当に彼女達を捨ててしまうのか?」

 

「捨てッ…言い方!!まさか、冗談ですよ。あいつら多分俺が見捨てたら一瞬で野垂れ死にますよ。1度仲間にすると言った以上、ある程度の責任は取りますよ。それが仲間……友ってもんでしょう?」

 

「……そうか。そうだったか。」

 

人は欲に溺れ、裏切り・傷付け合う物。

"昔”からそれは変わらない。

家族だろうが、友人だろうが、

それは関係のない事だ。

彼もそうだったのだろう。

故に彼は嫌悪した。

「なにを思い出そうとも、友で居させてくれ」

だからこそ彼はそんな純粋な"欲”を持っていたのかもしれない。

 

騎士は記憶を無くした、無欲な"友”のことを思い出していた。

 

「騎士さん?どうしました?」

 

「ん。いや。少し考え事をな。」

 

騎士はそう返すと、

カウンターに座り酒を頼んだ。

今日は"欲深く”も少し高い酒を飲もう。

 

それでこそ、人の道なのだろうから。




暗月たのすぃ。
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