海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ   作:レーゲン

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今回は明乃達の世界の話です


西ノ島新島の怪異

ネーデルラント王城に現れたネウロイを固有魔法が判明した万里小路楓が倒した翌日

王城では破壊された建造物の修理や被害状況の確認が行われていた。

負傷者こそ出たものの奇跡的に死者は出なかった。

負傷者は宮藤芳佳と鏑木美波が治療した。

明乃の勲章受章式で現れたネウロイを倒した万里小路楓は衛兵や軍の関係者に賞賛の言葉を貰っていた。

明乃達晴風乗員と501部隊が城の復旧作業を手伝った。帰りの航空機が出発する時間まで手伝ったあと女王陛下から感謝の言葉を貰い明乃達は帰路にたつ

 

「あなた達にまた救われてしまいましたね、ありがとうございます」

 

「いえっ、私達ができることをやっただけですので」

 

「フフッ、今回は残念な授章式になってしまいましたね、でもあなた達ならまた勲章を得る機会もあるでしょう」

 

「えーと、もうあんな緊張することはちょっと」

明乃はもうあんな緊張することはやりたくないようだった。

 

「まぁ、万里小路さんも今後の活躍を期待しています。頑張ってくださいね」

 

「お褒めにあずかり光栄です。女王陛下」

 

「あなた達が無事元の世界に戻れることを心より願います」

 

そう 女王陛下は明乃達が違う世界から来たのを知っている。

ネウロイを倒したあと女王陛下と話す時間ができたのだ。

その時明乃達は自分たちの状況を女王に話した。

 

自分達が違う世界から来た事 ネウロイや航空機が存在しないこと 自分たちがウィッチに覚醒した事、女王陛下は何も言わず最後まで聞きその話を信じてくれた。

 

 

 

「ありがとうございます、それでは失礼しますね」

 

「えぇ、お元気で」

明乃が女王陛下に別れの挨拶を済ませると一同は帰りの航空機がまつ空軍基地に向かうのであった。

 

 

その頃明乃達の世界ではある異変が起きていた。

 

とある海域で消息を絶った民間工業船の捜索を行っていた船団がいた。

ホワイトドルフィンである。

簡単にいえばブルーマーメイドの男性版である

6つの艦艇で捜索を行っている船団はこの不思議な状況に疑問を持っていた。

 

「なぜこのような被害が出ている、これではまるで戦艦の砲撃を浴び続けたようではないか、海賊がここまでの攻撃をしたというのか」

 

「破損状況から見ても魚雷ではなく砲撃ですよね、ですが弾着地点の装甲が解け落ちているのも確認されています、それに救援要請を送ってきた船長の慌てようは異常でした」

 

そう被害が大きすぎるのだ、今回救援要請を送ってきたのは乗員350名の大型工業船

とある企業が所有している海上工場ともいえる船だった。

船内の資材や設備を使い海賊たちの装備の強化や新たな拠点として海賊が狙うのはまだわかる、だがそう言った場合普通は船内に乗り込み制圧するのが妥当である

砲撃などしてはせっかくの設備が使えなくなるからだ。

それに送られてきた救援要請も気になっていた。

船長が謎の爆発が起きたと言ってすぐに通信が途絶えたのだ。

爆発の危険性のある物を積んでいれば別だが今回消息を絶った船にはそう言った物は積んでおらず誘爆の可能性はかなり低かった。

爆弾テロかとも思ったが船体の状態を見て外側からの攻撃によるものだと判明したため

爆弾の線は消えた。

一体この船に何が起こったのか全く予想がつかなかった。

 

「生存者の捜索はどうなっている」

 

「現在14名を救助、捜索を継続していますが、艦橋、居住区、機関室を完全に破壊されているのを確認、生存者は絶望的です。完全沈没まで推定15分を切っています」

 

「たったそれだけか・・・総員捜索中止、沈没に巻き込まれないように距離をとる、捜索部隊収容後距離4・0・0まで後退、影水は救助者を病院船へ、残りの火ノ月、風ノ槌、倉水、無翠、白雷は沈没確認後ダイバーによる現場検証を行う」

 

「了解しました。それにしてもあの損傷は何なんでしょう、大和型の砲撃でも弾着面の装甲が解け落ちるなんてことはないはずですが」

 

「あぁそれが気になってしょうがない、火災による変形とも考えたが温度が低すぎる。特殊な砲弾でも使ったか・・・もしくは例のアンノウンか」

捜索指揮を執っている艦長がある可能性を考えていた。

艦長のアンノウンという言葉に副長もその可能性があることに気付いた。

 

「アンノウンというと横須賀女子海洋学校所属晴風が応戦した例の飛行物体ですか」

 

「あぁ、私も最初映像を見たときは嘘だと思ったがあれならば・・・」

 

「私も艦長と同じ気持ちでしたよ、なにせビームに空飛ぶ少女ですからね」

 

二人はブルーマーメイドから送られてきた映像資料を思い出していた。

それは宗谷ましろがケータイのテレビ電話で母親に送ったネウロイとの戦闘映像だった

ビームを発射し高速で飛行する謎の存在 アンノウン

どこの国でも実用化されていないビーム兵器に、飛行能力、一番驚愕したのは自己修復能力だった。

 

「あの兵器ならばあるいは・・・」

 

「確かにあれなら解け落ちても不思議じゃありませんね」

 

「私もこの海域に来なかったら気付かなかったかもしれないがな」

 

「この海域は晴風が戦闘した海域じゃありませんが?」

 

副長はなぜ艦長がこの海域で気付いたのか分からなかった。

晴風がアンノウンと戦闘をした海域でもないにも関わらず

 

 

「いやなに晴風の名前を思い出しただけだよ、この海域は例のウィルスの事件のきっかけになった場所だからな」

 

 

「ウィルス・・・RATt事件の例のウィルスですね」

副長はその言葉を聞いて納得がいった。前代未聞のウィルスによって引き起こされた

反乱騒動、その事件の解決の功労者ともいっても過言ではないのは航洋艦晴風である

晴風衛生長・鏑木美波による抗体の開発・戦艦武蔵の制圧、事件解決の功労者はまず間違えなく晴風であることは明白だ。あの事件によりRATtウィルス用のマニュアルが作成されそれに必要とされる技術を持つチームも発足された。

無論ホワイトドルフィンもそのマニュアルを把握している

RATt事件の詳細もそこに書かれており、航洋艦晴風の存在と艦長の岬明乃の名前を艦長は知っていた。そして今いる海域はRATt事件のウィルスが広がるきっかけになった

西ノ島新島に近い海域だった。実際に目を凝らせば西ノ島新島が見える位置だ。

 

 

「あぁ、事件解決の功労者が今度はアンノウンと戦闘後行方不明となれば思い出しもするさ、なんとか彼女達が無事であればいいのだがな、一人の大人として何もできない自分が嫌になってくるよ」

 

「艦長・・・彼女達が無事だといいですね」

 

「あぁそうだな」

二人がそう呟くとともに後退した無翠から通信が入ってきた

 

「艦長、無翠から通信です。西ノ島新島に謎の物体を確認、これより確認に向かうと」

 

「こちら火ノ月了解した。こちらでも確認取れるか」

 

「はい、確かに謎の物体を確認しました。大きさは幅8メートル高さ15メートルほどの建造物です」

乗員の一人が艦に搭載された望遠カメラでそれを確認した

 

「デカいな、海賊のアジトか」

 

「いえ、見る限り武装等は確認できず見張りもいません」

 

「見た目に特徴は」

 

「全体的に黒く、窓もなく代わりに赤いひし形の模様が横に4つ並んでいます」

 

「ますます分からないな、無翠には注意するよう言っておけ」

 

「了解」

通信員が無翠に連絡を入れると同時に謎の物体から飛翔体が一つ発射された。

それは一端上昇すると下降しながら加速し無翠に着弾した。攻撃されたのだ

 

「攻撃だと、全艦戦闘態勢を取れ、無翠の状況は」

 

「後部デッキに着弾、速力低下、第二、第四、第七ブロックから浸水とのこと」

 

「航行は難しいか、各艦無翠の退艦を援護しろ」

火ノ月艦長が指示を出すと謎の物体に動きがあった。突如半分に割れその中心から一つの浮遊物体が浮上してきたのだ。

この世界で近いものは中型スキッパーを巨大化させ左右に伸びたブレードらしきものがついた存在と言った方がいいだろうか、なぜならこの物体はこの世界にない航空機の姿を模しているのだから・・・

浮上した物体は左右の翼の端と中央先端部分から発光を始める。

左右の翼から発光しているところから光が放たれ中央に収束していく

5秒後中央に収束された光はビームとなってホワイトドルフィン艦艇、風ノ槌を

端から端まで貫き一撃で風ノ槌を海に沈めた。

 

「風ノ槌、撃沈されました。」

 

「アンノウンがこんなところにいたのか、ホワイトドルフィン本部及びブルーマーメイド海上安全整備局にリアルタイムで映像を送れ、主砲照準合わせ、終了次第直ちに攻撃開始、目標は250キロ以上で飛行する化け物だ。弾幕を張り続けろ」

 

 

戦闘可能な三隻が砲撃を集中する。火ノ月 倉水 白雷の砲撃が飛行物体と建造物に命中するも報告にあった通り修復されてしまっていた

 

「クソッ、やはり修復するか」

 

「建造物の方も修復を確認、艦長火力が足りません」

 

「とにかく撃ち続けろ、ここを抜けられたらまた新たな犠牲が生まれることになるぞ」

 

「艦長、飛行体が移動を開始、はっ、速い」

 

「何っ」

艦長が視線を移す頃には飛行体は砲撃を続けている三隻を通りすぎていた。

 

「なに、後ろだと」

 

「目標の速度出ました。時速820キロで本艦を通過」

 

「晴風が遭遇した奴の三倍以上だと、どんな機関を積んでいるというのだ」

 

火ノ月艦長が驚愕していると目標は一端急停止し上へと上昇し四つの飛翔体を倉水に発射した。飛翔体は倉水の艦橋近くに着弾し艦橋はおろか甲板より上にあったものを跡形もなく吹き飛ばした。残った船体にビームの追撃が放たれ倉水は船体を真っ二つに折られ沈没していく

 

「化け物が、我々は一体何と戦っているというんだ」

 

今回、火ノ月が遭遇したアンノウンもといネウロイは普通の物とは違った。

かつてハンブルクとベルリン近郊でハルトマン達が戦った戦闘機型ネウロイの強化型であった。エースウィッチでも苦戦するネウロイだ。そんなネウロイを砲撃だけで倒すことは不可能と言っても過言ではなかった。ハルトマン達と戦った時よりビームの出力が上がり、

さらに小型のロケット砲弾型ネウロイを発射する能力を得たネウロイの戦闘力は図り知れなかった。

残った二隻の砲撃が続くが今だ着弾はゼロ、ネウロイの軌道に対処できず無駄弾を撃つだけだった。

 

「全く当たらんか、白雷に連絡こちらが飛行体の注意を逸らしているうちに建造物を破壊しろ、あれがもし基地や生産拠点なら敵の戦力の増加を先延ばしにできるはず」

 

「ですが艦長、建造物も再生能力を持っています。白雷だけでは」

 

「分かっている。だが敵も無敵ではない、空飛ぶ少女が機関銃一つで倒せたのだ。どこかに弱点があるはず」

 

「了解しました」

 

「艦長、建造物から発光現象を確認、ッ!ビームが発射されました。」

 

「なんだと!」

 

火ノ月艦長は今まで攻撃してこなかった建造物からの攻撃で動揺してしまった。

横に四つ並んだひし形模様から放たれたビームは白雷の船体四か所を貫通し白雷を撃沈した。

 

「この短時間で4隻も沈めるとは、取舵18度、機関最大建造物からの攻撃の射程外にでる」

建造物から放たれたビームはひし形模様から出ていた。飛行体とは違い動かないところから撃たれたのであれば射角があるはずだと思いひし形模様の左側に進路を取る

どれほどの射角かは分からないが動かないのであれば90度以上はないはず

火ノ月は最大船速で射程外と思われる地点へ向かう

 

「くそ万事急須か飛行体はどうなっている」

 

「依然命中無し、軌道が不規則なうえ速度が速すぎます」

 

「火ノ月だけじゃ無理か、近くに他の部隊は」

 

「いません、一番近くても合流まで6時間かかります」

 

「打つ手なしか・・・こうなれば玉砕覚悟で情報を託すしかない」

 

火ノ月艦長は覚悟を決め指示を出す

 

「総員退艦、最大船速での退艦で危険が伴うが諸君らの技術ならできるはずだ。検討を祈る」

 

 

「検討を祈るって艦長はどうする気ですか」

 

「私はこの艦を操舵し敵の注意を引く、出来るだけ長く敵を撮影し情報を託す」

 

「死ぬ気ですか」

 

「命令だ、早くしろもう長く持たないぞ」

 

「艦長、敵飛行体攻撃パターンを変更、機銃並みの連射で攻撃、スキッパー二機、レーダーの破壊を確認」

 

「急げ、早く退艦しろ」

 

「ッ!了解しました。」

艦長の指示に火ノ月副長が退艦の指揮をする。艦長が航海長から操舵を変わると艦橋にいた隊員は姿を消し艦長一人となった。

 

「舵を握るのも久しぶりだな・・・この世界に神がいるならどうか部下たちを・・・」

艦長が部下たちの安全を願うと正面から飛行体がやってきた。今度は連射ではなく一撃で沈めに来たようだ。艦長はすぐに舵を切りビームを躱すが僅かにかすり速力が低下する

ふと艦長が艦橋の窓に目を向けると最大船速でさらに攻撃されている状況で退艦した乗員が目に入った。無事退艦できたようだ。飛行体は再び速度を上げ火ノ月の艦橋の目の前で静止してエネルギーを溜める。己の死を覚悟した艦長は最後に叫んだ。自分は死んでもいい

だがこの願いだけは叶えてくれと・・・

「この世界を救ってくれぇぇー」

 

その叫びと共にビームが放たれ火ノ月艦長はビームに呑まれた

艦橋を貫通したビームは海面に着弾し大きな水しぶきを上げる

退艦した乗員が火ノ月の最後を見届けると敵、飛行体が視界に入った。

次は自分達かと思われたが飛行体は退艦した乗員には攻撃せず上昇し雲の中へと向かっていった。その後建造物からも新たな飛翔体が発射された。

 

距離が離れていたため正確なシルエットは確認できなかったが巨大な魚雷なような形をした物体の両脇に何かがくっ付いているようだった。

実はその両脇についていたのはさっきまで戦っていた飛行体と同型とは誰も気づけなかった。新たに発射された飛翔体も雲の中へと向かう雲の中でくっ付いていた二体のネウロイが分離して雲の中で静止する。そして二体のネウロイを運んだ飛翔体が最初に雲に入ったネウロイと分離した二体のネウロイの間に到達すると爆発しまばゆい光を放つ、その直後爆発した地点を中心に空間に穴が開いた。三体のネウロイはすぐに加速し穴へと消えていった。

 

 

その頃横須賀女子海洋学校の会議室で校長の宗谷真雪が呉 佐世保 舞鶴の校長と

国土保全委員会とテレビ電話による会議をしていた。

議題はもちろん航洋艦晴風が遭遇したアンノウンについてだ。

 

 

「国土保全委員会の調査部の結果はどうでしたか」

 

「全くの進展無しだよ、宗谷くん・・・周辺海域にある有人島、無人島、フロート艦を調べたみたいだが建造できる設備や企業、人材すら発見がない、諸外国の可能性もあるが望み薄だろう、ハワイやイギリスの方では同様の事件は起きていないと報告を受けている」

 

「そうですか・・・少女の方は」

 

「そちらも進展はない、少女の家系に横須賀に住んでいた可能性がある人物がいる可能性があるという眉唾物の情報しかない」

 

「横須賀に?その情報はどこから」

 

「ただの偶然といえばいいか、調査員の一人が少女の服装を昔見たといって調べたら60年ほど前の横須賀の中学校の制服と酷似していただけだ。だが細かいところに違いがあったため結局はその制服にたまたま似てたということになったがな」

 

「その調査員はどこでそれを見たんですか」

テレビ会議をしていた呉の海洋学校の校長が質問をする

 

 

「最初にいった通りただの偶然だ。調査員の母が20年ほど前に他界したときに遺品整理中にその服装と似た制服を着た母親の姉を写真で見たらしい。白黒写真だから色までは同じか分からないらしいがな」

 

「そうですか、その学校は」

 

「30年以上前に廃校になったそうだ」

 

 

「結局分からずじまいですか、空を飛んでいた少女の履いてた機械の原理は」

 

「それも成果なしだ。あのサイズで浮くことさえ考えられない代物だ」

 

今だ成果ゼロ・・・いくら調査しても手掛かり一つ出てこない

会議に参加している者の中にはもうこの世にいないのではないかと思っている者もいる

実際それは事実で、空を飛んでいた少女は晴風乗員と共に元の世界に帰ったのだから

会議が続く中会議室に一人の男性がやってきた。かなり慌ててきたため息が荒い

やってきたのは横須賀女子海洋学校の教頭で普段はこんなに慌てる人物ではないのだが

 

 

「校長、緊急事態です」

 

「どうしたの」

 

「ホワイトドルフィンが例のアンノウンと遭遇、戦闘を行った五隻がすべて撃沈されました。それと西ノ島新島に敵の拠点らしき建造物を発見とのこと」

 

 

「なんですって、乗組員達は」

 

「退艦に成功したのは無翠の乗員の一部と火ノ月の艦長を除く乗員だけだそうです」

 

「たったそれだけ・・・三重の安全装置は」

 

 

 

「敵のビームには意味がなかったみたいです。確定情報ではありませんがビームが船体を貫通し、さらに爆雷の3~4倍の破壊力のある飛翔体で攻撃されたとも、それとアンノウンの速度が晴風と遭遇したものより早く時速820キロは出ていたそうです」

 

 

「そんな、まさか新型とでもいうの、だとしたら開発期間が短すぎるわ」

 

教頭の報告を画面越しに聞いていた他の人物も動揺を隠せないでいた。

同時刻ホワイトドルフィンの艦艇五隻の撃沈の報告を受けた

ブルーマーメイド安全監督室情報調査室、所属宗谷真霜も事態の対処に動いていた。

 

 

「西ノ島新島から半径100キロの海上を緊急封鎖するよう要請して、アンノウンの監視に回せる艦艇は近くにいる?」

 

「撃沈された艦艇と行動してた影水がいますが救助者を病院船に移送中のため監視に回せません、次に近いのは東舞鶴校所属、伊201です」

 

 

「学生艦・・・でも潜水艦なら・・・やられた艦艇がいた位置情報はわかる?」

 

「西ノ島新島から沖合に15キロの海域です」

 

「伊201に連絡、アンノウンの監視要請を、監視は西ノ島新島から20キロ以上離れた位置からするよう伝達、島の周りを航行して一時間ごとに浮上する地点を変更しながら目標の撮影を、目標の前後左右の撮影が終了したら潜航して増援部隊が来るまで監視を継続」

 

「了解しました」

 

「他に艦は」

 

「横須賀女子海洋学校所属、武蔵 比叡 天津風 時津風が近いです」

 

「学生艦じゃ対処できないわね・・・武蔵は西ノ島新島沖合に60キロの地点で砲撃準備、こちらの指示があるまで決して攻撃しないで他の艦は武蔵の護衛に陣を敷くよう通達」

 

「了解しました。目標に動きがあった場合どうしますか」

 

「アンノウンが浮上する前に46センチ主砲で攻撃します。伊201に敵の位置情報を武蔵に送るよう連絡して」

 

宗谷真霜が指示を出すが正直これで正解なのか自信が持てなかった。

敵の速度やビームの破壊力を聞くといくら武蔵の46センチ主砲でも倒せるかどうか・・・

もし失敗すれば武蔵ですら沈没する恐れがあった。今は万全の準備ができるまで敵に動きが無いことを祈るしかなかった。

 

会議中に舞い込んできたアンノウンの報告に宗谷真雪は驚愕していた。

敵のスペックが高すぎる、やられた艦艇が送っていた映像が送られきて確認したとき

どうか夢であってくれと願うほどに

国土保全委員会の男性が真雪に問いかける

 

「宗谷くん、このアンノウンの破壊は可能かね」

 

「現状のブルーマーメイド及びホワイトドルフィンの戦力じゃ不可能です。やるとしても大和型4隻の同時砲撃と同時に島を包囲した巡洋艦以上の戦艦20隻以上の砲撃で島ごと消す覚悟でやるしかありません」

 

「それほどかね・・・それで勝てるのか」

 

「そこまでは断言はできません、多く見積もっても成功率は20%以下でしょう」

 

「たったの20%・・・」

 

「だが早く対処しないと本土そのものに危機が訪れるぞ」

 

「そんなことはわかっている、だが巡洋艦以上は学生艦でこんな特別な敵の相手は無理だ」

 

画面の向こうの様子はかなり紛糾しているようだ。

真雪は教頭にある確認をした。

 

「ドックに入っている赤城や加賀の整備状況は」

 

「確か整備だけなら3日以内に試験航行も含めると10日ですね」

 

「そう、ありがとう、呉 舞鶴 佐世保の校長に伺いします。そちらにある巡洋艦以上の艦艇を西ノ島新島に向かわせるのにどれくらいかかりますか」

 

 

「こちらもドックでの整備が終わるのはそちらと変わらない、人員さえそろえば七日ほどで行けると思う」

 

「佐世保も恐らくそれくらいかかります」

 

「すいませんが舞鶴はもっとかかってしまいそうです。大和型の信濃が砲撃演習の帰路についてまして信濃の補給と点検で時間がかかりそうです。何とか二週間以内にはそちらへ向かわせられると思います」

 

上から呉 佐世保 舞鶴の校長が答える。それを聞いた真雪は国土保全委員会にあることを要請した

 

 

「お願いがあります。現在各校に整備中の巡洋艦以上の艦が幾つかあります。大型艦での実習を行ったブルーマーメイドの隊員を各支部から招集してください。大和型は今の学生達に運用させ残りの学生艦で大和型の護衛をさせます」

 

 

「本気かね学徒動員には反対すると思っていたのだが」

 

「反対したいですがこれしか方法がありません。私も武蔵に向かいます。直接武蔵にて学生たちの指揮を執ります」

 

「わかった。君に任せようすぐに招集をかけよう」

 

「来島の巴御前が再び海へ舞い戻るか」

 

「どうか敵を打ち倒してくれ」

 

 

「わかっています。すぐに向かいます」

真雪はすぐに武蔵に合流するべく行動を開始する

 

「すぐに出航準備を、武蔵艦長にもこのことを伝えてください」

 

「わかりました。」

 

「あの子達が帰ってくる場所を無くさせはしないわ」

真雪は自身の娘と一緒に消息を絶った晴風乗員を思い出しながら覚悟を決め

今、自分ができることをすべく行動を起こしていく。

西ノ島新島に現れたネウロイがこの世界だけではなく芳佳達のいる世界にも影響を及ぼしているのをまだ誰も気づいていない・・・

 




飛翔体を発射したネウロイですが戦闘機がミサイルを発射したイメージをしてください。あと今回オリジナルの艦艇を出しましたがもし実際に存在してたとしても気にしないでください艦艇すべての名前を知っているわけではないので
読み方は 火ノ月=ひのつき 風ノ槌=かぜのつち 倉水=くらみず 無翠=むすい
白雷=はくらい 影水=かげみず です
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