ネウロイに襲撃された明乃の勲章受章式から基地に戻ってから一日
明乃達晴風乗員は今、ストライカーユニットが保管されているハンガーに集められた。
本当はウィッチに覚醒した面子が呼ばれたのだが話を聞いた他のクラスメイト全員が見学に来た。ハンガーにはミーナ中佐と坂本少佐が大量の木箱の前にいた。
坂本少佐は明乃達が基地に帰るときに同行ししばらくはここに留まるらしい
明乃達とほぼ同時に他の501のメンバーもやってきた。
「来たか、お前たちに届け者だ」
「届け物ですか?」
明乃達は意味が分からなかった。この世界には明乃達の知り合いはいないのだ。誰が送ってきたのか分からなかった。ネーデルラントの女王だろうか
「えぇ統合軍本部からね、開けてみれば分かるわ」
「わかりました。何だろう」
「晴風の砲弾や燃料ですかね、大きさ的に」
「砲弾はともかく燃料は来るとしたらドラム缶じゃないですか」
「魚雷かな」
「うぃ」
「陸で魚雷はいらないんじゃ」
「食料じゃろ」
「それでも木箱が多すぎるだろ、食料だったら何日分なんだ」
「晴風に入り切りますかね、野間さんは何だと思います?」
「全く見当がつかないな」
「さっさと開けるわよ」
黒木洋美の言葉でそれぞれ木箱を開ける。その中にあったのは芳佳達が使っている
ストライカーユニットであった。だが芳佳達のユニットはすでにハンガーに置かれているので芳佳達の物ではない、一体これは・・・
「お前達用のストライカーユニットだ。まぁすぐこちらに送れる機体を送ってもらったから扱いが難しい機体もあるがな」
『私達の!』
ウィッチに覚醒した全員が驚いた。まさか自分のユニットが貰えるなんてと
明乃達は501基地に保護されているだけで軍属ではないのに
「えぇそうよ、明乃さんの活躍を聞いた統合軍本部が他の子の実力を知りたいみたいでね、ストライカーユニットを送ってきたのよ」
「取りあえず岬明乃、お前は宮藤と同じ調整をした紫電を使え、他は好きなのでいいぞ」
「他は自由なのに艦長だけ機体が指定されているのはなぜですか」
納沙幸子が坂本少佐に質問する
「岬の魔法力の問題だ。宮藤以上の魔法力となるとユニットのリミッターが働いてしまうからな、リミッターがかかるとうまく飛べなくなるからな、宮藤の機体は宮藤の膨大な魔法力に対応するよう調整してあるからな」
「なるほど、それじゃあ私はどれにしましょうか」
納沙幸子が納得し自分のユニットを選んでいるとましろがあることに気付いた
「この機体って全部501で使っている機体ですか?」
「えぇそうよたまたますぐに用意できるのがこれだったみたいよ、なんか運命的なものを感じるわね」
ミーナ中佐が考え込んでいるとシャーリーがあるユニットを見て驚いていた。
「おいおい、私と同じP-51Hかよ、初心者には向かない機体だぞ」
「言ったでしょ、すぐに持ってこれる物を送ってきてもらったって」
「それでも限度があるだろ、やるとしたら知床くらいだぞ」
「わっ、私ですか」
急に自分の名前が出てきて知床鈴は驚いた。なぜこのユニットの操縦者に自分が選ばれたのか、その答えはシャーリーが答えてくれた。
「あぁ、P-51Hはな加速性が高い機体なんだが他の機体とは出力や調整が違うところが多いから扱いにくいんだよ、ルッキーニもうまく扱えなかったからな」
「それでなんで私なんですかぁ」
「まぁ相性だな、すぐには無理でも乗りこなせたときお前の固有魔法の加速空間と合わさればP-51Hの性能を100%引き出せるからな」
「私、飛ぶの怖いんですけどぉ」
鈴が涙目でシャーリーを見つめる、その小さな体は恐怖で震えていた。
鈴は前に乗った箒での飛行中に起きた自身の固有魔法の暴走による異常加速の
体験が忘れられないでいた。トラウマである
「そうね、あんな体験をしたらまた飛ぶのは怖いわよね」
「えぇーそうか箒であのスピードだぞ、私だったらすぐにでも乗って最高速を出すぞ」
「無茶を言わないの、皆貴方みたいなスピード狂じゃないんだから」
「ちぇーつまんねぇ」
「知床さんは気にしなくてもいいからね、怖いようなら別に飛ばなくてもいいから」
「はい、ありがとうございます」
鈴が安堵しミーナ中佐にお礼を言ったとき黒木洋美が自身のユニットを決めた。
「私はよく分からないから服部さんと同じのでいいわ」
「N1K2‐Jですね、それでは黒木さんには私が教えますね」
「お願いするわ」
居候させてもらっている同室の服部と同じのを選んだ黒木を見て他もそれに続いていく
「じゃあ私はサーニャちゃんと同じ奴にするわ、タマは?」
「エイラ・・・の奴にする」
西崎芽依はサーニャと同じMIGI225にするようで
立石志摩はエイラと同じBf109k‐4に決まった。
「エイラ、それじゃあメイちゃんとタマちゃんは私達が教えようか」
「サーニャがいいならいいぞ」
「それじゃあワシも同じ固有魔法のハルトマン中尉と同じこれじゃな」
シュペー副長のミーナもBf109k‐4に決まり、ましろもミーナ中佐と同じこの機体に決まった。
「それでは私はペリーヌさんと同じこれにいたしますわ」
「VG.39bISですね、では私は万里小路さんの担当ですわね」
「じゃあわたしはリーネちゃんと同じこれで」
「スピットファイアMK22だね、ココちゃんは私が教えるね」
「私はバルクホルンさんのやつと同じ奴にしよう」
「FW190D-9だな、野間は私が指導してやろう」
「私もよく分からないからルッキーニさんと同じこれでいい」
「私とお揃いのG55Sストレーガね、一緒に飛ぼう、飛ぼう」
鏑木美波はルッキーニと同じ奴にしたため最後に余ったP―51Hは知床鈴の物になった。
だが鈴はトラウマが残っているのでストライカーユニットでの飛行練習は見学することにした。ユニットを選んだ晴風メンバーは早速飛行訓練に入った。とは言っても明乃と野間は既に飛んだことがあるので二人以外は基礎から学び、明乃と野間は一歩先を教わることになった。
まず岬明乃は宮藤芳佳から細かい動きや加速のやり方を聞いてそれを実践する。
それが終わると芳佳からシールドのレクチャーを受ける。明乃は既に芳佳以上の大きさの
シールドを張れるがまだやっていない使い方があった。多重展開である
複数のシールド前方に展開し防御だけではなく攻撃に応用できるこれを岬明乃は習っていた。初めてのネウロイ戦でも複数のシールドを展開したがそれは防御の範囲を広げるのと
ネウロイを閉じ込め自滅させるために張ったため自身の前方に張って攻撃に応用するこれは明乃の固有魔法と相性が良かった。最初は自身の前方一列に揃わず苦戦したが芳佳の
アドバイスで多重展開を習得した。
明乃は習得した多重展開を見て何かを思いついたようで早速芳佳にそのアイデアを言ってそれを実現する練習を二人で始めた。
一方野間マチコは明乃とは違いバルクホルンから実戦を想定した訓練を受けていた。
バレルロールなどの操縦技術、距離の取り方、急停止に急旋回
野間はそれを一つずつ確実にこなしていく、それを指導していたバルクホルンは改めて
野間の優秀さを実感した。
「やはり、飲み込みが以上に速いな・・・もう訓練校で習う過程の7割をものにしたか」
「いや、貴方の説明がわかりやすかっただけですよ」
「いや、説明を理解できてもそれをすぐこなせる奴はそうはいないさ、次はそうだな射撃訓練でも・・・いやちょうど向こうも一通り終わったようだ。宮藤達と向こうに合流するとしよう」
「わかりました」
バルクホルンが視線ををずらすと基礎を教わっていた他のメンバーが続々と空に上がっていった。どうやら基本的な操縦の仕方を教わり実際に飛んで高度を上げるとこまできたようだ。
バルクホルンは野間と芳佳と一緒に練習している明乃と共に他のメンバーの所に合流することにした。その時地上では空を飛んでいるクラスメイトを見ている鈴がシャーリーに話しかけられていた。
「よう知床、ちょっといいか」
「えっと・・・なんですか」
「一つ聞きたいんだが、お前最初箒で飛ぶとき怖くなかったのか、やっぱり自分のスピードが怖くなったのか」
「えっと・・・はい、自分の体なのに自分で止められなくてこのまま何処かにぶつかると死んじゃうと思ったら怖くて」
「なるほどな、飛ぶこと自体は怖くなかったのか」
「怖いっていうより最初は少しワクワクしてたんだと思います。小さいときお母さんに読んでもらった魔法使いの絵本で雲の上を飛んだ魔法使いがきれいな青空の下にある白い雲の中に入って頭だけ出して遊んだりするお話しがあって、私も飛べればそういうことができるのかなって思って、子供っぽいですよね」
「いや、笑ったりしねぇよ、いいじゃねぇかそういう憧れを持つっての結構大事なんだぜ」
「そうなのかな、シャーリーさんは速く飛んで怖くないんですか」
「怖くなんてないさ、元より速さってのは危険と隣合わせってのがいいんだ。あたしの生まれた所は何もない田舎でなバイクに出会わなければ今のあたしはないだろうな、あたしが改造したバイクで世界最速記録を達成したとき、空を飛ぶウィッチを見てあたしは軍に入隊したんだ。次は空で最速を目指そうってな」
「そうなんですか、シャーリーさんって凄いですね、自分の目標がしっかりしてて、私なんか昔から逃げてばっかの逃げ逃げ人生でこのままじゃいけないと思って逃げることのできない船で治そうと思ったけど結局逃げてばっかで、そんな私を艦長は認めてくれて岬さんのためにも私も一緒に晴風を守れるようになりたいって思ってたけど怖くて結局逃げて」
「なんだよ、お前も自分の目標を持ってるじゃないか、今の自分を変えたいんだろそのことを忘れずチャレンジし続ければいつかできるようになるさ」
「でも、結局今も逃げてばっかだし・・・」
「こういうのは前向きに考えた方がいいんだよ、そうだお前がさっき言ってたこと体験させてやるよ」
鈴はシャーリーの言っていることが分からなかった。何を体験させてくれるのか
「知床、P―51Hに乗れ、私が雲の上まで連れて行ってやるよ」
どうやら鈴が言った絵本に出たことを体験させてくれるらしい
「でも、またあんな加速をしたら・・・」
「大丈夫さ、あたしがしっかりつかんで運んでやるから、それに知床の固有魔法で加速してもまたあたしが捕まえて止めてやるよ、さぁ早く乗れって」
「えっ、うんわかりました。」
鈴はシャーリーに言われるままユニットを足に履いた。
シャーリーに起動方法を教わり、まずは低空で少し前に進んでみる。最初は順調と思われたがP―51Hの操縦の癖が現れフラフラとしてしまった。左右で魔導エンジンの回転数が違うようだ。本来なら故障でもしなければ左右の魔導エンジンの回転数は変わらないのだが・・・
すぐにシャーリーが鈴の体を掴み姿勢を安定させる
「あっ、ありがとうございますシャーリーさん」
「礼はいいさ、それより知床何か違和感はあるか、魔法力が片方だけ流れにくいとか」
「えっと飛んでいるときに向きを変えようとしたら変えたい方向の方のユニットに魔法力が多く入っちゃって、すぐに反対の方にも流してみたんですけど今度は流した反対の方が多く入っちゃったみたいで」
「もしかして知床、お前自分の意思で片方だけに魔法力を流せるのか」
「えっ・・・そうですけど」
「よくそんな器用なことすぐ出来たな、それ結構難しい奴だぞ」
シャーリーは鈴の言った言葉で不調の原因がわかった。
左右で魔法力の出力が違ったのだ。そのせいで左右のバランスが崩れふらついたのである
シャーリーは鈴に魔導エンジンを安定させる方法を教える、教えると言っても本来魔導エンジンはユニットが勝手に勝手に調整してくれるのでシャーリーは鈴が無意識に魔法力を流しすぎていると思い無駄に意識しないで自由気ままに飛ぶようアドバイスする
そして向きを変えるときは片方だけに体を傾けるのではなく体全体で曲がるよう意識するようアドバイスする。
シャーリーのアドバイスにより安定したユニットは鈴の思いのままに動いた。
スピードこそまだ出ていないが闘い慣れたルッキーニでも扱えなかったユニットを素人の鈴が扱えるようになったことでも凄いことだった。
シャーリーは安定して飛べるのを確認すると早速鈴を大空に連れて行く
「それじゃあ行くか、おっとあれも持って行かないとな」
シャーリーはあることを思い出し格納庫から自身がいつも使っている機関銃を肩に掛け戻ってきた。
「銃も持っていくんですか?」
「あぁ、バルクホルンにさっき頼まれてな、今飛んでるあいつらに高速飛行時の射撃の手本を見させてやってくれってな」
「じゃあすぐに行かないといけないんじゃ」
「大丈夫だよ、あっちもまだ少しかかるだろうし雲の高さまで飛んで少し飛ぶのを楽しむ時間位はあるさ、銃さえ持っていけば戻ってすぐにできるだろうしな」
「はぁ・・・」
「それじゃあ今度こそ行くか」
シャーリーは鈴を抱え大空へと向かっていった。
抱えられた鈴は段々と小さくなっていく地上で見ているクラスメイトを見ると改めて飛んでいることを実感する。シャーリーは鈴の様子を見てあることを行った
「よし、知床少し飛ばすぞ」
「えっ、ちょっ、ひぃぃぃ」
シャーリーの少し飛ばすという一般人には体験できない猛スピードを体験した鈴は叫びながら腰から腕を回して支えているシャーリーの手をしっかりつかむ
「知床、しっかり見てろよ、雲の上の景色ってのを」
シャーリーがそういうと鈴は意を決して目を開けて前を見続ける、それでもシャーリーの出す速度が速すぎて怖さが溢れてくる、だけどそれはすぐに消え失せた。
シャーリーが前にあった雲を突き抜け雲の上に出たのだ。
そこで見た景色に鈴は心を奪われた。綺麗な青空の下に広がる白い雲海、今ここには鈴と
ここまで運んできたシャーリーしかいない、二人だけの空だった
「凄い・・・綺麗」
「どうだ、いい景色だろもう怖いって感じないだろ」
「はい!ありがとうございますシャーリーさん」
「じゃあ一人で飛んで見るか、回転数は安定しているな」
そう言うとシャーリーは鈴を離し一人で飛ばさせてみる。最初は少しふらついたがすぐに体勢を戻しシャーリーの横に並ぶ
「それじゃ少し飛び回るか、そうだせっかくだから勝負すっか、あたしが逃げるから知床はあたしに触れてみろ、まぁ簡単に言えば鬼ごっこだな」
「わかりました」
「じゃあ始めるぜ、よーいドン」
シャーリーの合図で二人は雲の上の空で飛びまわる。さっきまで飛ぶのが怖かった鈴の顔には恐怖という感情はなくただ飛ぶことが楽しい純粋な気持ちで一杯だった。
鈴が空を飛びまわっているとき地上ではある異変が知らされていた
それは見張り員の内田まゆみが坂本少佐に話しかけていた時に起こった
「坂本少佐、シャーリーさんがりんちゃん連れていっちゃいましたけど大丈夫ですか」
「シャーリーなら大丈夫だろう、面倒見がいい奴だからな、それにしてもウィッチに覚醒した面子の才能は凄いな」
「そうなんですか、私達からすれば芳佳ちゃんやサーニャちゃんの方が凄いと思いますけど」
「確かに経験値で言えばあいつ等が圧倒的に勝っているがまだウィッチに覚醒して間もないのにあそこまでの動きができているからな先のことを考えればいずれ宮藤以上の活躍をするウィッチになるだろうな、特に岬と野間、万里小路は凄いな、今の段階で中尉クラスの腕前はありそうだ」
「へぇーそんなに凄いんですか」
ブゥゥゥゥン ブゥゥゥゥン
突如基地の警報がなったのだ。外でウィッチに覚醒したメンバーに指導してた501の隊員に放送が流れる
「緊急連絡、ポイントS17距離800の上空からネウロイ三機が接近、うち二機が高度を下げこちらに向かっているもよう至急迎撃に向かってください」
その連絡を受けたミーナ中佐はすぐに指示を出す
「総員、ハンガーに戻って武器を受け取り次第迎撃に向かって急いで」
『了解』
501メンバーがハンガーに向かっているときに宗谷ましろはあることが気になっていた。
こっちに向かっているのは三機のうち二機、ならもう一機はどこに向かっているのか
ましろは自身の固有魔法で三機目がどこに向かったのか調べた。
すると予想進路上に航海長の知床鈴とシャーリーがいるのが分かった
ましろがそのことをミーナ中佐に伝えようとしたときこっちに向かっている二機の速度が一気に上がったのを固有魔法で確認した。
すぐにネウロイが来る方を見ると凄い速さでやってくるネウロイ二機がビームを撃つ寸前だった。ましろはすぐに艦長に指示を出した
「艦長、10時から2時の範囲にシールドを大きさ最大で出してください」
「わかったよ、シロちゃん」」
明乃は特に理由を聞かずましろの言う通りにする
明乃がシールドを張ると同時にネウロイの攻撃が放たれ明乃の張ったシールドに着弾する
あと少し遅かったら基地に直撃し甚大な被害が出ていた。
ネウロイは明乃の張ったシールドにぶつからないように高速で移動しながら旋回し再び狙いを付けビームで攻撃する。明乃もそれを防ぐがそれしかできなかった。敵が速すぎて明乃が前にやった閉じ込めてからのネウロイのビームの乱反射による自滅攻撃ができないのである。さっきまで芳佳と練習していた新しいシールドの使い方もあの速度ではできそうにない、明乃がネウロイの攻撃を防いでいるとき攻撃してきたネウロイを見たハルトマンは驚愕した
「トゥルーデ、あれもしかしてハンブルグにいた奴じゃない」
「あぁ、それにビームの威力が上がっている、すぐに倒すぞ」
二人はすぐハンガーに戻り武装を万全にしネウロイのもとに飛び立った
かつてハルトマンを落としたネウロイ、ベルリン近くで再戦したときもバルクホルンと
ハルトマンの二人がかりでやっと倒した強敵、それが二機かなりつらい状況だった。
二人が二機のうち一機に向かうとミーナ中佐のもとにましろがやってきた。
「ミーナ中佐、大変です。三機目が知床さんとシャーリーさんのもとに向かっています」
「なんですって、ルッキーニさん、服部さん、シャーリーさんの援護に向かって頂戴」
「シャーリー」
「了解、すぐに向かいます」
ルッキーニと服部はシャーリーの救援に向かうハンブルクであった高速飛行ネウロイは
シャーリーでも太刀打ちができないのだ。今回現れたのはそれの強化型かなり厳しい戦いになると思われる
知床鈴とシャーリーもネウロイの存在に気付いていた。
シャーリーと鈴が飛行中に雲の中に影が見えたのだ。影は段々と大きくなっていったので近づいているのが確認できた。シャーリーは一端、鈴を止めその場で様子を伺う
一応持ってきた銃が役に立ちそうだ。一体だけなら何とか倒せるかと思ったがその考えは実現できないとすぐわかることになった。なぜなら現れたネウロイがハンブルグに現れたハルトマンを落としシャーリーすらも撤退させた強力なネウロイだからだ。
シャーリーはすぐに鈴を逃がすことにした。
「知床、すぐ下の皆の所に戻れここは私が時間を稼ぐ」
「そんなの駄目ですよ、シャーリーさんも一緒に」
「そういうことを言ってられる相手じゃないんだよ、大丈夫さなんとか援軍が来るまでは逃げ切ってやるさ、早く行け」
「っ!はいシャーリーさんもちゃんと戻ってきてくださいよ」
鈴はそういうとシャーリーと別れ下へと降下していくシャーリーはネウロイに向かい加速し戦闘を開始した。
「それじゃあネウロイ退治と行きますか、おらよ」
シャーリーは銃撃を開始するが異常に速い速度で飛行するネウロイに苦戦する
シャーリーもウィッチの中ではかなり速いウィッチなのだがそれでも食いつくのがやっとだ。それにネウロイの急停止からの切り替えしの速さが厄介だった。実際過去にハンブルグで会った奴にも切り返しに対応しきれず撤退を余儀なくされた。
ダダダダ ダダダダ ダダダダ
銃撃音が空に響く、下で訓練をしていた晴風メンバーのもとに向かっていた鈴だがふと
シャーリーの方を見てしまった。上空でたった一人で高速で移動しながら戦う彼女が段々追い詰められていくのを・・・攻撃を避けるのもギリギリだった。
「シャーリーさん!どうしようこのままじゃやられちゃうよ」
なんとか助けなくちゃと思うが泣き虫の自分に何ができるというのか
いつも逃げてばっかの逃げ逃げ人生だった自分に
その時ちょっと前に言った明乃の言葉を思い出した。
私ができることをしただけです
私ができること・・・今の私に出来る事、いつものように逃げる?
いや違う、今心の中にあるのは助けたいという意思
飛ぶことが怖かった私に空の景色を、飛ぶ楽しさを教えてくれたシャーリーさんを助ける
その意思が知床鈴に覚悟を決めさせた。
「私が絶対、助けるんだぁぁぁ」
鈴が雄たけびを上げる、それと同時に鈴の体に魔法力の光が浮かび上がり鈴の固有魔法
加速空間が発動した。今回は最初の時とは違い鈴自らの意思で発動した。
鈴は再びシャーリーのもとへ向かう、今度はフルスピードでさらに鈴の固有魔法による
加速付きで
シャーリーは今だネウロイに決定打を与えられないでいた。
「くそっ、やっぱり滅茶苦茶速いな」
ダダダダ ダダダダ と銃弾を放つが一向にネウロイに当たる気配がない
シャーリーが焦っているとネウロイのビームを躱した時に手を滑らせ銃を落として
しまった。こんなことになるなら落下防止用のベルトから外さずに使っていればよかったと思ったが起きてしまったことはしょうがない、シャーリーがこれからどうするか考えると同時に下の方から声が聞こえた。
「シャーリーさーん」
先に帰還させた知床鈴だった。鈴はシャーリーが落とした銃を受け止めるとそれを持ち
シャーリーを追い越しネウロイに向かう、ネウロイに向け発砲しネウロイの放った
ビームを紙一重で躱す。その距離は1センチもない距離で、それをスピードを落とさず
そしてさらにネウロイに近づいていく、ネウロイの攻撃も激しさを増していき鈴に直撃するビームが放たれたとき鈴は自らの意思で魔法力を片方のユニットに多く送った。
すると鈴は軌道をかえビームを又、紙一重で躱した。スピードをほとんど落とさない
その避け方は鈴にしか出来ない芸当だった。
鈴はその技術を使いネウロイに食いつきネウロイのボディにダメージを与える
知床鈴の切り返しの速さは敵ネウロイよりも圧倒的に早かった。
ネウロイは攻撃手段を変え翼の下に搭載していた4発のロケット弾型ネウロイを発射した。
鈴はそれを躱すがロケット弾は鈴を追跡しながら追ってくる
「あのネウロイ、あんな攻撃もできるのかよ」
シャーリーが驚愕していると鈴が動いた。ロケット弾に突っ込んでいったのだ。
鈴はロケット弾の弾幕の僅かな隙間を体を捻らせ回避しネウロイに向かっていく
ロケット弾も鈴を追う、ネウロイがビームを放ちそのビームが鈴の後ろを飛んでいた
ロケット弾3発に命中し爆発した。爆発の衝撃波が鈴のスピードを僅かに上げネウロイの
後ろに回ることができた。鈴は銃弾を叩きこむ、だが初めて撃つ機関銃のため反動をもろに
受けて狙いが定まらないネウロイにダメージが入るがすぐに再生されてしまう。
するとさっきまで鈴を追ってきていた最後のロケット弾型ネウロイが鈴の前にいた
ネウロイに直撃した。その破壊力は凄く一撃でコアが露出した。
それを見たシャーリーはチャンスを逃さず動いた。
「知床ォォォォ」
猛スピードで鈴のもとに近づいたシャーリーはズボンからリボルバーを取り出し
通り過ぎる僅かな時間でコアを打ち抜いた。コアを破壊されたネウロイは光となって消えた。二人が安堵すると服部静夏から連絡が入った。
「なに、本当か服部」
「どうしたんですか、シャーリーさん?」
「まだ下にさっきのネウロイが二体いるらしい、私と一緒にいけるか知床」
「はい!まだまだいけます」
「上等、行くぞ合体だ」
「はいっ、えっ合体」
シャーリーは最初鈴を空に連れていったように腰に手を回し鈴に密着した。
これもある意味合体だ。二人はそのまま最大速度で下で戦っている皆のもとに急いだ。
一方下では今もなお苦戦を強いられていた。
ペリーヌとリーネにネウロイがロケット弾型ネウロイを放つ
「ロケット弾!」
「小賢しいですわ、トネール」
ペリーヌの固有魔法の雷撃がロケット弾を全て破壊する
「ありがとう、ペリーヌさん」
「礼には及びませんわ、それよりまだ敵は健在ですわ」
ペリーヌがリーネに注意を促すと爆炎の中からビームがペリーヌを狙って放たれた。
「しまった」
ペリーヌにビームが直撃する寸前ペリーヌの前に一人のウィッチが割って入ってシールドを張った。万里小路楓だ
「ご無事ですか」
「万里小路さん、えぇ助かりましたわ」
「万里小路さん、他の子達と避難したんじゃ」
「えぇ避難が終わったのでこちらの援護に来ましたわ、他は晴風の守りに美波さん、立石さん、芽依さん、納沙さんが、艦長のサポートに副長と宮藤さん、ミーナ中佐が、バルクホルンさんのもとには野間さんと黒木さん、ミーナさんが向かいましたわ」
「そうなんだ、あれ野間さんはともかく黒木さんやインゲノールさんって銃撃ったことあるんだっけ」
「お二人は防御に徹するそうです」
「サポート役ですね、戦力を集中しての一転突破、あの方たちが来るまで守り切りますわよ」
ペリーヌがリーネと万里小路に話しているときに通信機から声が聞こえてきた。
「どいた、どいたラビット号のお通りだぜ」
「いっけぇぇぇー」
鈴と密着したシャーリーがもうスピードでやってきた。
「知床、前方にシールドを張れ」
「はいっ」
シャーリーに言われるまま鈴はシールドを張る
その状態でペリーヌ達が相手をしていたネウロイに突っ込みネウロイのボディを
コアごと貫いた。その時二人が通り過ぎた後に衝撃音が聞こえていた。
二人は音速を超えていたのだ。二人はそのまま最後の一機に向かっていった。
バルクホルンのもとに援護に来た野間達も高速飛行するネウロイに苦戦していた。
「くそ、速すぎる」
「こうなるんじゃったらワシも射撃訓練をやってればよかった」
「いつまでも守れないわよ」
「トゥルーデ、どうする」
「どうするもないだろ倒すしか」
五人がネウロイを睨むと後ろからもの凄いスピードでやってくるウィッチが見えた
鈴とシャーリーだ。音速を超えたスピードで五人を通りすぎるとさっきと同じように
シールドを張りネウロイに突っ込むが今度はネウロイも回避行動をとりコアへの直撃を避けた。破壊された部分が再生を始める
すぐにシャーリーは鈴を離しその両手を掴みそのままその場で回転し続け十分な遠心力がつくと鈴をネウロイに放った。
もはや音速の砲弾とかした鈴は再びシールドを張りネウロイに止めを刺した。
「目が回ったぁぁぁよぉぉぉ」
目を回した鈴が徐々に地面に落ちていく、それをシャーリーが受けとめる
「よく頑張ったな、ゆっくり休め」
「うーん、気持ちいい」
シャーリーの胸に顔を埋めた鈴が安堵しそのまましばらくシャーリーの胸の中で休んだ。
この時は誰も知らなかった。現れたネウロイが明乃達の世界から来たことを・・・
今回は知床鈴の覚醒回でした。この話は絶対に書こうと思ってました
三期の6話のバルクホルンの回を参考にしました。でも文才が無いので細かいところまで心情とかは書けませんでした