ブリザードを発生させるネウロイを倒した晴風一同はブリタニアへと向かっていた
本当なら昨日の夜中又は早朝に付くはずだったのだがネウロイとの戦闘で時間をくってしまった。晴風の航行には何も問題が無くて良かったがこのロスは痛い、むこうで待っているリネット・ビショップに申し訳ない。なんとか目的のポーツマス海軍基地に到着すると基地の隊員たちが動き始める。予め晴風の特徴を聞いていたのだろう。晴風の入港準備及びドックへの手配を開始する。
「艦艇確認、報告にあった晴風と確認三番停留所で待機させておけ、あと40分で修繕が終わった駆逐艦が出る二番ドックの奴らに連絡しておけ」
「了解、司令部にも報告しておきます」
「あぁ頼むぞ」
基地の隊員達が晴風を三番停留所に誘導する。晴風はその誘導に従い停留所に向かうが坂本少佐が何かを考えていた。
「気になるな・・・」
「どうかしたんですか?」
艦長の岬明乃が坂本少佐に聞く、何が気になるというのか
「あぁ、晴風をこっちに向かわせるためにこっち側のドックの空き具合は私が確認したはずなんだがなぜか艦の修繕作業が行われていたからな」
「そうなんですか、あれそう言えば確かリーネちゃんがこっちで受け入れ体勢の確認をしてたんじゃ・・・」
「いや、こっちが一日遅れたからな、リーネの奴もこっちが到着したことを聞けばやってくるだろ」
「あっ、そっか遅れたんだった。リーネちゃんに心配かけちゃったかな」
「そうですね、あったら無事なことを報告しないといけませんね、そう言えば晴風をドックに入れた後は我々はどうするんですか」
副長の宗谷ましろが坂本少佐に聞く、一応晴風乗員でも修復できるところはあるから整備の手伝いでも問題は無いのだが慣れない場所でしかも自分達より技術が高い整備士がいるここでは足手まといになってしまう気がして何をすればいいか分からなかった。
「そうだな、大和が来るのがあと2,3日かかるが見張り台の修復は先にやっていても問題無いだろうからそこを優先的に直してもらうとするか、お前達は一端待機だろうな、観光でもしにいくか」
「それはいいですね、晴風の皆で海外旅行です」
書記の納沙幸子が喜ぶ、他の面子も似たような反応だった。
「よっしゃあぁぁ、陸で休暇だぁ」
「うぃぃ」
「ねぇどこ行く?」
「どこって言ってもここの地理はわかんないし迷わない程度にぶらつくしかないんじゃない、どこかに名所とかあるかなぁ、リンちゃんはどうする?」
「私はどうしようかな・・・」
それぞれ何をするか話し合う、他の部署にも伝わり各々の部署でどう過ごすか話し合いが行われた。そんなことをしていると晴風が入るドックが空き晴風の受け入れが始まった。
特にトラブルなく進み、ドックに搬入が済むと乗員達は下船する。全員がドックに入った晴風を見ていると奥から一人の少女が走ってきた。
501のリネット・ビショップである彼女に気付いた宮藤芳佳が手を振る
「リーネちゃーん、お待たせぇぇー」
「芳佳ちゃーん、それに皆も無事だったんだね、はぁはぁ」
走ってきたリーネの息は切れかかっていた。呼びに来ただけにしては慌てているように見えた坂本少佐は訳を聞いた
「そんなに慌ててどうした。なにかあったのか」
「ハイ、皆さん司令部に来てもらっていいですか、パットン将軍がお待ちです」
「パットン将軍がか、私と501のメンバーをか」
「いえ、晴風のクルーも来てほしいそうです」
「こいつらもか、わかったすぐに向かうとしよう、すまんな観光は後になりそうだ」
「わかりました。でもなんで私達も呼ばれたんですか?」
艦長の岬明乃はなぜ自分達も呼ばれたのか分からなかった。将軍というからにはかなりのお偉いさんである、なぜそんな人から呼ばれたのか
「それは私も分からん、とにかくあってみるしかないな、ついてきてくれ案内する」
坂本少佐に案内され晴風乗員は司令部に向かう、司令部の会議室に向かう途中の廊下でよく知る人物と出会った。501基地で待機しているはずのミーナ中佐を始めとした5人である
「ミーナ、なんでお前達がここにいる何かあったのか」
「えぇあなた達が出航したその夜、ブリタニアにネウロイの侵攻があったの」
「なに、それは本当か被害はどうなっている」
「幸い死者、重傷者は出てはいないのだけれどもブリタニアの各地のウィッチ隊のストライカーユニットの損害が大きいわ、ブリタニアのウィッチ隊の25パーセントが中破、又は大破の状況よ」
「そんなにか、よくそれで死者が出なかったな」
「私もまだ詳しくは知らないんだけどネウロイがユニットのみを破壊する攻撃をしたらしいわ、統合軍はこの攻撃が単発的な攻撃ではなくネウロイの第一次攻撃の可能性があるとみて防衛網に穴が開かない様に501に要請がきたの、ブリタニアの北西側と南南西側にも506部隊Bチームと504部隊のウィッチ三人が派遣されたわ」
「それほどの事態か・・・岬達が呼ばれた経緯は分かるか」
「それは分からないわ、将軍に直接聞くしかないわね、取りあえず会議室に向かいましょう」
基地にいたはずの501メンバーと合流した一同は将軍が待っている会議室に入る
その部屋はかなり広く長テーブルが10列と椅子が置いてあり100人近くの人が会議に参加できそうなところだった。その中央正面に二人の男性と隣にハルトマンそっくりな白衣を纏った少女がいた。その少女を見てハルトマンが口を開いた。
「ウルスラ、もうこっちに来てたんだ」
「はい、姉さん」
二人の会話を聞いていた晴風乗員はハルトマンそっくりな少女の正体を悟った。
「あれがハルトマンさんの双子の妹のウルスラさんなんだね」
「じゃろうな、姉の方とは違い随分と大人しいようじゃ」
「そうだね、でも顔はやっぱりすごく似てるよね」
明乃・ミーナ・鈴が話していると中央にいた一人の男性が話しかけてきた。
「お前らが報告にあった嬢ちゃん達か」
「あっ、はい多分そうです。えーっと・・・」
いきなり話しかけられて戸惑う明乃を見た坂本少佐が晴風乗員に将軍を紹介する
「岬、紹介しようこちらに居られるのは統合軍西方軍集団最高司令官、パットン将軍と同じく統合軍西方軍集団副司令官、ブラッドレー将軍だ」
「おうよ、リベリオン陸軍の大将をやっているパットンだ。よろしく頼むぜ小娘ども」
「同じくリベリオン陸軍の中将のブラッドレーだ。報告は聞いている、取りあえず席についてくれ、君達にも聞いてもらいたい話だからな」
ブラッドレー将軍に言われた晴風乗員は席につく、取りあえず晴風ウィッチは同じテーブルにつき、それ以外はそれぞれの所属の部署ごとに席についた。501のメンバーも席についたことで本題に入ることになるはずだったがその前にブラッドレー将軍からある話がされた。
「本題に入る前に君達に聞いておくが君達が統合軍でどういう風に思われているか知っているかね」
ブラッドレー将軍に言われたその言葉を聞いた晴風ウィッチ組は肝を冷やした。
何かまずい事をしてしまったかと
「えっ、コレもしかして怒られる系?」
「違うと言いたい所じゃが・・・なんとも言えんな」
「特に問題は起こしてないと思いますけど」
なにか怒られることをしてしまったかと晴風乗員が不安がっているとパットン将軍がそれを否定してくれた。
「安心しろ、そういう話じゃねぇ、寧ろ褒めてんだよ」
「えっ、褒め言葉?」
「君達がつい最近ウィッチに覚醒したことは聞いている、そしてそこからの短期間で戦果を出していることは実に素晴らしい、特に艦長の岬明乃の実績は凄まじい、初陣で世界記録を二つも取ったのだから」
「私、そんな記録取っていないんですけど」
明乃は自分が知らない間に取った記録について聞く、なんの記録なのか
「まぁ知らねぇのも無理はねぇか、おめぇが初めてやったんだからな」
「君が取った二つの記録は五機の大型ネウロイの最速撃墜記録と勲章受章時の最短飛行時間の記録だ。」
「そんな記録を持ってたんだぁ初めて聞いたぁ」
「・・・まぁそんな偉業を成し遂げた君の評価は軍や各国で評価されていると思ってくれ、君達は形式上どこの国にも所属していないからスカウトの話が結構来ているぞ、ガリアを始めブリタニア、ロマーニャ、カールスラント、扶桑、リベリオンとな、今回君達にも来てもらったのは実際にこの目で見てみたかったのとある作戦への協力を要請したいからだ。」
「作戦ですか?」
明乃がその言葉を聞くとミーナ中佐が割って入ってきた。
「待ってください彼女達にも参加させるつもりですか」
「ただの要請だ。それに他の子の戦果も資料で確認した限り作戦参加の資質は十分にあるはずだがミーナ中佐」
「それはそうですが・・・」
「大丈夫ですミーナ中佐、私達ができる事なら協力します。こっちに飛ばされた私達を助けてくれたお礼をさせてください」
「お礼って今までの戦闘でも十分に助けてもらったわよ」
「そういう艦長なんです。うちの艦長は、もちろん私達も協力します。ですが誰かを犠牲にするような作戦なら協力はしませんが」
副長の宗谷ましろは将軍二人に睨みを聞かせる。一見脅しているように見えるが内心ではかなりビビッていた。
これ、本当に大丈夫か、ミーナ中佐に立場に怯えず意見を言う事とほんの少しの脅しを入れるように教えてもらったが・・・いやまて軍属ではない私達が意見なんて言っていいのか私のせいで晴風が窮地に陥るなんてことはないよな、ないよな
ましろの不安は無駄に終わる、将軍達が約束してくれたのだ
「安心しろ、そんな馬鹿なことはしねぇよ、そんじゃあまずは敵について説明してやってくれウルスラ中尉」
パットン将軍がウルスラに敵ネウロイの説明を求めた。ハルトマンの妹、ウルスラが説明用に持ち込まれたであろうボードに三枚のネウロイの写真を張りだした。張り終えると今回ブリタニアのウィッチを追い詰めたネウロイの説明を始めた
「今回複数の地点に現れたネウロイですがサイズは小型タイプでロケット弾型のネウロイです。最初に発見したのはブリタニア空軍第8戦闘機集団所属の航空ウィッチで接触後、すぐに戦闘を開始、しばらくして敵ネウロイのボディが回転を開始、その回転エネルギーにより重火器を無力化され増援がくるまで持久戦に突入」
「もしかしてその能力のせいで苦戦してあの被害が出たのか」
話を聞いていたバルクホルンがその能力をきいてウルスラに問い掛ける
だがウルスラはそれを否定する
「いえ、小型タイプのネウロイはすべての地点で撃破しています。問題は戦闘中にネウロイが放った煙幕です」
「煙幕、それでなぜあんな被害が」
ミーナ中佐がウルスラに問うとウルスラはその理由を説明した。
「ウィッチがネウロイの後ろに付いた時にネウロイが煙幕を噴射、直撃しても体に異常が無かったためただの目くらましと思い戦闘を継続、増援が到着後にも再び煙幕を放出、戦闘を継続してしばらくして煙幕内で飛行していたウィッチのユニットが全機故障しました。」
「全機故障だとまさか煙幕が原因か」
「えぇ、私もたまたま新兵器の組み立てのためにこっちに来ていた時にその報告を聞いてすぐに調査したら原因がわかりました。」
「どんな原因だったんだよ、煙幕の中にいただけで全機故障なんて異常だよ」
姉のハルトマンが原因の説明を催促する
「結論から言うとあの煙幕はユニットに搭載されている魔導エンジンで増幅された魔法力に反応して高熱を発生させるものだと分かりました。その高熱によって魔導エンジンが破損、又は熱暴走を起こし故障を引き起こしていました。」
「よくそんな状態でネウロイを倒せたな」
シャーリーがそんな状況でネウロイを倒せたことに驚くとウルスラはその理由を述べる
「ネウロイを撃破したのは煙幕の外にいたウィッチの装甲ライフルかフリーガーハマーによる攻撃です」
「っていうことはそのネウロイを倒すには煙幕の中に入らずに遠距離で攻撃しなくちゃいけないってことですか」
芳佳がネウロイの基本的な戦闘スタイルを提案すると一緒に聞いていた服部静夏が納得をした。なぜ明乃達も呼ばれたのか
「それで岬さん達も呼ばれたんですね、装甲ライフルとフリーガーハマーの使い手と数による弾幕でネウロイを倒すために」
服部静夏の発言を聞いていたパットン将軍がそれにあることを付け加える
「それにこいつらの艦長の岬にはB-17の護衛を頼みたいからな」
「B-17のですか、ですがネウロイは既に撃破したはずでは、まさか」
「あぁ、ネウロイの母艦型が見つかったんだよ、海上でな」
「ただ例の煙幕を散布し続けていて奴を中心に1キロが煙幕の防御層となっている有様だ」
パットン将軍とブラッドレー将軍が現在の状況を説明する。岬達晴風ウィッチ組に協力してほしいのはこのネウロイの殲滅だった。
「いま、殲滅作戦のために準備をしているところだ。準備ができ次第B-17三機で爆撃してあの煙幕を晴らしてぶっ飛ばすっていう事だ」
「ただ、ベルリン解放後B-17は各地の輸送任務やメンテナンスに入ってしまっている状況だ。作戦開始はここにあるB-17の整備が終わる3日後を予定している」
「そういうことだ。まぁそれまでは501で引き続き面倒を見てくれ、嬢ちゃん達もそれまでここの宿舎で待機しておいてくれ」
「わかりました」
パットン将軍の言葉に明乃は了解する。結局のところ今までやっていた手伝いと変わりはなかった。パットン将軍がふと自身のテーブルに敷いてあった地図を見ると感情を露わにした。
「ったくベルリンを開放したっていうのにこうも何処からやってきたかわかんねぇ野郎がくるとはなこのクソネウロイが」
パットン将軍は懐から拳銃を取り出すと地図に書かれている母艦ネウロイの現在位置に向かって発砲した。 バンッバンッバンッ
えぇーなんで撃ったのぉぉぉ
晴風乗員はいきなりの行動に驚いた。ただの会議で拳銃を撃つ人は普通はいない
他の人達も見てみるが呆れた様子で見ているだけだった。どうやらいつものことらしい大丈夫かこの将軍と、晴風乗員全員が思うのであった。
「落ち着けパットン、いちいち備品を壊すな、あぁ君達はもう下がってくれて構わない、作戦開始までは自由に過ごしてくれ」
「はぁ・・・」
ブラッドレー将軍に言われて501のメンバーとハルトマンの妹ウルスラと晴風乗員は部屋を後にした。部屋を後にしたあと明乃はあることが気になり近くにいた、バルクホルンにそれを聞いた
「すいませんバルクホルンさん会議で出てたB-17ってどんなものなんですか」
「あぁ、お前達は知らなかったな、B-17は爆撃機と言ってな空中で大量の爆弾を投下して地上を攻撃する航空機のことだ。B-17は約4500キロ近い爆弾を搭載できる機体だな、大きさは前にお前らがネーデルラントに向かう時に乗った機体よりさらに大きいぞ」
「搭載量4500キロ!それを三機って13000キロ近い爆弾落とすってこと」
明乃の質問に答えてたバルクホルンの話に砲雷科の小笠原光が割って入ってきた。
どうやらB-17から落とす爆弾の量に驚いたようだ。
バルクホルンは光にも説明をしていく
「やろうと思えば可能だが積みすぎて機体が重くなるから回避行動を考えて3000キロぐらいに抑えることもあるんだが岬に護衛を命令したことを考えるとあり得るかもな」
「うわぁースケールがデカいわぁー引くわぁー」
光が殲滅作戦の規模に引いているとバルクホルンは会議中に出てきたある言葉が気になりウルスラに尋ねる
「そう言えばウルスラ、さっき新兵器の組み立てとか言っていたよあ何を作ったんだ?」
さっきの会議で出たウルスラの新兵器の組み立てという言葉、バルクホルンはそれが気になっていた。
ウルスラはバルクホルンにその新兵器の名前を伝えた
「はい、航空ウィッチの火力を上げる外付けの装備で重爆兵装ガルーダです」
ポーツマス海軍基地第9格納庫、その中に圧倒的な大きさを誇る武装50mm砲が付けられた小型の戦闘機みたいなものが佇んでいた
次かその次あたりにタマの覚醒回かけるかな