海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ   作:レーゲン

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今回は帰路への手掛かりの正体に気付く回です


扉が開くその時は

晴風の乗員の殆どが間違って飲んだお酒で酔いつぶれた翌日、酔った野間マチコから晴風副長、宗谷ましろが救出されたあと、酔わずに済んだ者や回復した者達が今だ回復していないクラスメイトの世話をしていた。

 

 

「あぁぁぁ、頭痛いぃぃぃ、吐くぅぅ・・・」

 

「ゴキュッ!!と逆流してきそう・・・」

 

「ゴキュッ!!って何よ・・・あぁやばい反応したら気持ち悪くなってきたぁ」

 

光、順子、美千留、の三人は今だ回復しておらず二日酔いに苦しんでした。

止めに入る前に何杯か飲んだ彼女達は最初は楽しく飲んでいたが、ある程度すぎると体調が悪くなり今に至った。

 

彼女達は言うなれば翌日苦しむタイプの人間だ。彼女達の様に翌日につけが回ってくるのは多くいてその中にはウィッチ化した面子もいた。

 

 

「タマァァァ・・・治ってきたぁぁ・・・?」

 

「ヴィィィィ・・・・ヴィィィン」(いいや、と言っている)

 

メイとタマもバーボンを飲んでしまい、二日酔いに苦しんでいた。

一方、同じく酒に酔っていた知床鈴、納沙幸子、ミーナはと言うと・・・

 

 

「まゆちゃん大丈夫?お水持ってこようか?」

 

「ううん、大丈夫・・・ちょっと頭痛いだけだから」

 

 

「航海科もサトちゃん以外酷いですねぇ・・・」

 

 

「じゃな・・・美甘も辛そうじゃったな」

 

意外に平気そうだった。この三人は酔うのは早かったが、酒が抜けるのも早かった

他の子達とは違い二日酔いのような症状は出ていなかった。

 

知床鈴、実家が神社で先祖代々酒はあんまり飲まないが神事などでたまに飲むため知らず内に酒に対する抗体が生まれていた可能性アリ、その遺伝子が知床鈴の内にもあった可能性が考えられる

 

 

納沙幸子、特にこれと言った理由は考えられない、たまたま酒に強かった、としか言えない

 

ミーナ、ビール大国ドイツの生まれだろうか酒には強かったらしい、ただビールとは比べるまでもないほど度数が高かったバーボンには流石に酔ったらしい・・・

 

三人とも二日酔いと呼ぶような症状は今だ出ていない。先ほど納沙幸子が言ったと思うが航海科の勝田聡子に至ってはバーボンを飲んだのにも関わらず全くの異常なしである

なぜ平気なのか、バーボンを飲まずに済んだ柿崎姉妹が聡子に聞くと・・・

 

 

「うちの家系は皆お酒強いぞな、じっちゃんやおとんは勿論、オカンや、いとこも飲むお酒はウォッカかスピリタスぞな、きっと私の中にも酒に強い遺伝子があるぞな、バーボンも何杯か飲んだぞなか、別にきつい味じゃなかったぞな、出来ればウォッカ飲んでみたかったぞな、うまいのか確かめたいぞな」

 

「すっ、凄い家系だね・・・」

 

「うん・・・あれっ、確かスピリタスってウォッカの一種だったような・・・」

 

柿崎姉妹が聡子の家系に驚いているが実は今回全く酔わなかった人物がもう一人いる晴風艦長、岬明乃である。明乃は今、こっちに帰還したバルクホルン達に事の経緯を説明していた。事の成り立ちを聞いたバルクホルン達は驚いていた。

 

「そんなことがあったのか、確かにこの有り様なら納得は出来るが・・・」

 

 

「もう、ちょっとした野戦病院だね、こりゃ」

 

「うーん、私も二日酔いの人ってあんまり診たことないんですよね、近所の人もお酒を飲まないかお酒に強い人しかいなかったし・・・取りあえずヘルウェティアにいたころに見た対処方法でも試してみますね、酔い覚ましに薬膳粥でも作ってみようかな、ペリーヌさんなら二日酔いに聞く薬草とかハーブ持ってないかな」

 

「ゴメンね、芳佳ちゃん、迷惑掛けちゃって」

 

「ううん、別にただの偶然と不注意が原因だし、気にしなくていいよ、そう言えば明乃ちゃんは飲まなかったの?なんか全然平気そうだけど」

 

「私も飲んだんだけどサトちゃんと同じで全然平気だったんだよねぇ」

 

「凄いな、初めての酒でしかも度数40度超えだろ、私はお前は絶対酒に弱いと思っていたんだが・・・」

 

 

「そういえばパットン将軍にも同じ事言われたなぁ」

 

バルクホルンに思ってたイメージを言われパットン将軍にも同じ事を言われたことを思い出す、明乃自身まさか自分がお酒に強いとは思ってもいなかった。

 

 

「岬のこともびっくりだけど、それよりビックリしたのは野間だよねぇ」

 

「あぁ、それには私も耳を疑ったぞ、まさかあいつが酒に弱いとはな・・・」

 

「それに酒癖も悪いこともね」

 

バルクホルンとハルトマンは酔いつぶれた野間について語る

 

 

「まさか酔うとクルピンスキーみたいになるとは思っても見なかったぞ」

 

 

「クルピンスキーさん?」

 

 

「そっか、岬は知らないよね、私とトゥルーデ、ミーナと同じカールスラント軍人でね、今は502に所属しているウィッチの事だよ」

 

 

「へぇー、もしかして凄い人なんですか」

 

 

「そんな尊敬されるようなウィッチじゃない!ユニットはよく壊すわ、酒を飲みすぎて体調を崩すわ、女性には手当たり次第口説くわで、カールスラント軍人としての意識が足りない奴だ、まさか野間が酔うと女性を口説く奴になるとは思わなかった・・・」

 

 

「確か美海が野間の餌食になったんだっけ」

 

「うーん、あれって襲われたっていうのかなぁ・・・ミミちゃん嬉しそうだったし、怪我もしてなかったし、ただ二人とも裸で寝てただけだったし」

 

「いや、裸の時点でアレだろ、お前らが来る前に色々してた感じだろ・・・恐らく」

 

 

「?色々って何ですか」

 

「・・・岬ってこういうの疎いんだね・・・」

 

この時ハルトマンは悟った。岬明乃にこの手の知識が無いことを

ハルトマンが納得するとさっきまで等松美海と野間マチコを診ていた鏑木美波がやってきた。どうやら二人の診療が終わったようだ。美波曰く、野間マチコは極端に酒に弱かったので他の人より二日酔いの症状が酷い可能性があった。そのため一緒に寝ているミミと一緒に起きるまで待っていたのだ。こちらに来たということは恐らく起きたのだろう

 

「艦長、二人とも起きたぞ、二人とも二日酔いの症状は無い、記憶もはっきりしている」

 

 

「そうなんだ、良かったぁ」

 

「いや、この場合記憶は無かった方が良かっただろ、野間や等松の様子はどうだった、落ち込んでたり、混乱とかしてなかったか」

 

バルクホルンが二人の様子を美波に聞く、流石にあんな出来事があったあとだ、もし自分がああなったら物凄い罪悪感に襲われていただろう、二人に変わったことは無かっただろうかと気になっていた。

 

 

「等松は今までと大して変わらない・・・が野間の方はちょっとアレだな・・・」

 

「やはり野間は気にするかぁ・・・せめて坂本少佐の様に酔っていた時の記憶が無くなっていたらまだ良かったんだが・・・」

 

「いや、そういう感じじゃない、別の問題が起きた」

 

「何があったの?美波さん」

 

岬明乃が鏑木美波に野間マチコに起きた問題を聞く、美波はさっきまで診ていた野間の事を話し出す

 

遡ること10分前

 

酔いから目覚めた野間マチコは美波から簡単な問診を受けていた。幾つか答えると問診は終わり、結果野間マチコに二日酔いの症状は無いことが分かった。どうやら野間も抜けるのが早いタイプらしい、問診が終わり美波が部屋を出て行こうとしたとき、ふと野間マチコに呼び止まれ、相談に乗って欲しいと言われた。あんなことがあったあとだ。恐らくソレ関連だろうと、美波は力になれるとは思わなかったが取りあえず相談に乗ることにした。

一種のカウンセリングのようなものだ。これで少しは気が楽になるのであればそれに越したことはない。美波は野間が寝ているベットの隣に椅子を持ってきてそこに座る

 

「相談というのはなんだ、私もうまく答えられるか分からんぞ」

 

「それでも構わない・・・ミミの様子はどうなんだ」

 

「等松は至って正常だ。酒を飲んだわけではないからな、今はベットで嬉しそうに涎を垂らしながら寝言を言ってるぞ」

 

 

「ぐへへへ、マッチィィ、もっとぉぉ・・・」

 

「そうか、正常か・・・良かった」

 

「いいのか、それは・・・」

 

 

「美海には迷惑をかけてしまったな・・・」

 

「あぁ、酔っていた時の記憶があるのか・・・まぁ難しいと思うが気にするな、誰だって失敗はある物だ・・・それに等松なら恐らくお前のことを拒絶したりはしないだろ」

 

 

「そのことなんだが、一つ聞いていいだろうか」

 

「なんだ・・・」

 

野間は酔っていた時のことを思い出しながら自分の中に芽生えた新たな感情について語る

 

 

「あの時、美海の体をその・・・色々したんだが、柔らかいものなんだな、色々している内に美海の反応も面白くてな・・・その、またやってみたい、という思いが溢れてくるんだがどう抑えればいいと思う?」

 

「分かるわけなかろう、私が、一番の年下だぞ、流石にその相談は予想外だったぞ」

 

「すまない、だが、その・・・体がうずくような感じがしてな、またミミに迷惑をかけてしまいそうでな・・・」

 

「・・・等松なら喜びそうだが、他にいったら怖いな、副長の件もあることだし、だけど私はそっち関係は専門外だな・・・」

 

「そうか、すまない、少し心が楽になったよ」

 

「まぁ、元の世界に戻ったらそれを専門にする医者でも探しておこう、私なら頼めば紹介状も描いて貰えるからな、もう済んだなら私は行こう、野間が目覚めたことを艦長に伝えなければいけないからな」

 

「あぁ、行ってくれて構わない」

 

野間のその言葉を聞いて美波は部屋を後にした。これが10分前まで行われていた会話だ。

 

 

話は戻り、艦長の明乃に野間の状況を伝える

 

 

「と、いう状態になった。一応今の所、平常を保っている」

 

「そうなんだ、体に問題が無いなら大丈夫かな」

 

「いや、大丈夫じゃないだろ、結構重大な状態だぞ」

 

明乃の反応にバルクホルンが突っ込む、そう言った知識皆無の明乃には事の重大性が分からなかった。

 

「岬、一つ聞くが不純異性行為という言葉の意味は知ってるか」

 

「えっと、男性と女性がいけないことをすること?ですか」

 

「じゃあどんなことか分かるか」

 

「えーっと、キスとか?」

 

「あぁ、わかった。お前がよくわかってないことはよくわかった」

 

バルクホルンはこれ以上は無駄だと思い、これ以上の言及は止めた

 

 

一方その頃、宗谷ましろとミーナ中佐は帰還していたリーネとペリーヌと話し合っていた

内容は最近急増し始めたネウロイについてだ。

 

 

「やはり、ガリアでもネウロイの目撃数は増えていたのね」

 

「そうみたいです。殆どは小型の陸戦型で、現れるのも居住区や農業地区じゃなくて森林地帯の奥地といった辺境が殆どだったみたいです。」

 

「索敵に手間取ったみたいですけど、どれも現地の部隊が対処に成功していますわ」

 

「特に変わった特製や強さじゃないなら最近ここらに現れるネウロイとは別という事でしょうか、ミーナ中佐」

 

「まだそうとは言い切れないわね、現れたのが辺境っていうのが気になるわ、もしかしたら陽動や別の目的もある可能性があるし・・・」

 

「あんな辺境にですか、特に軍関連の施設処か街ですら無い辺境ですわよ」

 

「ここら辺に現れるネウロイだけが強い理由でもあるんでしょうか」

 

「どうなんでしょう、ネウロイは個体によって能力が結構違うから断定はできないけど、確かに最近のネウロイの能力は上がってきているような気がするわ」

 

「そう言えば私達がこっちに帰る前に応援要請で行った辺境にいたネウロイ、陸戦型にしては変わった形だったよねペリーヌさん」

 

リーネはこちらに戻る前に行った辺境に出現したネウロイの事を思い出した。

ペリーヌも確かにあれは陸戦型にしては変わっていたと思った。

 

「そうですわね、全体がごちゃごちゃで歩くのも難しいへんな形でしたわね、まるで椅子やテーブル、タンスにベット、をバッタに付けたような・・・口では説明しにくいですわね」

 

「絵とか描けますか、私メモ用の手帳持っていますけど」

 

 

そういってましろは手帳とボールペン1本をペリーヌに渡す

 

「うまく書けるでしょうか、かなり複雑でしたし、まぁ描いてみますが・・・」

 

ペリーヌがそう言って手帳を受け取ろうとしたとき間違えて手帳だけ地面に落としてしまい急いで拾う、その時偶然開いたページに書かれていた数字の羅列が目に入った。

 

 

「あら、この数字は・・・」

 

「あぁ、それは前に万里小路さんに取り憑いたキルティーさんが言ってた私達が元の世界に戻る手掛かりと思われる数字の羅列ですね、納沙さんに記録を頼んだあと個人的に写していたんです。時間があるときに見て何のことを示しているのか探ろうと思って、今だ進展はありませんが」

 

「あら、そうですの、確かにこれでは何を言っているのか分かりませんわね・・・あぁ、ごめんなさい、ネウロイの絵でしたわね」

 

ペリーヌは思い出したかの様にネウロイの絵に取り掛かる、ペリーヌが書いている間にこのネウロイについてリーネにもう少し詳しく聞く

 

 

「リーネさん、そのネウロイ他に変わったことは無かった?」

 

「得には・・・強いっていうより弱い部類だったし、攻撃でバランスを崩すと廃墟の民家にあった井戸に転倒してそのままやられるあっけないネウロイだったので」

 

 

     井戸!?なにか引っかかるな・・・なんだ何が引っかかっている?

 

リーネの言った井戸という言葉にましろは何か引っかかる、何か身近によく見た何かを見たことがあるような、それが何か中々思い出せない、そんなことを思っているとペリーヌが絵を描き終えた

 

 

 

「描き終わりましたわ、宗谷さんこれ、お返ししますわ」

 

ペリーヌから返された手帳を受け取るとましろはペリーヌの書いた絵のページを切り取りミーナ中佐に渡す、その時切り取った紙の前のページに書かれていた例の数字の羅列が目に入った。その数字を見たときましろはある一つの仮説が頭に浮かんだ。

さっきまで引っかかっていたのはこれだと確信した。早速ましろはミーナ中佐にあることを伝える

 

「確かにこれはいびつね・・・」

 

「ミーナ中佐!ちょっと晴風まで一緒に来てもらっていいですか、確認したいことがあるんですが」

 

「確認したいこと?一体何を確認したいの?」

 

「それは晴風についてからでいいですか、もしかしたらこの数字の意味が分かったかもしれません!!」

 

「!!分かったわ、ペリーヌさん、リーネさん一緒に来てもらっていいかしら」

 

 

「あっ、はい分かりました」

 

「了解しました。」

 

二人の了解を得るとましろ、ミーナ中佐、ペリーヌ、リーネは停泊中の晴風に向かった。

そこで四人がまず向かったのは晴風の海図室だった。ましろは海図室から海図や世界地図を取り出しテーブルに広げた。ましろは手帳に書いてあった数字の一組を確認すると自身が考えた仮説が正しかったと確信した。

 

「やっぱりそうだ・・・私の仮説は正しかった」

 

「どういうこと、宗谷さん?もしかして例の数字の羅列について何か分かったの」

 

 

「えぇ、最後に書かれていた数字の組み合わせ、何処かで見た事あると思ったら、うちの学校がある横須賀のほぼ目と鼻の先にある海域の緯度と経度だったんです」

 

「緯度と経度!もしかしてその数字の羅列って」

 

「恐らく、私達の世界とこちら側の世界が繋がる場所の座標だと思います、ミーナ中佐、私達が最初にこっちに来たときの海域の場所分かりますか?」

 

「分かるわ、確かここよ」

 

そう言うとミーナ中佐はましろ達が最初に現れた海域を指さした。その座標は手帳に書かれた数字の羅列の最初の方にも書かれていた。

 

 

「これは・・・確かに偶然とは言えないわね、でもまだ分かってない数字があるわよね」

 

「残りは多分日付か時間だと思います、どれも24以上の数字が入っていないので」

 

「そう考えるとあり得るわね・・・24以上がないなら時間の方が可能生的にありそうかしら、もう少し調べてみましょう」

 

「取りあえずまだ残っている数字の羅列の座標を調べましょう、もしかしたら私達の世界に繋がる場所に先回り出来るかも・・・」

 

そう言ってましろ、ミーナ中佐は一緒にきたペリーヌ、リーネと共に調べ始めた。

 

一方その頃とある鍛冶屋では・・・

 

 

「ふぅ、何とか形になりましたわ」

 

「あぁ、いい出来だ。中々の業物だぞ、これは」

 

「ありがとうございます。坂本少佐」

 

 

 

万里小路楓が砕け散った聖剣の欠片を再利用して作り上げた二振りの扶桑刀が完成した

後は細かい装飾や簡単な手入れといったところだ。彼女が再び晴風乗員と合流する日は近いだろう、だがその時は誰もが知らなかった。明乃達の前にかつてない強大な存在が現れることを・・・

 




そろそろ蒼雷への換装回に向かって書けるかなぁ
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