ポーツマス海軍基地に突如現れた超大型ネウロイ5体
5体は一つに集まると人の形を形成し1体の巨大な巨人とかした
統合軍とネウロイの闘いにおいて、人型との遭遇はかつてあったが、これほど巨大な人型ネウロイとの遭遇は初めてであった。
超大型巨人型ネウロイ、そんな風に言えばいいだろうか・・・
そいつは501のメンバーや晴風のウィッチを睨むように体を動かす
巨大な人型と言ってもそれは足はあれども地上にはついておらず、常に上空に浮いた状態を保っていた。
100メートル近いUボート型が足となり、同じく100メートル近いエンタープライズ型にくっ付いたその巨人の全長は軽く見積もっても200メートル弱はあった、今の所動きは鈍感で攻撃のチャンスだったのでバルクホルンは指示を飛ばす
「皆、とにかく攻撃するぞ!野間、コアの位置は」
「元々5体が融合した奴なのでどうやらコアは5個あるようです。四肢の付け根にそれぞれ一つ、頭部らしき所に1つです」
「っていうと両脇と両ひざ、頭にコアがあるってこと?」
「いえ、両ひざというよりそれより上の股関節に当たるところです」
ハルトマンの確認に野間が訂正を加える。コアの場所が判明しているだけでもありがたいが元々が大型ネウロイだった奴の装甲はそれと同等かそれ以上だと思われた
この大きさでコア5個の破壊は中々にヘヴィーだ。
各機、散開しつつ、攻撃を加えていく、機銃の弾丸が豪雨の様に撃ち込まれ、さらに追加で対装甲ライフルの狙撃、フリーガーハマーから放たれたロケット弾がコアがあると思われる四肢に当たっていくがやはり装甲が従来型より硬く再生も早かった。何ともないと見せつけるように巨人型ネウロイはその場に立ち尽くす・・・
「オイオイ、あれだけ撃ったのにコアすら見る事が出来ないのかよ」
「コイツ、かたーい」
「装甲が硬いわね・・・作戦変更!コアを1つずつ破壊します、右脇の下にあるコアから破壊します。各自集合・・・」
ミーナ中佐が作戦を変更し一転突破を繰り返す方法に切り替えようとしたとき巨人型ネウロイに動きがあった。突如胸部に砲身が生えミーナ中佐に狙いを定めた。5秒間ほどの短いチャージを終えミーナ中佐に向かって強力なビームが放たれた。
「やらせない!」
ミーナ中佐に放たれたビームは明乃が間に入りシールドで防ごうとした。明乃は五重の魔法障壁を直径20メートルの大きさで展開する。普通の大型ネウロイならこれで完全に防げるのだが、ビームが直撃すると最初の一枚目のシールドが5秒ほどで壊された。
ビームは次々にシールドを破壊していく
「嘘!壊されちゃった」
「岬さん、すぐに回避を」
「艦長ォォォ」
ミーナ中佐の回避指示が出たとたん、ましろは最高速度で明乃の元に行き彼女をシールドの後ろから離すことに成功した。最後のシールドが破壊されるとそのままビームは直進していき海を越えガリアの港湾施設に直撃した。爆発した影響で爆炎と黒煙が空に上がる
「馬鹿な!岬のシールドを突破した状態でガリアまでビームが届くのか」
「威力ありすぎでしょ、あんなのあり」
「よくも私の故郷を!」
「あんなのがこの基地に放たれでもしたら、この基地は壊滅です。ミーナ中佐早く攻撃に移りましょう」
敵のあまりの破壊力に服部静夏がミーナ中佐に指示をこう
その頃作戦本部でも動揺が広がっていた。
「ガリアより、緊急入電!ネウロイの物と思われる攻撃により停泊していた駆逐艦三隻爆沈、港湾施設に甚大な被害多数」
「観測班より連絡!巨人型ネウロイの攻撃により晴風艦長の五重の魔法障壁が破られました。ガリアで起こった爆発はその攻撃がそのままガリアに向かったものです!」
「なんだとぉ、あの嬢ちゃんのシールドが破られたのか、嬢ちゃんはどうなった」
「シールドすべてが破られる前に回避したそうです」
その報告を聞いてパットンはひとまず安心した。だが同時に敵の能力の高さに驚愕していた。パットン将軍が知るウィッチで宮藤芳佳以上の魔法力とシールド強度を持った彼女のシールドすら貫通するビームを放つネウロイ、敵の戦力はもはや超大型ネウロイ1機ではない、もはやベルリンの巣に現れた世界首都ゲルマニア型と同等かそれ以上の脅威だった
それを悟ったブラッドレー将軍が緊急連絡の指示を出す
「ブリタニア本土の全航空部隊と今現在活動可能なウィッチ隊に緊急発進命令を要請しろそれと506部隊AチームBチーム両方に救援要請、むこうの指令には私が話を付ける!通信を繋げ」
「了解」
「パットン将軍、戦車部隊配置完了、いつでも攻撃可能です」
「良し、敵の背後に一斉砲撃を御見舞いしてやれ、ネウロイの反撃も予想される、戦車部隊に攻撃が来そうな動きがあった場合は各機散開し、その後は最大速度で移動しながら撃たせろ、徹底させておけ」
「了解しました」
地上部隊の展開が完了したとき空で戦っているウィッチ達の方でも新たな動きがあった
巨人型ネウロイが本格的に攻撃を始めたのだ。
全身のあちこちからビームが放たれウィッチ達を襲う
この攻撃事態は他の大型ネウロイでも見られるため回避は容易だった。
だが次に敵がしてきた攻撃はここにいる全員が予想していなかった物だった。
突如、両腕が外れ、握り拳を作った状態でウィッチに飛んできたのだ
狙われたのは黒木と納沙の二人だった。
「腕が外れた!いわゆるアレですか」
「ロケットパンチなんてしてくるんじゃないわよ」
放たれた腕はその大きさに関わらず異常に速かった。逃げるのに徹すれば当たりはしないが接近と同時に腕についていた二連装砲塔からもビームが放たれ後退方向を遮る
二人は一端退避をやめ飛んでくる腕に攻撃を仕掛ける。だが止まるどころかスピードの減速すら確認できなかった。
黒木は試しにあることを試してみることにした。
「ちょっと怖いけどやってみるしか無いわね・・・どっちが硬いか勝負よ!」
黒木は一端、銃を肩に掛け飛んでくる拳目掛けて突っ込む、自信の両手にシールドを展開し固有魔法の身体硬化を発動させる。黒木は自身の何百、いや何千倍ともいえる大きさの拳を殴りにかかった
「止まれってぇぇぇぇの!」
ガギィィィン
硬いもの同士がぶつかったような音が響くとネウロイの拳は一瞬減速したがすぐに元のスピードに戻ってしまった。黒木はと言うとネウロイの拳に自身の右拳を僅かにめり込ませることに成功した。流石に硬く、殴った時に振動が全身を襲ったが黒木は僅かに砕けたその場所に拳を撃ち込んでいく、すると10発ほど殴れば機関銃で攻撃したときよりも多くのダメージを与えることが出来た。このまま殴り続けようと思ったがそううまくはいかない
ネウロイの拳が開き、開いた手の5本の指が黒木に向けられる。
黒木は拳が開かれる時に指に弾かれてしまいネウロイから離れてしまった。
すると黒木に向けられていた5本の指からビームが放たれた
「ちょっと、そこからもビーム撃てるの!?」
黒木はとっさにシールドを展開し身を守る、シールドに命中しなかったビームは下の基地に向かっていくが黒木には自身の身を守るのが精一杯だった。基地に向かっていったビームは明乃がシールドを遠隔で展開し着弾を防いだ。一方そろそろ黒木も厳しくなってきた。
これ以上はシールドが持ちそうにない、するとネウロイのビームが発射されていた指に攻撃が飛んできた。メイとタマの二人がフリーガーハマーと50mm砲で発射口を破壊してくれたのだ、攻撃が止んだとはいえすぐに再生が終わってしまう、その前に上昇して基地を攻撃させないようにしなければいけないのだが、ネウロイの猛攻を防いだ後ですぐには動けなかった。すると服部静夏が駆けつけて黒木を上へと運んでくれた。
「ありがとう・・・助かったわ」
「黒木さん大丈夫ですか、かなり疲れたみたいですけど」
「まだ大丈夫よ、少し息が上がっただけよ、スーハー・・・よし!」
黒木は深呼吸を1回し呼吸を整える、黒木と同時に襲われた納沙幸子も後退しながら攻撃を加えていたが有効打にはなっていなかった。
バンッ、バンッ、バンッ、と銃声が鳴り響く、飛んでくる拳に命中するも全くと言ってもいいほど効果は無かった。
「やっぱり効きませんか・・・アレにぶつかったらどうなっちゃうでしょう・・・シールドを張れば何とか出来ますかねぇ、もう振り切れそうにないですね」
納沙幸子が後退を諦め、次の行動を模索していると自分より上空を飛んでいた知床鈴が高速でやってきた。
「ココちゃーん」
「知床さん!助かりました」
高速でやってきた知床鈴に気付くと納沙幸子は手を伸ばす、伸ばした手を知床鈴が掴むとすぐに上昇し追ってきていたネウロイの拳から逃げ切る。知床鈴の加速による上昇力の前にはあの大型ネウロイでも追いつけない
「知床さんありがとうございます。おかげで助かりました。」
「お礼なんていいよ、それよりもアレどうしよう」
「アレ?」
納沙幸子が知床鈴の視線の先を見るとさっきまで納沙幸子を追っていた腕は握り拳をとき手を開いて指を上空へ向けた、すると黒木の時と同様、指から無数のビームが放たれた。
「撃ってきたぁぁぁ」
「知床さん、私のお腹を抱えて飛んでください、私がここから狙い撃ちます」
「分かった!」
知床鈴にお腹を掴まれ、その状態で納沙幸子はライフルの照準を合わせる。
自身の固有魔法を発動し有効射程を上げる、今の場所でも有効射程だが納沙幸子が固有魔法を発動させたのはある理由があった。納沙幸子の有効射程を上げる固有魔法だが納沙幸子が色々試して分かったことがあった。あれはただ有効射程を広げるだけでなく、広げた有効射程に届くように弾丸の速度などが上がることが分かったのだ。ただ納沙幸子はそれが分かっても有効射程以内にいる敵には固有魔法を発動しなかった。それはなぜか、速度などが上がったせいで反動が大きくなりすぎたのだ。飛行中にやるとバランスを崩し狙いが外れるのだ、的が大きい大型ならいざしれず、小型タイプだと使うと逆に命中率が下がるのだ
だから今まで余程の大型か射程外にいるときしか使わなかったのだ。
だが今は知床鈴が飛行を担当してくれている。この状態なら集中できる、本来砲雷科では無かった彼女の射撃の腕はこっちの世界に来てから磨いたものだ。
野間の様に天才的なセンスやましろやミーナのような指揮能力を持たない彼女の実力は晴風のウィッチで下の方に位置する、彼女はそれを少し気にしていた。時間があいた時にリーネに特訓に付き合って貰ったこともあった。彼女はその成果をここで見せようとしていた
意識を集中し固有魔法を発動、照準を合わせる
「そこ!」
バンッ と言う銃声と共に弾丸が放たれる、弾丸はまっすぐ飛び照準を合わせたビームが放たれている指へと命中した。再生が終わる数秒だけその指からはビームが出ない、その隙に二射目、三射目と撃っていく、納沙幸子がビームが放たれる指を幾つか破壊すると弾幕が薄くなった隙をついてエイラ、サーニャが二連装砲塔を攻撃していく。
こちらのほうも対処は出来ているようだ
一方、飛んで行った腕に対処せず残った脚と胴体に攻撃していた残りの面子は苦戦していた。なにせあの巨体で近接戦を仕掛けてきたのだから・・・
「あの巨体で蹴りかかってきたぞぉ、ビームで十分じゃろ」
「うげぇ、しかも避けた瞬間に脚からビーム出てくるし、コイツヤバすぎぃ」
「泣き言を言うな、とにかく火力を集中するぞ」
「とは言う物の・・・あの巨体で繰り出される蹴りは避けてもその後の風圧で、バランスを崩しやすい、避けるのが精一杯だぞ」
野間マチコの言う通り、巨体から繰り出される蹴りは、それによる風圧も桁外れだった。
まるで数秒だけ暴風雨の風を受けたかのような、それが蹴りが放たれるだけ来るのだ。
中々攻撃に移れる状況ではない、すると地上から無数の砲撃が飛んできた。
地上の戦車部隊の多連装ロケット砲と扶桑海軍の駆逐艦の砲撃だ
さらに地上からだけではなく上空からも何かが落ちてきた。
落ちてきたそれは巨人型ネウロイの胴体付近に当たると爆発した。
落ちてきたのは爆弾・・・扶桑海軍の艦載機、零式艦上戦闘機から投下された60キロ爆弾だ。空母から発進した艦載機は一端ポーツマスより距離をとり巨人型ネウロイより高い高度、1200メートルまで上昇した。その後はしばし様子を伺い地上部隊の攻撃と同時に降下し爆弾の投下を開始した。ロケット砲弾と60キロ爆弾が巨人型ネウロイの胴体に命中し爆発していく、特に効果こそ無かったが巨人型ネウロイの注意を引くことに成功した。
「援軍か!このチャンスを逃がすな、火力を集中しろ」
バルクホルンの指示のもと火力を集中する、途中ビームが地上部隊や艦載機に放たれたがそれは明乃がシールドを張り防ぐ、右脚のコアがある股関節と右脚の付け根に攻撃が集中する、しばらく撃つとコアらしきものが僅かに見えた。このまま破壊しようとしたとき飛んで行った腕に対応していたメイから通信が入った。
「副長、ゴメン、離れてた両腕そっちに戻った!私達も追ってるけど多分そっちに着く方が早い」
「何!」
ましろは後方を見ると確かに離れていた両腕が戻ってきていた。すぐに回避しないとぶつかる距離だ。ましろはすぐに全員に伝える
「総員、回避!腕が戻ってきます」
「うそ!」
「ここで戻ってくるなんて!」
ましろの声で全員が攻撃をやめ回避行動をとる、だがそのせいで攻撃は中断されせっかく与えたダメージが回復されてしまった。それだけでなく、何とか回避して腕が通り過ぎたあとにネウロイの指と腕についていた二連装砲塔から無数のビームが放たれたのだ
「ここで来るのぉぉ」
明乃はすぐにシールドを張ったが僅かに遅くビームの1発がユニットに被弾してしまった
「艦長!」
「岬さん!」
ましろとミーナ中佐が心配し声を掛ける
明乃も心配を掛けないためすぐに無事であることをいう
「大丈夫、ユニットに当たって飛びにくいけどどこも怪我してないよ!」
明乃の言う通り怪我こそしていないもののこの状況下で明乃のユニット破損はかなりの痛手だった。それを悟ったバルクホルンはすぐに作戦本部に連絡を入れる
「作戦本部、岬のユニットが被弾した!すぐに修理させろ、岬が万全じゃなかったらこの戦いは勝負にならん!何とか10分以内に終わらせろ」
「了解、第三ハンガーへ向かわせてください」
作戦本部がすぐにバルクホルンの要請を聞き入れ受け入れ先のハンガーを指示する
「岬、すぐ第三ハンガーへ迎え、今のお前の状態でこのまま戦うのは無謀だ!」
「でもそれじゃあ、防御が」
「艦長、行ってください、航空機の守りは何とか私達が!艦長は降りて修理が完了するまで地上の守りをお願いします。修理が終わるまでは何とかします」
「・・・わかったよシロちゃん、ちょっとの間お願い、修理が終わったらすぐに戻るから」
「了解しました。行ってくだ・・・」
ましろが明乃を送り出そうとしたときネウロイの集中砲火が放たれた。狙いは明乃だった。ユニットに被弾したのを見て明乃に狙いを定めたのかは分からないがこの状況は最悪だった。明乃はすぐにシールドを張り、近くにいたましろも守る、ましろもすぐにビームの射線から離れ明乃の負担を減らし敵ネウロイのビーム発射口の破壊行動に移る、すでに合流したメイやタマ達と共に発射口を破壊していくが、最後の発射口を破壊すると同時に明乃のユニットに限界が来た。集中砲火を防ぐためシールドの出力を上げた結果、魔導エンジンに負荷がかかって魔導エンジンが逝かれてしまった。攻撃が終わった直後だったからよかったものの、もう碌に飛んでいることすら厳しい状態だ。
「うそ!壊れちゃった、ゴメン皆、すぐ戻るからそれまで耐えて」
明乃は壊れたユニットで何とかバランスを取りながら降下していく
それをネウロイが黙って見ているはずが無く、ガリアに放たれたビームの発射体勢に入った。それはすぐに全員が気づき、何とか止めようと動き出す
「インゲノール、同時にシュトゥルムで奴の向きを変えるよ」
「了解じゃ」
『シュトゥルム!!』
ハルトマンとミーナの二人のシュトゥルムが敵の頭部らしき所に当たりややバランスを崩すがまだ地上に当たる射線だ、すると次はシャーリーと知床鈴がネウロイの頭部部分に向かっていった。シャーリーが知床鈴を掴み、知床鈴は自身の固有魔法、加速空間を発動させる、二人の協力技でスピードを上げる、さらにネウロイより上空から下に向かって降下していったのでさらにスピードが上がる、ほぼ音速と言っていいスピードで正面にシールドを張り巨人ネウロイの頭部に突っ込む、ほぼ音速に近いスピードで突っ込んだ二人はネウロイの頭部を貫通する、その衝突の影響で巨人ネウロイはバランスを崩し胴体ごと倒れ、胸部の発射口は空へと向きそのまま空へとビームが発射された。
「よし!何とか反らせた、野間、頭部のコアは破壊出来たか」
シャーリーが野間に頭部のコアが破壊出来たか聞く、野間はすぐに確認しシャーリーに伝える
「ダメです、僅かに上にずれました。コアは今だ健在」
「げっ、マジかよ、知床すぐに上昇するぞ、ここじゃあ地上に当たる」
「分かりました」
二人が上昇しているころ、明乃はと言うと
ハンガーまで降り整備士に大至急でユニットの修理をしてもらっていた。
その中にはウルスラ中尉もいた。ウルスラ中尉を筆頭に修理が進んでいく
「こいつぁひでぇ、魔導エンジンどころかほとんどのパーツがダメージを受けていやがる」
「オイ、誰かぁユニットの魔導機械のパーツ一式持ってきてくれ」
「本部から連絡!修理完了までの時間はどれくらいかと」
「30、いや何とか20分で終わらすと言っておけ」
「ウルスラ中尉、魔導機械取り外し完了しました」
「分かりました。魔導エンジンの取り付けを最優先、取り付け終了次第調整は私がします」
ウルスラが修理の指揮を取っているころ、明乃はハンガーの外でシールドを張りまれに飛んでくる流れ弾を防いでいた。いくらましろ達が常に頭上を取る闘い方をしてもネウロイも上だけは攻撃せず、たまに全方向にビームを放ったりして地上も決して被害が出てないわけではない、今も明乃がシールドを展開し被害を抑えているが飛んでいるときと比べ着弾地点が見えないところが多くすべては守り切れていなかった。今は何とか見える範囲を防いでいるに過ぎない
「やっぱり地上からじゃすべては防げない・・・でも何とかしないと」
明乃はとにかく地上に来るビームをひたすら防ぐ、自身と人が残っている建物などを中心にシールドを張っていたがネウロイのビームがシールドを掻い潜り明乃のいたすぐ近くの建造物に当たり崩れた瓦礫が明乃の元に向かった。
「しまった!」
明乃はすぐにシールドを張ろうとしたが間に合いそうにない、明乃が覚悟を決めたその瞬間、何かが通りすぎると同時に瓦礫が細切れになり明乃の前に落ちる。
通りすぎたそれは再び明乃の前に戻ってきた。それはしばし晴風を離れていた・・・
「万里小路さん!」
「お久しぶりです。万里小路楓、ただ今帰還しました。艦長」
そう、砕けた聖剣カラドボルグを生まれ変えさせるために、晴風からしばし離れていた万里小路楓だった。
「戻ってきてたんだ!っていうことは・・・」
「はい、無事に完成しました。海霧と絶空、万里小路楓、ただ今を持って戦線へ参戦します」
そう言って万里小路は巨人型ネウロイへと向かう
一方その頃巨人型ネウロイを相手にしているメンバーは苦戦していた。
再び腕が分離してまた突っ込んでくると思ったら、腕全体にビーム発射口が現れて胴体の周りを飛びながら無数のビームを放ってきたのだ。幸いなことに威力は小型タイプ程度だがなにせ数が多い、もし地上に放たれたら今の明乃じゃ防ぎきれない量だ。地上に向けられない様に上空で回避に専念するが流石に全部は回避できず途中でシールドを張る者が殆どだ。ずっとシールドを張ることはかなりきつく先の戦闘で消耗した黒木などは宮藤が張ったシールドの後ろに居させてもらっていた。
「弾幕が濃い、碌に近づけん」
「避けるだけでも精一杯だよ、エイラなら何とか懐まで行けない?」
「行くだけならいけるが、火力が足らないぞ、撃っても三秒もしないで再生するぞ」
「流石に消耗が激しいわね、黒木さんや芽依さん達はまだもうちょっと休ませないと」
ミーナ中佐が現在の状況に唇を噛みしめる
皆消耗してきている、特にシールドを長い間張ってビームを受けとめた黒木、メイ、タマの消耗は凄かった。宮藤と鏑木美波が交互に交代しながらシールドを張っているが流石にそろそろ二人もやばい、明乃のユニットさえ直ればまだやりようはあるのだが
そう思っているとしたから何かが来た。そう帰還した万里小路楓だった。
「参ります、我流万里小路流試作二刀剣術、烈風二連斬!」
万里小路の持つ二つの扶桑刀、海霧と絶空に万里小路の固有魔法、魔力刀身形成により刃が形成される、ただいつもとは違い形成された刃の大きさは何十倍も大きかった。
まるでかつて坂本少佐が編み出した技、烈風斬の様に
二つの扶桑刀から伸びた刃は離れた腕の一つを交差するように切り裂いた。
残りの腕も再度二本の扶桑刀、海霧と絶空を左から右に流すように切り付ける
横一文字に斬られた腕は運よく刃がコアにも到達していたためコアの破壊に成功した。これで残りのコアは4つとなった。
万里小路の登場に全員が驚いた。
「万里小路さん!帰還してたんですね」
「助かったぞぉ、われぇ」
「それよりさっきの技なに!?メッチャ、デカかったんだけど」
「うぃ」
「さっきのはまるで坂本少佐の烈風斬・・・万里小路さんいつの間にあれを習得なさったの」
「それよりもこれでコアの1個が消えたよ!」
「あぁ、これで勝機が見えてきた。万里小路、今のまだ撃てるか」
「無論です、参りましょうか」
「各機、万里小路さんを援護しながら敵ネウロイに突撃、宮藤さん鏑木さん、正念場よもうちょっと頑張って」
「分かりました!」
「委細承知」
万里小路を中心に攻めようとミーナ中佐が指示したとき巨人型ネウロイに動きがあった。
突如上昇を開始したのだ。それは見た目によらず早くすでに1000メートル以上高く飛んでいた扶桑海軍の艦載機を通りすぎた。その行動にミーナ中佐はある可能性を悟った
「まさか高高度から攻撃する気じゃ!」
「全機、すぐに奴を追うぞ、続け!」
バルクホルンの指示のもと各機上昇し巨人型ネウロイを追う
追い続けながら攻撃を加えていくがすでにほとんどの攻撃が有効打にならない距離だった
バルクホルン達が必死に追って敵ネウロイの高度が7000メートルを超えたときネウロイは突如止まり反転し追ってきていたバルクホルン達にビームの弾幕を浴びせた
「しまった!」
各自シールドを張るがビームの出力が強く、ネウロイとの距離をさらに離れる結果になってしまった。それだけではなくバルクホルン達を通りすぎたビームがポーツマスを襲う
それはハンガーで待機していた明乃の元にも降り注いだ。明乃は特大なシールドを張るがやはり地上にいてはすべての弾着位置を予測するのは困難だった。ありとあらゆるところで爆発音が鳴り響く、明乃は居ても立っても居られなくなり、ウルスラの元に向かう
「ウルスラさん、修理はまだですか!」
「あと7分いやなんとか5分待ってください、それまでには何とか」
「あと5分・・・」
あと5分それは今の状況でとても待っていられない時間だった。
だが明乃には待つことしか出来ない、ユニットが使えないのだから
明乃は修理中の自身のユニットに目をやり、すぐ外に戻ろうとした。
その時ふと発進装置に接続された1つのユニットが目に入った。
明乃はそこに駆け寄るとユニットに刻まれた漢字に目が止まった。
そこにはこう書かれていた。 蒼雷 と
それは明乃がテストする予定だった新型機だった。
明乃はすぐに行動に移した。これ以上待っていられないと
「ウルスラさん、私コレ使うね」
そう言って明乃は蒼雷を装着する、機動を確認すると魔法陣が浮かび上がり発進体勢に移る、明乃が蒼雷を装着したのを気づいたウルスラはすぐに止めに入った。
「無茶です、まだ実働テストもしてない機体でしかも震電以上の魔力消費量が予想されるその機体で出撃なんて、まして明乃さんはさっきまでシールドを張って魔力の消耗が激しいのに・・・」
「ゴメンね、でも行かなきゃ、岬明乃行きます!」
明乃はウルスラの制止を振り切り新型ストライカーユニット、蒼雷で出撃した。
ハンガーを出てすぐ上昇するといつもと違う感じにすぐ気づいた。
全身から魔法力がユニットに吸われ力に代わっていくのが分かる
明乃は今まで出したことのないスピードで上空にいる巨人型ネウロイの元へ向かった。
一方その頃上空で巨人型ネウロイと対峙していたウィッチ達は苦戦を強いられていた
巨人型ネウロイがストライカーユニットで上昇可能な高度、高度10000メートルを超えて10500メートルまで上昇してしまったのだ。僅か500メートルの距離とはいえもう有効打になる攻撃は既に無くなってしまった。
「クソっ、ここまで来て」
「この距離じゃもう無理よ、撤退するしかないわ」
「撤退って言ってもどこにだよ、あのビームを撃たれたらどこだって壊滅だろ」
「それはそうだけど・・・」
「ミーナ中佐!下から誰かきます」
服部静夏が下から誰かが上昇してくるのを確認しミーナ中佐に報告する
それを聞いた全員が下を見る、そこには蒼雷で上昇してきた岬明乃がいた。
明乃の到着に晴風のメンバーは喜んだ。
「艦長!」
「艦長、待ってましたよ」
「待っとったぞぉ」
「お帰りぃぃ艦長」
「うぃー」
「なんかすごく早く来なかった?」
「これで戦いやすくなる」
「ここからが本番ですね」
「全く、遅いのよ」
「まさに切り札登場だな・・・私ももう少し頑張るとしよう」
晴風のメンバーから声がかけられ明乃は気合が入る、明乃は全員を鼓舞するかのように声をあげる
「皆、行こう、あいつを倒すよこれ以上好きにさせないために、晴風、戦闘開始」
新型ストライカーユニット、蒼雷を装着した明乃の闘いが今始まる
今回出てきた万里小路の新たな得物の名称ですが海霧=うみぎり 絶空=たちそら
というふうに読みます。やっと蒼雷の話まで行ったよ・・・