晴風艦長、岬明乃が先行して元の世界へつながるポイントを通過する15分前
アンノウンの進軍に対抗すべく展開された防衛線にて各海洋学校艦隊、ブルーマーメイド艦隊、ホワイトドルフィン艦隊が陣形の構築を完了していた。
海洋学校の生徒達は少しでも危険を避けるため後方に配置された大和型4隻の護衛部隊として配置された。後方と言っても離れている距離はそんなになく2キロあるか無いかである、大和、武蔵、信濃、紀伊はブルーマーメイド、ホワイトドルフィン艦隊から送られたデータをもとに旗艦と思われる大型への砲撃、それと弾幕を張っての迎撃が主な任務だ
だが先の作戦の撤退時に軽微の損傷で済んだものの大和型の豊富な火器を持ってしても破壊出来たのは小型がごく一部だった。それも殆どが弾幕を張ってたまたま当たったまぐれによるものだった。高速で飛行する敵に対しての対空迎撃のノウハウが無い生徒達ではこれが限界だった。
アンノウンは人口密集地や攻撃をしてきた者以外は主に港湾施設や造船場、大型船にしか攻撃をしない傾向が観測部隊の報告で判明している、それも港湾施設や造船場は外から見えるところに大型船があるところにしか攻撃をしていない、漁船などの小型船しかない港は攻撃を受けていなかった。そのことを踏まえ佐世保の港湾施設にある民間の大型船は退避、又はドックに搬入して隠すことになった。佐世保を出航した艦隊はアンノウンが佐世保をすぎ海上に出るのを待つことにした。佐世保からある程度離れたら大和型の46㎝砲の砲撃を加えてそこから海戦という流れになったが、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィンの誰もがこの作戦ではダメだと分かっていた。だが他に有効な迎撃方法が見つからなかった。苦肉の策としてマニュアルに乗っ取ったようなこの作戦が展開されることになった。
作戦開始の命令を待つ学生艦隊にホワイトドルフィンの特務潜水艦より通信が入った。各校の大和型に通信が入ると作戦が開始された。
「ホワイトドルフィンより入電、目標、佐世保を通過、海上に出ました。大型の位置情報を確認、本艦より北に距離18000、時速40キロで航行中、予測進行経路変わらず」
「大和型全艦、砲撃用意、敵大型艦に一斉砲撃を加えます。護衛艦隊に全砲門への装填、機銃での攻撃準備を通達」
「了解、大和型全艦砲撃用意、砲術長、照準指示任せます、電探室、敵アンノウンの位置に変化があったらすぐに報告を」
「了解」
旗艦武蔵にいる作戦司令官宗谷真雪の指示を受けた知名もえかが指示を飛ばす、武蔵艦長知名もえかの指示を受けた電信員が他の各校の大和型に通信を行い指示を伝える
指示を受けた大和型は直ちに主砲の照準を合わす、同時並行で学生艦、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィンの艦隊も対空戦闘の準備を済ます
大和型の照準合わせが完了すると同時に攻撃が開始された。
「各大和型、照準合わせました!」
「電探室、敵の速度、予測進路に動きは」
「依然変わりありません」
「校長、砲撃準備完了しました」
「分かりました。大和型全艦、砲撃開始!」
作戦司令官の宗谷真雪の攻撃開始の合図と共に大和型4隻の一斉砲撃が開始された
3連装主砲×4の12発の砲弾が大型のアンノウンに向かって放たれた。
砲撃後すぐに再装填を行う、大型に弾着するまで残りあと4秒・・・
「4,3,2,1、弾着・・・電信室、弾着報告は」
「ホワイトドルフィン特務潜水艦より入電、12発中8発が大型に命中、3発は随伴している小型に、1発はそのまま海面に弾着・・・!!新たに特務潜水艦より入電、大型より小型タイプが無数に発艦、推定80機」
「大和型の主砲以外は全艦小型タイプの迎撃に向けなさい、有効射程外の10メートル手前まで来た段階で攻撃を開始して弾幕を張りなさい!急いで!」
「各艦、対空迎撃用意、確実に当てるよりも弾幕を張るのを優先させて、」
「了解」
武蔵艦長、知名もえかと同様の指示が各校の大和型で同様に出される
大和型だけではなく護衛艦隊もすでに準備を済ませ、攻撃開始距離に入るのを待っていた
そして先行してきた小型アンノウンが先頭に陣取るホワイトドルフィン、ブルーマーメイド艦隊の攻撃開始距離に到達すると攻撃が開始された
ダンッ、ダッダン、ダダダダダダッ、ダダダダダダッ、ダンッ、ダダンッ
砲撃と機銃の弾幕の雨が小型アンノウンに放たれていくが、中々当たらない
アンノウンも攻撃を開始して着実に艦隊にダメージを与えていく、艦隊の攻撃も当たったりしてるがこっちが一機倒している間に向こうは10発近くの攻撃を艦に当ててくる
そのせいで戦闘開始3分で大破一隻、浸水が確認された中破、8隻という甚大な被害がすでに出てしまった。そしてアンノウンの一部が防衛線を抜け大和型へと向かってきた。
学生艦も弾幕を張り続けるが、アンノウンのビーム攻撃によって搭載スキッパーや砲身、各種レーダーなどが破壊されていった。
作戦司令官の宗谷真雪が指示を出していくが、このアンノウンとの闘いまでビーム攻撃など見た事のなかった生徒達の中に知らず内に恐怖心が溜まっていったため、小さなミスが目立ってきた。心なしか機銃での弾幕も安定していない様に見えた
護衛艦隊の方も慌ただしく動いていた。
天津風
「だぁぁぁ、ちょこまかと動いて鬱陶しい!今の天津風の損傷状況は」
「被弾により電探が破壊、3センチ以下の浸水8か所、機関室より蒸気パイプの破損2か所です」
「大和型は何してんのよ、こっちは使える火器は少ないっていうのに」
「大和型も奮戦してますが有効打はあんまり無いようですね、どうしましょう艦長、こっちもこれ以上ダメージを受けると持ちません」
「分かってるわよ、あぁー、なんで猫の手も借りたい時に晴風の連中は行方不明になってるのよぉぉぉー」
天津風 副長、山辺あゆみの報告を聞いた艦長、高橋千華がこんな大変な時にいない同じ学校の生徒、晴風の乗員達が行方不明になっていることに腹を立てて叫ぶ
時津風
「皆、大丈夫?被害確認を」
搭載スキッパーに被弾した時津風、艦長の榊原つむぎが被害確認の指示を出すと次々に報告が上がってきた。
「搭載スキッパー2機破壊されました」
「電探、破損最低でも修理に3時間は掛かります」
「第一機銃にトラブル発生、ジャムりました。修理に8分、いや何とか5分で終わらせます」
「装備の破壊は仕方ないとしても機銃のトラブルっていうのが最悪っすね、艦長、あたしも修理手伝ってくるっス」
「気をつけてね、きみちゃん・・・アンノウンが来たら海に飛び込んででも逃げてね」
「分かってるっす、死んだりしたら皆悲しいですから、じゃあ行ってくるっす」
そう言って時津風副長、長澤君江はトラブルが起きた機銃の修理の手伝いにいった
本来機銃の修理は応急員か砲雷科の仕事だが機銃の使用に人員をさいてしまっていたので向かわせることが出来なかった。トラブルが起きた機銃を扱っていたのは応急員だったので単独で修理も可能だったがアンノウンがいつ襲ってくるか分からない状況だと1分1秒が惜しい、そう判断した副長は自らも修理の手伝いに参加することにした
「・・・無事に戻ってきてね、きみちゃん」
時津風 艦長 榊原つむぎは艦橋を後にした副長を見届けるとそう祈るのであった。
アドミラル・グラフ・シュペー
晴風と共に行方不明になった副長の捜索に協力していたドイツの海洋学校の所属の小型直接教育艦、本来はまだ学生でもあり他国の海洋学校の生徒のためこの戦いには参加させず帰国させようとしたのだが乗員全員の作戦参加への要望と帰還時にアンノウンと遭遇する可能性も考慮され作戦参加が許可された。この世界で初めてアンノウンと戦闘した艦の内の1つのこともあり、他の学生艦よりは臨機応変に動けていた
「主砲、副砲、右舷上方に向けておけ、砲術員にアンノウンが5機以上密集したら撃つように通達、機銃であいつらを右舷側に誘導しろ、左から右へ向かって機銃を撃たせろ、当たらずとも誘導にはなる」
「!!アンノウン、誘導に乗りました!主砲、副砲、右に6度旋回、高め二度」
「フォイヤー!」
「撃てぇぇー」
アンノウンが誘導に乗ったことをしったシュペー艦長テアは攻撃命令をだす
それとほぼ同時に照準指示を終えたシュペー砲術長が砲撃指示を出す
ドドドーン
放たれた砲弾は密集していたアンノウンの幾つかを破壊した。
「アンノウン15機中4機に命中、アンノウン、再び散開!」
「くそ、最低でも5機は倒しておきたかったんだが」
「報告、戦艦比叡、金剛に敵機が集中しています。数それぞれ8機!」
「合計16か、カバーに入るぞ、まずは比叡だ。3~4機離したら金剛の援護に入る」
「了解」
呉と横須賀の海洋学校所属の戦艦に敵機が集中しているのを確認するとシュペーは援護に入った。比叡、金剛の上空を飛んでいる敵機に対し弾幕を張り距離を離していく
一方で学生艦より早く戦闘を開始したブルーマーメイド、ホワイトドルフィン艦隊はと言うと学生艦を上回る被害が出ていた。先の闘いで巡洋艦以上の艦の殆どが損傷してしまったため代わりの艦として佐世保の海洋学校で保有していた航洋艦を何隻か投入したがやはり火力が劣る駆逐艦では苦しい戦いだった。
「村風、自走不能、夕雲轟沈!」
「!夕雲の乗員達は」
「・・・機関長及び機関助手以外の脱出は確認しました・・・」
「っ!近くの艦艇に収容要請、全艦後進原速で後退、後方に陣取る大和型と合流します、後退中でも攻撃の手は緩めない様に」
艦隊を指揮していた宗谷真霜が後退の指示をだす。すでに何機か抜かれ学生艦も戦闘に参加しているこの状況ではここにいる理由は薄い、ならば大和型と合流し敵機の撃破率を上げるのがいいと判断したのだ
「敵、大型艦の動きは」
「今だ特に変わった動きはありません。小型機を出したあとは攻撃も散発的です」
「真霜姉、こっちがおとりになる、すぐに大和型と合流しろ、むこうの艦隊の何隻かがすでに被弾しやがった」
「何を無茶なことを言ってるのよ、貴方の乗っている山城だけじゃ的になるようなものなのよ、単艦でおとりだなんて自殺行為だわ」
「馬鹿言ってんじゃねぇ、もうすでにひよっこ共に被害が出てんだぞ、このままじゃあ死者、いやもうすでに出てるかもしれねぇんだぞ、さっさと合流しやがれ」
妹の真冬から強い口調で事実を突きつけられた真霜は一瞬ためらったがすぐに妥協案を見つけ出し各艦に指示を出す
「教員艦、及び秋霜、巻雲は180度回頭、学生艦の援護へ、残りは後進を維持しつつ攻撃を続行、真冬決して無理はしないで速力低下の時点で退艦しなさいよ」
「言われなくてもそう簡単にやらせねぇよ、早く行かせろ、時間はねぇぞ」
妹の真冬にせかされ教員艦、及び秋霜、巻雲が学生艦の救援に向かった
敵と一番最初に接触したこの部隊には各校の教員艦も動員されていた。
生徒と共に防衛線にいるよりも前線で少しでも数を減らした方が生徒達の負担が減るのと旗艦の武蔵に宗谷真雪が乗船していたこともあり教員艦も前線に投入されていたのだ
真霜の指示で教員艦と佐世保で保有していた航洋艦秋霜、巻雲が学生たちの救援に向かう
だがその僅かな隙を突かれて教員艦の一隻が被弾した。被弾した艦は真霜の先輩に当たる古庄薫が艦長を務める天神だった。
「先輩!」
被弾した天神はダメージが激しく火災の勢いが増していた。
天神の艦長、古庄薫はすぐに退艦指示をだした
「総員退艦!天神を放棄します。被弾による負傷者は・・・」
「現在3名を確認、火傷二名、骨折1名です」
「まだ増えそうね、負傷者を優先的に運び出しておいて、私も後からスキッパーで脱出します。秋霜で合流を」
「了解しました」
天神 艦長の古庄薫は火の手が回っておらずスキッパーに近い位置に増設された機銃へと向かう、機銃を手に取ると近くを飛んでいるアンノウンに向けて掃射する
少しでも遠ざけて乗員の安全を確保しようとしたのだ。1分ほどの短い射撃だったがある程度遠ざけることに成功した。古庄薫も退艦しようとしたとき1発のビームが再び天神に直撃した。幸い古庄薫のいるところからある程度離れていたが爆風により古庄薫は海へと吹き飛ばされてしまった。古庄薫が海に落ちたときにはすでに退艦した乗員が秋霜へと向かってしまったので古庄薫の存在に気が付かなかった。
旗艦武蔵では新たな動きがあった。武蔵の見張員が海面の発光と空間のゆがみを発見したのだ、それはかつて晴風の姿を確認した現象だった。
「左90度、距離200の海面に発光現象確認、それと空間が歪んだような光景も見えます」
「空間が歪んだような光景!歪んでいる空間に晴風らしき艦艇は確認できる?」
武蔵艦長 知名もえかが突如現れた空間の歪みの報告を聞き、晴風の姿が見えたか確認を取る、前に見たときと同じなら晴風が見えるはずだと、その報告を聞いていた宗谷真雪の表情は険しかった。こんな戦場で遭遇するとは思わなかったからだ
「こんなところで遭遇するなんて・・・もしいきなりここに現れることになれば事態を知らない晴風では・・・」
真雪はもしも晴風がここに現れた場合を恐れていた。いきなりこんな戦場に、しかも無数のアンノウンとの戦闘となると状況把握が完了する前にやられる恐れがあったからだ。
実際には明乃達は既にアンノウンとの戦闘をいくつも経験しただけではなく、対抗する力ストライカーユニットと魔法力を得たのだが、そんなことを知っている人間は明乃達の世界にはいない、歪みを確認しているとき別の見張員から報告が上がった
「アンノウン、一機急速降下、こっちに落ちてきます!」
「迎撃、弾幕を張って」
「ダメです、射角が合いません!」
急速降下してきたアンノウンは最悪なことに使用できる火器の射角外を飛んできていた。
他の火器の照準は間に合わず、遂に艦橋の窓の目の前に付かれてしまった。
「しまった!」
真雪が突如現れたアンノウンに驚愕しているとアンノウンは今にもビームを発射しそうであった。艦橋にいた殆どが恐怖で動けなかった。武蔵艦長、知名もえかも攻撃される恐怖で目を閉じて行方不明の幼馴染の名前を叫ぶ、この時、空間の歪みから一つの飛行体が高速で飛び出して行ったのを気づいた者はいなかった。
「ゴメン、ミケちゃん、私達もう・・・」
知名もえかが諦めた瞬間アンノウンからビームが放たれた。だがそれは突如現れた何かによって防がれた。攻撃を防がれたアンノウンは武蔵の左舷からくる存在に気付いたがその時には左舷から来た存在に機関銃で撃ち抜かれて破壊されてしまう
武蔵艦長、知名もえかを始めとする艦橋クルーが目を開けるとそこには宙を飛ぶ一人の少女がいた。武蔵艦長、知名もえかはその人物をよく知っていた。なにせ今までずっと探していた少女なのだから・・・
「もかちゃんはやらせないよ!」
新型ストライカーユニット蒼雷を装着した明乃が武蔵艦橋のすぐ目の前に浮遊していた
その光景を見た武蔵艦橋クルーは何がどうなっているのか分からなかった。
「ミケ・・・ちゃん?」
そんななか明乃と幼馴染の知名もえかは明乃との再会に驚く、ただ驚くことはそれだけではなく・・・
「報告!空間の歪みに晴風を確認、それと次々に飛行体が飛び出してきます。アンノウンではありません!人が空を飛んでいます」
武蔵見張員からの報告を聞いた宗谷真雪はすぐに自らの目でその飛行体を確認した。
そこにはかつて晴風とシュペーを救った少女が履いていた物と似ている機械を履いた横須賀女子海洋学校の晴風の生徒と共に行方不明になっていたシュペー副長の姿があった
その手には全員武器を携えていた。中には日本刀や人の手では持つことが出来ないであろう巨大な銃を携えた者もいた。
現れた少女達はすぐにアンノウンとの戦闘を開始する
「うわっ、凄い被害じゃん、すぐに倒さないと」
「うぃ」
「ワシはシュペーの救援に向かう、他の艦を頼む」
「ミーちゃん、私も同行します、西崎さんと立石さんは時津風と天津風の救援に」
「では私と野間さんで先行して奥の本体と戦いますわね」
「魔眼で一通り見たが何人か海に投げ出されているな」
「じゃあ救助は私と知床さんで行うわ、宗谷さんが来るまで何としても守り切るわよ」
「救助した人はどこに運べばいいの?どこもきっと大変だよ」
「武蔵の甲板にでも頼む、私が防御と治療の両方を受けもつ」
各々が何をするか簡潔に決めると少女達は行動を開始した
アンノウンはそれを黙って見てるわけではなく攻撃しかけてくる
特に武蔵を守った明乃には15機近いアンノウンから集中砲火が放たれた
だが、世界最強クラスの魔法力を持つ明乃はシールドを展開し防ぎきる
次は自身の固有魔法でシールドを回転させそれをアンノウン、通称ネウロイに放つ
「モカちゃん達を襲っちゃダメェェェ」
放たれたシールドはブーメランのように弧を描きネウロイを切り裂いていった
切り裂かれたネウロイは光の粒子となって消え失せた。
その光景を見た知名もえかと宗谷真雪以外の武蔵艦橋クルーは仰天した。
『アンノウンがたったの一瞬でぇぇぇぇ』
一機倒すのにも苦労したアンノウンを僅か1分程度で15機近く倒したのだ。
それは驚きもする
他の艦を襲っていたネウロイも救援に向かった少女達が次々に倒していく
シュペーを襲おうとしたネウロイをミーナとココが撃ち落とし、艦橋の窓の近くに降りて久しぶり会う艦長のテアに帰還を報告する
「艦長・・・ただいま戻ったぞ」
「ミーナ・・・なのか、本当に・・・」
「あぁ、もちろんじゃ」
「まぁいきなり空を飛んで現れたら驚きますよねぇ」
時津風の援護に向かった立石志摩はというと愛用の50mm砲で1発の砲撃で3機のネウロイを一直線に貫通させて破壊して見せたタマは近くにネウロイがいないことを確認すると艦橋に向かってVサインを向けた
「うーぃ!!」
「なんでこんな状況でドヤ顔出来るんだろ・・・っていうか重くないのかな、アレ・・・」
あまりの出来事に時津風艦長 榊原つむぎは的外れな言葉しか出てこなかった
一方天津風の方では西崎芽依が救援に向かった。愛用のフリーガーハマーを使いネウロイを根こそぎ破壊していく
「こいつに撃って、あいつに撃って、最後はあーれっと」
ロケット弾を撃って次々に破壊していき最後の一体はメイの後方にいたのだが、メイは向きを変えることなく右に向かってロケット弾を撃ってから方向を変え自身の固有魔法で弾道を操り最後の一体を破壊した。
それを見た天津風の艦長の驚きはまぁ凄かった。
「ちょっとなんで晴風の水雷長が空飛んでんのよ!しかもコ○ンドーが使っていたような武器持って!あれなんだっけ、バズーカだっけ、なんだっけ」
「艦長落ち着いてください、あと艦長が言ってるのは多分あれですロケットランチャーだと思いますよ」
「あっ、そっかロケットランチャーか、全然名前が出てこなかったわ、そうかそうか、ってそんなこと言ってる場合じゃないじゃない!」
「自分で振ったんじゃないですかぁー」
自ら、話を振ったのに逆ギレされ副長の山辺あゆみが嘆く事態になっていた。
ある程度学生艦の方を襲っていたネウロイが片付くと空間の歪みから晴風が姿を現した
現れた晴風はところどころ変わっており、特に魚雷発射管の一部が外され代わりに何やらレールらしきものが付けられていた。それは晴風が現れると同時に展開を始め晴風の右舷から大きく突き出るようになった。そしてそこに一人の少女がいた。発進準備を済ませた
宗谷ましろだ。晴風のウィッチ最後の一人宗谷ましろが出撃しようとしていた
「準備完了、私が出撃したら晴風は武蔵の右舷について対空戦闘を準備、ネウロイを確認次第迎撃、あと八木さんにこの海域にいる友軍に通信をお願いしてくれ、全軍武蔵まで最大船速で後退するように、私達学生の言葉を聞いてくれるか分からないがよろしく頼む」
「分かりました。発進体勢に入ります。進路上に敵機影無し、発進路オールクリア、発進どうぞ」
右舷見張員の内田まゆみの通信を聞いた宗谷ましろはユニットを起動させ発進した
「宗谷ましろ、出る!」
晴風の右舷側から飛び立ったましろはすぐに艦長の岬明乃に通信を入れる
「艦長、ネウロイの本体への攻撃に移りましょう、先行した野間さん達と合流しましょう」
「分かったシロちゃん!皆、ネウロイの本体を狙うよ、野間さん達の元へ集合!リンちゃんと黒木さん、美波さんは救助と治療に専念して」
『了解』
明乃の通信により先行した野間と万里小路の元へ向かうメンバー達
先行した二人は学生艦の方にいたネウロイとは比較にならない数を相手にしていた
二人が来た時に大型からさらに200近い小型タイプが現れたのだ。
だが晴風の中で明乃に次ぐ実力をもつ二人には問題無かった。
「我流万里小路流剣術、木枯らし一閃!」
万里小路は二つの扶桑刀、海霧と空絶を自身の前方と後方に突き出し、刃を横に向けた
そして固有魔法を発動し刀身を長くした。その状態で360度回転し、迫りくる刃の進行方向にいたネウロイを切り裂いていく、このたった一回の技でネウロイを30機ほど切り裂いた。野間マチコもネウロイの攻撃を巧みに躱しながら打ち倒していく、すでに二人だけで80機ほど破壊した。その光景を海上の山城の艦橋で見ていた人物がいた
晴風副長の姉に当たる宗谷真冬だ
「あの飛んでいる奴ら、確かましろの船のクルーじゃねぇか、どうやって飛びやがった」
「艦長、我々はどうしますか」
「こっちも負けじと応戦といきてぇが、今の状況じゃ逆に邪魔になるだけか、クソッ」
「艦長、横須賀女子海洋学校所属晴風から全体通信です。全艦武蔵まで最大船速で後退せよとのことです」
「晴風から後退指示だと・・・ましろのやつか・・・今はそれしかないか、野郎ども最大船速で後退だ、ひよっこのシロに言われたのは釈然としねぇが後退すっぞ、シロの野郎あったら根性注入してやる」
「妹さん不憫で同情しますよ」
『同感』
山城の副長の言葉に艦橋にいた他の乗員が納得する、クルー全員が真冬の根性注入の餌食になったため気持ちが凄く分かるのだ
一方、野間マチコ達と合流を果たした明乃達は小型ネウロイの殆どを殲滅した。
「あと何体くらい?」
「大型が1、小型が12と言ったところだ」
「それじゃあそろそろワシらで大型に止めを刺すか」
「うぃ」
「では大型は私と艦長で相手をしましょうか?」
「うん、そうだね、小型でも1つでも抜かれるとモカちゃん達に被害が出ちゃうし、そうしようか、この世界でネウロイと同等に戦えるのは私達だけだし・・・」
「あっ、艦長、言うのを忘れていたんですが、私達以外にも戦える人が来るかもしれません」
「えっ、それってどういうこと?」
「艦長、小型ネウロイ1機抜けそうです。私が狙い撃ちますね」
話をしている最中、小型ネウロイの1機が明乃達を抜こうとしていた。納沙幸子が狙撃体勢に入る、狙いをつけ、いざ撃とうとしたとき、別方向から飛んできた弾丸により小型ネウロイが破壊された。それは対装甲ライフルによる狙撃だった。
「対装甲ライフル!私以外に一体誰が」
自分が撃つ前に誰かがネウロイを撃ち落とした。それも対装甲ライフルで、納沙幸子以外に対装甲ライフルを使う人間は晴風にはいない、身近な人物で同じ対装甲ライフルを使う人間といえば・・・そんなことを思っていた時、西崎芽依がある光景を発見した。そこには自分達と同じく空を飛ぶ11人の少女の姿だった。
「ちょっと皆、アレ見て!あれって」
西崎芽依が指指す方にいたのは、明乃達を助け、明乃達に闘い方を教えてくれた
第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズの少女達だった。
「どうやら間に合ったみたいね」
「ミーナ中佐、それに皆さんも」
「すまんな、上層部に話を付けるのが手間取ってな」
「トゥルーデったらあまりに許可が遅いから命令無視していこうとしたんだよ、まぁここにいる全員、命令無視していこうとしたんだけどね」
「当たり前じゃないですか、この世界にネウロイの巣があるかも知れないのですよ、明乃さん達11人だけでどうこう出来る代物じゃないんですよ」
「皆、心配だったんだよ、まだ魔法力に目覚めて間もないから」
「まぁ、実力はそこらのウィッチより上だけどな」
「私達もこっちで戦うことにしたぁー」
「ちゃっちゃと片づけようぜ、さっき待っている間にやったタロットで疲れるっていう結果が出たから・・・」
「そうなんだ・・・それじゃあ早く終わらせた方がいいね」
「そう言えば黒木さんと知床さん、美波さんはどちらに」
3人の姿が見えなかった服部静夏は三人の居場所を明乃に聞く
「三人は救助活動をしてもらってるの、何人か海に投げ飛ばされていたから、今武蔵の甲板に集めてるところだよ」
「かなりの救助者がいるようね、すぐに終わらせて救助と治療にあたりましょう」
「はい、明乃ちゃん又しばらく一緒に戦えそうだね」
「うん!芳佳ちゃん達がいれば100人力だよぉー」
「ふふっ、私達だけじゃないわよ」
ミーナ中佐が晴風が出てきた空間の揺らぎに目をやるとそこから次々に艦隊が現れた。
扶桑の艦隊だ。旗艦大和を始め様々な艦が現れる。パットン将軍達が乗っていた輸送船も見えた。どうやら見送りに来てた艦隊総出でこちらの世界に来てくれたようだ。
扶桑皇国旗艦、戦艦大和艦橋では指示が飛び交っていた
「全艦、対空戦闘用意、それと全艦に手の空いている要因を救助に回せ明乃さん達が戦っている間に何としても救助を完了させよ、本艦隊はこの海域にて大和型4隻の防衛に入る」
「了解、全砲門射撃用意、本艦はこれより防衛戦に移行する、同時に救助活動も同時に行う手の空いている者は救助活動用意せよ」
扶桑艦隊の到着により明乃達はより安全に敵を倒すことに集中できる
明乃達は大型への戦闘を開始した。
「じゃあ行くわよ、ストライクウィッチーズ及びマーメイドウィッチーズ、全機攻撃体勢をとれ、目標大型ネウロイ!」
『了解!!』
ミーナ中佐の言葉により各自散開し大型ネウロイに攻撃を加えていく
「野間、コアの位置はどこだ」
「艦尾下、スクリューがある位置にある箱状の形状をした個所にあります」
「インゲノール、私達でコイツの動きを止めるよ」
「了解した。アレじゃな」
ミーナとハルトマンが簡単に話すと二人は同時に固有魔法を放った
『シュトゥルム!』
大型ネウロイの左右で発生された巨大な竜巻により動きと攻撃が鈍る
その瞬間をついて正面に攻撃を集中させる
「サーニャちゃん!一緒に」
「うん!」
メイとサーニャがフリーガーハマーで艦首にあたる部分を集中的に攻撃する
ロケット弾の集中砲火により大部分が破壊された艦首は再生を始める
再生しながら艦首からビームがメイとサーニャに放たれるがエイラがサーニャの手とメイのパーカーの襟をつかんで当たらないように移動していく
「なんかあたしの扱い雑じゃない!」
気のせいである
攻撃が三人に集中していたころシャーリーに運ばれた明乃がコアのある艦尾の下に着いた
シャーリーはその場で高速で回転し遠心力の力を加えて明乃をコアがある場所へ投げ飛ばした。
「こっちの世界のネウロイだ。お前が決めて来い明乃!」
「分かりました。はぁぁぁ」
明乃は前方にシールドを10枚張り高速で回転させながらコアに突っ込んだ
シールドを利用した体当たりである。高速で突っ込んだ明乃は進行方向にあるネウロイのボディーを破壊しながら進みコアをそのまま破壊した。
こうしてブルーマーメイド、及びホワイトドルフィン、学生艦隊の危機は去った
だが闘いはこれからである占領された首都の開放もあるがまず一番の闘いは
こちらの世界の人達に自分達が経験したことを報告することだ。
正直、勝手に晴風の改装や銃火器の携帯、軍事作戦の参加を行っていたのだ。
怒られても仕方ない内容盛りだくさんだ。明乃達は気が進まないまま晴風に帰還した。どう報告しようか悩みながら・・・
次は説明会かな・・・うまく書ければいいんだけど