無礼講から一夜明けた朝、海洋学校の生徒達は後片付けに奔走していたが大和型の艦長と航洋艦晴風の生徒達はパットン将軍達の元に脚を運んでいた。これから始まる反攻作戦を練るためだ。一同が席につくと会議が開始された。まず現状の確認のため今の状況を整理する、ブルーマーメイドの代表の宗谷真霜が手持ちのタブレットを操作しプロジェクターに映像を投影させる。その光景を見たパットン将軍達は改めて驚愕する
「ったく、昨日少し見たが便利なもんだな、うちの軍でも欲しいわ」
「確かにリアルタイムで確認できるのはありがたい、戦略の幅が広がる・・・あとはこの情報をもとに策を講じることだな・・・」
パットン将軍とブラッドレー将軍はプロジェクターで投影された映像を確認する
真霜は現在おかれている状況を説明する
「現在の我々の現状ですけれど、西ノ島新島から進軍したネウロイによって首都東京が陥落、その後東京を落とした超大型ネウロイから小型のネウロイが排出されているのを確認小型ネウロイは東京から出る気配は無く東京上空を飛行しながら警戒していると思われます。そしてもう一機の超大型ネウロイによって愛知の工業地帯が占領されました。さらに厄介なことに愛知の超大型ネウロイですがハワイのブルーマーメイド本部から派遣されネウロイに墜ちた海上要塞がまるでネウロイのようになり高度200メートルで静止している状態です。今現在までに要塞からロケット弾らしきものが射出され呉の海洋学校の設備や港湾施設に被害が出ています」
「状況的にはかなりやばいな、順番にネウロイを倒していくしかないわけだが」
「愛知の要塞型が厄介だな・・・この大きさだと突入も視野に入れて作戦を練った方がいいな・・・偵察部隊もだすかぁ・・・」
「我々がかつて戦ったネウロイ化した赤城と同様の状況か、となるとコアにたどり着くのも厳しいな」
将軍二人と坂本少佐が映し出された状況に顔をしかめる
特に愛知の工業地帯の要塞型が厄介だった。
海上要塞がネウロイ化したこのネウロイは過去の赤城のネウロイ化の事も考えると内部の動力部近くにコアがある可能性が高いのだが赤城の事も踏まえると隔壁なども有している可能性があった。芳佳が初めて配属されたブリタニアで起こったウォーロックの暴走によりネウロイ化した赤城では内部にも攻撃手段があり隔壁まで有していた。内部の攻撃事態はシールドで防げるが、隔壁に至っては破れる者が限られるのだ。武器の威力だけで見ると破壊出来るのがフリーガーハマーか50mm砲くらいなのだ。固有魔法も考慮すればあと数人は増えるがそれでも予めコアの破壊者を決めておかないとコアにたどりつけない可能性がある。坂本少佐はまず偵察部隊を出すことを進言した。
「将軍、やはりここは一度偵察部隊を出すべきです。この巨大な要塞相手に戦闘しながらコアへのルートを探すのは至難の技です。幸い魔眼持ちの野間がいるのでミーナ中佐か宗谷の固有魔法と合わせれば外からでもコアのおおよその位置は分かるはずです」
「やはりそれが無難か・・・ミーナ中佐、偵察に行かせる場合何人必要だ」
ブラッドレー将軍がミーナ中佐に偵察に同行させる人数について聞いた
ミーナ中佐はほんの少し考え偵察部隊の候補の名を挙げた
「最低でも野間さんと私か宗谷さん、出来れば私と宗谷さん、野間さん、撤退支援に知床さんとイェーガー大尉を付けたいと思っています」
「5人か・・・それくらいなら問題ないか、次に問題なのはロケット砲弾型ネウロイだな」
「映像を見る限り、キールを襲った奴と同型にちけぇな、あのクソ野郎はめんどくせぇからな早めに倒しておきてぇが、偵察が終わってコアの位置を確認するまでは無理かぁ」
「お言葉ですが将軍、砲弾型ネウロイですが砲弾型の撃墜手段がありません。コメートでもなければ砲弾に追いつけません」
ミーナ中佐が砲弾型の撃墜は不可能と語る、先のベルリン開放作戦では砲弾型ネウロイは巣のかなり近くからウルスラが用意したコメートを使用し何とか破壊出来たのである
他のユニットでは加速に時間が掛かりすぎて砲弾型を撃墜するポイントに間に合わないのである、つまりコメートの無い状態では事実上撃墜は不可能だったのだが・・・
「コメートの予備ユニットは輸送船に積んであるぞ」
パットン将軍から予想外の言葉が飛び出しミーナ中佐は驚愕する
「それは本当ですか!」
「あぁ、ウルスラ中尉の要請でな、ガリアに運ぶために積んでいたんだよ」
「コメートの運用も考慮するか・・・それだとさらに人数がいるな」
将軍達がコメートという単語を出しているが、明乃達は何の事か分からなかった。
ただ一人ましろだけはその単語を聞いたことがあった。
「コメートって確かミーナ中佐が使った、って言ったあの・・・」
「シロちゃん何か知ってるの?」
「私も詳しくは聞いていないのですけど前にミーナ中佐がネウロイの迎撃に使用した上昇能力と加速に特化したユニットだと・・・でも確か飛行時間が短いって言ってたはずですけど・・・」
「えっ、ユニットって動力源魔法力でしょ?燃料切れとかあるの?」
「あれじゃないですか、前にウルスラさんが言っていた魔法力の消費が激しいとか」
ましろの言ったコメートの特性にメイとココが反応する。二人の会話を聞いていたバルクホルンが簡単に説明してくれた。
「お前らは知らなかったな、ロケット砲弾型のネウロイは前に戦ったことがあるんだが、発射から着弾までのスピードが速すぎてな、迎撃には弾道が自由落下を始める瞬間を狙うしか無くてな、通常ユニットでは不可能だったんだがウルスラが飛行時間は短いが加速と上昇能力に特化したコメートを持ってきてくれてな、それをミーナが装着して撃墜したんだ」
「へぇー、でもなんで飛行時間短いの?」
西崎芽依がコメートの飛行時間の短い理由をバルクホルンに聞く
バルクホルンはその理由を語った
「アレは通常のユニットとは違って高濃度エーテルを使用しているからな、魔法力が残っていても高濃度エーテルの方が先に切れるんだ。そのせいでコメートは上空で待機していることが出来ないから発射地点の近くまで行って発射と同時に発進しないといけないんだ今回の要塞型との闘いでもロケット砲弾型ネウロイ迎撃のために誰か一人コメートに待機してもらうことになるだろうな、問題は誰にコメートを使って貰うかだが・・・」
「前と同じで私が受け持つわ、私ならコメートの癖も知ってるわ」
「馬鹿を言うな、ミーナ、前に使った時でさえ魔法力の減衰でネウロイの巣に落ちかけたろ」
「うん、私も反対、コメートは私かシャーリーが使うよ」
バルクホルンとハルトマンの二人がミーナ中佐の使用に反対する。
かつての戦闘で墜落しかけたミーナ中佐に使わせない様にハルトマンが自分かシャーリーが使うと申し出る。だがミーナ中佐はその意見には素直に受け入れることが出来なかった。
「そうは言っても高速で飛行しながら敵機を発見して迎撃するのよ、悪天候などで視界が悪かったりしたら見失う可能性があるわ、一度見失うと飛行時間の短いコメートでは追う事すらままならないのよ」
「それでもそんな危険な状態でコメートに乗せることは出来ない!いくら上官でもこればかりは止めさせてもらうぞ」
ミーナ中佐とバルクホルンがコメートについて言い争っているとき
ましろはあることを考えていた。
探査と飛行、高速で急上昇しながら一撃にて敵機を撃破の短期決戦の闘い方か
ましろはそこまで考えると結論を導き出した。
「ミーナ中佐、そのコメート私に使わせてもらえませんか」
「宗谷さん、貴方にコメートを!?」
「そうか、ミーナと近い固有魔法のお前なら資質としても十分だな」
「確かに固有魔法の観点で言えば私の代役として十分だけど、危険過ぎない?まだ魔法力に覚醒して半年も経ってないのよ、通常ユニットでもあれほど動けるだけでも凄いのよ、さらに操作難度が高いコメートを使わさせるのは・・・」
「お前も宗谷や晴風のウィッチ達の技量は把握してるだろ、技量的には問題無いはずだ。済まないが宗谷、後でコメートの完熟訓練を受けてくれ、高濃度エーテルの残量の事もあるだろうから多くても数回くらいしか出来ないと思うがやらないよりはマシだろう」
「了解しました。母さ・・・校長、私にロケット砲弾型ネウロイの破壊作戦の参加許可をください」
ましろの要望に宗谷真雪はすぐには答えられなかった。一生徒であり自分の娘に敵機に近づく危険な作戦を託すのは母親として簡単には了承できなかったが501側の評価を聞く限りましろへの評価は上々だった。真雪はある条件を付けて判断することにした。出来ればそこで作戦参加を却下出来る理由が出来ればと思いながら・・・話を聞く限り可能性は低いだろうが・・・
「そのコメート?での飛行訓練を見て判断するわ、性能が分からない状態では判断できないわ、会議が終わった後にやる訓練は私達も見学させてもらうわ」
真雪は取りあえずそう言う条件を付け結論を先送りにした。次の議題は会議に参加していた坂本少佐から指摘された晴風についてだった。
「今後の闘いは恐らくウィッチが中心となるだろう、となると岬達を始めとした晴風の乗員に欠員が多くなる、ただでさえ少ない人数に艦長、副長の不在だ。普通なら他の乗員を他の艦に移して運用するところだが、晴風は扶桑艦隊以外でネウロイ用の対空兵装を積んだ貴重な戦力の一つだ。なるべく運用したい、そっちの方で晴風に補充の要員を手配できるだろうか」
そう、晴風は僅か31人足らずで運用している学生艦、そこからシュペー副長のミーナを抜いた10人が抜けると残り21人だ。鏑木美波や納沙幸子ならまだしも艦橋組の大半や機関助手の黒木が抜けるとなるととてもじゃないが運用は出来ない
「そう言う事でしたら教員艦の幾つかが使用不可になったので教員の何名かは回せます、艦長の岬さんの代わりには古庄教官を当てましょう。岬さんもそれで構わないかしら」
「大丈夫です。古庄教官なら皆も安心できます」
「それじゃあ今日の夕方までには話を付けとくわ、晴風の乗員は補充の教官達に改修した晴風の装備の説明を」
『了解』
晴風の乗員が返事をするとブルーマーメイドの宗谷真霜からあることを要請された
「次にブルーマーメイド側からの要望なんだけどウィッチ全員にボディカメラを付けて貰いたいんだけどいいかしら」
「ボディカメラ?って何ですか」
聞きなれない言葉に宮藤芳佳がどんなものか聞く
真霜はなるべく分かりやすいように簡単に言った
「ボディカメラっていうのは体につける小型のカメラよ、カメラって言ってもそちら側でいう写真を撮る方じゃ無くて映像を記録する方ね、大きさはそうね拳銃の弾倉くらいの大きさと思ってくれていいわ」
「そんなに小さくて映像が撮れるんですか、凄いですね」
小型カメラの存在に服部静夏が驚愕する。宗谷真霜はそれで何をしたいか説明を加える
「戦闘時のリアルタイム映像さえもらえればこちら側でも多少のサポートが出来るわ、特に要塞型に突入となればこちらからルートを連絡することが出来るわ」
「それは助かるな、内部構造が複雑だとコアまでの到達するルートを探すのに時間が掛かるからな、そちら側で道案内をしてくれるならありがたい」
「そう言う事でしたら問題ありません、その小型カメラの装着、了承しました」
ミーナ中佐が小型カメラの装着に納得すると、後はとある兵器の運用に関しての話し合いで会議はお開きとなった。会議が終了してすぐに愛知の要塞型への偵察部隊が出撃した。
メンバーはミーナ中佐、野間マチコ、知床鈴、シャーリーの4名となった。
ましろはコメートでの飛行テストのため同行しなかった。偵察部隊が出発したのと同時にコメートでの訓練が始まろうとしていた。佐世保の港に停泊している扶桑艦隊の空母天城でその訓練は行われることになった。天城の甲板にはコメートと共に何やら巨大な物が置いてあった。前のコメートのテストにも使用したペンシルランチャーだ。今回もこれでテストをすることになった。連絡を受け準備をしていたウルスラ中尉がましろや見学に来た者達を歓迎する
「宗谷さん、お待ちしていました。燃料さえ注入すればすぐに始められますよ」
「ありがとうございます、それでウルスラさん、テスト内容について聞いてもいいですか」
「はい、テストは前にミーナ中佐にもやってもらったこのペンシルロケット弾の撃墜ですランチャー発射後、コメートで発進、これを海上に降下する前に破壊してください」
「同時じゃなくて発射後なのね、それで間に合う物なの?」
見学に来た真霜がそうこぼすとウルスラは可能だと説明する
「はい、性能上可能です、前にミーナ中佐にも同じテストをしてもらいましたが成功しています」
「ねぇウルスラさん、もっと近くで見てもいい?」
晴風機関員の駿河瑠奈が興味本位で近くで見てもいいか聞いてきた。ウルスラは問題無いと言うと瑠奈を始め機関科の面子がコメートを物色し始めた。
「変わった形ね」
「言えてる、なんていうのスマートっていう感じ」
「燃料注入口はココにあるんだ、確かに通常ユニットとは違う感じだね」
「なんか細くて力が弱そうな見た目だな、こんなのが速く飛ぶもんなのか」
各々見た感想言っていくなか、ウルスラがあることを言い忘れていたのを思い出し注意するが・・・
「あっ、すいません言い忘れていたんですけど、燃料自体には触れないでください」
「へっ!?」
ガッ!!
ウルスラの忠告に気を取られ瑠奈の脚が燃料バルブにあたり、バルブが少し動いてしまった。バルブが緩んだことにより燃料注入が開始されてしまった。幸いすでに給油口はコメートに差し込まれていたが奥までは差し込んでおらず高濃度エーテルの注入の勢いで給油口が外れて燃料の一部が瑠奈の胸元にかかってしまった。給油が開始されてすぐにウルスラがバルブを閉め被害はこれ以上広がらなかったが・・・
燃料に触れないように言われた直後に燃料がかかったのだ。クラスメイトの動揺は凄かった。機関科の仲間たちは瑠奈に異変が無いか問いただす
「ちょっと、あんた大丈夫!?」
「どっか痛くない!?火傷みたいな感じになってない」
「いや?特に何とも・・・」
空と麗緒が心配する中、瑠奈には特に体への異常は無かったのだが、別の異常がすぐ起きた
燃料がかかった胸元の制服と下着が一瞬で解けたのだ
瑠奈はすぐに胸元を隠し悲鳴を上げる
「きゃああああー、どうなってんのぉー」
「すいません、この燃料は服なんて簡単に溶かすんです。でも安心してください。人体に影響はないので」
「なんでぃ、たかが服が溶けるだけか、てっきり体でも溶けるかと思ったぜぇ」
「たかがって・・・十分危険だよぉ」
「というか服は溶けるのに人体には影響ないってどんな物質なのよ、本当に大丈夫な成分よね」
桜良と黒木がマロンの発言に突っ込んだり、燃料の安全性に疑問を持つが特に気にせず進めることにした。コメートに燃料を満タンまで入れてましろが発進準備を済ませる
テストが始まるのをギャラリーが見守ってる。テストが始まる前からギャラリーの注目は凄かった。見学に来ていた大和型の艦長達はましろの度胸にある意味驚いていた。
「自ら志願して砲弾に近づく危険な任務をやろうとするなんてかなり凄い子よね」
「そりゃあ、言えとるがな、一体あちら側に行ってる間にどれだけ戦ったのか想像すらできんよ」
「うーむ私はそれよりもあのコメートとかいうやつに使われている燃料に驚愕だ。魔法なんてものが存在している世界の物とはいえ、まさか男共の夢と言えそうな服だけ溶かす液体で動くとは驚きだ・・・」
「社長、どこに関心してるんですか」
「まぁ確かにあれには驚いたな、こんなところで溶けたりしたら艦に戻るまでに男性にも合うだろうし、それを避けていくとなると大変だろうな」
「結局晴風の副長のお姉さんの一人のが纏っていたマントを借りて隠しているようですね、これが終わったら着替えに行くそうですよ、と言うか何でマントなんて羽織ってるのでしょうか」
紀伊の副長が何故か羽織っていた真冬のマントに疑問を持ちながらもテストの始まりを待つ、晴風側でもコメートについて話が出てきたところだ
「ついに始まりますね」
「そうじゃの、一体どんな性能なんじゃ?」
「あっ、私今気づいたんだけど副長が使うってことは不幸なことが起きるんじゃ」
『あっ』
ココとミーナが話していたときにふと光がましろの不幸体質を思い出した。
その言葉を聞いてすぐに起こりうる不幸の予測が始まった。
「まさか墜落?」
「いや撃墜しようとした瞬間機関銃が暴発と言うのも・・・」
「着陸した瞬間に燃料タンクに亀裂が入って残ってた燃料が服に掛かって全裸ぞな」
「うわ、全部ヤダ、特に3番目、墜落よりヤダ」
各自考えられる最悪な事態を想像する、そして聡子のいった不幸が最も合いたくない不幸とメイがお墨付きを入れる
そんなことを話しているとバルクホルンとハルトマンがあることを話してくれた
「あぁー確かにメイの言った奴は嫌だよね」
「実際に似た経験もしたしなぁ」
「えっ、あったの、全裸になっちゃったの?」
話を聞いていた姫路が反応した。一番あり得無さそうな3番目に近いことがあったのだとすればかなり恥ずかし出来事だからだ
「あぁ、ミーナの奴が無茶をして危うくネウロイの巣に落ちかけたのを何とか救って発進位置まで帰還した直後な、ウルスラが間違えて燃料チューブにに脚を掛けてしまってな、そのせいでチューブが外れて噴き出した燃料をもろにくらってしまってな、全員素っ裸で基地の途中まで帰ることになってな・・・」
「あぁ、アレは嫌だったね、まだ寒い時期に全裸でトラックの運転なんだもん、途中にあった廃墟にあった服を手に入れられなかったら基地で恥ずかしい思いをするところだったよ」
「全裸運転ってレベル高っいなぁ~」
「言えてる、取りあえず警戒して離れよう、副長ならあり得る」
「賛成!」
理都子の言った言葉に美千留が反応し距離を取ることを提案し順子がそれに賛同した。
それを聞いていたましろは勿論反論する
「そんなことが起きてたまるか!テストが始まるぞ」
テストが始まりそうになったとき、ましろにある言葉が届いた。
母親の宗谷真雪の言葉だった。
「ましろー、気を付けるのよ」
「母さん・・・」
娘を心配する母親の言葉がましろの耳に入る、真雪の隣には姉の真霜、真冬もいた
ただし見学に来ている明乃達より後方に30メートル後ろからだが
「遠くないか、なぁ」
「あっ、あれ絶対副長の不幸体質を予見してるよ」
「身内で不幸体質を警戒されてるわよ」
「艦長、念のためにシールド張っておいてぇ」
「まぁいいけど、多分大丈夫だよ・・・多分」
機関員の伊勢桜良の要請により艦長の明乃はシールドを展開し万が一に燃料が噴き出してもいいようにする
ましろの叫びをよそにテストが開始される
「それではテストを開始します、発射」
ウルスラのその言葉と共にスイッチが押され目標のペンシルロケット弾が発射された。
その数秒後ましろも後を追うように発進した。
「発進!」
空母天城を飛び立ったましろは遥か雲の上にまで上昇していった目標を追う
「なんていう加速だ・・・血が下半身に押し込まれる!」
ましろはコメートの速度に驚愕しつつ目標を追う
一方下ではエイラがあることを気にしていた。
「ミーナ中佐の時と同じくらいに雲が多いなぁ」
「ミーナ中佐と同系統の固有魔法の宗谷さんなら問題ないわ、エイラ」
いつもと比べて今日は比較的雲が多いのだ、普通だったら雲に視界を奪われ目標を見失ってしまうがましろの固有魔法はミーナ中佐の上位互換と言ってもいいものだ
この程度の雲は障害にはならなかった
ましろは意識を集中し固有魔法で目標を探す
「W42、3800の高度5500、そこか」
ましろは目標を見つけると一直線向かっていく、雲を突き抜け目標を発見すると機関銃で目標のペンシルロケット弾を破壊した。
その光景は下の方でも確認出来た。
「流石だな、ミーナと大差ないタイムだぞ」
「これなら任せても大丈夫そうだね」
バルクホルンとハルトマンがましろの結果に納得するとましろが天城へと帰還してきた。
ギャラリーが見ていたすぐ近くを滑走しコメートが収容されていた装置にコメートを止めるとましろは降りてバルクホルン達の元へ駆け寄った。
「どうでしたか、バルクホルンさん」
「あぁ、問題無いむしろ上出来だ」
「ありがとうございます。校長、ロケット砲弾型ネウロイの件を任せてもらえますか」
校長でもありましろの母親でもある真雪は素直には喜べないが今の結果を見れば納得せざるおえなかった。
「これだけの能力を見せつけられたら納得するしかないわね・・・分かりました横須賀女子海洋学校校長宗谷真雪の名のもとにコメートによる迎撃作戦の参加を許可します」
「ありがとうございます」
こうしてましろがコメートを操り愛知の要塞型から発射されるロケット砲弾型ネウロイに対処することが決まったのであった。
コメートの燃料の犠牲者に駿河瑠奈を選んだ理由ですが晴風の面子で一番ルッキーニポジが似合っていたからです