あと先に書いておきます
今回浮上した伊201が魚雷を発射するシーンがありますが気にしないで読んでくださいウィキで軽く調べても魚雷の発射可能深度的な情報が無かったので
今回ネウロイから身を守るためどうしても魚雷を撃たなければいけなかったので書きました。ハイフリのファンブックに書かれていた伊201の魚雷発射管らしきところが浮上しても海中にありそうだったから書きました。魚雷発射管の位置勘違いしている可能性がありますが、もし構造上出来ない感じだったらハイフリ世界で過去に色々あって浮上時でも魚雷を撃てるようにした又は撃てる魚雷を作ったとでも思ってください
伊201から救援要請が出される10分前
伊201はネウロイの勢力圏外と思われる海域で艦内の空気の入れ替えと双眼鏡による警戒体勢を取っていた。201の艦橋では東舞校の生徒達がいつもより緊張に包まれているとはいえ自身の仕事をこなしていく
「副長、空気の入れ替えはあとどれくらい時間が掛かる」
「あと・・・4分と言ったところです。今の所この海域にも予想どうりアンノウンの気配はないのでできればしばらくは海上航行で様子を見たいですね。安全海域と分かればもっと大規模な船団で避難民や物資を送り届けられるので」
伊201の副長が自身の懐中時計を取り出し空気の入れ替えが終わるおおよその時間を告げる。伊201の艦長は副長が提案した海上航行の意見には否定的で副長の提案を却下する
「いや、今この瞬間は大丈夫でも時間帯によって活動範囲が変わるかも知れない、上もこの程度の情報だけじゃ納得はしないさ」
「了解、では換気が終わり次第潜航しますか?」
「あぁ、そうするとしよう、潜航深度40で12ノットで行く」
「了解しました・・・それにしても悔しいですね、自分達は海中に隠れながら任務を行っているというのに女子高の方は後方とはいえ前線に出ているんですから、ホワイトドルフィンの見習いという立場以前に男として戦う事すら出来ない自分が不甲斐ないです」
「言うな・・・ここにいる全員、いや潜水艦乗りの男子校全員が同じ無力さを感じているんだ。アンノウンに家族を殺された者も多く入るんだ。それを我慢して我々の任務のために皆頑張ってくれているんだ。我々は今出来る事を最善を尽くしてやるだけだ・・・」
「すいません!艦長もアンノウンに両親を殺されてしまったのに・・・発言が不適切でした申し訳ありません」
「いや、別に謝らなくてもいい、本当の事だしな、それより準備を進めておけ」
「はっ!直ちに」
艦長の指示を受け副長が潜航の準備を進めていく、換気が終わっていないので今は各セクションの点検に済ませている。換気が終わり次第潜航の流れだ。副長が準備を進めて行くなか、伊201の艦長は空に居座るアンノウンに心の中で叫ぶ
ホワイトドルフィンとブルーマーメイドだった両親を殺された恨みは凄まじいが
伊201の艦長という立場のため個人的な感情は艦にいる乗員全員に影響が出る可能性があったため感情を押し殺していた。心の中ではそれをぶちまける
人間を舐めるなよ!貴様らは絶対に殲滅する!
伊201の艦長が心の内で感情をぶちまけているとき、外で双眼鏡による目視警戒を行っていた生徒5名が艦内の空気の入れ替えが終わる1分前になると自分達も艦内に入る準備を始めた。警戒を解き、艦内に撤収していく、先に艦尾の方で警戒していた2名が艦内に入り艦首の方で警戒していた3名がそれに続く、短い間だったが久しぶりの太陽の光だ
名残り惜しみつつふと生徒の一人が太陽を見上げる
眩しい光によってまぶたの大半が閉じる、太陽のぬくもりを感じているとふと小さい何かが見えた。太陽の逆光でよく見ない、鳥か何かだろうか
「なんだアレ?よー見えんなカモメか?」
「何だ鳥でも見つけたか、どれどれ、あー逆光で見えづらいが色が黒いからカモメじゃないぞ、渡り鳥の類だろ」
「この時期に黒い渡り鳥なんかいたか・・・って!ちょっとまて確かアンノウンも全体的に黒かったよな」
残っていた見張りの一人が最悪の可能性に気付き急いで後方に下がり逆光の影響を受けないところから双眼鏡でその物体を覗く、そこに映ったのは鳥などではなく黒い正方形の形を持ち所々に赤いラインがある物だった。そう出会いたくなかったアンノウンだった。
それも太陽光の逆光を利用して降下してきていた。すぐに敵機の接近を報告したがすでに遅かった。
「敵襲ゥゥゥー・・・」
見張りの生徒が叫ぶと同時に正方形の形をしたアンノウンから40近いビームが放たれた
放たれたビームは通常の個体とは違いかなり細い代わりに数が多かった
放たれたビームはそのまま伊201を貫通していった
伊201の艦長に敵機の襲来が伝えられたのはアンノウンの第一射が命中した後だった。
「何が起きた!状況報告」
「アンノウンの一機が逆光を利用して本艦に接近、攻撃してきました」
「何!すぐに全員を収容させろ、急速潜航用意」
「ダメです艦長、今の攻撃で上部甲板が貫通、船体に穴が開きました」
「何だと、とにかくまず動くぞ最大船速!急げ、それで被害状況は」
「亀裂は大きくても精々5ミリほどらしいですが数が多いです。それと貫通したビームで消火器などの艦内備品が破損とのこと」
「報告!第二射により居住エリアにビームが貫通、教官の左腕をビームが貫通、現在応急処置中、さらに浸水も確認、修理に8、いや何とか4分で」
「教官が負傷だと、クソッ、聞いていたよりビームの威力が低かったのはいいがこれでもくらい続けたらいずれ穴だらけで自壊だ・・・しまった!」
伊201の艦長は立て続けに届く被害状況を聞いてあることに気付く
もしそれが起こったら一撃でこの艦は沈む
それを防ぐためすぐに指示を出す
「水雷長!すぐに積んである魚雷すべてを発射しろ」
「この状況で魚雷ですか、飛んでいるアンノウンには当たりませんよ」
「そんなのは分かっている、貫通したビームで誘爆させないためだ」
「!!分かりました。でも目標は」
「2キロ先にあった岩礁にでもぶつけておけ、とにかく魚雷に誘爆する前に全弾撃ち尽くせ」
そう、伊201の艦長が懸念したのは貫通したビームが魚雷を破壊して起こる誘爆だった
それが起きる前にすぐに魚雷を撃つ、何とか撃ち終わるまで魚雷発射管を攻撃して来ないことを祈るしかない
「作戦本部に救援要請、それと全員救命胴衣を着けておけ、被害の拡大状況によっては本艦を放棄、泳いで3キロ先の無人島を目指すこともあると覚悟しておけ」
「艦長、発射した第一射の魚雷がアンノウンに破壊されました」
「魚雷を攻撃?動いている物を優先的に撃ったのか?まぁどうでもいいかこれで少しは時間が稼げる」
「作戦本部より入電、今救援部隊を向かわせたとのこと」
「佐世保からここまで約5時間と言ったところか・・・」
「佐世保を出て大きく迂回しますからね、直線距離なら2時間くらいなんですが」
「艦が陸地を行けたり飛べるわけないだろ、俺は今人類が飛行船以上の速さで飛ぶ手段を手に入れることが出来なかったことに嘆くよ」
伊201の艦長は人類が空で戦う手段を持てなかったことに嘆く、その間にも被害はますます広がっていく
「上部甲板、及び右舷後方に被弾新たな浸水が発生、機関部にも浸水を確認、応急員は機関部の浸水の対処を最優先に」
「これはいよいよ寒中水泳を覚悟しといた方がいいかもな・・・」
伊201の艦長が離艦を考えているころ、先行して出撃した明乃達は出撃前に装着した無線から聞こえる指示に従い伊201の元に向かっていた。明乃達はボディカメラも装着し映像は随時作戦本部へと送られる
「そのまま直進していけば伊201を捕捉できるはずよ、ネウロイ殲滅後は伊201から連絡があった地点の近くに無人島があるからそこで待機しておいて、伊201が航行不能状態だったら乗員だけ無人島に誘導しておいて、真冬の部隊が教員艦の改インディペンデンス型でそっちに向かってるところだから」
「分かりました。ネウロイを倒したら誘導を始めます」
「お願い、うちのましろとバルクホルンさんと黒木さんが今そっちに向かったから」
明乃と通信をしていた宗谷真霜がましろ達が向かったことを言うと晴風書記の納沙幸子が自身の固有魔法で伊201とネウロイを捉えた。同じ固有魔法のサーニャも同様に確認出来たようだ
「艦長、伊201とネウロイを確認できました」
「うん、私も捕捉出来たわ、あと数分で着ける距離だわ」
「ホント!?あと数分ならそろそろ見えてくる頃かな」
明乃は納沙幸子とサーニャからの報告を聞いて目を凝らす、すると少し遠いが赤い一筋の光が見えた。ネウロイのビームだった。ビームが放たれた場所には探していた伊201も確認出来た、だが状況は良くなかった。船体はもう殆ど動いておらず海流に流されているようなもので、さらに乗員の何名かは救命胴衣を着て海に投げ出されていた。最初は何かの拍子で海に投げ出されたと思ったがよくよく見て見ると乗員自ら飛び込んでいた。
飛び込んだ乗員は皆必死に泳いで何処かに向かっていた。進行方向の先には先ほど真霜が言っていた無人島が見える、どうやら艦を放棄して無人島に避難しているようだ。
恐らく機関が死んで漂流状態でなおかつ艦を放棄して順次海に飛び込み泳いで無人島に向かっているということだろう
ゴムボートの類を使わないのはネウロイに狙われる可能性と膨らませる時間すら惜しいという状況だろう、状況的には最悪と言っていい状況だ。
状況を理解したペリーヌはすぐに行動に移す
「目標捕捉、明乃さん私達がネウロイの相手をしますので乗員の守りをお願いします」
「うん、わかった」
「宮藤さんと鏑木さんは伊201の甲板で負傷者の治療を」
「任せて」
「委細承知」
芳佳と美波に負傷者の治療を頼むと明乃、芳佳、美波の3人は伊201へと降下していく
それ以外の面子は小型ネウロイへと向かう
一方その頃、艦を放棄して己の肉体を頼りに3キロ先の無人島を目指すことになった東舞校の生徒達はまさか空から救援部隊が来るとは思わず、ネウロイのみに注意を払っていたせいで反対方向から来た明乃達には気付いていなかった。退艦を進めていた伊201の乗員達は何とか教官以外の負傷者を出さずに海に飛び込むことが出来ていた。
最後に負傷した教官とそれに付き添う伊201の副長と航海長、艦長の4名が海に飛び込もうとしていた。
「すまないが二人とも教官を頼む、負傷者を抱えたまま泳ぐのはかなりきついが少しの間頑張ってくれ、俺もすぐに後を追う」
「分かってます、俺らが責任を持って教官を運びます」
「艦長、ご武運を」
「止めろ、お前ら・・・俺はおいてすぐにでも海に飛び込んで逃げろ!」
負傷した教官は自分を置いてすぐに逃げろと命令する
だが教官と共にいる3人はその指示には従えなかった
前線で戦う事すら出来ない自分達・・・それだけでも悔しいのだ
海の平和を守るホワイトドルフィンを目指す彼らは目の前にいる負傷者を見捨てて逃げることは出来なかった。たとえそれが教官が自分達を救うために言った言葉でも・・・
負傷した教官と共に副長と航海長が海に飛び込む、包帯で応急処置をしたとはいえ海水までは防げない、包帯で覆った傷口に海水が沁みて教官の表情が苦痛を現す
すぐに一緒に飛び込んだ副長と航海長が教官に手をかし3キロ先の無人島を目指す
伊201の艦長はアンノウンの注意を少しでも引くため信号弾や手持ちの灯光器をアンノウンに向けて放つ、少しでも海に飛び込んだ皆に攻撃が向かない様に
自分に攻撃が来そうになったらすぐに海に飛び込んでやり過ごそうとしていたのだ
伊201の艦長の挑発にアンノウンはうまく乗り、伊201の艦長に狙いを定めた
誘導に成功したと感じた艦長はすぐに海に飛び込もうとした。だが運悪く今までの攻撃で生じた水しぶきで濡れた甲板に脚を滑らせてしまった
「しまっ!」
転倒した瞬間アンノウンから無数のビームが放たれる
伊201の艦長は死を覚悟したが、その瞬間目の前に光の壁が現れアンノウンから放たれたビームを防いだ。その直後アンノウンに向けて無数の銃弾が飛んできた。アンノウンは移動を始め銃弾の雨を回避していく、それを多くの空を飛ぶ少女達が追って攻撃を仕掛けていく、第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズと晴風ウィッチの通称、マーメイドウィッチーズだ。その光景に呆気に取られていると一人の少女が降りてきた。
シールドを張りビームから守った明乃だ。さらにその後から芳佳と美波が甲板に降りる
「大丈夫ですか?救援に来ました!」
「・・・人が・・・空を・・・飛んで・・・それにその制服は確か・・・」
「はい!横須賀女子海洋学校所属の晴風艦長の岬明乃です。こっちはうちの衛生長の美波さんで、もう一人は晴風の乗員じゃありませんけど私達の仲間です」
「衛生長の鏑木美波だ」
「501部隊、宮藤芳佳です。何処か怪我してませんか?」
「あっ、あぁ俺は大丈夫だ・・・!!済まないが先に逃げてもらった教官を見て貰えないか敵のビームの1発が左腕を貫通しているんだ!」
呆気に取られていた伊201の艦長は自分の状態を報告すると、一番の重症を負った教官のことを伝えた。それを聞いた芳佳と美波は治療に向かう
「分かりました。すぐに治療します」
「どうやら二人に支えながら泳いでいるあの人のようだな、この距離ならこっちに戻して治療したほうが早そうだ」
二人は再び飛ぶと泳いでいた教官の両脇を掴むとそのまま海面から引き揚げ、伊201の甲板に戻した。早速治療を開始しようとしたときアンノウンことネウロイから再びビームが放たれた。今度は泳いでいる伊201の乗員と明乃達に同時に撃ってきた。
通常のウィッチなら自分に向かってくるビームは防げるが、離れているところにいる対象は守れない、だが明乃の固有魔法はそれを可能にすることが出来る
明乃は自分達と伊201の乗員に向かって放たれたビームを再びシールドを張り防ぐ
「美波さん、芳佳ちゃん!守りは任せて、二人は治療に専念して」
「うん、ありがとう明乃ちゃん」
「傷口は小さいが、貫通しているな・・・幸い骨には当たっていないようだ。出血はすぐに手当てしたおかげである程度抑えられていたようだ。これならすぐに輸血が必要というわけでもないな、すぐに治療にかかるとしよう、二人係でやれば魔法力も抑えることが出来る数分で治せるだろう」
「うん!行くよ美波ちゃん」
「あぁ、全力を尽くすとしよう」
二人は負傷した教官に治癒魔法をかけ始める。
二人が治療を開始したころ上空ではネウロイとの攻防が続いていた
小型タイプが1機だったため最初はすぐにかたがつくと思われたが予想に反して苦戦を強いられた。
「サーニャちゃん一緒に!」
「うん!」
芽依とサーニャがフリーガーハマーを一斉に放つ、放たれた合計6発のロケット弾はネウロイへと向かっていくがすべてネウロイが放ったビームにより撃ち落とされてしまう
「小型なのに手強いですわ!エイラさん、ハルトマンさん、同時多重攻撃を仕掛けますわよ」
「よし、分かった」
「オッケー」
今度はペリーヌとエイラ、ハルトマンが敵機を囲み同時に射撃を加える
三方向からの機関銃による弾幕
通常の小型タイプならこれだけの弾幕は躱しきれないはずなのだが、このネウロイは違った。正方形の形をしたネウロイはペリーヌ、エイラ、ハルトマンに面している面から連続で無数のビームを放つ、発射されたビームはそれぞれそんなに長く照射されず無数の発射口から1つずつ発射されていた。そのすべてが3人が撃った機関銃の弾丸を全て撃ち落としていた。
「あんにゃろう、私達が撃った弾、全部撃ち落としやがった!」
「そんなのありぃー」
「あのネウロイ、今までのネウロイとは明らかに違いますわ、攻めるというより防御に徹底しているようですわね」
ペリーヌが驚愕しているとリーネから通信がきた
「ペリーヌさん、もう一度やろう、今度は私とココちゃんも加わります」
「分かりましたわ、それならお二人は私の指示する場所で待機しておいてください、そちらに誘導次第全員で集中砲火を浴びせますわよ」
「了解」
ペリーヌは早速リーネとココに待機地点を指示する、海上と上空の二か所から狙撃する作戦だ。二人がポイントに着くとペリーヌ達はその地点にネウロイを誘導する
ネウロイが誘導に乗ってポイントに着くと集中砲火が開始された
ペリーヌ、ハルトマンは正面からエイラ、サーニャは右側から、メイ、タマ、ミーナは左側から、静夏、ルッキーニは後ろからネウロイに向けて集中砲火を浴びせる
それと同時に海上と上空の二か所からも対装甲ライフルによる狙撃が行われた
最初の攻撃よりも圧倒的に多い弾幕これなら撃ち落とせないだろうと思ったがそう簡単にはいかなかった。正方形状の形をしたネウロイはすべての面から無数のビームを放ち放たれた銃弾のすべてを撃ち落とす、すべてを撃ち落とすと、上空にいたリーネにビームが集中して放たれたリーネはシールドを張って防ごうとするが・・・
「すぐにはなれなきゃ!取りあえずペリーヌさんの所に・・・」
リーネがそこまで言ったとき、異変に気付いた。ビームを受けとめたシールドの一部が歪んでいたのだ。リーネがそれに気づいた時にはもう遅くビームの1つがシールドを貫いた
幸いリーネには当たらず、リーネもそれを見てすぐにビームを受けるのをやめ回避に専念したため大事には至らなかった。
「あの細いビームでリーネさんのシールドを貫通!あのビーム通常のビームより貫通力があるようですわね、明乃さんのシールドは貫通していませんでしたが他の面子は受けない方が良さそうですわね、各機敵のビームは貫通力に特化した可能性がありますわ、シールドで防がず回避に専念してくださいまし」
「うげぇ、銃弾をピンポイントで撃ち落とすのに、シールドも信用できないのぉ」
「かなり手強いですね、どうしますか、戦闘区域をもっと離れた場所に移してネウロイを振り切ってみますか」
「それは現実的ではないわ、ネウロイの行動範囲を考えると、あの潜水艦の乗員に危険が及ばない地点となると例の要塞型の勢力圏に入ることになるわ」
「マジでどうするんだ、まだ下の方じゃ逃げている奴が多いぞ」
「銃撃がダメなら切断はどうじゃ、万里小路の剣なら何とかなるんじゃないか」
「確かに可能性はありますが、それだと万里小路さんが危険すぎますわ、間合いに入ったら当然ネウロイの射程内なのですから」
「私なら大丈夫ですわ、少しでも離れた位置から攻撃するため突き技で攻めますわ」
「では、万里小路さんに止めを刺してもらいましょう、何とかネウロイの注意を引いて万里小路さんをネウロイを貫ける所まで送り届けましょう」
ペリーヌが方針を決めたとき、下から二人が上がってきた。宮藤芳佳と鏑木美波の二人だ
「ゴメン、ちょっと遅れた」
「負傷者はどうなったんじゃ」
「安心しろ、治療は済ませた。普通なら手術である程度治療したのち縫合して様子を見るところだが治癒魔法のおかげで傷口もすでに塞いだ」
美波が負傷者の状態を報告するとそれと同時にネウロイの周りにシールドが展開された
全方向に展開されたシールドはネウロイを閉じ込める檻となった。
これをやったのは勿論明乃だ。ネウロイは無数のビームを撃ち続けシールドを破ろうとする、明乃はシールドが破られる前に何とかシールドで潰そうと頑張るが
「今からそいつ、潰してみる!シールドの維持が難しいけど破られる前にやってみる」
「待ってください明乃さん、シールドは維持を優先させてください、今から万里小路さんにネウロイの近くまで行ってもらって貫いて貰うのでそれまでもたせてください、私達は万が一、シールドが破られた場合に備えてネウロイを囲みますわよ」
『了解!』
ペリーヌの指揮のもと再びネウロイに攻勢を仕掛けようとしたとき、ある通信が入った
それは万が一に備えてゴムボートを携えてやってきた、ましろ、黒木、バルクホルンの3人だった。ゴムボートを持ってきた黒木、バルクホルンはロープで吊るされたゴムボートを泳いで無人島まで避難していた伊201の乗員に落としていった。落とされたゴムボートに必死に上がる乗員達、黒木とバルクホルンがボートを落としていっている間にましろが通信をしながらこちらに向かってきた
「攻撃はまだ待ってください、試してみたいことがあります!」
ましろがペリーヌ達に合流すると自身が考えた戦術を話す
「試したいことってあのネウロイはかなり特殊ですわよ」
「分かってます。ボディカメラを通じて本部の方でも確認できていたのでこっちに向かう途中に状況はすべて聞いていたので把握しています。あのネウロイは攻撃対象に面している面からビームを撃つのが殆どらしいです。逆に言えば面していない個所からビームを撃つ可能性は低いということ」
「と言うことは多方向からの波状攻撃よりも」
ペリーヌがそこまで言うとゴムボートの投下が終わったバルクホルンと黒木が合流した
「そう言う事だペリーヌ、一点集中攻撃で行くぞ」
「宗谷さん!指示を」
「いや、戦闘隊長はバルクホルンさんだから・・・」
黒木洋美の熱い視線を受けましろがたじろいでしまう
バルクホルンはましろの言葉に反応しある指示をだす
「いや、あのネウロイの特性に気付いたのはお前だ。いい機会だからお前が指示を出してあいつを倒して見せろ」
「ちょっと、そんなことを言って大丈夫なんですか、実戦なんですよ」
「だからだ、今は少しでもお前らに経験を積ませないとな、お前らの国をネウロイから解放するんだ。お前達には少しでも技術を磨いて貰わないとな、勝利の確立を上げるためにもな」
「分かりました。じゃあフォーメーション・リングショットで行きましょう」
「リングショット、確かリベリオンの戦術だったな、リベリオンの戦術も調べていたのか」
「えぇまぁ、少しでも覚えて闘いを優位にしたかったので、バルクホルンさん、ハルトマンさん、エイラさん、ペリーヌさん、ルッキーニさん、宮藤さん、服部さん、黒木さん、ミーナさんと私で行きましょう、黒木さんとミーナさんはこの戦術を知っているので何とか出来ると思います、501の方はコレできますか?ミーナ中佐から聞いた501の戦術には無かったんですが」
「問題ない、実戦では使う機会が殆ど無かった戦術だが訓練でやったことはある」
「分かりました。艦長、私が合図したらネウロイの下のシールドを解除してください、集中攻撃を仕掛けます」
「うん!分かったよシロちゃん」
ましろがやろうとしているフォーメーションはウィッチがそれぞれ円柱状に集合し一斉に銃撃を始める陣形だ。一定空間の弾幕の密度を上げる戦術だ
「それじゃあ行きましょう、万里小路さんもチャンスがあれば攻撃に参加してくれ、残りの面子は万里小路さんについてくれ」
『了解』
ましろ達が陣形を組みネウロイの真下に向かっていく、銃口をネウロイに向けるとましろは合図を明乃に出す
「艦長、今です」
「うん」
明乃はましろの合図と共にネウロイを閉じ込めていたシールドの下側部分だけを解除した
それと同時に一点集中攻撃が開始された。先ほどと同じようにビームで撃ち落としていくがさっきとは比べるまでもない密度にすべては撃ち落とせなかった。それと偶然の産物か残ったシールドに当たって跳弾した弾丸も何発か当たっているようだ
着実にネウロイにダメージを与えていく、ネウロイはダメージを覚悟しながらシールドが解除された場所を目指す、小型でこの強度ははっきり言って異常だがましろは特に焦る様子は無かった。何故ならシールドを出た先には・・・
「お待ちしておりましたわ、はぁぁぁぁ」
自身の固有魔法で刀身を形成し終えた万里小路が待っていたのだから
万里小路の刺突によりネウロイはコアを貫かれ光の粒子となって消え失せた
ネウロイの消滅と共に海上ではゴムボートに乗った伊201の乗員達が歓声を上げた
手も足も出なかった敵を倒してくれた彼女達の存在は乗員達を喜ばせるには十分だった
伊201の甲板で治療を終えた教官と共にいた伊201の艦長は明乃に質問した
「貴方達は一体、何者なんだ?人が空を飛ぶなんて・・・」
「私達はウィッチだよ、魔法の力で戦えるようになった・・・魔法使いかな?」
「魔法か・・・確かに魔法かも知れない・・・」
こうして伊201の危機は去った。その後明乃達は先に帰還し、後からやってきた真冬達に伊201の乗員達は救助され佐世保へと帰還した。
今回でた伊201の艦長、名前を出すつもりです。明乃に関係する人物にするつもりです。