海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ   作:レーゲン

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今回伊201の艦長の名前がでます


晴風クルーの射撃指導

愛知の工業地帯に居座る要塞型ネウロイの殲滅作戦の概要を一通り聞いた明乃達はその後細かい調整などを話し会議が終了次第準備に移る

別地点で敵要塞型ネウロイから放たれるロケット砲弾型ネウロイと同時に発進して撃墜するましろとコメートの整備を担当するウルスラはすぐにユニットの準備をし陸路で待機地点へと向かう、統合軍側で選ばれたトラックの運転手とその補佐計6名と通信士3名とブルーマーメイドから1名がトラック3台で目的地に向かう、途中で自衛隊部隊と合流し待機地点で要塞の出方を見る、ネウロイを警戒しながら行くためうまく遭遇しなくても3日は掛かると思われたのですぐに出発する

 

他の面子も準備を進めていく、特に忙しく動いているのはブルーマーメイドの艦隊部隊だ

統合軍から貸し出された多連装ロケット砲を改インディペンデンス型の後部飛行甲板に取り付けているのだから、数が多いのと元々艦につける武装じゃないため運用方法の確認で忙しい、中には接舷せずに海上で明石を始めとした工作艦の手を借りて作業をしているところもあるほどだ。本来これらはシャーマン戦車に取り付けられていたものだが今回の要塞攻略に戦車は使わないため火力の増強も兼て搭載されることになった。

今回、戦車などの陸上戦力を投入しない理由だが、佐世保から愛知の工業地帯まで距離がかなりあること、海上輸送をしようとしても、使用可能な港湾施設が近くに無かったのが原因だ。陸上戦力の投入は横須賀奪還後の予定らしい、何でも横須賀はホワイトドルフィンの特務潜水艦の偵察で都市部は被害が大きいが港湾施設は比較的ダメージが少ないと判明したからだ。今回出番が無いと思われた統合軍の戦車部隊や歩兵は各自武装し艦隊に乗艦し対空攻撃要員となった。小型のネウロイなら歩兵が装備している短機関銃でも40~50発当てれば破壊出来るからだ。各艦に10数名ほど配置されるらしい、それと学生艦には優先的に多くの要員を回してくれるらしい、恐らくまだまだ未熟な学生達の生存率を上げるためだろう

 

そんなこんなで周りはかなりの忙しさだ。明乃達も一端芳佳達と別れ晴風に向かおうとしていた。マロン達に任せたユニットの整備状況を聞くために・・・

 

明乃達が晴風に向かっていたころ、パットン将軍とブラッドレー将軍は従兵を連れ港湾施設を移動していた。将軍達も準備のため色々出向いているのだ。多連装ロケット砲の装着状況の確認が終わり次第、扶桑皇国艦隊の空母天城の艦長と第一次攻撃の航空爆撃の打ち合わせだ。最初の目的地に移動しながらパットンは愚痴をこぼす

 

 

「ったく・・・一応気休め程度に歩兵を対空攻撃要員として回したがまだまだ足んねぇ」

 

「そういうな、陸戦用の装備でもないよりはマシだ、これで少しは被害が抑えられるだろう」

 

 

「それは分かるが、すべての艦に配置したら弾幕は精々機銃2~3基分程度だぞ、ただでさえ揺れる海上だ、照準は早々合わねぇ、本当なら軽巡以上の艦に集中投入したい所だが」

 

「学生艦を無防備にするわけにはいくまい・・・それに大和型の一斉攻撃はかなりの威力だ、これを失うようなことは避けなければ、学生艦に多めに人員を配置するのは間違いでは無い、岬明乃のシールドで守りを固めると言っても背後から奇襲を受けたりすると被弾する恐れも無くは無いからな」

 

「だが、やっぱりもう少し欲しいところだな・・・50・・・最低でも30くらい欲しい所だが・・・」

 

パットン将軍がそう愚痴をこぼしながら目的地へと足を運んでいると、ある声が聞こえてきた。数人の若い男性、いや青年の声だった。ふと目を向けてみると、つい最近501と晴風が救助した伊201の乗員だった学生だった。彼らは一人の男性に必死に何かを頼み込んでいた。パットン将軍の距離からでは何を言っているかは分からなかったが青年たちの今の状況と彼らの気迫とでも言おうか、それらを踏まえると言っていることは何となく予想が出来る、パットン将軍は何かを思いついたのか、その青年達の元へ足を運びだした。

青年達は今もなお、必死に頼み込む

 

「教官!お願いします。自分達にも戦わせてください!」

 

「学生艦の女子達が前線で危険な任務に就くというのに自分達だけ安全な場所で待つことなんて出来ません!」

 

「せめて学生艦の機銃照射の担当は我々に変えてください、船外で敵の標的になりやすい機銃に付きっきりの危険な仕事を同じ学生の女子に強いるのは見ていられません!」

 

「伊201、乗員すべての総意です。どうか我々にも戦わせてください、我々の家とも言えた201を航行不能にした憎き敵を倒せることに貢献できるならなんだってする所存です」

 

 

「貴様らの気持ちはよく分かる・・・だが貴様らもまだ学生であることを忘れるな、命を懸けるのは大人の仕事だ!命を顧みない発現は控えろ!お前らは今出来ることをしておけ、作戦準備のために各所人手が足りん、貴様らはそこで手伝いをしろ、前線で戦うだけが闘いではない、裏方の仕事によって前線にいる者が最大の力を発揮できると知れ」

 

「ですが!」

 

教官の言う事は最もだが、それでも簡単には納得が出来なかった。

晴風と501部隊に助け出される前から直接戦闘に参加できない自分達の不甲斐なさを痛感していた彼らにとって艦から離れたことによってその思いがさらに強くなっているのである。日本男児として女を守るという思いが無意識のうちにあるからか分からないが少女達が戦場に行って男の自分達がただ待っていることしか出来ないのが心苦しかった。

そこにとある男性が歩みよる。パットン将軍である

 

「中々の覚悟じゃねぇか気に入ったぜ」

 

「!?あなたは一体・・・見た所ホワイトドルフィンやアメリカの本部からやってきた要塞の関係者でも無さそうですが・・・」

 

パットン将軍を見た東舞校の学生がふとそんなことを呟く

まぁ無理もない彼らは救助されるまで別の世界から来た統合軍の存在を知らずにいたのだから、つい最近ようやくそれを知ったばかりで統合軍の軍服の姿なんて知らないのだ

そんな彼らにパットン将軍は簡単に自己紹介を済ませる

 

「俺は統合軍の大将をやっているパットンつうもんだ、今回の作戦の最高責任者の一人とでも言えば分かるか、小僧共」

 

「大将!これは失礼しました。パットン将軍殿」

 

一人の東舞校生徒の敬礼を機に残りの生徒と一緒にいた教官が敬礼をする

いきなりの大物の登場はその場にいた全員が驚いた。

パットン将軍はそんな彼らの行動を気にはせず、ある話をきりだす

 

「あぁー、そう言うのはいい、それよりてめぇら、ネウロイを倒せるなら何でもするって言いやがったよな、それは確かか小僧共」

 

パットン将軍のその言葉を聞いた東舞校の生徒達はすぐにその質問に答えた

 

「勿論です。前線で共に戦えるならばなんだってします」

 

「この手で奴らに一泡吹かせられるなら、これ以上の喜びはありません」

 

「共に戦うことが出来ないすべての男子校の思いを背負い戦う所存です!」

 

「ほぅ、中々いい覚悟じゃねぇか、気に入ったぜ」

 

パットン将軍は東舞校の生徒達の覚悟を気にいり生徒達にある提案をだす

 

「ちょうど今もう少し対空迎撃要員が欲しかったところでな・・・幸い俺らが乗ってきた輸送船には武器が売るほどあってな・・・てめぇら機関銃で武装して学生艦の護衛をする気はないか、もしやる気があんなら俺の権限で手配してやる、どうする?小僧共」

 

パットン将軍のその提案に学生達はすぐにそれを受け入れた

 

「戦うことが出来るのですか!やります、やらせてください」

 

「機関銃でも拳銃でも、戦闘に貢献出来るのであれば全力をもってことにあたります」

 

「自分達にどうか戦う力を!」

 

「貴様ら何を勝手に・・・」

 

話を勝手に進める生徒達を教官が止めようとするが、それをパットンが止める

 

「まぁ落ち着けや、半人前の小僧を戦地に送りたくない気持ちも分かるが、ネウロイとの闘いに負ければ国自体が無くなるかもしれねぇんだ、こいつらもまだまだ半人前だが軍人の端くれみたいなもんだ、こいつらの覚悟も尊重してやれ、それにやらせんのは学生艦の対空迎撃要員のおまけ程度の仕事だ。碌に射撃訓練してないやつが飛行しているネウロイに当てるのは至難だが、数撃てば少しは当たんだろ、てめぇらやるからには尻尾まいて逃げんなよ、少なくてもてめぇらが撃っている間は学生艦の嬢ちゃん達に向かう攻撃が軽減するんだからな」

 

『了解しました。全力をもってことにあたります』

 

パットン将軍の言葉に東舞校の生徒は敬礼で返した。一緒にいた教官もパットン将軍の発言には納得出来ないが、さっきとは比べるまでもないほど生徒達の士気が上がっていた。

それはまるでかつて自分が海洋学校を卒業して、海の平和を守っていくと同期と共に誓った日の眼差しと重なっていた。まだ卒業していないひよっこが立派な顔つきになっているのだ。今までに色々な教え子達を教えてきたがこんなにも早くこの顔つきになった教え子はいなかった。ただ規則にのっとっているだけではいけない、この国を、いやこの世界を守ると思っている者はこんなにもいるのだからと・・・

 

運よく追加の攻撃要員を確保出来たパットンだが流石にこちらの世界では旧式の武装を本番でいきなり使わすわけにはいかない。一通り射撃訓練をさせてやりたい所だが・・・

 

「さて、そうと決まれば銃の扱いを叩き込みたいところだが、正規兵はどこも忙しいしな、さてどうしたものか・・・おっ、ちょうどいい晴風の嬢ちゃん達に頼むか前にやらせた時に中々筋がいいと報告が上がっていたしな、おいお前、ちょっと晴風にいってこいつらに銃の扱いを教えるよう言ってきてくれ、むこうの都合もあるだろうから二時間後辺りに臨時宿舎にと伝えてくれや、お前はこいつらを纏めて艦まで案内して銃を配っとけ、いいな」

 

 

「「了解しました」」

 

パットン将軍に付き添っていた従兵二人がそれぞれ言われたことをこなしていく

一人は晴風の一般クルーにこのことの報告へ、もう一人は東舞校の生徒達を纏めて武器を保管している輸送船へと向かっていった。

 

指示を出し終えるとパットンはもとの用事を済ませるため再び歩み始める

後れを取り戻すため少し速足で・・・

 

一方その頃、芳佳達と別れた晴風ウィッチ組はと言うと途中で一人の青年と出会った少し前に救助した伊201の艦長だ。

その青年は明乃の姿を確認すると明乃の元へ駆け寄った。

 

「晴風の艦長の岬明乃さんで間違いないですか?」

 

 

「はい、晴風艦長、岬明乃です。えっと何か御用ですか?えっと・・・」

 

「すいません、あの時はばたばたして自己紹介がまだでしたね、伊201の艦長をしている柏原翔です」

 

「翔さんですね、なんの用ですか?」

 

「いえ、あの時助けてくれたお礼を艦を代表して言いに来たのと、個人的にあなたに言いたいことがありまして来た所存です。少しお時間いいですか」

 

「うーん、私だけなら大丈夫かな・・・ココちゃん悪いんだけど皆と一緒に先に行っておいてくれない?私も後から行くから」

 

「分かりました。じゃあ艦長のユニットの状態についても聞いておきますね」

 

「うん、お願い」

 

そう言うと明乃以外の面子は先に晴風へと向かっていった。

明乃は伊201の艦長、柏原翔と会話を始めた

 

「先日は助けていただきありがとうございました。改めてお礼を言わせてください」

 

「お礼なんていいですよー、私達が出来ることをしただけですから」

 

「それでもあの化け物どもに勇敢に立ち向かっていった貴方達の姿はとても印象にのこりましたよ・・・本当にありがとうございました」

 

「はぁ、そう言えば私達も最初芳佳ちゃん達の世界に飛ばされた時はネウロイと戦っている芳佳ちゃん達に驚いたからこの反応が普通なのかなぁ」

 

「多分ほとんどがそうだったと思いますよ」

 

柏原翔はそれから明乃と他愛のない話を少しすると明乃を探していた本当の理由を語りだした。

 

 

「少し話が長くなってしまったなぁ・・・言葉使いを気にしながらだとどうも堅苦しくなってしまってすいません」

 

「別にいいですよ、同じ学生ですし、気軽に喋っても大丈夫ですよ」

 

「そうですか、では遠慮なく・・・最後に俺個人がどうしてもあなたに言いたいことがありまして、聞いて貰ってもいいですか」

 

「いいですよ、なんですか」

 

「俺、柏原翔は貴方に・・・」

 

      ビュュュュュュー

 

伊201艦長、柏原翔の放った言葉と同時に少し強めの風が明乃と翔の間を通過し二人の前髪を軽く揺らす、風が過ぎ去った頃には翔の言った言葉はいい終わっていた

 

 

「えっ・・・」

 

翔のいったまさかの言葉に明乃は驚き少しの間茫然としていたが翔の言葉で再び気を取り直し翔のいった言葉の返事を返した。それを聞いた翔は只々お礼を言ってその場を去っていった。明乃も晴風へ向かい皆と合流するが少し様子がおかしかったとだけ今は記しておこう

 

明乃が晴風に帰還して数時間後、パットン将軍の頼みで伊201の乗員達に射撃訓練をさせることになったため機関科とウィッチ組以外の面子で機関銃などの使用方法や注意事項を教える、メンテナンスに関してはすぐには覚えることは出来ないだろうから割愛した。

本当は重要なことだが時間が無いので使用方法を優先的に教える

空き瓶などで作った簡単な的に取りあえず当てるように指導していく

 

晴風の航海科や砲雷科の指導のもとある程度当てられるようになってくると伊201の乗員は改めて晴風のクルーの異常性に驚愕した

 

 

 

「あのーすいません少し聞いていいですか、確か銃の扱い方聞いたのって向こうの世界に飛ばされた時に習ったって言ってましたよね・・・」

 

「えぇそうよ、まぁ習ったって言っても全員同じ銃っていうわけじゃないんだよねぇ」

 

「そうそう、私達は結構銃の好みは違うんだよね」

 

「私は銃じゃなくてパンツァーファウストだけどね、まぁやろうと思えば他の銃も使えるけどね」

 

 

「そう言う割には命中率ヤバすぎるんですけど、空中に投げたラムネの空きビン3本落ちる前に狙撃銃らしき物で撃ち抜いていたんですけど!しかもそのうちの1回は弾道の射線に瓶が重なる位置を狙って1発で瓶二つ撃ち抜いたんですけど!プロのヒットマンとかしかでき無さそうなことしてたんですが!」

 

「しかもさっき差し入れ持ってきてくれた炊事員の子ですら片手で持った拳銃で俺らより離れた所から瓶撃ち抜いたんですけど!」

 

「あと、最初にやったロケット砲弾を機関銃で破壊する芸当、普通できませんからね、上空に向かって放たれたならともかく平行に撃ってきたやつ、バッティングセンター感覚で撃ち落とせませんからね!」

 

晴風乗員のデタラメ具合を見てた伊201の乗員達がツッコム

それを聞いた光達砲雷科三人衆は・・・

 

「大丈夫、大丈夫コツさえわかれば3時間くらいで炊事員の美甘ちゃんくらいの腕前になれるから」

 

「そうそう、じゃあ次は手榴弾トスね、手榴弾の栓抜いて上に投げるから機関銃で撃って落ちる前に破壊するか、弾いて海に落としてね、危険と思ったら私らが撃ち抜いて破壊するから」

 

「えぇー、それすんの!?だったらさっきのロケット弾破壊するのでもよくない」

 

 

「まぁどっちでもいいんじゃない、数時間である程度使えるようにするには、あっ、でもこの特訓うちの教官達には言わないでね、絶対怒られるから、さぁ気を取り直して晴風ブートキャンプいくわよー」

 

「光ちゃん、数時間だけだからキャンプじゃないよぉー」

 

「晴風式特訓でいいでしょ、さっ、やるわよー」

 

 

    『危険っていう認識あったのかよ』

 

伊201の乗員達は彼女達に教わって無事で済むのか不安を覚えながらも必死に練習をこなしていく、結局怪我人は一人も出なかったが晴風の異常性は彼らの内に刻み込まれた

 




伊201の艦長の読みは柏原翔=かいばらかける、です
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