イギリスのブルーマーメイド支部を中心に編成された欧州からの増援部隊を突如襲った超高高度ビーム攻撃、高度33000以上にいる敵に接近、及び攻撃する手段がなかったウィッチ達は増援部隊の残存戦力を温存させるために、明乃が中心になって、シールドを張り安全圏まで撤退したのち、別ルートで統合軍、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィンの連合部隊に合流した。幸いにも超高高度にいるネウロイからの攻撃の気配は無かった。
ウルスラ中尉曰く、敵の攻撃はビームの発射口のほぼ真下辺りにしか打てないとの見解が出たことにより、すぐにこの拠点を引き払うことはなかった。
残存部隊をこの臨時拠点まで護送し終えたウィッチ達はその脚ですぐに緊急の会議を開くことになった。501部隊、晴風、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィン、坂本少佐を始めとした統合軍関係者が一同に揃い、増援艦隊を襲った敵ネウロイについて報告がなされる。報告をするのは野間マチコなどから話を聞いたミーナ中佐とウルスラ中尉だ
「それでは、今回確認されたネウロイについて報告します。ウィッチの夜間哨戒中に増援艦隊に攻撃したネウロイですが、晴風のウィッチ野間マチコさんのお陰で超高高度からの攻撃と判明しました。ウルスラ中尉、敵ネウロイについて今分かっていることを説明してくれるかしら」
「了解しました。この超高高度にいるネウロイですが、正確な位置は高度33000m、増援艦隊を襲ったときの発射パターンとインターバル後にも関わらず攻撃をやめたことを考慮すると特定のエリアに入った敵に攻撃する自動攻撃型の可能性が高いと思われます。増援艦隊の残存部隊の人の証言によると最初の攻撃が着弾した直後、右に移動していき、その方向にいた艦船8隻を撃沈とのことでしたのでビームの発射中でもある程度は砲身を動かせるようです。今の所確認できる砲身の可動による射程の範囲の増加は約800m、着弾地から800mなので着弾地から半径800メートルが敵の攻撃範囲に入っていると思った方がいいですね」
「高度33000メートル!そんな高さから撃ったっていうの!」
「おい、そんな馬鹿みてぇな高度にいる奴、どう倒すんだよ、この世にそんな高度まで届く兵器なんかねぇぞ」
報告を聞いていた真霜と真冬が敵ネウロイが居座る高度に驚愕する
真冬の言う通りこの世界には高度30000を超えることが出来る武装は存在しない30000mどころかそれより10000m低い高度20000mですら届く武装は存在しないのだ。話を聞いていたホワイトドルフィンの関係者も似たような反応だった。
そんななか、501の面子の様子は他とは少し違っていた。
「高度33000・・・前に私達が対峙した塔型のネウロイのコアがあった高度と同等か」
「と言うとまた、私とサーニャがやったみたいにロケットブースターでやっつける感じか」
「それしか無さそうですけど・・・ブースターはありますの?」
バルクホルン達が何かしらの方法で敵を倒そうと画策していることに気付いた明乃は近くにいた宮藤芳佳に話を聞くことにした。
「ねぇ芳佳ちゃん、なんかバルクホルンさん達、ネウロイのいる場所にあんまり驚いていないようだけど、なんか倒す方法でもあるの?」
「あぁ、それね、私達も前にこのネウロイと同等の高さにコアがあったネウロイと戦ったことがあったんだよ、まだ坂本さんが501にいたときなんだけど、その時は塔の形をしたネウロイだったんだけど、コアがあったのがさっきも言ったけど高度30000m以上の高さでね、その時はロケットブースターを使ってエイラさんとサーニャちゃんがコアを破壊してくれたんだ」
「えっ、マジで、もう倒したことあったの!あんな馬鹿みたいな高い所にいる奴」
「うぃ」
話を聞いていたメイとタマが芳佳のその言葉に驚いた。
まさかもうすでに高度30000mの高さへ行く手段があるとは思ってもいなかった。行く手段があるのならそれを使ってネウロイを叩く、のだが、そう簡単な話では無かった
エイラの言葉に反応したウルスラ中尉がある問題点を指摘したのだ
「ユーティライネン中尉の言う通りロケットブースターを使わなければなりませんが、二つほど問題があります」
「問題ってぇ」
ハルトマンが妹のウルスラの言った問題について聞く
ウルスラは判明している二つの問題を一つずつ説明していく
「まず最初の問題ですが、先ほどまで残存部隊の護衛を受け持ってもらっていた晴風の野間さんに出来る限り敵ネウロイの観測を行って貰い報告してもらっていたんですが、どうやら敵はこのネウロイだけでなく、高度17000mから27000mの間に無数の子機を展開しているようなんです」
「なに!と言うとロケットブースターで加速中にビームの弾幕の狙い撃ちか、弾道飛行に入ったときに下から集中砲火か」
「その可能性は極めて高いです。もう一つの問題点はネウロイのコアです」
「ネウロイのコアの何が問題なんだよ、もしかして見えなくなったとか?」
「いえ、コア自体は確認できてます。野間さんの報告ではコア自体はむき出しと言っていいようなんですが、不規則に動いているようで長距離攻撃だと躱される可能性があります。前に遭遇した塔型のネウロイの撃破の報告書は私も読みましたが、いくらフリーガーハマーでも数発放った砲弾すべてが目標に当たるかは微妙です」
「確かにあの時はコアに向かって放ったうちの1つが直撃して破壊出来たようなものだったわ、コアが動くとなると前より近づく必要があるわ」
ウルスラの指摘にサーニャが頷く、前に撃破に貢献したサーニャはあの時の闘いをよく覚えていた。サーニャの攻撃前には敵からのビーム照射があった。前より近づくとなると前より多くビーム照射を受けなければならない可能性があった。
この問題点が挙げられたことにより前と同じ作戦は危険だということが宮藤は理解出来たが、じゃあ何をするのかミーナ中佐に質問した。
「じゃあ、前と同じ作戦はダメってことですか?それじゃあどうやってあのネウロイを倒すんですか?」
「前と同じ作戦は危険でも、参考には出来る、それに今回は前とは違く戦闘に参加できる他のウィッチもいる!今回現れた超高高度射撃型ネウロイの破壊作戦の概要を説明する」
芳佳の質問に会議に参加していた坂本少佐が破壊作戦の概要を説明する
「晴風のウィッチは知らないだろうから簡単に説明するが、かつて501が戦ったネウロイでこのネウロイと同等の高度にコアがあるネウロイがいたわけだが、その時はストライカーユニットに後付けで付けたこのロケットブースターを使って多段ロケット形態でサーニャとエイラを高度30000近くまで送って弾道飛行に移ったサーニャをエイラがシールドで守ったのちサーニャがフリーガーハマーでコアを破壊したのが前の作戦だ。」
「今回はロケットブースターの上昇途中に敵がいるから、晴風のウィッチも加えた二組の多段ロケット形態で敵防衛網の破壊と子機の陽動、敵ネウロイのコアの破壊に分かれて貰うわ」
坂本少佐の説明にミーナ中佐も加わる、坂本少佐は今回行う作戦を改めて説明する
「まず多段ロケット形態だが下から5人、4人、2人の順で組んでいき、下の5人でユニットで上昇出来る限界高度、高度10000mまで上昇する、その後分離し中段の4人のブースターを点火、高度20000mまで上昇、その後、最後の二人のブースターを使って高度30000m近くまで行く、今回は敵防衛網の破壊もあるから、陽動部隊はブースターによる上昇中に多くのネウロイを撃破してもらう、そのために多段ロケット形態は501と晴風の混同メンバーとする。最初の陽動部隊だが一番下の輸送係はミーナ中佐、バルクホルン、服部、黒木、宗谷、中段にハルトマン、エイラ、野間、インゲノール、上段二人に知床、それとシャーリーで行くウルスラの意見を参考に魔法力の減衰が危惧されるミーナ中佐とバルクホルンは輸送班に回ってもらう、二人の代わりに晴風でネウロイの撃破率が高い野間とインゲノールを加える、知床とシャーリーは唯一超高速飛行に慣れている面子だ。なるべく多くの敵を倒してコア破壊部隊の負担を減らしてくれ」
「なるほどな、あたしも一度ロケットブースターのスピードを体験したいと思っていたしありがてぇぜ、あたしらは一番上まで行かないでネウロイの子機の陽動に集中する感じか」
「そうね、ロケットブースターの影響で旋回性が悪くなって動きが大きくなるだろうけど陽動にはちょうどいいわ、輸送を受け持つ私達も10000m付近で待機しているから最悪そこまで陽動してもいいわ、とにかくコア破壊部隊の負担を減らすのを優先して」
「分かりました。頑張りますぅ」
「頼んだわよ、あと本命のコア破壊の人選なのだけど、前に私達が戦ったネウロイと同様、一撃の火力が高いのは同様だけど、今回はそれに敵の動きに対処する能力が求められるわ」
ミーナ中佐が言ったその条件に当てはまる人選をましろは考えミーナ中佐に聞いてみる
「その条件ですと・・・立石さんの50mm砲ですか」
ましろの出したその人選に坂本少佐が違うと答える
「いや、火力だけなら立石が一番だが50mm砲の重量はともかく空気抵抗が多きすぎる、飛行に支障が来る可能性がある、それを踏まえたうえで導き出される人選はサーニャと同じフリーガーハマーを使い、固有魔法で誘導が可能な・・・」
「あっ、あたしだ」
坂本少佐達が選んだのは西崎芽依であった。フリーガーハマーの火力と弾道誘導の固有魔法を持っている西崎芽依はまさにこの任務にぴったりであった
「そう、今回のネウロイは晴風の西崎さんとその護衛に同行する岬さんにお願いするわ」
「分かりました。メイちゃん頑張ろうね」
「うん、バンバン撃ちまくってぶっ飛ばすよ」
晴風の艦長 岬明乃が西崎芽依に互いに頑張ろうと声を掛けると芽依はそれに答える
そこにバルクホルンからある注意が言い渡された
「岬、西崎、脅すつもりはないが今回一番危険なのはお前達だ。それだけは覚えておけ」
「?やっぱり敵ネウロイの強力なビームをくらうかもしれないからですか」
「いや、それだけではない、高度30000mの世界は気温-40度近くの世界に加え空気が殆どないから喋っても聞こえない孤独な世界だ。魔法力が消えたら命の保証なんて無い危険な場所だ。油断すると簡単に死ぬ場所だ。油断は作戦開始前に捨てておけ、分かったな」
「はっ、はい分かりました」
「げっ、怖えぇー、うんわかった。マジで集中するわ」
「!!」
明乃とメイがバルクホルンの忠告に返事をすると同時に二人の方を見ている者がいた。立石志摩だ。タマは親友とも呼べるメイが危険な場所に行くことに動揺していたがいつもの表情からの僅かな変化に気付く者はいなかった。
話は戻りコア破壊部隊の編制が発表された
「コア破壊部隊だが、最初の輸送班にペリーヌ、リーネ、納沙、万里小路、ルッキーニ、中段に宮藤、サーニャ、立石、鏑木、上段に西崎、岬の二名で行う」
『了解』
坂本少佐の説明に501と晴風のウィッチが了解の返事をだす
それを聞いたパットン将軍達はウルスラ中尉達に作戦開始までの時間を聞いてきた
「よし、作戦は分かった。ウルスラ中尉!作戦が開始できる時間は」
「はっ!今現在人数分のロケットブースターを製造中です。幸いパーツ自体はあったのであと二時間以内に揃います。敵の子機がこちらにくる可能性もあるので離陸はここではなく海上で行うべきです。離陸後すぐに離れられるように脚の速い駆逐艦の甲板から離陸するのがいいと思います。それを考慮して考えると作戦開始は5時間後がいいと思います」
「よしわかった各自準備に掛かれ、ウィッチの面子は作戦開始前に防寒対策を済ませておけ、解散!」
パットン将軍のその言葉で会議は終了し作戦が開始された。
空より高い場所へ赴く作戦が
このタイトルの意味のシーン早く書きたい・・・