海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ   作:レーゲン

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後半どうぞ


私達が生まれた世界は青かった 後編

超高高度から攻撃してくるネウロイに対処するために開かれた緊急会議にて、一組11人の二基の多段ロケット形態による破壊作戦が決定された。作戦のキーパーソンは弾道誘導の固有魔法を持つ西崎芽依とそれを守る岬明乃の二名である。

最初に飛び立つ組が超高高度にいるネウロイの途中にいる子機を出来るだけ破壊、もしくは誘導し後続のメイと明乃の負担を減らし、西崎芽依の固有魔法の一つである弾道誘導の固有魔法を使い、不規則に動く敵コアを破壊する

今現在、総力を結集して作戦の準備を進めていた。

各校の工作支援艦の設備と部品パーツなどを利用し、ウルスラ中尉を筆頭に、作戦でどうしても必要になるロケットブースターを必要数分製作していた。あともう少しで数が揃うらしい。作戦に参加するウィッチは念入りに打ち合わせをしたり、武器のメンテを済ませておく、そこにスーパーなどにある大きなカート3つにある荷物を詰め込んで青木百々、和住媛萌、等松美海がやってきた。この作戦で足りなかったある物をこの施設の商業施設から持ってきたのだ。無論勝手に持ってきたわけではなくそこは前と同じく万里小路の根回しにより店ごと購入した。ただこの時カートに詰め込んだ物の値札を見た者がおらず、この後戦慄し、罪悪感を抱くことになった。

 

「皆ぁー、頼まれた物、一通り持ってきたよぉー」

 

「コートにマフラー、持てるだけ持ってきたっすけど、大人用のサイズなんでサイズが合わないようなら私が合わせるっす、遠慮なく言ってくださいっす」

 

「手袋は射撃の邪魔になるだろうから、入れてないけど、代わりに使い捨てカイロが違うお店にあったからそれ、ポケットにでも入れておいて、あっ、ちゃんとお金はそのお店のレジに書き置きと一緒に置いてきたから」

 

 

「ありがとう、ヒメちゃん、モモちゃん、ミミちゃん」

 

「防寒具を取り扱っている店があって助かった。流石に-40度と聞くと、晴風に配給されていた防寒用のジャンパーだけだと不安だったからな」

 

そう、三人が持ってきたのはコートなどの防寒具だった。

 

いくら魔法力で寒さに耐えられると言っても、無駄に魔法力を減らせず済むならそれに越したことはない、晴風に元々あったものと比べると、内側には羊の毛らしきものがふんだんに使われ、いかにも熱を逃がさないという感じがするものだった。

等松美海がこれらを手に入れた店について説明してくれた。副長のましろは万里小路に購入の手続きを任せてしまったため、どういう店の物か知らなかったからこれはありがたい

 

「なんかコレ売ってたお店、北欧当たりの有名なお店みたいよ、入り口に日本初上陸っていう立て看板あったし、流石日本より寒い所だけに防寒具の性能は高いわ」

 

「北欧か・・・確かに防寒性は高そうだ・・・」

 

「サイズ、大丈夫?マッチのサイズは知ってたけど他のは感覚で選んだから、サイズあっているか不安だったんだけど」

 

「いや、大丈夫だ。」

 

「そう、良かったわ、あっ、値札切っちゃうわね、邪魔でしょ」

 

「あぁ、済まない、お願いすっ!!」

 

「どうしたのよ、値札見て・・・!!」

 

ましろが試着していたコートを脱ぎ美海に渡して値札を切ってもらおうと思い美海に渡そうと思い、ふと値札を見るとそこにはとんでもない金額が記入されていた。

 

ましろと美海は二人で顔を見合わせ、互いにこの値段の確認をする

 

「なぁ、私には0が4つもあるように見えるんだが・・・」

 

「大丈夫、私にも見えてるから、0の後に27の数字があるのも見えてるから」

 

2人は自分が見ている値札が見間違いではないことを確認するとしばし、硬直した

ましろが試着していたコートの値段はなんと、270000円だった。

27000円ではなく、270000円だ。学生としては、いや一般人でも高額といえる金額だった。

 

 

「やっべぇー、金額やっべぇー」

 

「万里小路さん一体いくら使ったぁー!!これが平均だとしたら晴風と501の人達の分合わせて600万近くいくじゃないかぁー」

 

後で判明した事だが、晴風と501のために持ってきた防寒具の総額は622万8千円になったという

 

こう言った出来事があったりはしたが、作戦上の影響はないので問題ない

ウルスラ中尉を筆頭に作っていたロケットブースターも無事人数分揃い

超高高度にいるネウロイを倒す準備が整った。

ウィッチを乗せた駆逐艦、航洋艦晴風が発射地点へ向け出発した。

晴風が選ばれた理由だが、ウルスラ中尉が提案した駆逐艦であったこと、元々ウィッチの運用を前提に改造されたこと、こちらの世界の技術により扶桑海軍の駆逐艦より機関が安定していたことが挙げられた。機関にしては危ない所が多少あるが、それでも最大船速や艦長の岬明乃が指揮していた艦で運用がしやすいということで発進地点まで向かう艦に晴風が選ばれた。目的地に着くまでに艦内ではリーネが用意したある飲み物が作戦に参加する全員に振る舞われた。

 

 

「皆さん、ジンジャーティーを用意しました。体が温まりますよ」

 

「わーい、ありがとうリーネさん」

 

「いただきます」

 

「ゔっ!!あれかぁー、アレきついんだよねぇー」

 

「文句をいうな、薬を飲むよりよっぽどマシ・・・うっ」

 

リーネが用意してくれたジンジャーティーを疑いも無く飲む晴風のウィッチ達

それに比べて、前にこれを飲んだことのある501の面子は少し抵抗があったらしい、その理由を晴風の皆も知ることになる

 

 

 

「ヴッ!」

 

「オエッ」

 

「ウゲー」

 

「ヴィー」

 

野間マチコ、黒木洋美、西崎芽依、立石志摩の4人がジンジャーティーの癖のある味に顔をしかめる、ただのお茶と思って油断していたのだ。

その光景を見たリーネは苦笑いを浮かべながら言葉をこぼす

 

「あはは・・・お砂糖たっぷり入れてあったから飲みやすいと思ったんだけど」

 

「ごめーん、私もちょっときついや」

 

「私はそれほど・・・顔をしかめるほどではないですね」

 

晴風艦長の岬明乃はこの味は無理なタイプだったが、副長の宗谷ましろはこの味はどうということないらしい、ましろと同じく万里小路楓と鏑木美波、納沙幸子、ミーナもどうやら平気らしい、あくまで平気という話で好みの味というわけではない、ただ一人だけこのきつい味をものともせず飲む者がいた

 

「おかわりー」

 

飲み干すだけには留まらず追加のオーダーをするミーナ中佐だった。

その言葉を聞いた晴風の何名かはミーナ中佐に異形の物でも見るような視線を送ったという、それと同時に明乃の代わりに晴風の艦長を務めてくれている古庄教官から連絡が入る

どうやらあと数分で目的地に着くらしい

 

「本艦はあと数分で作戦開始地点へ到着します。ウィッチ隊は至急甲板へ集合、作戦開始をまて、繰り返す・・・」

 

「皆、行きましょう」

 

 

「あぁ、これ以上足止めをくらうのも厳しいからな」

 

ミーナ中佐とバルクホルンの言葉により、全員が甲板へと向かう

甲板に上がって数分後に発進地点へと到着した。到着と同時に多段ロケット形態の体勢を作る、最初に飛び立つ陽動部隊は艦首で、コア破壊部隊は艦尾のほうで体勢を作る

高度10000mまでは一緒に行くがそこからは陽動部隊が先行し、可能な限り子機を殲滅する。艦首と艦尾で多段ロケット形態を組んだウィッチ達は発射体勢に移った。

501と晴風のウィッチがそれぞれ一緒にカウントを刻んでいく

 

「「10」」

 

「「9」」

 

「「8」」

 

「「7」」

 

「「6」」

 

「「5」」

 

「「4」」

 

「「3」」

 

「「2」」

 

「「1」」

 

「「ゼロ!!」」

 

カウントがゼロになると二組の多段ロケット形態を組んだウィッチ達が上昇を始める

今の所特に妨害無く、高度10000mまで来れた。ここからが執念馬だ

陽動部隊が先行しネウロイの子機を可能な限り殲滅する

陽動部隊の第一ロケットブースターが点火を始めると速度は一気に上がっていった

高度15000を超えた所で高度17000にいた子機から集中攻撃が飛んできた

陽動部隊は各自シールドを展開しそれを防ぐ、出来るだけ上昇してから戦闘に移りたかったが上昇するにつれ下からも撃たれるようになり高度18000mの所で分離し戦闘に移ることになった

 

 

「これ以上は無理っぽい~シャーリー、知床、分離するよ」

 

「あぁ、無理すんな、ここいらにいる奴任せたぞ」

 

「ミーナさん、野間さん、気を付けて!」

 

「任せろ!」

 

「水雷長たちの邪魔はさせないさ」

 

「お前ら、来るぞ!すぐに離れて各個撃破だ。弱い子機なんだ最低でも80以上は倒せよ」

 

陽動部隊の中段、ハルトマン、エイラ、野間、ミーナが分離し戦闘を開始した30秒後

コア破壊部隊の方もロケットブースターの点火を開始した。陽動部隊に付けたボディカメラから送られた映像が本部にて、敵の密集具合を分析、ある程度分断されたと判断されコア破壊部隊の突入が決定された。コア破壊部隊もブースターを点火させ上昇する。陽動部隊のお陰で子機からの攻撃も散発的で明乃の巨大シールドで難なく防げた。

高度18000mを超えたその後ろには、魔法力切れで下降状態に入った陽動部隊が明乃達を見送りながら子機の注意を引いていた

 

「艦長達の元へは行かせないさ」

 

「行くんじゃ、空の彼方へ」

 

「いっけぇー」

 

「ぶっ飛ばせぇー」

 

一方、明乃達より高い高度にいるシャーリー達は苦戦を強いられていた。

 

敵の密度が高すぎて、回避のために大回りする羽目になってしまい高度が思ったより稼げなかったのだ。現在高度24500m、シャーリーと知床の二人だけと言うのを考えると十分な数を引き付けているが、出来る限りの数は引き付けたい。シャーリーはあらかじめ決めていたサインを出した。シャーリーの出した親指を立てるGOODサインをみた知床鈴は自身に引き付けた子機を引き連れシャーリーの元へ向かう、シャーリーも同じく知床鈴の元へ子機を引き連れ向かう、2人が正面に向かいあうと衝突寸前まで近づき寸前で急降下をし、子機の群れを一か所に纏める。二人はすぐに反転し降下をしながら子機に弾幕を浴びせ少しでも多くの子機を破壊する。シャーリーと知床鈴の作戦が成功した直後、コア破壊部隊が近づいているのが確認できた。二人はこのまま降下に入り下にいる子機の殲滅に入ろうとしていた。だが明乃達が高度19200mに差し掛かるとき、破壊目標のネウロイから巨大なビームが明乃達に放たれた。射角の関係でこっちには撃ってこないと思われていたが、どうやら時間をかけ本体ごと動かしていたらしい、明乃達が上昇中に動き出しており最適な狙撃位置を予測し目標がそこに来た段階で攻撃する手筈だったみたいだ。

ネウロイの予知とも言える推測による防衛機能、明乃のシールドで何とか防ぐが、その攻撃終了時に間髪入れずに放たれた下からの攻撃で芽依の守りを担当する明乃のブースターが破壊されてしまった

 

 

「ウソっ、ここで壊れちゃった!」

 

「艦長、時間無さそうだから、あたし一人で行くよ」

 

「!!」

 

明乃のブースターが壊れたことによりこれ以上の上昇は不可能と判断した芽依は単独で本丸のネウロイに向かうことを決めた。その言葉を聞いたタマは急に不安になった。

魔法力が切れたら一瞬で死ぬ危険な場所で一人でネウロイと対峙するのだ。何が起こるか分からない、その不安からいつもなら出さない声でメイの名前をタマは叫んだ

 

 

「メイィィィィ!!」

 

立石志摩が感情を露わにして叫ぶと、ふとタマの背中が押されて芽依に近づいているのが分かった。ふと自分の背中を見ると、明乃が展開したシールドで背中を押されていることに気付いた。

 

 

「タマちゃーん、お願い、メイちゃん守ってあげてぇぇぇー」

 

明乃がタマを押すシールドを早くすると、何とか芽依がブースターを点火する前に合流させることが出来た。二人はメイのブースターで最後の加速を行い本丸のいるネウロイのいる高度33000mへと到達した。二人は弾道飛行に移り本丸のネウロイへ近づく、報告にあった通りコアはむき出しでネウロイの周りを常に移動していた。二人がそれを確認すると同時にネウロイから先ほど放たれたビームと同等の威力のビームが二人に放たれた。

その時、タマはメイより体半分ほど前に出ると正面にシールドを展開し攻撃を防ぎきる

口を大きく開けていたので、何かしら叫びながらシールドを張ったのだろう、だが生憎その言葉は空気が殆ど無いこの高度では聞こえない物だった。

タマが攻撃を防ぎきると次はメイの番だ

フリーガーハマーを構え一斉にコアへ向けて放った。

放たれたロケット弾はメイの固有魔法、弾道誘導により誘導されネウロイのコアを3方向から攻撃した。3方向からの攻撃にすべては避けきれず、コアにロケット弾が命中した。

コアの破壊によりネウロイは消滅、無事任務達成だ。

2人はふと他の皆がいる下をみる、するとそこには青い海が広大に広がる地球の輪郭の一部も見て取れた。メイはタマに近づきおでこどうしをつける

 

「聞こえる?タマ」

 

「うぃ」

 

「私達が生まれたこの星ってこんなに青かったんだね」

 

「う・・・うん、とってもきれい」

 

「えへへ、なんか艦長がタマを私に付けた理由が分かる気がするなぁ」

 

「?」

 

「そうだ、ネウロイ倒したあと皆に自慢しようと思ってコレ持ってきたんだよね」

 

そう言ってメイは自分の携帯を取り出した。どうやら写真を撮るつもりだったらしい

 

 

 

「タマ、くっ付いて、行くよ、ハイチーズ!」

 

「うぃ!」

 

2人は青く輝く地球の輪郭をバックに記念写真を撮る

そして何枚かの写真を撮りながらみんなが待つ晴風へと降りていくのだった

 




二期の空よりも高くのオマージュの話です。ほぼまんまだけど
タイトル世界じゃなくて星でも良かったわ
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