海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ   作:レーゲン

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今回は横須賀開放の祝勝会かな、とある人物も出しますが


取り戻した大地にて

先日の横須賀開放戦で巨人型ネウロイ5体の出現という絶望的な状況を打ち破り

見事勝利した統合軍、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィン連合部隊

奪還した横須賀には扶桑艦隊、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィンの艦艇

アメリカ、及び欧州からやってきた残存増援艦隊、そして統合軍の輸送船が港湾施設を埋め尽くしていた。特に統合軍の輸送船からは続々と戦車などの陸上兵器が降ろされていっていた。降ろされた戦車はすぐさま、比較的広い場所に集められ整備兵を総動員して整備されていく。ほぼ戦車で埋め尽くされたそれは、道の殆どを覆い、重厚な装甲を持つ車体がまるでタイルの様に敷き詰められたような感じに見て取れた。

 

 

「うっわぁぁー、すんごい戦車の数」

 

「ベルリン開放戦に投入された数よりは圧倒的に少ないが、この国の陸上兵器が壊滅的な被害を受けた状況でこの数は頼もしいだろうな」

 

「そうね、これで地上と海上、空中からの同時多重戦術が行えるわ」

 

「あぁ、整備兵の数的に少なくても5日は掛かりそうだったが、こっちの整備士として使える面子を貸して貰えたから、何とか2日ちょいで終わりそうだ。」

 

「そうね、晴風の機関科はともかく、他の機関科の子とかは戦車なんて初めて整備するから、戸惑いもあったみたいだけど、案外早く適応したわね」

 

「そうだねぇー、そう言えば明乃とかって何処いったの?なんか姿見えないけど」

 

次々に整備されていく戦車を眺めていたバルクホルンとミーナ中佐に同席していたハルトマンが質問する。今まで気付かなかったが横須賀に降り立ってから、晴風の面子を見ていなかったのだ。

 

「あの子達なら機関科以外は学校の方よ」

 

ミーナ中佐がハルトマンとバルクホルンの二人に晴風の乗員の居場所を伝える

ミーナ中佐の言葉を聞いて二人は納得した。

 

 

「学校?あっ、そっか確かココって・・・」

 

「岬達が学んでいる学校がある所だったな」

 

 

そう、明乃達は今、機関科以外の乗員と晴風以外の横須賀女子海洋学校の生徒と共に母校の横須賀女子海洋学校の寮に来ていたのだ。

 

 

「良かったぁ、寮は何とか無事だよぉ」

 

「えぇ校舎の方も窓ガラスとかは割れてましたけど、建物自体は殆ど無事のようですね」

 

「本当に奇跡ですよねぇ、おかげで私物が無事で助かりました。」

 

「でもここに来るまでに街の方も簡単に見ただけだけど、酷かったよぉ」

 

「あぁー確かに!酷い有様だったわぁ、私とタマが行ってた温泉も駄目そうだったもん」

 

「うぃ」

 

「攻撃する場所を絞ったとはいえ大和型の砲撃や爆撃も行いましたから・・・」

 

「復興にはかなりかかるだろうな」

 

「だが、ネウロイからここを取り戻せたのは大きいだろう、私も特別な思い出が詰まったこの場所にまた戻れたのは嬉しい」

 

最後に言った鏑木美波の言葉に話を聞いていた全員が納得した。

各々が自分の部屋から大事な物を探し出し、回収していく

ある程度回収したら食堂で待機している、校舎の被害状況の確認のため随伴した古庄教官とその警護の宗谷真冬を始めとしたブルーマーメイド4名と合流する手筈だ

その古庄教官達はと言うと・・・

 

 

 

「窓ガラスが全壊、寮学校用エレベーターが落下により使用不可、第二燃料タンクに亀裂を確認、今の所燃料漏れの危険性は無し、内部ドック入り口のシャッターが半壊、電波塔が倒壊、コントロールタワーの外壁に3か所の破損を確認・・・所々被害が出ているようだけどフロート艦自体には致命的な損傷は無しっと、これなら多少は不便だけど拠点として十分機能しそうね」

 

 

「沿岸部やフロート艦の被害が少なくて良かったぜ、沿岸部は戦車の荷卸しと整備で殆ど埋まってしまったから、艦の補給場所が少なかったんだよなぁ、取りあえず真霜姉ぇには言い報告が出来そうだ」

 

「貴方もこういう事務仕事を積極的に引き受けたらどうなの、まぁ今回ばかりは学生以外で直感で危険を感じ取れる貴方くらいしか護衛を頼めなかったから仕方ないけど」

 

「まぁ護衛いるかどうか微妙だけどな、ミケの野郎は別格で抜いたとしてもそれ以外でもあたしらより普通に強ぇし」

 

「そうなのよねぇ~こんな非常事態じゃなかったらまず間違いなく各国の諜報機関が動くレベルだろうし・・・いやアメリカと欧州には伝わっているだろうからもう動いているかしら・・・」

 

「そこは気にしなくていいんじゃないか、こんな状況じゃこっちにはこれねぇだろ」

 

「まぁそうね・・・はぁ」

 

古庄教官はふとため息を1回すると、被害状況を纏めていたノートパソコンを閉じた

大体の被害状況は確認したのでそろそろ生徒達を集め撤収しようと思ったのだ。

横須賀女子海洋学校以外の生徒に準備させている余興の準備も人手が足りない状況だ

なるべく早く向かわせた方がいいだろう、殆どの施設が無事とはいえ傷ついた校舎を見続けるのは精神的に影響が出るかもしれない、それに今準備している余興は多少なりとも気晴らしにはなるだろう、悲しみより楽しいという心の状況は案外モチベーションを上げるものだ。この戦いの勝利の鍵である明乃達の精神的ストレスを和らげる意味でも古庄教官はここを早急に撤収することにした。そうはいっても被害状況の確認ですでに3時間ほど使っていたので殆どの生徒が用事を済ませていたのだが・・・

 

 

一方その頃、宗谷真雪及び宗谷真霜はパットン将軍とブラッドレー将軍の二人と共にとある人物と沿岸部に設けられた仮設本部で対談を行おうとしていた。

将軍達が椅子に腰かけると対談を申し込んだ人物が自己紹介を始めた。

 

 

「初めまして対談を承諾いただき感謝します。陸上自衛隊第一師団師団長の向井清十郎です。このたびは我が国の防衛に力を貸していただきありがとうございます」

 

自己紹介をしたのは横須賀防衛戦と首都防衛戦で甚大な被害を受けた陸上自衛隊の陸将 向井清十郎 陸将であった。向井清十郎が指揮する部隊は横須賀防衛戦で甚大な被害を受けたあと首都東京まで後退、東京での奮戦虚しく部隊を幾つかに分け首都東京を放棄、残存部隊を各地に散らせネウロイの追撃を逃れた後は負傷者の回復と敵ネウロイの情報収集を優先的に行っていた。前にましろがコメート使用のため合流した自衛隊部隊はこの時別れた向井清十郎陸将の部隊の一部でもあった

 

 

「ジェラルド・S・パットンだ」

 

「オスカー・ニースン・ブラッドレーだ。よろしく」

 

2人の将軍が挨拶を交わすと早速本題に移っていった

 

 

「このたびの作戦、ご苦労様でした。これで西に逃がした部隊と埼玉方面に撤退した我らの部隊が合流できます。戦車の殆どは失いましたが装甲車、輸送車両はある程度は健在、軽傷で済んだ隊員の傷も殆どが癒えた・・・反撃の機会を我々はずっと待っていた。そこで提案なのですが我々の地上戦部隊も次の作戦に参加させていただきたい」

 

向井清十郎 陸将が提案したのは自衛隊の残存部隊の共同戦線だった。

この提案は対談を持ちかけられた時から予想が付いていたため、その要望は素直に受け取る、問題は指揮系統だった。今までは統合軍側の方がネウロイ戦に慣れていたため中心になり作戦を実行出来たが、もし仮に日本の自衛隊部隊に指揮権が優遇されるとウィッチの運用ノウハウがない状況で戦闘になりかねない、それだけは避けなければいかなかった。

 

 

 

「こっちとしては断る理由はねぇ、祖国を守るために戦うっていうなら尚更な」

 

「具体的な戦力はどれほどか、聞いてもよろしいですかな」

 

「感謝します。人数的には1個師団ほどいますが、戦車などが破壊されているため、その殆どが歩兵になります。現在残存部隊をここに呼び寄せていますがそれらの装備を含めても装甲車が60、輸送車両が400、応急修理を済ませた戦車が6台と言ったところでしょう今現在輸送車両を総動員して隊員達を運んでいます。徒歩での移動も含めましても今日の20時には9割以上が集結出来ると思いますが」

 

「ほとんどが歩兵か、だが次の作戦は地上部隊も投入するから問題は無いか」

 

「戦車も数は少ないとはいえほんの少しは残っていたか・・・そんなことより本題に行かせてもらうぜ、めんどくせぇやり取りは性に合わねぇ、し・・・」

 

「指揮系統の話ですかな」

 

パットン将軍が指揮系統の話を持ち出そうとしたとき、向井清十郎陸将がそれを読んで先に持ち出した。陸将はパットン将軍の反応見てそれを確信した。陸将はパットン将軍に自衛隊の総意を伝える

 

「我々は指揮権についてどうこう言うつもりはありません、ウィッチと言われる少女達を最前線で戦わさせている情けない大人ですからね、指揮権はそちらの・・・確か統合軍でしたな、そちら優先で構いません、強いて要望するなら最前線には我々を投入していただきたい!我らの祖国を蹂躙した奴らに一泡吹かせる機会をいただきたい」

 

 

1国の軍人の言葉から出た言葉とは思えない回答が出てきて将軍達は驚いた。

指揮権の割譲はともかく、まさか自ら危険な最前線への投入を望むとは思ってもいなかったのだ。最前線に赴くならそれと引き換えに指揮権の融通を引き出す物だからだ

 

 

「おめぇさんらはそれでいいのか、言っちゃなんだが犠牲覚悟の命令を出す可能性もあるんだぞ」

 

 

「今まで多くの敵を葬ってくれたんだ、主張する権利など無いでしょう、今度は我らが体を張る番です」

 

 

「見直したぜ!中々の覚悟じゃねぇか、よしわかった貴様らの部隊の命しかと預からせてもらうぜ、同じ軍人としておめぇさんを称賛させてもらうぜ」

 

「やれやれ、まだ最終的な指揮系統の確認がまだだろうに・・・残存部隊の集結が20時なら余興には参加出来そうか」

 

「?余興とは・・・」

 

ブラッドレー将軍がこぼした余興と言う言葉に向井清十郎陸将が反応した

パットン将軍がその内容を簡単に説明する

 

 

「なぁにちょっとしたお祝いだ。重要拠点のココを取り戻せたな、それにこっちの最高戦力の一人の岬嬢ちゃんもここの学校の生徒だったからな、士気を上げるのにちょうど良かったんだよ、おめぇさんらも参加しろ、こっちの軍人との交流も少しは必要だろ」

 

「そうでしたか、そう言う事なら参加させてもらいましょう、残存部隊が合流しだい通達しておきます。ではその前に色々と詰めましょうか、20時までには終わらせませんと」

 

「もっと早く終わらせるようにって言えよ、酒飲む時間が減るじゃねぇか」

 

「全く貴様というやつは・・・では話を詰めましょうか、向井清十郎陸将」

 

「えぇ」

 

将軍達は首都開放に向けての戦略会議を始めた。

会議はきっちり20時前には終わり余興には間に合ったとだけここに記しておく

 

時は経ち余興という名の親睦会及び横須賀開放の祝勝会が行われた。

そこでは・・・

 

 

 

「なんで私がドレス着て歌う流れになってるんだぁー」

 

「えぇー、だってミーナ中佐が副長に似合うドレスを前に買ったって言ってたんすもーん」

 

「それでどうしてこうなる!」

 

「さっきから始まっている歌唱大会見てミーナ中佐が久しぶりに歌おうって言ってたから」

 

「あと、芳佳ちゃんから前にミーナ中佐が綺麗なドレス着て綺麗な歌聞かせてくれたって聞いたから」

 

「あと、副長がミーナ中佐から歌教わっていたのをリンちゃんが偶然見ていたから、それならいっそのことデュエットって言うことになったから」

 

百々 ヒメ、ルナ、レオがましろが歌唱大会で歌う経緯を説明した。

ましろは納得できず反論する

 

 

「なんで最後そうなった!それに教わったって言っても歌詞を一通り教わっただけだぞ!鼻歌前提程度の練習だぞ」

 

「別にうまい下手は関係ないっすよ、ドレス着た女性が歌うのが華になるっす!」

 

「おい・・・ミーナ中佐の上手さ知らないだろ、あの人の歌の上手さほぼガチだぞ」

 

「へー、副長がガチなんていうなんてそんなにうまいんだ、あっ芳佳ちゃん歌い終わった」

 

ましろの忠告をよそに和住媛萌が歌い終わった芳佳の方を向く、501の面子も歌唱大会に参戦しており学生艦の生徒と対決していた。参加しているのは芳佳と静夏の二名である

生徒の持っていたスマートフォンのカラオケアプリを利用して対決していたため日本語の読める扶桑人の二人しか参加できなかった。勝ち抜き制で今現在1位は天津風艦長の高橋千華の88点だった。司会をかって出た時津風の副長長澤君江が宮藤芳佳の特典を発表する

 

 

「それじゃあ発表するっすよー、えーと得点は・・・出ました94点です!」

 

 

   『歌、ウマッ!』

 

点数を聞いたほぼすべての女生徒が得点の高さに驚いた。

あまりの高さに、負けた高橋千夏がぎゃぁぁぁと奇声を上げる

勝った芳佳はえへへと笑いながら次の服部静夏に交代する

その光景をみたレオ達はあることを決意する

 

 

「うん・・・芳佳ちゃんとはカラオケで勝負しない方がいいわ、絶対負ける」

 

  『同感!』

 

宮藤芳佳とはカラオケで勝負しない事を決めたレオ達は改めて副長のましろを着替えさせるため行動する

 

「はい、じゃあそう言うことでさっさと着替える、ミーナ中佐もモモちゃんが速攻で作ったドレスに着替えているころだから、ハイ、行くよー」

 

「まて、まだやるとは言ってない・・・」

 

「あっ、ゴメン、ミーナ中佐にもう言っちゃった。副長と一緒にって」

 

「勝手に決めるなぁー」

 

ましろの叫びは虚しく空に消え、晴風の艦内に用意された試着室に連行されるのであった

1分ほどで連行したレオ達が戻ってきた。それと同時に先ほどまで歌っていた服部静夏の特典が発表された。

 

「それじゃあ発表するっす、点数は91点です!」

 

  『あんたも高いんかい!』

 

またしても90点越えの点数で会場が驚く、もしかしたらウィッチ全員歌うまいんじゃないかと思うほどだ

 

服部静夏が歌い終わると一端歌唱大会を中断し、本命が歌う番になった。

ミーナ中佐と宗谷ましろだ

 

ミーナ中佐は青木百々が速攻で作った深紅のドレスを、宗谷ましろは純白のドレスをきて壇上にあがる それを見た宗谷真冬は飲んでいた酒を噴き出し盛大に笑い出したという

 

ミーナ中佐の歌う曲はケータイのカラオケアプリに入っているはずもないのでペリーヌや万里小路などの楽器を演奏できるものが演奏してやることになった。

演奏が始まり二人の歌声が聞こえ始める

 

ゆっくりと語られる歌詞は聞く者の心へ問いかけ、高くなった音程のパートはまるで天へと上った者達へ向けた鎮魂の歌に聞こえた。ミーナ中佐とましろは互いに向き合い腕を交差させそれを天へと掲げたあとゆっくりと下に降ろしていき二人の歌は終わった

 

2人の歌を聞き終えた生徒達の反応はというと・・・

 

 

  『ガチのプロじゃねーか』

 

『統合軍側の方は分かるけど、もう一人学生艦の副長よね、歌唱力おかしくない』

 

  『あの後に歌う勇気ねぇー』

 

と言う感じに驚愕の言葉が上がっていた。

それとは違いそれを聞いていた大人たちの中にはふとしれず涙を流していた者がいたという・・・親睦会はまだ続く・・・

 




芳佳達のカラオケの点数が高い元ネタですが、歴代のエンディングで専用バージョンがあったからです。あと遅くなってすいません。シンフォギアとアサルトリリィのゲームでイベント続きで遅れました
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