海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ   作:レーゲン

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作戦開始して出撃まで書こうとしたけど水曜日くらいまでかかりそうだったから巣の状況説明回?的な話になりました




遂に始まった首都東京の解放作戦

 

巣から進軍したネウロイの集団を海上で撃破した501と晴風のウィッチは交代で警戒を続け艦隊部隊が作戦開始海域に集結するのを待っていた。ネウロイの撃破から1時間後には作戦に参加するすべての艦隊が到着した。扶桑海軍、ブルーマーメイド及びホワイトドルフィンの連合艦隊、アメリカ及び欧州からの増援艦隊の生き残り、各海洋学校の学生艦

 

さきの明乃達が帰還する前に行われたネウロイ戦で巡洋艦以上の艦に甚大な被害がでてしまったため、艦隊の大半が海洋学校で保有していた航洋艦、すなわち駆逐艦だが最初のネウロイ殲滅戦とは違いこっちにもウィッチと艦載機による航空戦力がある。むしろ今の方が勝機があるとも言えた。だがネウロイの巣の壊滅となると航空戦力があっても成功率は低い、501がガリアの解放に成功してから反撃に転換したとはいえ巣の攻略には決戦兵器が使用される。502が行った作戦では80センチ近い砲弾を発射できる列車砲2基を使用し、501が行ったロマーニャ開放戦では戦艦大和をネウロイ化させた。一番新しい巣の攻略には陸上巡洋艦ラーテが使用された。このように通常戦力の他に巣に大打撃を与える兵器が必要とされるのだが今回はそのような物が無い、強いて言えば大和から放たれる46㎝対ネウロイ用魔導徹甲弾と歴代最強の魔法力ともいえる岬明乃の存在であろう

 

作戦開始時刻は明日午前9時に決まり、具体的な作戦の流れが坂本少佐によって説明される。晴風のウィッチや501以外にもブルーマーメイド、ホワイトドルフィンの各代表、それと重要な役割を持つ大和型戦艦の各艦長、副長もこの場に呼ばれていた。坂本少佐は説明様に置かれたホワイトボートに書かれた図を指しながら説明を開始する。

 

「まず、第一攻撃だが海上に展開した大和型戦艦5隻の長距離砲撃と先行しているホワイトドルフィン特務潜水艦を始めとした潜水艦部隊で東京湾上に点在している砲台型ネウロイがいるフロート艦に先制攻撃を加える。次に上空で予め待機させていた航空部隊からさらに爆撃を加え、フロート艦のネウロイを可能な限り殲滅する。フロート艦に関しては轟沈、又は沈没を前提として攻撃を加えて問題ない。ブルーマーメイドの作戦責任者の宗谷真雪氏から沈没による海上航路の封鎖の影響がない航路が複数定時されている。各艦隊はこの航路を使用し東京湾内部へ進軍することになっている」

 

「第一攻撃でこの規模か、この数だと東京湾のフロート艦の4割近く破壊か」

 

「そうなるのぉ、しかも商業施設用のフロート艦というと一般客の安全を考慮して安全性を高めておるじゃろうし、魚雷1発じゃ沈没まではいかんぞ」

 

「だねぇ、確か万が一の浸水に備えて自動で隔壁が降りるシステムとバランスを保つための自動注水のシステムがあるって小学校の時の社会科見学で聞いた気がする。装甲が薄い部分に当てるにしても、2~3発は必要かなぁ、まぁ1発でも傾きくらいはするから2時間くらいまてば沈没するだろうけど」

 

「それは遅すぎ・・・ネウロイの攻撃で艦隊に被害が出る・・・」

 

坂本少佐の説明を聞いていた野間とミーナが改めて大規模な攻撃だと実感する。普通なら被害を最小限にするのが鉄則だがネウロイ相手にそんな油断は許されないと上層部は判断したらしい、潜水艦からも魚雷攻撃がされると聞いて水雷長の西崎芽依が反応する。さすがは水雷長、フロート艦への魚雷攻撃について自分なりの考えを持っていた。たまたま小学校の時の社会科見学の時のことを思い出していたとはいえ、メイの指摘はあっていた。

企業船ならまだしも商業施設用のフロート艦となると質量もかなりある。魚雷1発では精々浸水と傾斜が起こるくらいだろう

そこに艦載機による航空爆撃で砲台型を可能な限り破壊し、突入の突破口を開くのが第一攻撃、次の段階は・・・

 

 

「第二段階だが、501及び晴風のウィッチが巣へ向かって突入する、その時大和型戦艦5隻より対大型ネウロイ用焼夷弾を発射して小型ネウロイをなるべく一掃するが、元々扶桑の大和に積んであった焼夷弾をこっちの大和型4隻に分配したから連続で発射した場合、すぐに焼夷弾は切れる。10数分撃ち続けられればいい方だろう、だが全速力で飛行すれば陸地までは持つだろう。ウィッチは敵の包囲網を突破しつつネウロイの巣のコアの捜索と破壊を優先しろ、コアの捜索には野間の魔眼の固有魔法が重要になってくる。野間は最低でも3人以上と行動してコアを発見してくれ」

 

「了解した」

 

「ウィッチの突入と同時にパットン将軍率いる戦車部隊から多連装ロケット砲部隊がネウロイ密集エリアに攻撃を開始、戦車部隊も進軍しネウロイを撃破しつつネウロイを攪乱する。ネウロイの出方にもよるが小型ネウロイのみなら後れを取ることないだろう、あと言うのを遅れたが西崎と立石は重爆兵装ガルーダで戦車部隊の掩護を頼む、前の戦闘からウルスラが新たに改良を加えたと言っていたから作戦開始前に説明を聞いておいてくれ」

 

 

 

「またパワーアップしたんだ!どんなのかなロケット弾50発くらい一斉に撃てるのかな」

 

「弾数が倍以上がいい・・・撃ち放題!」

 

メイとタマがまだ見ぬガルーダの改良後の姿に目を輝かせている時も坂本少佐は色々なパターンの作戦を語っていく

 

「小型ネウロイが戦場の大半を占めていると仮定して話をしたが、逆に大型ネウロイ以上が戦場の大半を占めた場合、作戦は変わっていく、大型ネウロイや巨人型ネウロイが現れた場合、岬、万里小路を中心に各個撃破していく流れになる。それと大和型から対ネウロイ用魔導徹甲弾を使用しての砲撃支援が加えられる。対ネウロイ用魔導徹甲弾はその数の少なさ故に強度が高い大型ネウロイか巣のコアへの攻撃しか使用できん、あまりにも大型ネウロイが多い場合は通常弾頭になってしまうからそこだけは気を付けてくれ」

 

「分かりました」

 

「了解しました。ところで少佐、巣のコアがあると思われる場所の推測などは出来ているのでしょうか」

 

少佐の注意事項を納得した芳佳と服部が返事をすると、服部が巣のコアの場所の推測地点について聞いてきた。坂本少佐は今の段階で予測されている予想地点を説明した。

 

「一応観測班の推測の報告は来ている、ただ今回の巣はロマーニャやベルリンとは違いコアがあると思われる暗雲が3か所もある初めて見るタイプの巣らしい、このどれかにいるだろうがそれ以上は分からんらしい、場所だがお台場があった旧お台場フロートの上空に1つ、陸上の集合ビル群の上空に1つ、最後に東京が地盤沈下の影響を受ける前に建造され3分の一ほど水没した後もフロート化して電波塔の役割を持っている・・・」

 

坂本少佐のその説明を聞いた晴風の面子と大和型戦艦の教育艦の艦長、副長達はその場所が分かった。今でも東京と言えばこの名が出てくる名所の1つ

 

         東京タワー

 

その上空に3つ目の暗雲があったのだ

 

 

「三か所かぁ、分かれて応戦したほうがいいのかな、シロちゃん?」

 

「いえ、この場合野間さんに巣のコアを発見してもらわないといけないので9人で編成した先行部隊でコアを捜索、6人編成二組で残っている地上攻撃部隊と海上攻撃部隊の防衛コア発見次第全機コアへ集中攻撃という流れがいいんじゃないですか」

 

明乃の質問にましろはすぐに代案をだす。コアの捜索が優先されるならコアが見つかるまで味方への被害は抑えておきたいし、万が一の弾薬の補給のため海上攻撃部隊の近くに護衛戦力を置いておきたい、それがましろの考えだった。その考えには501のミーナ中佐も賛同してくれた。

 

「その編成は確かに良さそうね、後で編成を考えましょう。人数の関係で501と晴風の混成部隊になるし、状況によって編成を変えなくちゃいけないから3~4パターンは考えておきましょう」

 

「分かりました後で伺います」

 

ミーナ中佐とましろの話が一段落すると坂本少佐がまとめに入る

 

「ミーナ、取りあえず話は纏まったな、続きを話させてもらうが、コアが発見された後はコアの破壊まで総戦力でネウロイの足止めと殲滅になる。巣の攻略戦は予想だにしない事態が起こることがある。そこをどれだけ臨機応変に対応できるかで作戦の成功率が変わる、各自の奮戦を期待する」

 

坂本少佐の話が終わり、特に他に意見などが無かったため作戦説明はこれでお開きになった。明日は決戦、最後の闘いに備え英気を少しでも養うため会議に参加した全員が自らの職場へと戻って行く、晴風も同様でましろとミーナ中佐は先ほど話した編成について話すため席を外したがそれ以外は晴風へと戻って行く、これから夕食である。明乃はせっかくなので501の面子も晴風での夕食に誘った。決戦前のバカ騒ぎである

 

「良かったら芳佳ちゃん達、晴風で夕食食べない?美甘ちゃんが必勝祈願でごちそう作ってくれてるんだって」

 

「え、そうなの?うん!行く」

 

 

「御馳走!やったぁー」

 

「御馳走だぁー」

 

芳佳が行くと言った後にハルトマンとルッキーニがそれに続く、バルクホルンもあんまりはしゃぎすぎるなよと注意したが結局ミーナ中佐以外の501全員が晴風で夕食を取ることになった。ましろとミーナ中佐には差し入れを持っていくことにした。ちなみにそれに志願したのは無論、ましろを尊敬する黒木洋美であった。

 

晴風ではすでに料理が並べられていてすぐにでも食事が出来るようになっていた。

明乃達の到着と共に決戦前のバカ騒ぎが始まる

 

「アタシ、この肉もーらい!」

 

「タコ、うまうまぁ、シャーリーも食べなよぉ」

 

「ひぃぃぃ、あたしにそれを向けんなよ、嫌いなの知ってるだろ」

 

「えっ、イェーガー大尉ってタコ苦手だったんですか」

 

「ははっ、まぁ扶桑以外ではあんまり食べる機会が無い食べ物だし、何よりあの見た目だから食べられることを信じてない人も少しはいるから・・・」

 

シャーリーがタコを苦手としていたことを始めて知った服部がリーネから苦手とする理由を聞いて納得した。確かにあの見た目は気持ち悪い部類に入るだろう

それは晴風の乗員にも聞こえていた。

 

「シャーリーさんってタコ苦手なんだ。美味しいのに」

 

「まぁ欧米とかってつい最近までタコ食べてなかったとかいうし」

 

「見た目がダメなら、ドッキリとかでタコ見せたら面白いリアクションしそうじゃない」

 

「それ分かるっす!巨乳キャラにはタコとかの触手ものが付き物っす、谷間に入って胸をいじられるのはお約束っす!」

 

光、美千留、順子の会話に突如青木百々が参戦し自身の持論を唱えるが断じてそんなことは無い!・・・多分!

 

そんなバカ騒ぎを一足早く抜け出し差し入れを運ぶ者がいた。黒木洋美である

持てるだけ料理と飲み物を持ってましろとミーナ中佐の元を訪れた。

 

 

「宗谷さん、ミーナ中佐、差し入れ持ってきました。」

 

「あぁわざわざ済まない後で適当に軽く済ませようと思っていたんだが助かった」

 

「ありがとうね、いただくわ」

 

「いえ、お礼なんていいわ、それより宗谷さん休まないで大丈夫?あんまり煮詰めると逆効果じゃない?」

 

「いや、大丈夫だ。あと1時間ほどで練り終える、黒木さんも戻っていいぞ、機関科の子達も待ってるだろ?」

 

「いや、それは大丈夫よちゃんと言ってきたし、宗谷さん私もここにいていいかしら、今はちょっと静かに過ごしたいというか・・・その・・・」

 

「まぁ別に私は構わないが退屈じゃないか?」

 

「そんなことは無いわ!うん絶対に!」

 

「そ、そうか」

 

「ふふっ、それじゃあ二人で食べるにしては量が多いし三人だけで宴会しながら編成を考えましょうか」

 

黒木の反応に驚くましろを微笑みながらミーナ中佐が3人だけの宴会、どちらかというと女子会といえる食事会が始まった。

 

 

 

「勝ちましょうね、全員生きて笑って祝勝を挙げましょう」

 

「えぇ、二つの世界の平和のために」

 

「人類の勝利のために」

 

    『乾杯』

 

ミーナ中佐、ましろ、黒木はそう言って紙コップに入れたジュースで乾杯した。

それと同時に覚悟を語っている者がいた。

 

晴風艦長岬明乃と宮藤芳佳であった。

 

「いよいよ明日だね芳佳ちゃん」

 

「うん!絶対に勝とうね明乃ちゃん」

 

「うん、でもまさか私が、いや私達がこんなことになるなんて少し前まで思っても見なかったよ、芳佳ちゃんに初めて会って、助けられて、違う世界に行って、凄い経験ばっかしてるなって改めて思うよ」

 

「ははっ、そうだね、本当だったら絶対に合わなかったもんね」

 

「うん、人生何があるか分からないよね」

 

「お爺ちゃんっぽいよぉ明乃ちゃん」

 

「えぇーそんなこと無いよー」

 

    『あはははは』

 

2人の笑い声が終えると二人同時に同じことをしゃべった

 

  『絶対に勝とう、おぉー』

 

 

2人の誓いの言葉と共に夜空に流れ星が二つ落ちる

それに気づいた者はいなかったがそれはまるで二人の願いに天が答えて何かのまじないを掛けているようにも見えるのであった。

 




今後最終決戦に入るので投稿ペースが3週間くらいに伸びるかもしれません
文章表現に悩みそうなので、すいません

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