海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ   作:レーゲン

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投稿遅れてホントすいません区切りがいいところまでが長くて書き終えられませんでした。会社の繁忙期も重なり執筆時間が中々取れませんでした
もう一つ謝罪を、今回も長いです。すいません


英雄達の思いと力を後世へ海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ

西ノ島新島から始まったネウロイの侵略

敵の能力の情報の無さ、予想外の戦力に敗北を重ね多くの犠牲者を出し、日本本土へ侵略を許し首都を落とされ人々から希望が尽きかけようとしていた。

だが希望は潰えていなかった。ネウロイが現れる前に突如行方を眩ませた横須賀女子海洋学校所属航洋艦晴風がネウロイに襲われていたブルーマーメイド、ホワイトドルフィンの合同艦隊のいる戦場に現れたのだ。普通なら旧時代の駆逐艦1隻が現れた所で何一つ戦況は変わらないはずだった。だがこの晴風の帰還が人類の反撃の狼煙となった。

何と晴風の艦長を始めとした11人が魔法力というものに目覚め、さらにこことは違う別の世界に行きネウロイと戦う力を得て戻ってきたのだ。さらに晴風だけでなく向こうの世界で共に戦ってくれた現地の兵士や戦い方を教えてくれたウィッチという存在も晴風と共に現れネウロイを一掃してしまった。この光景を目撃した者の中には神に感謝した者もいたとかいなかったとか

 

そこから晴風と違う世界からやってきたウィッチ達を中心とした作戦が展開されていき遂に首都東京の解放に成功したのであった。

魔法力の大量消費で、晴風に着陸するなりすぐに仰向けに寝転んだ明乃はネウロイの巣の消滅と共に姿を現した青空に手を掲げ闘いの終わりを実感していた。それと同時に戦闘に参加したすべての人々が勝利の歓声を上げるのであった。歓声のすぐ後に上空から明乃以外のウィッチが晴風へと降りてきて晴風の周りで停止して明乃の周りを囲む、それと同時に晴風から続々と生徒と明乃達の代わりに臨時で配属された古庄教官達がやってきて明乃達を出迎えた。最初に声を発したのは古庄教官だった。

 

「よくやってくれたわ貴方達・・・本当にありがとう・・・501の皆さんも彼女達を導いてくださってありがとうございます。貴方達のお陰でこの国、いえこの世界は救われました。この世界の大人の一人としてお礼を申し上げます。ありがとうございました。」

 

古庄教官はそう言うと501部隊隊長のミーナ中佐に深くお辞儀をした。古庄教官だけでなく明乃達の代わりに配属された大人達全員が同じくお辞儀でお礼を述べたのであった。

本来なら敬礼で伝えることだが古庄教官はあえてお辞儀で伝えることにした。

何故なら規律がどうこう言う以前に心から感謝しているからだ。この世界に生きる一人の人間として

それを見てミーナ中佐は明乃に目を向け、ついこの間にウィッチになったばかりの彼女達の功績を褒めたたえた

 

「いえ、我々がやったのは基礎を教えて共に訓練をしたようなものです。この戦いに勝利できたのは岬さん達の力があってこそ、それと我々と共に戦ってくれた貴方方の協力があってこそです。共に戦えて光栄でした」

 

ミーナ中佐は古庄教官達に敬礼し共に戦った戦友として接した。

それを見た古庄教官達は気が楽になり改めて敬礼でかえした

それと同時にサーニャに通信が入った。旗艦大和からの帰還命令だった。

 

「ミーナ中佐、旗艦大和から帰還命令です。兵士全員が私達を待ってるようです。あと降りるのは武蔵にするように連絡が入りました」

 

「そうなの?まぁ無理もないわねアレだけ困難な戦いだったのだから、凱旋といきましょうか、岬さんもう飛べそう?」

 

「うーん、ちょっと厳しいかも・・・」

 

ミーナ中佐に魔法力の状態を聞かれた明乃は素直にそれを伝えた。

膨大な魔法力を持つ明乃がここまで消耗する激しい戦いだったことを証明する証拠でもある。明乃が単独飛行不可能と分かると宮藤芳佳と服部静夏が明乃の両脇に降り立ち明乃の両肩に手をかけそのまま持ち上げた。

 

「じゃあ私達が送って行くね」

 

「えっ、いいの?芳佳ちゃん達も疲れているんじゃ」

 

「私達はまだ大丈夫です!それよりこの戦いを勝利に導いた英雄の姿を他の兵達にも見せませんと、主役がいないと祝勝会もできませんから」

 

「フフッ、そうね主役が居なきゃ始められないわ、宮藤さん 服部少尉 岬さんをお願いねそれじゃあ武蔵に向かうわよ、総員!武蔵へ着艦せよ」

 

   『了解』

 

ウィッチ達は明乃を抱えて一足先に武蔵へと飛んで行く、晴風も武蔵の傍に寄せるように進路をとった。

 

明乃達が武蔵へ向かっているとき、時津風、天津風の甲板に多くの生徒が姿を現していた。

生徒達の視線の先にあるのは自らを盾にして自分達を守ってくれた飛行機乗り達が落ちて行った海面であった。闘いが終わって自分達が勝利をもぎ取ったことを報告に来たのだ。

最初は救助をとも思ったがすでに残骸の殆どが海に沈み遺品すら見つけられそうになかった。小さい機体の破片は出来るだけ回収したがそれを見るたびに自分達の無力さを痛感してしまう

 

天津風

 

「時津風も報告に来たようね・・・」

 

「そのようですね・・・あっちも艦載機の身を挺しての防御に救われましたから」

 

「そうよね・・・そう言えば何かいいものあった?花なんて気の利いたものすぐに用意できないから代わりのお供えが欲しいところなんだけど」

 

「一様用意しました。ただお供えとしていいのかどうか」

 

「何用意したの?」

 

「はい、折り鶴を3つ・・・ここに来る前にすぐに折ってもらいました。折り紙が無かったのでノートの紙を切って折ったんですが見栄えがちょっと・・・」

 

「それは仕方ないわよ・・・それよりソレ貸して、私が海に放つわ・・・鶴の様にちゃんと飛び立てるように祈りましょう・・・」

 

「はい・・・」

 

天津風艦長 高橋千華は副長から折り鶴を貰い受けるとそれを海へと放った。

それと同時に他の生徒達は黙祷し艦長の高橋千華は飛行機乗り達が沈んでいった海面に向かって敬礼を捧げた。その瞳から大量の涙を流しながらも決して声は出さず自分達を守ってくれた彼らが安らかに眠れるように彼らを見送った。

 

時津風

 

時津風も天津風と同じように自分達を守ってくれた彼らを見送るために多くの生徒が甲板に集まっていた。副長を中心に集合してしばし待つと遅れて艦長の榊原つむぎが紙の造花で作った花束を持って現れた

 

「皆ゴメンね、作るのに手間どっちゃった」

 

「大丈夫っすよそんなに待ってないっすから」

 

「そう?良かった・・・それじゃあ流すね」

 

そう言うと艦長の榊原つむぎは手に持っていた造花の花束をそっと海に落とした

波に揺られ漂っていく花束を見送りながら、全員が散って行った男達が安らかに眠れるよう祈りを捧げた

 

 

「私達を・・・この世界を守ってくれてありがとうございました。今度は私達だけでこの世界を守って見せます・・・どうか天国で見守ってください・・・」

 

榊原つむぎの頬に一筋の涙が流れると同時に海を漂っていた紙の造花の花束を縛っていた留め具が外れ花束の一本が風で空へと飛んで行ったのであった。

 

 

明乃が芳佳と服部静夏に掴まりながら、ウィッチ達は指示があった武蔵甲板に降り立った

ウィッチ達が降り立つと武蔵の乗員、他の大和型からこちらを見つめているすべての乗員から歓声が再び上がった。明乃達が歓声に答えるように手を振っていると武蔵艦長の知名もえかとましろの母親でもある宗谷真雪が明乃達のもとへやってきた

 

「ミケちゃん、それに皆もお疲れさま、私達の勝利だよ!長かった闘いの」

 

「うん!モカちゃんもお疲れ~そっちも大変だったでしょ」

 

「ましろ、よくやったわ、事後処理はなるべくこっちで引き受けるからしばらくゆっくり休みなさい、4時間後に地上部隊と合流して簡易的だけどネウロイの巣の破壊を全国に伝える手筈よ、それまでに食事とか済ませておくように皆に伝えておいてくれるかしら」

 

「分かりました」

 

宗谷真雪は娘のましろに今後の指示を伝えると今度は501のもとへ歩みだした。

 

「皆さんもご苦労さま・・・今は羽をゆっくり休めてください」

 

「御厚意感謝します。あとすいませんがこの後ここの通信設備を使わせてもらっても構わないでしょうか」

 

「勿論構いません。すぐに準備させます。」

 

「ありがとうございます。それじゃあ皆今のうちに体を休めておいて、解散」

 

ミーナ中佐の指示のあと一同は各々休憩に入った。ミーナ中佐は武蔵の通信設備で扶桑の大和と地上部隊に連絡を入れるため通信室へ、それ以外は晴風のウィッチ達と共に休憩に入る所だったがふと宗谷真雪が宮藤芳佳を呼び止めた。彼女には改めてお礼を言っておきたかったのだ。

 

「宮藤さん、貴方には改めてお礼を言わせて頂戴、こっちで初めてネウロイと遭遇した晴風とシュペーを守ってくれてありがとう・・・貴方のお陰で彼女らは救われネウロイに対抗する力を得られたわ、本当にありがとう」

 

「お礼なんていいですよ、それに最初に助けてくれたのは明乃ちゃん達でしたし、明乃ちゃん達が魔法力に目覚めてから私達もいっぱい助けてもらいましたから」

 

「そう言ってもらうと嬉しいわ・・・それにしても不思議な出来事の連続だったわね、貴方がこっちの世界に迷い込んでから始まったネウロイとの闘い、ウィッチとなった彼女達の帰還、異なる世界の防衛組織との共同戦線・・・本当に驚きの連続だったわ」

 

「確かに、本当に驚きの連続だったなぁー 本当だったら出会わないはずだったのに、こうして出会って色んなことを経験して・・・こうして明乃ちゃん達と一緒にネウロイの巣を破壊出来たんだよねぇ」

 

宮藤芳佳は今までの経緯を思い出しながら明乃の姿を見つめていた。自分が出会った少女達が世界を救う偉業を成し遂げたことに何となく自分も誇らしく思えてしまったからだ。

きっと自分の教え子の成長を垣間見えた感じなのだろう。かつて501に在籍してた坂本少佐もこんな気持ちになったのだろうかと少し思えたのであった。

 

宗谷真雪との話を終えた宮藤芳佳は皆のもとへ行き共に翼を休めた。

ウィッチ達が十分に食事と休憩をとっている間ブルーマーメイドとホワイトドルフィンでは撃墜された艦載機の搭乗者の捜索を行っていた。身を挺して我らを守ってくれた勇敢な戦士達を故郷の土に帰してあげるために・・・

ダイバーによる捜索が行われて数人の遺体が発見されたが、やはり損傷状況が激しく死亡前の顔を判断出来る者が殆どいない状況であった。

それでも遺体を引き渡した扶桑艦隊から感謝の言葉が送られた。

本来なら遺体の回収すら難しい海上での墜落、それをわざわざあんな激戦があった後に行ってくれたのだ感謝もする。この捜索には海洋学校の生徒達も志願していたが教官達の判断でそれは許可されなかった。精神を研ぎ澄ませ死と隣り合わせの戦場での戦闘を終えた直後に新たな精神的ダメージをくらって何か起きる可能性があったからだ。生徒の中にはやせ我慢をして体の震えや痙攣を隠そうとしている者が見てとれた。教官達は無理やりにでも生徒達を休ませた。今後の彼女達がこの日の事を乗り越えて新たな世代として海の平和に貢献してくれることを信じて・・・

 

しばし体を休めたウィッチ達は地上部隊が合流予定の港湾施設に集結したという報告を聞き地上部隊を率いたパットン将軍達のもとへいくことにした。この時にはすでに明乃の魔法力も回復しておりストライカーユニットで飛行も可能であった。まぁ既に港に接舷しているので降りて歩いていくだけだが・・・

しばし歩くと仮設テントで話し合いをしているパットン将軍や校長の宗谷真雪、ましろの姉の宗谷真霜の姿が見て取れた。将軍達が明乃達に気付くと、この戦いの功労者達をねぎらった。

 

「よくやったぜお前ら!しかもネウロイの巣の攻略戦の最小戦力の記録を打ち立て挙げやがって!未来永劫この記録は塗り替えられねぇぜきっと、はっはっは!」

 

「本当によくやってくれた・・・今宗谷氏らと今後の流れを確認していたところだ。君らにも協力してもらうことがあるからこのまま打ち合わせに参加してくれ、なに30分ほどで終わる」

 

「打ち合わせですか?シロちゃんこの後ってどんなことがあるの?」

 

「全国に向けて巣の破壊の成功の報告ですよ。報道陣を呼んでの会見になります。テレビカメラはどうなんだ?報道陣がすぐ来れるか分からないから・・・記者が何名かと思いますが」

 

 

「テレビ局のカメラクルーもすでに来てるわよ、横須賀の解放が成功してから戦場カメラマンとして記者やテレビ局のカメラマンも現地入りしていたから、もう会見の場所取りも終わらせているわよ」

 

ましろの推測は外れ、今の現状を真霜が説明してくれた。どうやら会見の準備は殆ど終わっているらしい。それなのにまだ話し合っていたということは他に何かあるのだろうかと思っていたら校長の宗谷真雪がそのことについて教えてくれた。

 

「会見の場所は仮設テントに用意したのだけど、そんなに広くないのよ、屋外でもいいのだけれども街灯なんてすべて使えないし照明器具の電源も確保できないから会見の参加者を絞ることにしたのよ、統合軍とブルーマーメイド、ホワイトドルフィンから代表者1名ずつそれと晴風のウィッチと501から2名ずつ出すのが妥当と言うことになって、さっきまで誰に参加してもらうのがいいか話し合っていたのよ」

 

「まぁ作戦成功の立役者の明乃嬢ちゃんは確定だがな」

 

「ちょうど晴風の艦長でもあるしな」

 

「501の方ですがミーナ中佐と誰かお願いしてもいいですか」

 

「晴風の二人目はましろ、頼めるかしら」

 

会見の参加者についての要望が次々に出されていく

晴風の方はその要望を了承した。501の残り一人についてミーナ中佐からある人物の名が出された。

 

「それなら宮藤曹長が適任だと思います。宮藤さんお願い出来るかしら」

 

「私ですか?でもこういうのってバルクホルンさんや坂本さんの方がいいんじゃないんですか?」

 

「普通ならね、でも宮藤さんが最初に岬さん達にあったこちら側の人間でもあるし、それに扶桑と日本の英雄二人の絵面は軍のプロパガンダ的に効果が出ると思ってね」

 

「確かに宮藤曹長と岬さんのツーショットは絵になりそうです」

 

「納得のいく人選だな、宮藤頼めるか」

 

「バルクホルンさんや皆がそう言うなら分かりました。」

 

「それじゃあさっさと話を詰めて会見を開いちまおう、早ければ明日の昼には全国に伝わるだろ」

 

パットン将軍のその言葉でミーナ中佐、宮藤芳佳、岬明乃、宗谷ましろは会見の流れの確認に入った。残った他の面子は扶桑の大和へ挨拶に向かったり、海洋学校の航洋艦の乗員達のもとへ向かったりした。その一時間後に統合軍、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィンによる合同会見が開かれネウロイの巣の完全破壊が大々的に発表されたのであった。

 

 

会見は一時間ほどで終わり後は新聞などに載せる写真撮影のフラッシュが点滅し続けるだけだった。中でもフラッシュの勢いが増したのが明乃と芳佳、ましろとミーナ中佐の握手を交わした時であったという

会見が終わったあとウィッチ達は武蔵の食堂に集まった。そこには武蔵のクルーや晴風のクルー以外にも明乃達と親交がある他の艦のクルーや大和、信濃、紀伊の艦長達が集まっていた。この壮絶だった闘いの勝利を祝うため集まったのだ。明乃達とあまり親交がない他の学校の生徒達は行っても良いものか悩んだ結果、大和型の艦長達に代表して行って貰うことにした。行かなかった生徒達はそれぞれ自分達の艦で祝勝会を開いた。

 

食堂に入るや否や明乃と芳佳に祝勝会の開始の音頭を取ってもらうためジュースの入ったコップが渡された。二人は言われるまま開始の音頭をとった

 

「それじゃあ皆、今日はお疲れさまでした」

 

「私達の勝利を祝して!」

 

    『かんぱーい!』

 

生徒達全員と501のウィッチ達が一斉にジュースの入ったコップを掲げ祝勝会が始まったのであった。この戦いの勝利に貢献したウィッチ達を取り囲むように各々集まり飲食を共にした。

 

 

「いやぁ、晴風の活躍は前々から知ってたけど遂に世界を救っちゃうとはねぇ、先輩として誇りに思うよぉ、学校違うけど、はっはっは! あっ、もう無くなっちゃった。武蔵の炊事員ちゃん、生、追加でぇ」

 

「ジュースで酔わないでくださいよ、あと生キャラメルをビールみたいに頼まないでくださいよ」

 

「確かに生だとビールを連想するなぁ・・・」

 

「液体と固体でかなり違いますけどね」

 

「と言うかよく生キャラメルなんか作れたわね」

 

「確かに・・・って艦長!肉ばっかキープしないで野菜も食わんと」

 

大和型の艦長達の雑談に耳を澄ませば呉の大和の艦長が副長に叱られていた。

相変わらずの野菜嫌いの大和艦長はと言うと・・・

 

「断るわ!肉が無くなるわ」

 

「堂々というなや」

 

相変わらずだった。他の所では生徒達はウィッチ達と交流を深めていた。

 

 

「晴風!戦闘面じゃあんまり活躍できなかったけど他の事なら負けないんだからあたしと勝負しなさい!」

 

勝負を挑んでいたのは天津風艦長の高橋千華であった。いつものことではあったが今日はその挑発に乗ることにした。勝負内容について機関科の空と麗緒があることを提案した

 

「いつものアレね、そうだせっかくなら501の人と勝負して見れば?」

 

「あぁそれいいじゃん、それじゃあ・・・あっ、シャーリーさんちょっとこっち来て」

 

 

「うん?どうしたんだよあたしを呼んで」

 

「実はカクカクシカジカ・・・」

 

広田空がシャーリーに事情を説明し、シャーリーはそれを了承した。

高橋千華も晴風のウィッチを育て上げた501と勝負できると知り意気揚々だ

 

「それじゃあ勝負内容は・・・うんアレがいいかな、勝負内容はセクシーポーズ対決ね」

 

「レオったらまたそんなお題を・・・」

 

「やってやろうじゃ・・・な・・い・・・」

 

高橋千華が意気揚々と勝負をしようとシャーリーを見つめて改めてあることを思い出した

そうシャーリーのスタイルである。最初から勝負にならなかったのだ

 

 

「勝てるわけないでしょうが、当てつけか、ドチクショー」

 

「圧倒的な物量には勝てはしないのよ・・・」

 

「この世の理不尽を改めて知った感想はどうよ・・・やばいあたしも辛くなってきた」

 

シャーリーを前に敗北を味わった高橋千華の他にも501のウィッチ達と親交を深めている者もいる。芳佳や服部静夏は勿論だが一番の人気は以外にもエイラであった。

彼女のタロット占いに長蛇の列ができているのだ。

 

 

「お前は・・・すぐには男の気配は無さそうだな、でも10年後に運命の出会いの運勢が出たぞ」

 

「10年後、26歳、比較的若い年齢での出会い!やった」

 

「お前は自分の秘密を打ち明けられるようにしないと結婚は難しいぞぉー」

 

「ヴッ、やっぱり昆虫食を一緒に食べられる人じゃないと結婚は難しいのね」

 

「結構見てきたが晴風以外の乗員は比較的婚期が遅いなぁ、文化の違いってやつか」

 

「どうなんだろうね、明乃ちゃん達は結構早いんだっけ?」

 

占い結果で占った子達の婚期が遅いのが気になったエイラは文化の違いかと不思議に思った。そんなエイラにサーニャが前に晴風の乗員を占った時のことを聞いた

 

「そうだぞぉー、岬、宗谷、黒木、ココが一番早くてそれ以外も岬達が結婚するだろう年から3~4年以内に結婚ってでたからな、てっきり他もそれくらいだと思ったんだけどな」

 

「結構私達の世界と違うんだね・・・」

 

501のウィッチと交流を深めて行くなか、明乃と知名もえかは今後の予定を話していた。

 

「ミケちゃん、前に芳佳ちゃん達が元の世界に戻れるタイミングについて話してくれたけどそれっていつ頃なの?」

 

「えーと今日から・・・二日後、うん明後日だね」

 

「それしか時間無いの!移動とかの時間って考慮してるの?」

 

「うん、あっちの世界とつながるポイントが横須賀に比較的近いから、明日横須賀に向かって燃料の補給とかして明後日に帰る感じかな、明日は芳佳ちゃん達と一緒に横須賀を見て回るつもり、瓦礫だらけだけど私達が学んでいた学校や街を芳佳ちゃん達に見せてあげたいんだ。シロちゃんが色々調整してくれて何とか時間が取れたんだ。」

 

「そうなんだ・・・もしよかったら今日は501と晴風の皆、武蔵に泊まってかない?武蔵なら501と晴風の皆が泊まれるだけの空き部屋があるし、夜までおしゃべり出来ると思うよ」

 

「いいの?あっでも晴風はどうしよう」

 

「古庄教官達もいるから大丈夫だと思うよ、最悪ミケちゃん達の代わりに武蔵から人も出せるし」

 

「それじゃあお願いしようかな、芳佳ちゃん達とパジャマパーティーとかしたかったし」

 

武蔵艦長 知名もえかの提案を素直に受け入れ明乃達はそのまま武蔵に泊まることにした。

教官達の許可もすんなりもらえたのは助かった。祝勝会が終わった後はそのまま武蔵で夜を明かしながら今までの出来事を振り返りながら思い出を語り合ったり、女子高生らしく恋バナに花を咲かせたりして遅くまで語り合いそして共に眠りについたのであった。

 

翌日 ブルーマーメイド ホワイトドルフィン 統合軍は横須賀へ進路をとり横須賀で可能な限りの修理と補給を行った。ブルーマーメイド、ホワイトドルフィンの一部は東京湾に残りギリギリまで行方不明者の捜索を行うことになったらしい

統合軍の補給の時間を使い明乃達は殆どが瓦礫だけになってしまった横須賀の街を芳佳達に案内した。芳佳達の時代に無かった施設があった場所や自分達の学び舎、お気に入りの絶景ポイントなど様々だ。途中で何人かのグループに分かれそれぞれ変わり果てた街を散策していった。501と晴風のウィッチ達はそれぞれ二人っきりで行動しているのが多かった。まず芳佳と明乃だが・・・

 

 

「明日にはお別れなんだよね・・・やっぱこうしてお別れが近づくと寂しいね」

 

「うん、せっかくこうして仲良くなれたんだもんね・・・」

 

「私達の世界はこれでネウロイの脅威は去ったけど、芳佳ちゃん達の世界はまだまだ闘いが続くんだよね・・・私、いや私達が手に入れた魔法の力で多くの人とかが助かるのに、私達だけもう戦わないって思うと気が引けちゃうんだ・・・」

 

「そんなこと思わなくてもいいよ、明乃ちゃん達は元々違う世界の人なのに私達のために戦ってくれたんだよ、それだけで十分だよ!そうだ明乃ちゃんこれ貰ってくれない?」

 

芳佳はそう言って一枚のハンカチを明乃に手渡した

 

「私達が出会えたこの奇跡の記念として貰って欲しいんだ。いいかな?」

 

「うん!そう言う事なら・・・そうだ、それじゃあ私のハンカチも貰ってよ、交換こしよ」

 

「うん!いいよ」

 

2人はそうして互いのハンカチを世界を超えて出会えた記念として交換したのであった。

 

次にバルクホルンと野間の二人は瓦礫の街で奇跡的に残った壁に背を預け共に語り合っていた。

 

「明日にはもうお別れか、お前らと共に戦えたこと私の誇りとしてもらうぞ」

 

「私もだ・・・共に戦えて光栄でした。バルクホルンさん」

 

「あぁ」

 

2人はそこで握手を交わすのではなく互いに拳を突き立て拳どうしを打ち付けたのであった。記念に何か交換しようとしたが手ごろな物が無く、帰ったら青木百々に頼んで二人が使用していた機関銃の弾丸の空薬莢でアクセサリー的な物を作ってもらうことにした。

何か渡す物がないかバルクホルンがポケットを漁っていたときある物を見つけていた。

 

「そうだ、さっき漁っていたときこれを持っていたのを忘れていた。食い物だから記念品にはならんし一緒にくわないか?」

 

そう言ってバルクホルンは一枚の板チョコを取り出した。

野間も断る理由は無かったのでいただくことにした。

互いに板チョコの端を持って同時に力を加え板チョコを半分に折り二人でチョコを味わったのであった

 

 

ハルトマンとミーナはと言うと・・・

 

「インゲノールは明乃達とは違う学校だったよね」

 

「あぁ、ドイツのヴィルヘルムスハーフェン校というところじゃ、ワシの母校や国も501の皆に紹介したかったんじゃが時間が無くて残念じゃ」

 

「こっちの世界のカールスラントだったよね、確かに見て見たかったかも、まぁ可能性はゼロに近いけどまたこっちに来れたらその時は案内してよ」

 

 

「本当にゼロに近い可能性じゃの~まぁ確かにゼロでは無いなこうして出会えたわけじゃしの、そん時は案内は任せろ!」

 

「約束だよ」

 

ハルトマンとミーナは約束の証としてハイタッチを交わしたのであった。

2人も記念に何か交換しようとしたがハルトマンの方が何も持っていなかったのでこっちもバルクホルン達と同じように空薬莢をアクセサリー的な物にすることにした。ミーナはそれに加えて前にココと買った日本のお守りも一緒に渡したという

 

ペリーヌ 万里小路はと言うと晴風から持ち込んだ万里小路が所有していた楽器で二人だけの演奏会を開いていた。万里小路がバイオリン、ペリーヌは万里小路が苦手な管楽器のフルートを使って演奏していた。

 

「この演奏も今日が最後ですわね、やっぱり寂しいものですわね」

 

「えぇ、私ペリーヌさんと共に演奏出来た事を生涯忘れませんわ、どうかお帰りになった後もお元気で」

 

「えぇ、貴方も元気でね、そうですわ貴方にはこれを渡しておきますわ」

 

そう言ってペリーヌは1つのメモ帳を手渡した。そこにはペリーヌ自家製のハーブティーの作り方やアロマオイルの作り方が記されていた。

 

「我が家直伝のハーブティーのレシピですわ!魔法力の回復や疲労の回復の手助けになるはずですわ」

 

「ご丁寧にありがとうございますわ、それでしたらペリーヌさん、そのフルートを持って行ってくださいませんか?」

 

「ちょっと、いくら何でもこんな高価なものもらえませんわ」

 

「構いませんわ、私達が出会えた記念の品の一つとしてお渡ししたいのです」

 

「そう言う事でしたら、我が家の家宝として大切にさせてもらいますわ」

 

「ありがとうございます。私もこのレシピ大切にさせてもらいますわ」

 

「フフッ、喜んでくれて良かったですわ。もう一曲くらい奏でましょうか」

 

「そうですわね、では・・・」

 

2人はそう言って演奏を再開したのであった。

 

 

日が落ち暗くなってきたので一同は港へと帰路に着いた。

港に帰ると盛大なパーティーの準備が進められていた。

共に戦ってくれた統合軍の送別会だ。英雄達をねぎらうのに遠慮などいらない

今宵は盛大に盛り上がるだろう

501と晴風も準備に取り掛かろうとしたとき納沙幸子とリーネがあることを提案してきた。どうやらここへ帰ってくる直前に思いついたらしく全員が揃っているこのタイミングで言うことにしたらしい

 

「さっきココちゃんと話したんだけど、皆で写真撮りませんか?」

 

「晴風と501の集合写真!撮りましょう!」

 

2人の提案を断る理由もなく、記念として写真を撮ることにした。

写真はデジカメや銀塩カメラなどで撮影されることになった。わざわざ銀塩カメラで撮るのは統合軍、向こう側の世界でデジカメの写真が現像出来ないからだ

 

まずは501と晴風のウィッチで集まった写真を、次に501と晴風の乗員全員との写真

その後は501と晴風のウィッチ一人ずつのツーショットが撮られていった。

 

ピースサインで写る明乃と芳佳

 

握手を交わすミーナ中佐とましろ

 

拳を合わせるバルクホルンと野間

 

知床鈴の後ろから抱きついて写るシャーリー

 

まるで姉の様に鏑木美波を持ち上げて写るルッキーニ

 

両手の指を絡めて頬を合わせて映る写る納沙幸子とリーネ

 

背中合わせで楽器を構えて写るペリーヌと万里小路

 

共にカールスラント式の敬礼で写るハルトマンとミーナ

 

ピンと背筋を伸ばしている服部静夏とそれを横で腕を組みながら並んでいる黒木

 

エイラに両腕の裾を掴まれ腕を伸ばされながら写る立石志摩

 

サーニャと一緒に拳を天に掲げる西崎芽依 ただしこの時サーニャは拳を掲げる理由がよく分かっていなかったという

 

 

各々の写真を撮っている時、納沙幸子はリーネにある物を渡していた。

自分のトレードマーク的なアイテムの一つセーラー帽をリーネに渡したのだ

リーネはそれを受け取り、リーネ自身も自身の私物を納沙幸子に手渡した。

それはリーネの手帳に挟んでいた押し花の栞だった。

横須賀が開放されてすぐのころ、たまたま瓦礫だらけの街にでる機会がありそこでたった一輪の花が何とか咲いているのを見つけたのだ。恐らく公共の花壇か何かに植えてあったのだろう、周りの他の花は既に吹き飛ばされたり瓦礫の破片に押しつぶされていたりした。

何とか残っていたこの花も花以外の葉っぱや茎がボロボロで人の手入れ無しではすぐに枯れる事は目に見えていた。そこでリーネは花を持ち帰り押し花を作りそれを栞にして残すことにした。この世界でたまたま見つけた自然の輝きとして・・・

 

その後も写真を撮り終わったエイラとサーニャもタマとメイに記念の品を渡したのであった。エイラは占いに使っていたタロットカードを、サーニャは黒猫を模したブレスレットを渡した。

 

「タマ、お前にこれをやるよ、あたしが占いに使ってたカードだ!大事にしろよな」

 

「うぃ!」

 

 

「メイちゃんにはコレを、昨日の夜、武蔵の子に作り方教えてもらって作ったんだ。ちょっとおおざっぱになっちゃったけど」

 

「そんなの全然気にしないよ、ありがとうね」

 

タマとメイはそれぞれお礼をいい自分達も記念の品を二人に渡した。

 

タマは趣味のソフトボールで使うボールに油性ペンで猫の顔とカタカナでウィーという文字が付いたものを、メイは将棋の駒の形に加工した木に絵と文字を書いたものを、ちなみに文字は表に海、裏に空 絵は表に晴風を模した艦、裏にストライカーユニットを履いたと思われるウィッチの絵を 余談だがアイデア自体はメイのアイデアだが絵心は無かったので青木百々や和住媛萌に製作をお願いしたものだ。東京から横須賀へ戻る途中の道中で作ってもらった

 

一通り写真を撮り終え送別会の準備を済ますと送別会が始まった。

各々酒や食い物を堪能し最後の夜を過ごしていった。

そんな中ミーナ中佐がある飲み物を持ってましろのもとを訪れた。

 

「宗谷さん、今いいかしら?」

 

「ミーナ中佐、別に予定とかはありませんが」

 

「ちょっと付き合ってくれないかしら」

 

「?分かりました」

 

ましろはミーナ中佐に誘われるがまま後をついていき、テーブル一つと椅子が二つ置かれた場所にたどり着いた。二人はそこに腰かけた

 

「今日で最後になっちゃうから今日中にしておきたくてね、一緒に飲まない?」

 

そう言ってミーナ中佐は持ってきた飲み物 お酒をましろに見せつけた

 

「それ、お酒じゃないですか、私未成年ですよ」

 

 

「知ってるわよ・・・分かってはいるんだけどねこれで最後になっちゃうでしょ、貴方とはお酒を交わして話してみたいのよ、貴方の門出や昇進とか祝えないから・・・」

 

「あっ・・・」

 

ましろはミーナ中佐の寂しそうな表情を見てすべてを悟った。この人は本当に私を立派なウィッチに育てるために自分のすべての知識と力を教えてくれた。まるで教師と教え子のように、もう二度と会えないと分かっているならルールを少しくらい破っても思い出として残しておきたいと・・・

ましろはそれに答えることにした

 

 

「分かりました。お付き合いします。一様聞きますが度数低いですよね?」

 

「大丈夫よ、ただのワインだからそこまで高くないわ」

 

「そうですか、では」

 

ましろはミーナ中佐にコップにワインを注いでもらい、互いに乾杯を交わしそれを飲み干す。初めての酒に顔をしかめるましろをミーナ中佐はふふっ、と笑い大人な余裕を見せる

 

「うっ、あんまり美味しくない・・・」

 

「ふふっ、いずれその味に慣れるころが来るわ、その時にお酒を交わせないのが残念ね」

 

「そうですね・・・ミーナ中佐今日まで本当にありがとうございました。良かったらコレを貰ってください」

 

ましろはそう言って晴風の自室から持ってきた可愛くデフォルメされたサメのキーホルダーを手渡した。かなり前に偶然見つけたサメのキーホルダーのガチャガチャに入っていたやつだ。生憎すぐ渡せて小さなものがこれしかなかったのだ。

ましろからの餞別を受け取るとミーナ中佐もましろにある物を渡した。

それはミーナ中佐の所属しているカールスラント空軍の部隊章であった。

 

「貴方にこれを授けるわ、貴方達はもう立派なウィッチよ」

 

「これ部隊章じゃないですか、いいんですか本当に」

 

「えぇ、ただの所属を現すものに過ぎないし、それにそれが貴方をウィッチとして育て上げた私の証とでも思って頂戴、宗谷ましろさん!こっちの空を頼むわよ」

 

「!!はい、任せてください。そちらの空がすべて取り返せる日が来ることを願ってます」

 

「ありがとう・・・もう少しお話ししましょうか」

 

「付き合います。ミーナ中佐」

 

ましろとミーナ中佐は最後の夜を過ごしていったのであった。

 

送別会も佳境に入ると女性陣は艦の浴場に足を運び始めた。女性足るもの美には気を付けなければ、衛生的にもいいことだ。501や晴風も例外でなく交代で入浴していた。今は知床鈴と鏑木美波、シャーリー、ルッキーニが一緒に入浴をしていた。

 

 

「はぁぁぁん、いい湯だぜ!疲れが取れるぜ」

 

「ふっふふーんお風呂でプカプカ~」

 

「やっぱり、お風呂は落ち着くね・・・そう言えば美波さんと一緒に入るのってなんか新鮮だね・・・いつもは入浴時間が違うもんね」

 

「そうだな・・・たまたまこの時間に一緒になったのは何かしらの縁を感じるような気がする。それがどういう事かははっきりとは分からんが、そんな気がする・・・」

 

鏑木美波が湯船につかりながらそう呟くとルッキーニがある提案をしてきた

 

「ねぇ、リン!ちょっとこっち来て」

 

「どうしたのルッキーニちゃん?」

 

「今日は特別にあたしの特等席譲ってあげる!いいよねシャーリー」

 

「おう、いいぜ!知床もこっち来いよ」

 

「はい・・・ルッキーニちゃんの特等席っていうともしかして・・・」

 

「おう、あたしの胸だな」

 

知床鈴はルッキーニの提案を受け入れシャーリーの胸元に頭部を預けた。

実は前々からどんな感じなのか気になっていたのだ

シャーリーの胸元に頭部を預けると・・・

 

「ふぉあぁぁ」

 

思わず変な声が出た。ぬくもりを感じながらも柔らかいシャーリーのそれは知床鈴を魅了した。

 

「やっぱりすごいですね、シャーリーさんの・・・柔らかくて・・・」

 

「そうだろそうだろ、あたしほどじゃないにしろ、知床も何年かすればそれなりにデカくなるんじゃねぇか」

 

「美波はペッタンコのままかもだけど、あっははは」

 

「まだ成長期は残っている!馬鹿にしないでもらおうか」

 

「あはは・・・お姉ちゃんがいたらこんな感じなのかな?」

 

「そうかもな、あたしはルッキーニの面倒は見てるから妹がいたらこんな感じっていうのは前々から思っていたからな、知床もルッキーニとは違った感じの妹みたいなもんだしな、お前らと一緒にいれて楽しかったぜ」

 

「シャーリーさぁぁん、私も、私も楽しかったですぅ」

 

「おいおい、泣くことはねぇだろ」

 

「だってぇ~」

 

「こっちの世界でも元気にするんだぜ、いいな知床」

 

「はい!シャーリーさんも御元気で」

 

知床鈴がシャーリーと別れの言葉を交わしているころ、鏑木美波もルッキーニと別れの言葉を交わしていた。

 

 

「まぁ色々あったが今まで共に戦ってくれて助かった。改めて礼を言わせてもらう」

 

「美波の言う言葉、堅苦しいぃぃ、こういう時はありがとう、とかでいいじゃん」

 

「それは短縮しすぎだ。もう少しそういったことも勉強したほうがいい」

 

「えぇー勉強嫌いぃぃ」

 

「子供か、あっ、成人してるかで判断するなら子供かまだ」

 

「美波の方がもっと子供じゃん」

 

「当たり前だ、私はまだ13歳だからな」

 

     「「・・・」」

 

ルッキーニと美波が同時に黙ると・・・

 

    「「ぷっ、あははは」」

 

ふと笑いがこみあげてきたのだった。ルッキーニはともかく鏑木美波がこのように笑うのは晴風では誰も見たことが無いだろう、2人は改めて感謝の言葉を交わすとシャーリーと知床鈴と一緒に湯船から上がったのであった。その後お互いに記念の品を手渡したのだった。知床鈴はイルカの缶バッチを、鏑木美波は前に海洋医大で行われた研究発表会の帰り際に医大の教授に貰った万年質を手渡した。シャーリーはリボルバーをしまっていたホルスターを、ルッキーニは前に気に入った虫をすぐ仕舞えるように手に入れた名刺ケースのような容器をそれぞれ手渡した。

 

知床鈴と鏑木美波が記念品を手渡しているころ晴風の機関室に黒木洋美と服部静夏がいた

黒木の幼馴染でもあり晴風の機関長 柳原麻侖の機関整備に付き添っていたのだ。

マロン曰く最後の別れには晴風も万全な状態で見送らせてやりたいとのことだ

黒木は付き添ってくれた服部静夏に申し訳なかった。

 

「ごめんなさいね、マロンの無理に付き添って貰って、貴方は別に来なくても良かったのよ」

 

「いえ、自分もちょうど時間が空いていたので、それにこの晴風も一緒に戦った戦友ともいえる物ですし、扶桑海軍の一人として少しでも手伝えたらと思いまして」

 

「そう言って貰うと助かるわ・・・マロン、蒸気タービンの方は大丈夫なの?」

 

「おうよ、少しガタついていたがもうとっくに直してやったよ、他の細かいところもちょっくら見てくるぜ」

 

「分かったわ、必要な工具があったら言って頂戴」

 

「あいよー」

 

「お二人は相変わらず仲がいいですね」

 

「まぁこれでも幼馴染だしね、マロンの扱い方なら大概把握してるつもりよ」

 

「扱い方って・・・凄いですね」

 

「貴方も宮藤さんと仲いいじゃない」

 

「私は宮藤さんの後輩みたいなもので親友とまでは・・・リーネさんやペリーヌさんの方が付き合いが長いですし」

 

「そう言えばそうだったわね、私と同じで憧れの人の隣に行くのってかなり大変よね」

 

「そうですね、確か黒木さんは宗谷さんに憧れているんでしたよね」

 

「えぇそうよ、少し前までは宗谷さんの方が艦長に向いていると思っていたもの」

 

「今はもう違うという事ですか?」

 

服部静夏は黒木のその心境の変化の理由を聞いた。まぁ大方予想はつくが

 

 

「そりゃあネウロイなんていう化け物相手に戦ったり、ウィッチになって空を飛んだりして艦長の凄さを知ったら認めざる得ないでしょ」

 

「やっぱりそうですか、岬さんの活躍は凄いですもんね」

 

「まぁね、お互い離れ離れになっちゃうけど、頑張りましょうね」

 

「憧れの人の隣に入れるように、ですよね」

 

「えぇ、ちゃんと頑張んなさいよ」

 

「黒木さんこそ、お達者で」

 

黒木と服部静夏は握手を交わし記念品を手渡した。

服部静夏は自分が使っていたガマ口の財布を、ただし中身は抜いてある

黒木洋美も中身を抜いた財布を手渡したのであった

 

全員が501のメンバーと記念品の交換を済ませた翌日、遂に別れの時がやってきた。横須賀から比較的近い海域に艦隊が集結し元の世界へ続く道が現れるのを待つ

帰還前に宗谷真雪から戦死者すべての発見が出来なかったことと見つかり次第こちらで丁重に葬ると、扶桑海軍旗艦大和の艦長に伝えた。大和の艦長はそれに感謝の言葉を送ってくれた。集結した艦隊の甲板には水兵や乗艦した戦車兵の姿が見て取れた

それとその上空には501と晴風のウィッチ達が勢ぞろいしていた。

上空で握手を交わしたり抱きしめたりして別れを惜しんだ

そして向こうの世界とつながるとされる予定の時間になった。

 

「そろそろ時間ね」

 

ミーナ中佐がそう呟くと扶桑艦隊の目の前の空間が歪み始めた。

向こうの世界とつながる前兆だ。

このままつながると思われたが予想外なことが1つ起きた。

繋がると同時に上空に青い光が放たれたのだ。それはどんどん上昇していき成層圏で弾き飛び世界に降り注いだ。その直後ウィッチに覚醒していない晴風の乗員全員と成人していない海洋学校の生徒何割かがウィッチに覚醒したのだ。この時はまだ把握出来なかったがこの日世界各国でウィッチが誕生したのであった。

その様子を見た501のウィッチ達と明乃達はこれからすることを理解した。

 

「大変なことになったわね、宗谷さん」

 

「えぇ、驚くのも忘れるくらいに」

 

「明乃ちゃん達には言わなくても分かってると思うけど、これから羽ばたくウィッチを導いてあげてね」

 

「うん!任せて芳佳ちゃん!501から教わったこと皆に伝えていくね」

 

明乃達がこれからしていくことを認識しているかを確認すると501のウィッチ達は元の世界へつながる歪みに飛んで行った。

 

 

「じゃあねぇー」

 

「貴方達の活躍を願っているわ」

 

「立派に務めを果たせな」

 

「まったねぇー」

 

「お前とは競えなくなっちまうがあたしはスピードを追及し続けるぜぇ」

 

「美波―、もっと素直に笑うと楽しくなるよー」

 

「もうちょっと言葉を交わすんだぞタマ」

 

「メイちゃんも元気でね」

 

 

「力ある者の務めを務めますのよ」

 

「ココちゃーん私、皆のこと忘れないからぁ」

 

「こっちの空は頼みます黒木さん、そして皆さんも!」

 

別れの言葉を交わしながらウィッチ達と統合軍は歪みへと消えて行った。

 

見送ったあと明乃達は混乱しているであろう晴風へと降り立った。

大変なのはこれからだ。ウィッチの力を次世代へとつないでいく

それが明乃達の次の闘いになるからだ。

 

 

戦いが集結し統合軍が元の世界に帰還した4日後、ある連絡が明乃達のもとに舞い込んだ

それを聞いた宗谷ましろはすぐに連絡があったとある病院に向かった。

受付で聞いた病室に向かうとそこには行方不明になった緋田飛鳥がいたのだ。

実は奇跡的に戦場入りしていた報道船に助けられ茨木沖で航海していた病院船に収容されたのだ。統合軍が帰還して2日後まで意識不明であったことと身元を現す物が無かったため報告が遅れたのだ。

 

死んでしまったと思っていた緋田飛鳥の姿を確認したましろはそのまま緋田飛鳥に抱きついた。

 

 

「良かったぁ・・・本当に・・・良かったぁ、生きていてくれて」

 

「ましろさん・・・ご心配おかけしました」

 

飛鳥はましろの頭を優しくなで、ましろにあることを伝えた

 

「眠っている間の出来事は聞きましたネウロイの巣の撃破おめでとうございます」

 

「ありがとうございます、じゃなくて貴方はいいんですか!もう元の世界には戻れる保証はないんですよ」

 

「そのことなんですが、一つ聞いて貰っていいですか」

 

「はい・・・」

 

「自分はこれからこの世界で暮らして骨を埋めるでしょう、貴方を養えるくらいの男になれたら共に歩んでくれませんか?改めて言わせてもらいます。宗谷ましろさん、結婚を前提に付き合って貰いませんか、無論養えないと判断したら断ってください。返事を聞かせてもらっていいですか」

 

「養えないと思ったら断ってくださいって・・・断るわけないじゃないですか」

 

「!!それでは・・・」

 

「はい!私こそ結婚を前提に付き合ってください」

 

「ありがとうございますっ!!」

 

飛鳥がお礼を言うと同時にましろは飛鳥の口に口づけを交わした。不意打ちのキスをし終えると今度は飛鳥の方から口づけを交わしてくれた。今度は舌どうしを絡める熱いキスだった。口づけを終えると二人は今後の相談をして一端別れたのであった。

 

 

時は流れ4月

 

明乃達が2年に進級するのと同時にある組織が発足した。

 

   海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ

 

あのネウロイの闘いのあと世界各国で目覚めたウィッチ達にウィッチの力と技術を教える事といずれ現れるかも知れない第二のネウロイとも言える存在に対抗する組織として、そして少しでも早く助けを待つ人の元に駆けつける者として

 

最初のウィッチとなった明乃達が教官及び責任者になり次世代のウィッチを導いていくのだ。新組織発足の挨拶として明乃が壇上に上がり挨拶を交わす

 

 

「あの厳しい戦いは別の世界からきてくれた私達の戦友達のご助力がなかったらきっと勝てなかったと今でも思ってます。今度は私達だけの力でこの世界を守って行かないといけません。私達が培った力を皆に伝えていきます。そして新しく発足したこの組織が困っている人を助け続けられることを願います。海洋航空救援団マーメイドウィッチーズ、皆で海と空の平和を守って行こう!」

 

 

    『ハイッ』

 

明乃の挨拶に聞いていたすべての団員が返事をした。

明乃達の闘いはまだ続く、だがそれは殺伐したものでは無く次世代につなげる闘いである

 

この世界の海と空は彼女達ウィッチが守っていくだろう

 




本編ストーリはこれで完結、後はその後のエピソードとかかな
投稿頻度はかなり下がると思われます。気になるゲームの発売が迫っているので
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