真っ黒い学ランに身を包んだ二人の男が今校庭を歩いて居る。一人は茶髪で学ランのボタンを開け中にオレンジ色のTシャツを着ている優しそうな顔つきの男と、もう一人は、黒髪で所々赤毛が混じっていて、左耳にはピアスを三つして、整った顔立ちをしている。真っ黒い学ランを着ている『イケメン(不良)』が学校から帰宅中である。
帝「なあ良晴、今日も信長公の野望やるのか?」
良晴「そうだよ。帝(ミカド)もやればいいのに」
帝「興味無いな」
二人は良晴が好きなゲーム、織田信長公の野望の話をしている。
殆んど良晴が一方的に語ってるだけなんだけど。
良晴「帝は今日どうすんの?」
帝「俺は………また修行かな」
帝の家は、古くから続く剣術家で帝は高校入学と同時に免許皆伝を伝授されたが毎日修行している。
一本道を進んでいくと、良晴の家の前に着いた。
良晴「帝、また明日な~」
帝「じゃあな」
良晴が家の中に入るまで帝は良晴を見ていた。
また明日会えると疑わずに。
いつもと変わらない日常だと思っていた。
でも
先生「相良良晴君が行方不明になりました。行方を知ってる人は教えて下さい。」
今日は昨日の続きだと思っていた。
でも、俺の時間は昨日のままだ。
変わったのは良晴が居ない事。親友が居なくなった事。
昔から二人でバカやってたのに……何も言わずに居なくなった。帝はそれを悲しいと感じた。
帝は机の隣に置いてあるバックを手に取り学校を早退した。
それから帝は良晴が行きそうな所に片っ端から走って行った走って走って走って。いくら走っても良晴は見付からなかった。
良晴が居なくなってから一週間が経った。
帝は重い足取りで手がかりを探す為、良晴の家に向かって歩いていた。そんな時
キィキィィィィ―――
もうスピードで車が突っ込んできた。車が速すぎて帝は避ける事が出来ず
帝は宙を舞った。
体が地面に叩き付けられた骨は悲鳴を上げた。そして頭をおもいっきり打ち、出血している。
帝を轢いた車はそのままのスピードで逃げて行った。
帝(体が動かないな…………これは……死んだな)
帝は果たせていない未練で重い目蓋と戦っていたが、帝の意識が暗闇に消えた。
次に目が覚めた場所は辺り一面、白、白、白。
白しかない空間で目が覚めた。
帝(ここは……何処だ)
神「目が覚めた様だね」
何処からか声が聴こえた。でもその声は耳から聴こえたと思ったが、実際頭に直接語られた。
神「君は死んだのに何で成仏しないの?」
喋る事が出来ない。俺は確かに死んだ。でも声がするもし相手が神と言う存在ならば、有り得ない事ではない。相手が神だとするなら頭で話をすればいい。
帝(親友を助けて無いからだ)
神「それが君の未練か……」
声が途切れる。少しの静寂を破ったのは相手だ。
神「わかった。君の親友が居る所に送るよ。その変わり、君が現世に戻っても車に轢かれて死ぬのは変わらない。」
帝(それでもいい。アイツは俺の親友だから。俺はアイツを助けたい。)
神「わかった。今、相良良晴が居るのは戦国時代だ。タイムスリップしたみたいだ。君は戦国時代に行っても死ぬかも知れないよ」
帝(俺とアイツはバカやった最強のコンビだぜ。何やっても死なねぇよ)
神「君は面白い事を言うね。いいよ。頑張ってきなよ。」
そう言って声は途切れる。そして、俺の意識はまた暗闇に消えた。
帝が消えた白い空間で、一人でいる声の主。
神「彼は良い奴だな。…………少ないが餞別だ。君の死を変えられない無力な私を許して欲しい。」
声の主はこの空間にはもう居ない青年に謝罪をして静に消えた。
帝「ここは……何処だ」
帝は目が覚めたら、森の様な場所にいた。静に揺れる木の音、風の音、水の音を聴きながら何処に行くかを考えていた。
帝「水の音?近くに川でもあるのか」
腰を上げて歩こうとしたが、自分が倒れていた場所には、一振りの刀と銃剣と手紙が置いてあった。
帝「手紙?」
手紙を開き内容を確認する。手紙は神から俺に宛てて書いてあった。
『無事に着いたかは知らないけど君が使っていた武器を送るよ。一振りの刀と銃剣を。弾丸は一日が終わる毎にリセットされるから一日八発までしか使えない。場を見極めて使うように。神より』
神から送られてきた武器の一本は、『回転機巧式銃剣(通称ガンブレード)』剣の柄の部分が拳銃の形になった武器で、銃撃自体はできず、弾丸を装填した状態で相手に斬りつける時にトリガーを引けば、火薬の炸裂によって生じた強烈な振動により斬撃の威力を増大させる事が出来るが弾数に限りがある。
もう一本は、漆黒の鞘で漆黒の柄に漆黒の刀身を持つ刀「黒天」
折れず、曲がらず、錆びず、三拍子揃った最強の日本刀と、機械と剣が合体した未来の銃剣。その二振りが今俺の手元にある。
そして気付くのが遅いが
「服が……変わってる!!」
死んだ時は学ランだったが、今は、変な物を着ている。
黒のYシャツで赤のラインが入った制服のズボン。腰に銀色に輝く鈴を二つ。そして、真っ黒いコートで背中には赤で桜の花びらが描かれている。俺はそれをカッコイイと思ってしまった。
刀を腰に携えて銃剣を背中に背負って水の音がする方に走った。