始まりは交換日記   作:アシュリー2400

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第5話

再び月夜視点

竹細工工房のお夕飯は、台所でお父様とお弟子様が一堂に会すものでした。

私の家もお母様と祖母様がご一緒しますが、ここまで大人数なのは初めてのことです。

しかも別の部屋ではなく、食事を作る場所と同じ場所で食事をするとは思いませんでした。

お父様と十人のお弟子様で台所は所狭しとなり、台所には皆様の談笑が響きます。

私の家のお夕飯と違ってとても賑やかで、私は自然と笑みが零れます。

月咲ちゃんはいつも、この中で食事をされていると思うと羨ましくもなりました。

皆様、こちらへの注意は殆どないおかげで、入れ替わりがバレる心配はございませんでした。

 

「月咲、おかわりだ」

「あいよ!」

「月咲ちゃん、こっちも!」

「お父ちゃんのよそってからね」

「みそ汁よろしく」

「タケさ…ん、ちょっと待って!」

 

月咲ちゃんからの情報通り、皆様おかわりのペースはとても早いものです。

私は皆様に頼まれる度、いただいた指示をこなすために動きます。

皆様のご飯をよそい、みそ汁を注ぎ、調味料を取ってお渡しする。

おかずの取り合いで喧嘩が起きたという話を踏まえ、おかずは多めに作りました。

お父様とお弟子様、私で合わせて十二人分のところを十五人分で用意。

しかし、それでも皆様は全ての皿を平らげてしまわれました。

その光景はとても気分がよく、自分が受け入れられたようにも思えました。

そ特に問題なく夕飯が終わると、皆様は満足したご様子で台所を後にされました。

 

私自身も皆様が食事を終えたあと、自分の食事を用意してお夕飯を摂りました。

普段は誰かと一緒の食事なので寂しくありましたが、新鮮な気分でもある。

貴重な体験をまた一つ積み、自分の食事を終えると片づけをして洗い物に移ります。

 

ふと、その最中に母様のことを思いました。

 

かつて、母様はここ竹細工工房で父様と過ごしていた時期がある。

その時もこうしてここで家事を一手に引き受けていたのだろうと。

十二人分の食器洗いは、飲食店の洗い場の仕事量もいいところでしょう。

家事は洗い物だけではなく、他にもに大変なことを毎日こなしている。

それにもかかわらず母様は私の前では辛い素振りは見せないのです。

 

私が母様にできる恩返しはないかと考えていたことがある。

もしかしたら、家事を時々でも手伝うことが、それにつながるのではないか…

そんなことを考えました。

 

洗い物を終えて食器を棚にしまうと、お米とおかずの残りを確認して帳簿を付けし、

月咲ちゃんの部屋へ戻りました。

 

次はお父様とお弟子さんの入るお風呂の用意です。

その後は着換えの用意と洗濯物の放り込みをし、その後は自由時間。

自由時間になったらここを出て水名神社で月咲ちゃんと落ち合います。

お風呂の支度をしていると月咲ちゃんからメールが入りました。

 

第二の関門も乗り越えたことを確認しあい、第三の関門へ出発です。

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