ゲートSAA彼の地にて斯く戦えり   作:素面ライダー

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 最近はやる事成す事全て裏目に………

 「ドツボにはまる」と言うのはこう言うことを指すのか…………

 結局、今回で終われなかったし………

 それでは!本編スタート!
 


皇居前攻防戦

 

 皇居前広場へと繋がる二つの橋で急遽防衛線が築かれ主戦場がそちらへ移った後、武装集団の戦力が集中したためか戦闘は激しさを増していた。

 


 

 東京千代田区

 

 皇居前広場の東側 鍛冶橋上

 

 ブォン!!

 

 「ウァアガァァァッ!!」

 

 ヒュオ!!

 

 「グエベェアァァァッ!!」

 

 ヒュウン!!

 

 「アギァァァァアア!!」 

 

 ブゥン!!

 

 「イィギイィィィェエェェ!!」

 

 ジューゾーは“13,sジェイソン”を縦横無尽に振り回し、向かって来る敵を次々と切り刻んでいた。

 

 「うーん、ずいぶん手応えが無くなって来ましたね。敵もちょくちょくとしか来なくなって、はんべー達が数を削る必要が無くなったですし。」

 

 そう、先述した様に“激しさ”は増していた……ただし、こちらは“規模が増した”と言う意味ではなく“凄惨さが増した”と言う意味でだが……。

 

 ジューゾーが防衛を請け負っている鍛冶橋は先述の通り近辺からかき集めた車両でバリケードを構成されており、片側の車線と両側の歩道は完全に塞がれ、もう片方の車線も()()()バリケードで通行が制限されていた。

 

 最初はバリケードを攻城槌で破壊しようとしたが、半井達の射撃で工兵が全滅した上、警官隊に貸し与えた対戦車ロケットやグレネードで攻城槌を乗せた荷車まで破壊されてしまい回収も儘ならない状況となった。

 

 攻城槌は数が限られている上に先ほどの二の舞を避けるため温存せざるを得ず、結果“戦力の逐次投入”と言う方法を選択せざるを得なくなったのである。

 

 敵が逐次ジューゾーに攻めかかって行った時は、連続で入れ替わり立ち替わり攻めかかれば消耗して行くと踏んでいたが、“13,sジェイソン”を振り回す度に敵が一撃で屠られて死体が積み重なっていく内に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 その光景とジューゾーの戦いぶりで、武装集団側の士気は一部を除いて完全に失墜してしまっていた。そのため、ジューゾーは武装集団側が目論んだほど消耗せずに済んだのである。

 

 「何をしている!敵はたった一人だろう!」

 

 後方で武装集団の指揮官が怒鳴り散らすが、前方の人間は完全に尻込みしている。半井のスナイパーライフルなら簡単に狙撃出来る距離だが、“戦力の逐次投入”と言う戦術上の愚の骨頂を懲りずに行っていたため、そのままにされていた………こうなる前に意見具申らしき事(無理に攻めずに包囲する事に留める事だった)をしていた者もいたが、半井はその度にそいつを狙撃していたので、そういった事をする者は既に居なくなっている。

 

 「おい!お前行けよ!」

 

 「冗談じゃねぇ!目の前に居るのは死神だぞ!俺はまだ死にたくねぇよ!そう言うお前こそ行けよ!」

 

 「バカヤロー!俺だって死にたくねぇ!」

 

 小声でそういった会話がそこかしこで行われていた。あの敵に向かって行って“戦い”になるならまだ士気を保つことが出来ただろうが、向かって行った者のことごとく……そのほとんどが腕に自信があり名のある者ばかりだ……が太刀打ちすら出来ずに一方的に屠られていったのである。戦った上で死ぬのなら本望だが、ただ殺されに行くだけなのはごめん被るのだ。

 

 ジューゾーはその戦いぶりと手に持つ“13,sジェイソン”、そして文字どおり“死体の山”築く光景から武装集団側から「死神」のあだ名を頂戴していたのだが、本人はその事を知る由も無い。

 

 「あー、来るならさっさと来てほしいです。お昼食べてないから、お腹空いてきたですし。」

 

 相手に“死神”と呼ばれている当の本人は呑気にそんなことを(のたま)っていた。

 


 

 同時刻

 

 東京千代田区

 

 皇居前広場の南側 祝田橋上

 

 こちらでは後退して来たハイセと応援要請を終えて合流したアキラ、そしてハイセに追い付き共同で遅滞行動を取っていた伊藤(いとう) 倉元(くらもと)三等陸尉と黒磐(くろいわ) 武臣(たけおみ)三等陸曹が主力となって防衛戦を展開していた。

 

ヒデと中島(なかじま) 康智(やすのり)一等陸曹、そしてアキラと行動していた草場(くさば) 一平(いっぺい)二等陸曹はオペレーターとして情報支援を担当している。

 

 『中島一曹(ロッド2)より真戸一尉(オーガ2)へ。三個小隊規模の敵が桜田門方面へ移動開始。側面へ回り込もうとしている模様。送レ。』

 

 『こちらオーガ2、了解。伊藤三尉(オーガ4)に対処させる。送レ。』

 

 『こちらロッド2、了解。引き続き監視と警戒を続ける。送レ。』

 

 『オーガ2よりオーガ4へ、20人ほど引き連れて桜田門方面の敵集団を排除しろ。送レ。』

 

 『こちらオーガ4、了解。終わり。』

 

 この様に祝田橋を主戦場としながら時おり敵が桜田門へ別動隊を送り込みそれを先手を打って壊滅させる、と言った事を繰り返していた。先述のやり取りも、既に五度目である。

 

 模擬戦のために指揮車両………82式指揮通信車改を持ち出していた事が幸いしていた。この車両は各種観測機器(レーダー)だけではなく空中観測用ドローンを搭載していたために敵集団の動きはこちらには筒抜けだったのだ。

 

 敵集団も祝田橋方向から見えない様に別動隊を送り込んでいたのだがドローンの存在を知らないため、どんなやり方で動きを掴んでいるのか見当も付けられずにいた。

 


 

 「クソッ!何故こうも敵に先手を打たれる!」

 

 「……方法は見当も付きませんが、いずれにしてもこれ以上別動隊に戦力を割くのは得策ではありません。」

 

 「解っている!クッ!………右翼に展開しているヘルムの隊は何をやっている!」

 

 「………橋の上に死神がいるとの事で………どうもその死神に次々と兵を討ち取られており、兵どもが士気を失っている様です。実は既に再三に渡って援軍要請が来ておりまして………」

 

 「“我に余剰戦力無し!現有戦力で打破せよ!”と伝えろ!」

 

 「ハ……ハッ!承知致しました!」

 

 こうして、鍛冶橋方面の武装集団は見殺し同然の扱いを受けたのであった。

 


 

 パパパパパッ!パパパパパパッ!

 

 パパパッ!パパパッ!パパパッ!

 

 「グベゲェェッッ!!」

 

 「ガハァッッカッ!!」

 

 「アアアァァァァッッッ!!」

 

 「ギイィィィィイッ!!」

 

 ハイセと武臣は機動隊から借り受けたH&K MP-5………アームライフルは既にパージしていた………を片手に持ち、もう片方の手にはそれぞれの試作高周波ブレードを持って遠距離の敵はMP-5の連射で、近づいた敵はブレードで切り伏せると言った事を繰り返しており、周囲では機動隊と近衛の混成部隊がリロードも含めて二人をフォローしていた。

 


 

 ………ジリ………ジリ………

 

 敵集団はなかなか間合いに踏み込めずにいた。相手側に異常なほどよく斬れる剣があることは既に敵集団側にも知れ渡っていたからだ。

 

 ならばと魔導師と弓兵を盾持ちの歩兵に壁役をやらせた上で展開して遠距離から攻撃させようとしたものの……

 

 ズドドドオォォォーーン!!

 

 ドッキュゥゥーーン!!

 

 「ギャァァァァアッ!!」

 

 「ガアァァァァアッ!!」

 

 ……相手は壁役もろともグレネードや対戦車ロケットでまとめて吹き飛ばされた。

 

 こういう時に真っ先に相手へとけしかける怪異は緒戦でことごとく討ち果たされており、鍛冶橋方面の敵と同様に攻城槌は荷車が破壊されて用を成さなくなっていた。

 

 苦肉の策として膂力に優れた歩兵に二枚重ねにした盾を縄で固定した物を両手に持たせてハイセと武臣をそれで押さえ付けようとしたが……

 

 パパパパパパ!パパパパパパッ!

 

 パパパッ!パパパッ!パパパッ!

 

 「ガァガッアァァハッ!!」

 

 「グェベゲェェェェッ!!」

 

 「アガァァァァアッッ!!」

 

 ……警察の混成部隊が遠距離から集中砲火を浴びせて即席の盾を破壊し歩兵も全滅して手詰まりとなった。

 

 そのため、戦闘は膠着状態となって行ったのである。

 

 更に………

 

 パァァン!!パァァン!!

 

 「ガッ!!」

 

 「アガァッ!!」

 

 ………アキラが指揮官や旗持ち、角笛の合図者を優先的に狙撃していたので敵集団は組織的な行動を取れずにいた。

 


 

 「………まだか?」

 

 焦燥の混じった小声でハイセは呟く。

 

 既に弾薬が底をつき始めているのである。

 

 『こちら伊丹(アベンジャー)!』

 

 そこへ正門の伊丹から通信が入った。

 

 彼はSAAを借り受けた後、祝田橋の援軍に駆け付けようとしたものの、アキラから待ったが入り正門を最終防衛線と見なし、避難状況の皇居側の中継とSAAの威容で民間人を安心させるための護衛として残っていた。

 

 『避難民の収容が完了した!繰り返す!避難民の収容が完了した!防衛ポイントの各員は遅滞行動を取りつつ、皇居内へ撤退せよ!繰り返す!……』

 

 待ち望んだ連絡である。

 

 無線のみならず、周辺の外部スピーカーを総動員して各戦線へと伝えられた。

 

 連絡を受け、ハイセ達はすぐさま行動に移る。

 

 敵集団に温存していたスモークグレネードをありったけ投げ込み、ハイセ達前面に出ていた者達はバリケードの後ろへ下がる。

 

 更に、あらかじめ用意しておいたガソリンをバリケードと周囲からかき集めたそこそこの大きさの可燃物にぶちまけると道を塞ぐ様にして置いておいた。そして遠隔操作式の発火装置を設置する。これはあらかじめスイッチひとつで作動する様に戦闘前に調整済みだ。

 

 準備がすみ次第警官達は車両に分乗し、SAAクラダー達はそのままクローラーを駆使して移動を開始する。

 

 警官達は一段落したかの様に一息付いたが、ハイセ達は警戒を緩めない。地上は足止め出来ても、ワイバーンに空中から襲われてはひとたまりもないからだ。

 

 故に彼らは対空警戒を厳にしつつ、後退していった。

 

 結果的にそれが功を奏した。

 

 『3時の方向!飛行物体 2!』

 

 草場二曹(ロッド3)から無線で警戒が飛び、ハイセは咄嗟に手元の携帯型対空ミサイル………改良型スティンガーミサイルを向けて即座にロックした。

 

 「ターゲットロック!伊藤三尉(オーガ4)は右の奴を!」

 

 ハイセが言うや、オーガ4もバックブラストの範囲から逃れもう片方を即座にロックした。黒磐三曹(オーガ5)は二人のバックブラストの範囲から素早く待避する。

 

 バシュウゥゥゥゥゥウッ!!

 

 ズドドオォォォォォオン!!

 

 「ギィヤァァァァァァァァア!!」

 

 「グワアァァァァァァァアア!!」

 

 狙い違わず………発射装置のレーザー誘導で相手を捕え続けていたので当然だが………ミサイルはワイバーンに直撃した。

 

 ハイセが持つ知識の通りならば、例え対空ミサイルが直撃してもワイバーン相手では致命傷にはなりにくいが……

 

 「わあっ!」

 

 「があっ!」

 

 ズン!!

 

 ドシャッ!!

 

 ……上に乗っている人間はひとたまりもない。

 

 ワイバーンに騎乗していた敵は直撃した爆風と着弾の衝撃で振り落とされ、そのまま地面に落下してピクリとも動かなくなる。

 

 そして、敵集団がバリケードを乗り越え始めたその瞬間………

 

 ピッ

 

 ボワアァァァァァア!!

 

 「ギャアィァァァァァァ!!」

 

 「熱い!!熱いいぃぃぃぃ!!」

 

 ………発火装置のスイッチを入れ、敵集団を火だるまにした。突如、炎に包まれた敵は髪や皮膚そして気管を焼かれて悶え苦しむ。

 

 (………成り行きだったが、伊丹三尉をこの場に来ない様に指示して結果的に正解だったな………)

 

 伊丹の過去について昔に偶然聞いていたため、アキラはそう考えていた。

 


 

 兵器解説

 

 ・試作高周波ブレード

 

 ハイセや半兵衛、武臣が使用している接近戦用の試作兵装。

 

 ブレードの刃先部分に高周波を発生させ、物理学上あらゆる物体を切断出来る日本刀型の試作武器。

 

 ハイセが持つ“ユキヒラ”はバッテリー効率の、半兵衛が持つ“ツナギver.1α”は刀身の耐久性の、そして武臣が持つ“ツナギver.1β”は刀身交換のコストパフォーマンスの検証用試作武器だったが、“鬼神”同様に急遽実戦投入された。

 

 劇中で単に“ツナギver.1”と呼ばれているのは、αとβの呼称は試験目的のために呼び分けているだけの仮称で基本的に同じモノだから。

 

 イメージとしてはredEyes本編でゼップ·ジベルノウが振り回していたアレです。

 

 ・高周波ダガーナイフ

 

 前回の劇中にハイセがワイバーンの背中に突き立てていたモノです。こちらは制式採用武器。

 

 前述した高周波ブレード同様あらゆる物体を切断出来るが、バッテリー効率が悪く使用する度に刃を交換する必用がある。

 

 劇中では書かれませんでしたが、ハイセはこれを突き立てた後に柄から刃を切り離しています。

 

 通称「プログレッシブナイフ」

 

 命名は某オタク自衛官

 

 ・改良型スティンガーミサイル

 

 とある市場でダブついていた(あくまで本作品の世界での設定です)スティンガーミサイルを捨て値で買い叩き、秋葉原のジャンク部品を使って改良したもの。

 

 よく知られる様に、自衛隊の採用される兵装は異常なほど割高である。本武装はそういった資金難から少しでも格安で武器を調達しようと考えられ作られたモノ………どこの組織でも下の人間がこういう涙ぐましい努力をしてるんですよ………上は知ろうともしないケド。

 

 元は赤外線追尾機能が古すぎて使い物にならず、物をよく理解できていない商人が不良品扱いにしていたモノ。それの赤外線追尾機能をオミットし、代わりにコブラで採用しているレーザー誘導装置を例のジャンクパーツで製作して取り付けられている。

 

 そのため撃ちっぱなしミサイルとしては使えないが、SAAの様に装甲を持つ隊員が隠れながらレーザー誘導する分には何ら問題は無い。また本武装は防衛装備庁の職員によるハンドメイドで、個体によって性能にバラツキがある。

 

 劇中で使用しているモノは組織内の資金繰りのシミュレーションの一環としてであると共に、その武器の性質上一般部隊には回しにくいためにハイセ達に回していたモノで、劇中彼らは無防備だったので内心ではかなりビビっていた。

 




 今回で

 コブラ登場
   ↓
 ワイバーン撃墜
   ↓
 帝国軍一掃
   ↓
 伊丹(不本意にも)昇進

 までは書きたかったのに………

 我ながらホント展開が遅い………

 今日中(今年中)に終わらせられるかな………

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