唐突ですが、私の実家は同じ県内にあるためちょくちょく帰っています。
んで、実家に帰った時の楽しみはというと……
モフモフモフ スリスリスリ ナデナデナデ
クンカクンカ モフモフモフ スリスリスリ
ナデナデナデ プニュプニュプニュ
……実家で飼っているネコを愛でる事です。
ガブッ!!ザシュッ!!ザシュッ!!
ハッハッハ。喜んでくれて何よりだ。
ニャァァァァーーァァアン!!
ハッハッハ。憂いやつ憂いやつ。
バッ!!ダダダッ!!フンッ!!
ハッハッハ。ツンデレさんめ。
今回は“門”が現れた事によって起こった、世界各国の態度と本音……そして自衛隊の“門”への突入です。
それでは!本編スタート!!
銀座付近に居合わせていた自衛隊員と警官隊の奮戦、そして自衛隊の緊急出動によって比較的早い段階で武装集団の殲滅に成功したものの、その傷痕は深く多数の犠牲者………それも殆どが、たまたま銀座に居合わせていただけの民間人ばかりである………が出ていた。
日本史上かつて無い唐突かつ大規模な虐殺に、当然ながら怒りを抑え切れない者………主に銀座の犠牲者達の遺族である………が多く、中には……
「この虐殺の首謀者を徹底的に追求し、実行犯も一緒に一族郎党をかつて無いほど無惨な形で公開処刑しろ!」
……などと過激な事を言う者達まで出てくる始末である……武装集団の一方的な虐殺を考えればそんな声が上がるのも無理からぬ事ではあったが……。
その様な
“銀座事件”より数日後
東京千代田区 国会議事堂内部
「当然の事でありますがその土地は地図に載ってはおりません!」
銀座の戦闘が一段落して永田町の各組織が落ち着いた後、国会議事堂の演説台で北条総理が毅然とした態度で演説を行っていた。
「“門”の向こう側がどうなっているのか?その全てが不明であります!だが、そこに日本政府が未確認の住人や集落があるのであれば……」
総理は一旦、言葉を切ると断言した。
「そう、強弁である事を覚悟して言えば、その未確認の土地………“特別地域”、今後その土地を“特地”と呼びますが、そこは日本国内であると言えます!」
議事堂内部の議員の一部が苦い顔をしている。
主に他国の紐付きである野党議員だ。
「今回の事件において、数多くの犯人を逮捕·拘留しました!逮捕と呼ばなければならないのは我が国に捕虜に対する有事法令がない上、現在の刑法に照らし合わせれば彼らは刑法を犯した犯罪者…テロリストだからであります!」
総理は更に続ける。
「『“門”は破壊するべきだ』と言った意見も出てきているが、それは得策とは言えない!別の場所でまた同じ物が出てくる可能性があるからです!」
紐付き野党議員にとってはその方が都合がいいので、更に苦い顔になる。
「したがって、“門”の向こう側の勢力を交渉のテーブルに着かせる必要があります!力ずくで!頭を押さえ付けてでも!!」
演説の言葉に力が入る。
「また相手を知るといった側面でも、我々は“門”の向こう側へと踏み込む必要があります!危険、または交戦の可能性があろうとも!」
そして、総理は堂々たる態度で宣言を行った。
「従って日本政府は“特地”の調査、そして“銀座事件”首謀者逮捕·補償獲得の強制執行のため、自衛隊の派遣を決定しました!」
この北条総理の宣言により日本で『特別地域対策法』通称『特地法』が新たに制定され、総計三個師団以上の大規模な部隊を派遣する事が決定された。
その間、自衛隊嫌いの野党議員達はずっと渋面のまま北条総理を視線で射殺さんばかりに睨み付けていた………。
この北条総理の宣言に対する各国の反応は様々であった。
例えばアメリカは………
(建前)「日本政府の毅然とした態度と勇敢な決断に我々は敬意を表すると共に、その決断を支持する!また、我が国は日本の“特地”調査に協力を惜しまない!」
(本音)「腰抜けの日本にしてはずいぶん思いきったじゃねぇか?えぇ?オイ?無理しねぇでも代わりに俺が“特地”に踏み込んで落とし前ふんだくって来っから、お前ぇは大人しくしてな!心配しなくても、ふんだくった分はお前ぇにも、ちったぁ分けてやる!ありがたく思えや!」
………と言った所である。
それに対して日本は………
(建前)「お気持ちは有難いが、貴国の手を煩わせるつもりは無い!必要になった時はこちらから協力を頼むのでその時はお願いする!」
(本音)「関係無ぇくせに儲けの匂いが漂って来た途端にしゃしゃり出て来んじゃねぇ!ハイエナ野郎!そもそもこの件でテメェの出る幕は無ぇんだよアメ公!!落とし前は俺がつけっから、勝手にこっちの事情に首突っ込もうとして無ぇで大人しくしてろ!!ヴォケが!!」
………と、返答していた。
ロシアはと言うと………
(建前)「仮に“特地”の資源がこちらへ流入すれば世界経済は間違いなく崩壊する!犠牲になった者達には気の毒だが、世界の安定のためにも“特地”には手を付けるべきではない!」
(本音)「今まで俺の資源でヨソ相手に好き勝手出来てたのに、“特地”の資源が流入しちまったらそれが出来ねぇじゃねぇか!“特地”なんざ放っとけ!どうしてもってんなら俺が管理してやんよ!……あぁ?銀座の犠牲者ァ?島国のサルが何千匹死のうが知ったこっちゃねぇよ!アホンダラ!!」
………と言った所である。
それに対して日本は………
(建前)「貴国に我が国で起こった事態に口出しする権利は無い!銀座の犠牲者達のためにも我が国は“銀座事件”の首謀者逮捕と補償獲得を断固として実施する!」
(本音)「部外者のテメェが我が物顔で口出ししてんじゃねぇ!クソ野郎!!こちとら、どうあっても銀座での落とし前をつけなきゃ収まりがつかねぇんだよ!!勝手な事、言ってねぇで黙って見てろ!!ビッグフット!!」
………と、返していた。
中国はと言うと………
(建前)「日本のくせに勝手な事ぬかしてんじゃねぇ!“門”は俺が管理すべき物なんだよ!いや……“門”だけじゃなく、その向こう側にある物もこの世界も全てが俺の物だ!テメェは貢ぎ物だけ寄越してすっこんでいろ!!島猿が!!」
(本音)「いくら“門”が日本にあるからといって、日本が独占的に管理していいものではない!まして、“門”の向こう側が日本国内であるなど暴論が過ぎる!“門”は国連の管理下に置き、世界で共有すべきである!!」
………と言った所である。
……………………………………………あれ?
………………………………っ!!ああっ!!
本音と建前が逆だった!!!!
(建前)「いくら“門”が日本にry」
(本音)「日本のくせに勝手なry」
………………ふぅ。いかんいかん。
ゴホン!!えーと……………………
ああ、そうそう!!
それに対して日本は………
(建前)「“銀座事件”の原因が“門”にある以上、その要因を“門”の管理も含めて他国に委ねる訳にはいかない!!自衛隊を特地に派遣する目的を果たすためにも、“門”を含めたそれら全ての要因は我が国で管理を行う!!」
(本音)「カビの生えた三流の犯罪組織ごときが勝手な事ぬかしてんじゃねぇ!クソヴォケ!テメェの魂胆は丸わかりなんだよ!テメェが好きに出来る物なんざこの世にチリ一粒も有りゃしねぇんだよ!欲ボケが!!今回の件は“門”の管理も含めて全部俺がやる!!テメェは俺が事を成し遂げるまで指を咥えて大人しく見てろ!!スカポンタン!!」
………と、返していた。
ハッキリ言ってマトモに相手をする必要すら無いのだが………。
他の国も大体は………
「“特地”を一人占めしねぇで、こっちにも分け前を寄越せ!!」
………と言った事を異口同音に喚き立てていた。
日本の外務省は“特地”絡みの件で、ブラック企業も真っ青になるほど、殺人的に多忙になっていったのである。
さて……その頃の伊丹は、というと………
「はあぁ~~~~~~~~~。」
………盛大に落ち込み、ため息をついていた。
同人誌即売会が中止になった事が、未だに尾を引いている様である………面倒臭い男だ………。
“銀座事件”より二週間ほど後
東京目黒区 陸上自衛隊·目黒駐屯地付近
中目黒公園内部 ランニングコース
“銀座事件”の様々なゴタゴタからしばらくして……
一定のペースで走り続ける伊丹に息を切らせる様子は全く無い。いかに不真面目とはいえ、そこはさすがに現役自衛官である。
そこへ、伊丹の後ろから同じくジャージ姿の若手の自衛官が走り寄り、伊丹に続いて走りながら話しかけて来た。
「失礼!貴方が伊丹二尉殿ですね?」
伊丹は彼に見覚えが無いため、声を無視して走り込みを続ける。
だが、若手自衛官は多少戸惑いつつも、めげずに話しかけて来る。
「あの~……伊丹二尉ですよね?」
無視しても延々と同じ事を繰り返しそうなので、伊丹はしぶしぶ無言のまま頷く。
「自分は北海道
若手自衛官………倉田三曹は憧れていたアイドルを目の当たりにしたかの様に、興奮した様子で続けた。
「いや~~英雄ともなれば、きっといろいろといい思いが出来るんでしょうね~~。」
倉田は心底羨ましそうな声色で呑気に続ける……付け加えるが、彼に悪気は全く無い。
だが、伊丹は耐え難い事を聞かされているかの様にプルプルと肩を震わせていた。
「いい~なぁ~~、女の子にもモテモテなんだろうな~~~。」
と、軽い調子で話してた所で伊丹はとうとう……
「うるっっっせぇ!!」
……キレ気味に倉田へ、返していた。
同日 12:10頃
目黒駐屯地 科員食堂内部
倉田は“二重橋の英雄”の名前で伊丹がいろいろと“いい思い”をしていた様に思っていたのだが実際は真逆で、伊丹にとってはただただ面倒なだけであった。
“二重橋の英雄”の
「趣味のために仕事をしている」と公言して憚らない伊丹にとって、それは拷問に等しかったのである。
そんな彼であるから……
「“銀座事件”で同人誌即売会には行きそびれるし、仕事、仕事でここんとこ土日まで休み無しだ………。」
……いや、月月火水木金金と働き詰めでは、彼でなくともその様な愚痴が出るのも致し方ない所であろう。
「大臣に賞詞もらって、昇進までしてて文句言ってたらバチが当たりますよ!」
「望んで昇進した訳じゃねぇよ………。」
愚痴をこぼす伊丹を倉田は窘めるが、伊丹の返答は素っ気ないものであった。
その伊丹の返答に倉田は若干不思議そうな顔をしている。
「本当……欲の無い人だなぁ……」
「あのねぇ!俺は趣味に生きるために仕事してんの!………だから、「仕事と趣味とどっち?」と聞かれたら……迷わず趣味優先なの!」
倉田の言葉に伊丹は飯を頬張りながら反論する……ここ数日の疲れのせいで今一つ覇気は無いが………。
「あっ!伊丹さんも食事ですか?」
そこへ昼食のトレーを持ったハイセが通りかかった。食事に誘っていたのか、ヒデの姿もある。
「よお、ハイセ!午前の訓練は終わりか?」
「ええ、と言っても
親しげに話す二人を余所に、倉田は驚愕した目で伊丹とハイセを見る。
「ハイセって………もしや貴方が
「え…ええ……僕が佐々木です。」
それを聞いた倉田は驚愕のあまりに震え出した。
「ス…スゲェ………“二重橋の英雄”と“並木通りの勇者”のツーショット………」
「並木通りの勇者?」
「知らねぇのかよ、ハイセ?」
隣にいたヒデが呆れた様にハイセに聞いた。
「ああ……いや、伊丹さんが“二重橋の英雄”って大々的にクローズアップされてる事は知ってたけど………」
「ああ……そのおかげで、ここんとこ土日も休み無しだったからな。」
伊丹は珍しく皮肉げにハイセへ言った。
実はハイセやアキラ、ジューゾーにも広報関係の仕事の話が来ていたのだが、ジューゾーはその手の仕事を面倒臭がった上、
普段から勤務態度が勤勉とは言えず、何かにつけて仕事をサボっている伊丹に仕事を押し付ける事に全員
そのおかげで、先述の様に伊丹は休日の無い月月火水木金金な毎日を送る羽目になったのだ。多少恨み節になるのも無理からぬ事である………自業自得ではあるのだが。
「上の都合で伊丹二尉が一般向けに大々的にクローズアップされてたけど、テロリスト相手に真っ先に足止めに向かったお前も隊内では有名になってんだぜ?」
「ウソ!?」
「いや、ホント。」
“銀座事件”当時は気にしている余裕も無かったのだが、アキラ達は周辺の部隊や駐屯地、警察組織に緊急事態の発生と現地の状況を掴みやすくするため、無線はあえてオープン回線でやり取りしていた。
その判断が功を奏して事態が比較的早く伝わり、警察·自衛隊が共に早急な対応が出来ていた………そこまでは良かった。
だが“銀座事件”の翌日。SAAを着装したハイセが銀座の街中でテロリスト相手に大立ち回りしていた動画がYou○ubeにアップされていたのである。
“銀座事件”の当日、皇居へ避難せずに銀座のビルの中に逃げ込んでシャッターを下ろして立て籠り、息を潜めていた民間人も大勢いた。
その中の数人がクローラーの駆動音に気づき、恐る恐る外を覗くとパワードスーツを着た人間(まだSAAは一般的に認知されてはいない)がものすごいスピードで近付いて来ている所であった。
その滅多に見られない珍しい光景につい反射的にスマホを構えて撮影した者が結構な人数いた。その中に海外の報道関係者がおり、日本政府の目を潜り抜け、動画をアップしたのだ。
またその動画の中で、圧倒的な人数差があるにも関わらず一歩も退くこと無く真っ向から立ち向かい、大立ち回りを演じていた事から英雄視されて一気に注目を浴びたのである。
すなわち「あのパワードスーツを着ていた者は一体何者だ?」と。
自衛隊で使用される無線には記録が残されるため、自衛隊及び警察組織にはすぐにそれがハイセであると判明したが、使用していたSAAが試作段階の物である事もあり一般には表沙汰にしづらかった。
そこで同じく皇居内への避難を提案し民間人を大勢救った実績から、伊丹に白羽の矢が立ったのである。彼を殊更派手に英雄として祭り上げる事で、一般の注目を動画から逸らそうとしたのだ。
上の目論見通り一般への目は逸らす事には成功したが、自衛隊内部ではその
この件について防衛省から箝口令が敷かれたものの、人の口に戸は立たず、結果“並木通りの勇者”の勇名は水面下に拡がっていったのである。
その様にヒデが説明すると……
「………勘弁してよ………僕、そういうの苦手なのに………」
「まあそう言うな。やってた事は胸を張れる事だし、伊丹二尉に仕事を押し付ける口実にもなったからな。」
「………俺にあれだけ大量の仕事を押し付けといて良く言うよ………。」
「自業自得っスよ。普段から二尉は仕事を周りに押し付けてるんスから。」
ヒデは上官相手にピシャリと言い放つ。
「あ~…ところで、伊丹二尉?」
「?……何だ?」
そこへ、言い出し難そうに倉田がおずおずと話しかける。
「実は俺……“銀座事件”の時、同人誌即売会に行ってまして………」
「本当か!?」
伊丹は即座に反応する。さっきまでのだれ切った態度とはえらい違いである。
あまりの剣幕にハイセとヒデは引いている。
「え…ええ………その時、俺は現場のすぐ近くに居たのに、自分は何も出来ず………」
倉田は口惜しそうにそう言っているが、伊丹の耳には全く入っていなかった。
「そ…それで、その時一体何をGETした?」
伊丹は当日に即売会に行けなかったので必死だ。
食堂内の注目を集めている事に気付かず、彼は倉田に詰め寄る。
「い…伊丹二尉?」
「いいだろ~?俺とお前の仲じゃないか~。」
倉田が当日同人誌即売会に行っていた事を知って、伊丹は急に馴れ馴れしくなった。現金な男である。
慌ててハイセが止めに入るが、伊丹の暴走は止まらなかった。ちなみにヒデは我関せずを通して、さっさとその場を離れていたとか………。
同日 13:40頃
中目黒公園内部 ランニングコース
「フケツです!!伊丹二尉にそんな趣味があったなんて!!」
「アホか!!俺にだってそんな趣味は無ぇ!!」
倉田は暴漢に会った婦女子の様な悲鳴を上げ、我が身を抱き締めながら走り込みをしている。
伊丹はその後を追走しながら弁明していた。
その後ろにはジャージ姿のハイセとヒデの姿もある。
「ヒデ……一緒に止めてくれても良かったんじゃないのか?」
「ああ言うのは下手に関わらずに他人のフリをするのが一番なんだって!ハイセがお人好し過ぎるんだよ。」
ヒデはしれっと言ってのけた。
「僕は女の子の方が好きなんですよぉ~~~!!」
「バッカ!!俺だってそうだよ!!」
倉田はそのまま逃げる様に全速力で走り去って行った。
伊丹もそれを全速力で追いかける。
「………………」
「ほらな?もう放っとこうぜ。」
「………そうだね………。」
二週間後 16:00頃
目黒駐屯地内部
「?……これは?」
伊丹はその場で支給された戦闘服に袖を通して、怪訝な顔をしていた。
「特地の植生に合わせて新しく作られた戦闘服4型です。」
説明しているのは、伊丹が着ている戦闘服を持って来た
「じゃなくて!どうして俺に
「それは………
「フッ!判らんな!」
目黒に来る前に命令書を受理していた伊丹だが、あえてすっとぼける。
富田はそこへ淡々と(伊丹が目を背け続けている)事実を突き付ける。
「………つまり……二尉が想定したくない事情であるかと………」
この後、全国から選別された自衛隊員が続々と東京の各駐屯地に集結していき、“銀座事件”から二ヶ月半経った頃から銀座の仮設駐屯地へ移動して行った。
そして………
“銀座事件”から三ヶ月後
東京中央区 元銀座六丁目交差点
銀座駐屯地内部 ドーム前広場
ここに特地派遣部隊の第一陣………四個中隊規模の約800名が集結し、その出陣式が行われていた。
日本全国津々浦々から優秀な隊員を選別し、その中から更に優秀な者達で構成されており、
北条“前”総理から政権を引き継いだ本居総理の演説が終わり、変わって引き締まった体躯の壮年の自衛官が演説台に登る。特地派遣部隊の総司令官である
「指揮官の狭間である!」
その一言でその場にいる隊員達が顔を引き締める。
「一ヶ月前から何度も我が方の斥候が“門”の向こうへ入っているが、未だに有益な情報は得られておらず相手側の戦力の規模·質共に不明瞭なままであり、また“門”の付近に敵の姿が確認されているため安全が確保されているとは言い難い!」
狭間のその言葉で隊員達は緊張に包まれる。
銀座に攻め込んで来た軍勢の装備が中世止まりの物だったとしても、“門”の向こうにそれ以上の物が無いとは限らないからだ。
「よって“門”より向こうへ出た後、会敵即戦闘にもなり得る!“門”への突入後、すぐに戦闘を始められるよう心掛けてほしい!またこちらにSAAがあるとはいえ、相手側にそれを撃破出来る方法が無いと言う保障は無い!SAAクラダーの諸君は十分に注意を払ってほしい!」
その言葉にハイセ達は気を引き締める。
彼らはSAAの重装甲を持つが故に最前線へと出る事となる。緊張の度合いは他の隊員達の比では無い。
「まもなく突入だ!」
狭間のその一声で、隊員達はそれぞれの車両へと乗り込んで行く。
SAAクラダーも即座に着装状態となり 、車内へ待機する。ハイセも自分に割り当てられた獄卒·弐式………“銀座事件”で使用していた鬼神は、戦闘データの回収と再調整のため防衛装備庁の研究室に預けてあった………を着装して、装備品である64式小銃改と新型の9㎜機関拳銃、高周波ダガーをチェックする。
特機普通科教導隊の隊長である
銀座駐屯地の周囲のフェンス越しにその様子を見物していた人々………主に銀座駐屯地の傍らに設置された“銀座事件”の犠牲者達の慰霊碑に献花していた人達である………は、固唾を飲んで見守る。中には“自称”平和団体の人間が見当違いのヤジを飛ばしていたが、その数はごく少数であった。
隊員達が車両への搭乗を終えたのを確認した後、ドームの大扉が開き狭間が号令を掛ける。
「突入!!」
そして、その号令に従って自衛隊の車両が次々とドームの中へと入って行った。
その先に何が待ち受けているのか………それは彼らにはまだ知る由も無い………。
兵器解説
・64式小銃改
最新技術で近代化改修を施した64式小銃。
SAA用の主力ライフルの開発と選考が難航していた際に、採用から50年以上経った現在に於いて64式小銃がマークスマンライフルとして非常に優れていた事が発覚したため、SAA·普通科隊員両用新型小銃の開発ベースとなることが決定。
開発元から設計図を引っ張り出し、更に米陸軍でマークスマンライフルとして使用されているM-14 EBRを研究用に購入。64式の設計をベースに問題点の修正・部品点数の削減・M-14 EBRを参考に最新の素材·技術を使用しての軽量化・NATO規格共通の新型マガジン開発·採用による装弾数の増加を行い、SAA·普通科隊員両用のライフルとしてロールアウト。
現在SAAの主力ライフルとなっている。
上記以外の既存の64式小銃との相違点はフラッシュライトやドットサイト、フォアグリップやアンダーバレルグレネードといったM4カービンと共用可能なアクセサリーを取り付け可能な点である。
・9㎜機関拳銃(新型)
SAA用のサブウェポン。
かつて陸上自衛隊で採用されていた機関拳銃はお世辞にも優秀とは言い難かった為、新設計の機関拳銃が開発される事が決定。グロック18CやベレッタM93Rを複数購入して分解し徹底的に解析。それらで得られたノウハウを元にグロック18Cをベースに設計図を引き、SAA·歩兵両用のマシンピストルとして完成した。
“銀座事件”の後、テロリストが使用していた盾や鎧を撃ち抜く事が可能な強装弾が開発された。
ようやくここまで書けた………。
我ながら鷲○麻雀並みの展開の遅さだ………。
本編内ではかなり具体的に地名を書いてはいますが、実は東京の地理に関してほとんどわかっていません。
地名を書く度に○oogle MAPを開いて調べながら書いています。
実際に取材したくてもコロナ禍で移動が制限されてる上に距離がありすぎるんですよ………。
ご意見·ご感想をお待ちしております。