最近はセブン○レブンのカレーフェアの影響か、コンビニのカレーを食べてばかりいる今日この頃……カレーばっか食ってて全身黄色くなりそうだ……
まあカレーはまずハズレを引く事はないし、飽きる事も無いからいいんですケド……カレーフェアが終わった後、カレー粉禁断症状になったらどうしよう……
ま、それはそれとして本編スタートです
日本標準時 19:00頃
とあるニュース特番にて
「こんばんは。今夜は急遽、予定を変更して特別番組をお送りさせていただきます」
若い女性アナウンサーのお辞儀と挨拶を皮切りに番組が始まった。
「さて今回の特番の内容ですが、視聴者の皆様もご存知の通り銀座の中心に『門』と呼ばれる建造物が突如として現れ、その中から中世の兵隊の様な武装勢力と未知の怪物が多数出現。現地に居合わせた民間人数千名が犠牲となりました」
アナウンサーは沈痛な顔で銀座事件の概要を語る。
「あれから4ヶ月。自衛隊による調査の結果、門の向こうに未知の世界が広がっており、現地住民によって国家らしき物が形成されている事が判明してまいりました。今夜は門の向こう側──政府は特別地域…『特地』と呼称しているため、私たちもそれに倣って特地と呼ぶ事にしますが──その特地への日本の対応に関する今後の見通しをお伺いするため、評論家の
「「よろしくお願いします」」
アナウンサーの紹介に合わせて、2人は会釈と挨拶を行う。
「まずは自衛隊側の発表によると、特地側の門に比較的近い集落で穏やかな第1次接触が行われた、という事ですが……」
「穏やかな第1次接触?自衛隊の発表を鵜呑みにして、いい加減な事を言わないで欲しいですね」
アナウンサーの説明を遮って、幸原が切って捨てる。
「……どういう事でしょうか?」
「分かりませんか?学も人生経験も無い小娘はこれだから……面子が傷つくのを嫌って、自衛隊にとって都合のいい発表をしてるに決まってるじゃないですか」
「幸原先生にとって、そう言い切れる根拠は何なのでしょうか?」
「根拠も何も、自衛隊なんてものはそういうものです」
「……そんな答えでは、理由になっていません」
理屈にならない理屈を宣う幸原に、アナウンサーは呆れた顔で返す。
「どうせ自衛隊のことだから、武力をちらつかせて居丈高に……」
「えー…このように政治家でありながら、偏見と憶測でいい加減な事を吹聴している者も多く……」
「アァン?あんた、ケンカ売ってんの?」
幸原の弁舌を遮り今度は小倉が言葉を放つも、幸原はケンカ腰で小倉に食って掛かる。先ほどまでは(彼女なりに)穏やかな物腰を心掛けていたが、ここから口調と一緒に一気に崩れる。
「事実を述べているだけです。確かに人類の歴史は、戦争と侵略と迫害の繰り返しです。強者が弱者を武力で攻撃するような行為は、現在においても世界各国で行われております」
「わかってるじゃない。だから自衛隊も特地で同じ事を……」
「ですが今回の件に関して言えば、攻撃を仕掛けて来たのは特地側の武装勢力です!しかも彼らは宣戦布告すら行わず、現地の民間人を無差別虐殺しました!報復で自分たちが皆殺しにされても文句の言えない様な事を!これはこちらが特地に押し入って一方的に弾圧したのではなく、侵略に対して毅然とした対応を取ったに過ぎません!よって政府の主張する特地側勢力への首謀者逮捕と、保証の獲得の強制執行は至極真っ当な判断です!」
小倉は客観的事実から、自衛隊側に非が無い事を主張して幸原の反論を封じる。
「感情論でありもしない事実をでっち上げて、自衛隊を貶める様な発言をするのはフェアではありません!」
「私は自衛隊が特地に押し入って同じ事をしているのだ、と言っているのよ!」
幸原は小倉の主張を、偏見に満ちた理屈で一方的に断定して反論する。
「あ…あの、2人とも落ち着いて……」
「自衛隊の海外派遣を見ていないのですか!?現地住民から彼らを非難するような声は一切無いではありませんか!!」
「その声が一切無い事自体、やましいことがある証拠でしょう!?現地住民の自衛隊の評価だって自衛隊がでっち上げたものに決まってます!!」
「大昔ならともかく、今は過去·現在のものを問わずネットから情報がポロポロこぼれ落ちる時代ですよ!?ネットの情報を100%統制する事は不可能だ、というのは周知の事実です!!にもかかわらず自衛隊を非難する声がネットを含めてどこにも見当たらないのは、自衛隊が現地で節度を守って行動している何よりの証拠ではないですか!?」
「それは、どこに他所の目があるか分からないからでしょう!?世界の目が無い所では、自衛隊は好き勝手やっているに決まってるわよ!!」
「だから根拠も無く偏見と憶測だけで物事を断定するべきではない、と言っている!!」
「ま…待って、2人とも私の話を……」
「私は自衛隊はそういうものだと言っているだけよ!!それとも、あんたは私が嘘を言っているとでも!?」
「根拠の無い憶測でいい加減な事を言うのは、嘘をついているのと同じです!!そもそも、あなたは銀座事件で犠牲になった方々の遺族の気持ちを考えた事はありますか!?」
「ええ、もちろん!!遺族の方々にはお気の毒だと思っているわ!!」
「それだけですか?」
「どういう事よ!?」
「遺族の方々が亡くなられた家族を偲んで、
「落ち着いて!少しはこちらの話を……」
「彼らが復讐を望んでいると?」
「復讐かどうかはともかく、少なくとも何らかの形で彼らの気持ちの整理をつける必要があるでしょう!!」
「バカバカしい!!復讐は何も生み出しはしないのよ!!」
「それは身内に犠牲者がいない者のキレイ事です!!あなたの発言は犠牲者遺族に泣き寝入りしろと言っているも同じで、彼らに対する侮辱に他なりません!!」
「言いがかりよ!!私に彼らを侮辱する意思は無いわ!!」
「
アナウンサーが弱々しく止めようとするのを他所に、互いの言い分に反発して小倉と幸原の舌戦は徐々にヒートアップしていく。
「貴様の様に現実を理解しようとしない、世間知らずのクソバカが事態を引っ掻き回している!!その事がわからんのか!?」
「黙れ!!《ピー》野郎!!」
「うるせぇ!!《ピー》ババア!!」
「黙れッつってんだよ、《ピー》野郎!!言わせておけば、人を好き勝手こき下ろしてくれやがってこの《ピー》が!!」
「うるせぇってんだよ!!
「誰が《ピー》だ!!テメェこそ、聞きかじった程度の知識をひけらかして評論家ぶってるだけの《ピー》じゃねえか!!」
「やかましい!!この《ピーーー》!!」
「だから2人とも!!やめなさい!!」
ブツッ!!
放送上、不適切な表現があった事をお詫び致します
しばらくお待ちください
東京某所 居酒屋「しんでれら」店内
「あー……これは確かに酷いわねぇ~」
「でしょう?
「そもそも
彼女の言うように、この番組は
(でも妙ね……特地の特番を企画するには、タイミングが早すぎるわ。企画から撮影、放送までの流れも雑で強引過ぎる……。何より撮影中に事故が起こっているにもかかわらず、ロクに編集されないまま放送を強行した。まるで特地の事をどこかへ印象付けようとしているみたいね)
彼女の愚痴を聞いて宥めている先輩──元アナウンサーで現346プロ所属アイドルの川島
「聞いてるんですか?川島センパ~~イ?」
「ああハイハイ、聞いてるわよ菜々美ちゃん。って言うか、私はもうアナウンサーじゃなくてアイドルなんだから「センパイ」呼びしなくていいのよ?」
「いいえ、私にとってセンパイはセンパイですッ!」
頬を赤らめたまま、真剣な目つきで菜々美は言い放つ。絵面だけを見れば、同性相手に真摯に思いの丈をぶつけている様に見えるが──
「……菜々美ちゃん、酔ってるわね?」
──その手に中身を空けたビールジョッキが握られていては台無しである。
そもそも菜々美は瑞樹を「先輩」と呼んではいるものの、同じテレビ局に勤めていた訳ではない上に、菜々美がアナウンサーとして現在のテレビ局に就職した頃には瑞樹は既にアイドルへと転身していた。
瑞樹が元アナウンサーのアイドルとして活躍していて憧れを抱いていたところに、たまたま同じ現場で仕事をする機会に恵まれて気さくに接して貰えていた事から、菜々美はそう呼ぶ様になったのである。
「なぁに、今回の件で良くも悪くも顔を売ることができたんだ。あんたは弄られやすそうな顔と性格してるんだから、顔を知られてさえいれば周りから弄って貰える様に……」
「私はお笑い芸人じゃなく、アナウンサーですよぉ~!!」
カウンター越しにこの店の店長──
「
先ほどからカウンター席でスマホをいじっている店長の妹──同じく346プロ所属アイドルの
「ああ、さっき童顔巨乳アナの菜々美ちゃんが瑞樹さんに泣きついてる百合百合しい写真が撮れたんで、佐々木に送っとるとこ」
そう言って周子はスマホの画面を見せる。その画面にはいつの間に撮られていたのか、この店に来て瑞樹に泣きついていた菜々美の姿が写っていた。ちなみにそのスマホの画像データには、先ほど真剣な目つきで瑞樹を見つめていた菜々美の姿もバッチリ収められている。
「あれ?あの子、今は特地にいるから携帯は使えないはずだけど?」
「つい最近、特地側にも門を通してケーブル引いてアンテナ立てたそうやから、向こうでも携帯使える様になっとるで」
(………これは突っ込んでも無駄ね)
相変わらず謎の情報網を持つ塩見兄妹に、瑞樹は呆れた目を向ける。
「それにしても……あの子、今ごろ元気にしてるかしら?」
瑞樹はお猪口に注がれていた燗酒を煽りつつ、独り言ちるのであった。
さて先ほど瑞樹の感じていた違和感だが、それは菜々美の特番が放送された事をきっかけに、各テレビ局で特地に関する特番が次々と放送された事によって如実となっていった。
日本のテレビ局が次から次へと特番を通して世界中で行われた過去の迫害の歴史を持ち出し、日本が加害者側にまわっているかもしれない疑念を持たせる空気を作り出していた。それと同時に──
『特地の戦闘による民間人死者130名?』
『陸上自衛隊の失態か?』
『政務次官の報道に虚偽の疑い!』
『自衛隊にSAAは必要なのか?』
『SAA技術を不当に独占する政府の実態!』
『不透明な特地の実状!国会での追及へ!』
──マスコミ各社からその様な見出しの記事が次々と躍り出る様になったのである。
その結果、
日本標準時 10:26頃
東京千代田区 国会議事堂 正面入口前
カシャ!カシャ!カシャ!カシャ!
「本居総理!!以前特地における戦闘で民間人の死傷者は出ていないと仰っておられましたが、これは一体どういう事なんでしょうか!?」
「政府は自衛隊の特地での行動を、把握出来ていないのではないのですか!?」
「総理!!一言お願いします!!」
国会前で待ち伏せていた記者たちが、本居へ次々と質問をぶつける。
「えー……まずは報道にあった民間人の死者に関してですが、それは特地に生息する怪獣の災害によるものです」
「怪獣……ですか?」
「その通りです。我々は特地甲種害獣、通称「ドラゴン」と呼称しております」
記者たちは本居の「怪獣」の言葉に訝しげな顔をするも、本居は追加で説明した。
「それでは民間人の死者は、自衛隊とそのドラゴンとの戦闘に巻き込まれたことによるもの、という事なのでしょうか?」
「いいえ、違います。ドラゴンに特地の民間人が襲撃を受けていたところを、現地の自衛官が防衛·救助するために武器を使用しただけです。民間人の死者は全てドラゴンによるものです」
記者たちはいかにも自衛隊側に非がある様な物言いで質問をぶつけるも、本居はハッキリと否定する。
「特地における戦闘での民間人の死者はないと政務次官は仰っておられました。しかしこのような事件が起こり多数の死者が出ていたにもかかわらず、前回公表しなかったのはどういう事なんでしょうか?」
「前回の質問の意図は、門の周辺での現地武装勢力との戦闘とそれに伴う民間人死者に関するものだと解釈していたためです」
「死亡者についてはわかりました。では、避難した民間人に関してですが……」
記者たちの質問は、議会が開かれる時間のギリギリまで続いた。その重箱の隅をつつくよーな絶え間無く続く追及の嵐に、本居は内心で辟易していたとか……。
日本標準時 13:42頃
アルヌス駐屯地 総監専用執務室
「……はい……はい、わかりました。そのように取り計らいます、
カチャ
「ふう……」
「失礼します、
「政府が部下へ出頭命令を出してきた」
「出頭?誰をですか?」
「
「伊丹と佐々木を?あの被害は「ドラゴン」によるものだと……」
「報告したよ。だが
狭間はそう言ったものの、伊丹たちを呼びつけた野党議員たちが事実を捏造してでも被害の責任を追及するであろう事を、半ば以上確信していた。
「で、伊丹二尉たちは今イタリカか?」
「はい。今向かっているはずです」
狭間は現場の現実に一切目を向けず、本国でくだらない
同時刻
アルヌスより北方約百数十㎞地点
「今走ってるのがテッサリア街道。イタリカは……ここか」
街道を走る高機動車の車内で、レレイに確認を取りつつ
「アッピア街道、ロマ川、デュマ山脈……」
(すごく精密な地図……どうやって描いているのだろう?この装置で、向かってる方向がわかる?)
レレイは桑原の持つ地図に地名を一つ一つ指差し教えつつ、自衛隊の持つ道具の数々に興味津々である。
「ああ、これかい?これは
「あーあー……鬼軍曹って呼ばれた
ハンドルを握っている倉田が、バックミラー越しに呆れた目を向けつつぼやく。その脳裏には陸曹候補生課程の頃に桑原から散々罵声を浴びせられつつ、ハイポート走をやらされていた事が浮かび上がる。
一方、テュカとロゥリィは黒川の方に目を向け何か話している様子である。見るとテュカが頬を赤らめている。
「なあ、あの2人何を話していると思う?」
「さあ……何か色っぽい話みたいな感じっスね。佐々木二尉はどう思います?」
『……ノーコメントで』
無線越しに倉田から水を向けられるも、ハイセは一蹴する。女性の話題に横槍を入れるとロクな目に遭わない事を散々実感しているためだ。
このように若干緩い雰囲気のまま、街道を進むことしばし──
「伊丹隊長!前方に煙!」
──街道の先……進行方向に煙が上がっているのを発見し、伊丹は嫌な予感を覚えるのであった。
周子たちの設定は(TADA)先生の「俺が美優にプロポーズするまで」のものを引用させて頂いてます
次回は5/1に更新予定です
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