最近、実家にいる中で最年長の猫が、すっかりおとなしくなっちゃってます
かれこれ20年近く生きてて、いつネコマタになっても可笑しくないので無理ありませんが……時々、尻尾が2本見える事も……
昔は、と言うと──
「おーい!こっち来て、モフらせてよ!」
ペシッ!
「つれないこと言わないで、抱っこさせて……」
ベチッ!
「せめて、頭撫でさせて……」
バシッ!
「………………………………」
(猫にニッコリと笑いかける)
「上等ぢゃねーか!意地でも相手させちゃる!」
「イヤニャアァァァァ!」
──と、まあこんな具合に元気にやり取りしてたのですがねぇ……
んじゃ、本編スタートです
日本標準時 02:54頃
アルヌス駐屯地 航空機駐機場
キイィィィィィィィイン………
ここでは第四戦闘団に配備されている多数の
その一角で健軍率いる第四戦闘団の隊員たちが装備一式を身に付け、集合し整列していた。機体のものを含め、銃器類は全て点検済みである。
「総員傾聴!現在、第3偵察隊がいるイタリカの代表ピニャ·コ·ラーダ氏より支援要請が入った!我が第四戦闘団401中隊はこれを受け、治安回復のため全力を持って出動する!」
健軍は部下たちの顔を一通り見回し、周囲の機体のエンジン音にも負けない大声を張り上げ作戦目的を説明する。
「敵は「盗賊団」およそ600、先日陣地を攻撃した「敵武装勢力」の指揮系統を外れた集団だと思われる!現在、市は大規模な攻撃を受けつつある!既に被害は甚大、我々が行かねばイタリカ市は陥落するだろう!」
隊員たちは健軍の講説へ真摯に耳を傾ける。ようやく
「第四戦闘団の初陣だ、気合入れていけ!!搭乗!!」
「「「「「「「おう!!」」」」」」」
そして健軍の号令を受け、隊員たちはそれぞれに割り当てられた機体に搭乗した。
「では陸将、行って参ります」
「ん…健軍一佐、気を付けてな」
健軍が部下たちの搭乗を確認した後、狭間にそう言って敬礼する──
「加茂、柘植。留守番頼んだぞ」
──とその後、加茂たちを一瞥してニヤリとし、そう言った。
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……」
「陸将!次は我々第一戦闘団を!」
「わかった、わかった……」
すると、とたんに血涙を流しかねないほど悔しがる、加茂たち第一の幹部の面々。
第四の出撃を決定してから、何度も同じ事を訴えているのだ。狭間は目元をマッサージしながら、人知れず嘆息する。
(こいつら、一体どうしちゃったんだ?編成上、出せるのは空中機動の出来る第四だけだと言うのに……)
「例のものは用意出来てるか?」
「大音量スピーカーとコンポ、ワーグナーのCDを既に用意完了しております」
「音源は?」
「ワルシャワ·フィルです」
「パーフェクトだ、用賀二佐!」
「………………」
(こいつらもこいつらでどうしちゃったんだ?キルゴア中佐の霊にでも取り憑かれたのか?……ハァ、今後の展開が予想出来るな……)
おそらく、この後イタリカで繰り広げられるのは、ベトナム戦争を舞台にした某戦争映画の再現であろう。溜まり溜まった鬱憤を晴らすため健軍たちが悪ノリした挙げ句、サーフィンしたいがためにベトコンの村を地獄に変えた
大音響で響く「ワルキューレの騎行」
右往左往する盗賊集団
ヘリから撃ち下ろされる銃弾の嵐
意味もなく撒き散らされるフレア
成す術無く打ち倒される盗賊たち
──そんな有様が容易に想像出来る。
「陸将、では我々もイタリカへ向かいます」
そこへ、XAA-007S《羅刹·弐式》を着装した亜門が歩み寄り、狭間に敬礼する。
「ウム。頼んだぞ、亜門一佐」
「ハッ!」
亜門は勢いよく返礼して、部下たちの待つ
「ワルキューレリーダーより全機!!出撃!!」
ヒイィィィィィィイン………
ババババババババババ………
そして、健軍の号令を合図にヘリが次々と飛び立って行った。地上の隊員たちは手や帽子を降って飛び立つ編隊を見送る。
アルヌス麓の難民キャンプでは、深夜に響くヘリの爆音に気付いて住民たちが外へ出てくる。駐屯地から飛び立って行く多数のヘリを何事かと思いながら空を眺めるのであった。
日本標準時 03:00頃
交易都市イタリカ 南門
「おやっさん!」
「隊長、始まりました!東門です!」
地球側と違って街灯が灯って無いせいか、伊丹たちがいる南門からも東門方向で盗賊が火矢を放つ様子が見て取れた。伊丹たちは外を警戒しつつも、東門方向へ目を向ける。ハイセと富田はSAAを、他の3偵の面々は全員がACIESを着装済みである。
「
「盗賊といっても、元正規兵ですから」
夜襲のタイミングと東門を狙った盗賊たちの判断に伊丹は内心舌を巻く。
「東門からの救援要請は?」
「まだ何も」
仮に出したとしてもまだ少し掛かるだろうな、と伊丹は考えている。遠目から判るのは、にわかに明るくなった東門方向と、そちらから聞こえてくる歓声である。
「このまま、ここでジッとしてても始まらないな……ヒデ、東門方向へドローンを飛ばしてくれ!こっちに別動隊が来てないかの確認も合わせて頼む!」
『了解!』
ビイィィィィィイン……
東門方向の偵察と別動隊の有無の確認·探索のためにドローンが複数飛ばされる。
『 1機が東門上空に到達!映像を送ります!』
「んッ!アッ!」
中トラ改のオペレーター席から無線でヒデがそう言うと、各々のモノクル型モニターに映像を送られる。
「うわぁ……作戦も何も無い力押しだねぇ」
確かに伊丹の言う通り、モニターには盗賊たちが数に任せてただただ愚直に攻め寄せる様子が映る。そして城壁上まで盗賊たちが登り詰め、民兵たちに向かって濁流となって押し寄せて来るのが見えていた。
ドォン!ゴォン!ドゴォン!
すると映像に複数人がかりで門を押さえる様子が映り、同時に何かを叩きつける音が伊丹たちの居る南門まで響いてくる。いよいよ城門が──おそらくは攻城槌を用いて──破られようとしているのだ。だが城壁、城門共に増援の来る気配は無い。
「ヒデ、東門を中心にイタリカを
伊丹がそう言うと、ヒデはドローンを上昇させる。すると──
「やっぱり……これは城門が破られる事を前提として布陣してるね」
「あッ…ふぅッ!んぅッ!ふッ!」
──城門の内側にも柵を立てて通りを全て封鎖しており、その更に内側に民兵が隊列を組んで待機している。
つまり、ピニャは城壁上に民兵を配置して盗賊たちに出血を強いて、必死に防戦していると見せかけた上でわざと城門を破らせ、内側の陣地で更に多くの兵力を用意して決戦に持ち込む作戦を取っていたのだ。
昼間にフォルマル邸へ向かう際に城門周辺の柵の配置を見て、伊丹もハイセもピニャがどんな作戦で盗賊を追い払ったかを察していた。配置を変えていなかった事から、今度も同じ作戦を取ると踏んでいたのだ。
そのため、ハイセたちはピニャが最初から自分たちを囮として南門の守備を任せていた事に気付いていた。もっとも、相手の思惑通りに律儀に使い潰されてやる義理など、こちらには無いが。
しかし、この作戦には重大な欠陥が含まれている。それも、致命的な欠陥が。
「んんッ……なんで…こっち…来ないの?」
「予想通り、あっという間に崩れていくね」
そう……伊丹の言うように、イタリカ側の民兵が崩れていくのが早すぎるのである。
城壁、城門に配置された民兵は言わば捨て駒であり、作戦上援軍は来れない。民兵たちも最初はその意図に気付かなかったために辛うじて防衛に成功させる事が出来ていたが、二度目ともなれば自分たちは最初から見捨てられていると理解している。
そんな状況で戦い続けられる者など、そうそう居るものではない。そのため、この作戦が使えるのは最初の一度だけなのである。
「ぅんあぁぁァァアアン!」
ビクビクッ!ビクンッ!
その時、突如として戦場には場違いな喘ぎ声がすぐ近くで響く。その声の方向へ目を向けると、ロゥリィがハルバードを支えに辛うじて立っている状態で身悶えていた。
「だ…大丈夫か、ロゥリィ?」
伊丹がそう言ってロゥリィに近づこうとすると、レレイに止められる。ハイセも同様に、近づこうとしたところを、テュカに止められていた。
「なんで、近寄っちゃダメなんだ?」
「彼女は使徒だから」
「使徒?」
レレイの返答に伊丹は首を捻る。
「戦場から離れているから、あの程度で済んでいる。もし、彼女が戦場の
「んはッ!あぁあああんっ!」
ドゴォォオン!
レレイが解説している最中にも、ロゥリィは身悶えつつ手にしたハルバードで手近な土嚢の壁をなぎ払っている。
「──彼女が敵と見なした者を、衝動的に殺戮する。そうしないわけには、いかなくなる。それを止めるには、誰にも──彼女自身にも不可能」
レレイの説明を聞き、伊丹は戦慄する。つまり今のロゥリィに近づけば、理由も無く敵と見なされて殺されかねない。ハイセは昼間にロゥリィから聞いた「久々に狂えそう」という言葉を思い出し、それが冗談でも誇張でもない事を、今のロゥリィの有様を見て思い知らされる。
「んッ!はッ!あッん…んあぁッ!あッ!」
ビクンッ!ビクッビクンッ!
「止めらんないの?」
「無理」
その
「戦場で倒れていく戦士の魂が、彼女の身体を通してエムロイの元へ召されていく。それは、亜神であり使徒たる彼女にとって、魔薬の様に作用する。いっそ、狂ってしまえれば楽になれる。けど、それは出来ない」
「死んだ人間の魂が、媚薬になるって事か……」
伊丹が何とも言えないビミョーな顔でそう呟く。
「~~~~ッ、マイガッ!」
「んッ……あらぁ~…ふぅッ…くッ…呼んだ…かしらぁ~?……くぅッんッ!」
「呼んでません」
顔に手を当て、天を仰ぐハイセが思わず叫ぶと、身悶えつつも律儀に返事をするロゥリィ。そして、即座にツッコむハイセ。どーにも、周りに居る女性が残念なタイプばかりなので、思わず天を仰ぎたくなるのである。
「ヤベーよ、起っちまった」
「言うな、俺もだよ」
ロゥリィが悶え始めてから、明後日の方向を向いていた戸津だが、声を聞き続けて、そうぼやく。勝本も、それを聞いて同意する。そっちの趣味の無い者であっても、その気にさせてしまうほどの色っぽい声であったので、無理もない。
「隊長、不味くないですか?」
「うーん……」
後ろでテュカが頬を赤らめ、その横でレレイは意味が判らず
「ヒデ、別動隊は確認できたか?」
『いえ、それらしい集団は確認できません。現在、東門を攻めている盗賊の規模から考えて、戦力を分散させず東門に全て集中させている模様』
(盗賊がこっちに来る気配は無しか……援軍の誘導もしなきゃだし……)
「栗林」
「はッ、はいっ!」
「ロゥリィに付いててやってくれ。後は富田と俺、ハイセの合計5人で東門に向かう!」
伊丹はそう決断する。
「ヒデと仁科は、残りのドローンを爆装して東門に向かわせ、必要に応じて爆撃!遠隔攻撃車両……言いにくいな、
そして、援護で攻撃型ドローンをフル活用するために、ヒデたちにそう命じる。
「残りはここで待機。念のため、外への警戒を怠るな!」
そう言って、伊丹たちは停めてあるパジェロへ向かった。
「ロゥリィ、行くよ!もう少し辛抱して!」
栗林がそう言って、ロゥリィの肩を揺する。
ガシッ!バッ!
「あッ!」
スタッ!タンッ!タタタ……
するとロゥリィはその手を払いのけて城壁上から降り立ち、あっという間に柵を飛び越えて東門方向へ走り去って行った。
「速っ!」
「追尾します!」
パシュッ!カンッ!ゴォッ!
そう言って、ハイセはSAAのランドセルからアンカーを射出し、スラスターを交えた空中機動を駆使して、ロゥリィの後を追う。
「立体機○装置!?進○の巨人かよ!?」
思わず、そう叫ぶ伊丹である。どんな時でも、ネタを忘れない男だ。そんな伊丹を、胡乱な目付きで見る栗林と黒川。
「おやっさん、後頼む!」
そして、2人の後を追うため伊丹と栗林はパジェロに、富田はSAAのクローラーを駆使して東門へ向かう。
キュルルルルル……グオン!
「門開けてー!」
ブロロロロロ……
こうして、伊丹たちは東門への援護に向かった。
日本標準時 04:38頃
東門付近 イタリカ側陣地
東門ではピニャが苦虫を噛み潰したような顔で戦況を眺めていた。戦局の流れ自体は彼女の思惑通りだったが、「緑の人」が味方に加わり士気が上がっていたにもかかわらず城壁で味方の戦線が崩れるのが早すぎるのだ。
城壁上では盗賊たちが濁流の如く押し寄せ、あっという間に乱戦となっていった。指揮を執っていた部下のノーマは多勢に無勢の状況で既に討死。城門、城壁共に落ちるのも時間の問題だった。
ピニャの予測では、前回の戦いで痛手を負った盗賊側は、もっと慎重に攻めてくると考えていた。ところが蓋を開けてみれば、盗賊たちには「慎重」の「し」の字も無く、ただただ命知らずな突撃を繰り返し、対して味方は最初から腰が引けていた。
そんな有様では戦線を維持出来ないのも当然である。
この時にピニャは「頭で考える事と現実との違い」「盤上で駒を動かす事と実際に人間を率いる事の違い」を嫌というほど実感させられた。
やがて最後の民兵が盗賊の投槍で討死し、門が開かれ盗賊たちが入ってくる。だが、攻め寄せてくる様子が無い。
オオー!オオー!オオー!
オオー!オオー!オオー!
盗賊たちが門の内側へ入ってくると、得物を掲げて歓声を上げる。元騎兵の盗賊が、馬にロープで何かを繋いでおり、引きずって中へと入ってくる。
「奴ら、死体を…」
「おい、ありゃペトロんとこの嫁さんじゃないか!」
「あんた!」
「テリウス!何て事だ……」
そして盗賊たちはゴミを投げ込むかのように、イタリカの住民の死体を陣地内へ投げ込んで来る。
「臆病者め!」
「
「悔しかったら、そこから出てきてみろ!」
盗賊たちはヤジを飛ばし、住民たちへ挑発交じりに、次々と死体を投げ込んでいく。品の無い下卑た笑いを上げ、自身の優位を確信しつつ、住民たちを侮辱する。
「~~~~~~~~~ッ!!」
「抑えろ!柵から出てはいかん!」
住民の若者の1人が声にならない声を上げ、羽交い締めにされながらも、ピニャの制止を振り切って今にも柵から飛び出さんとしている。若者を止めている住民も気持ちは同じで、今すぐにでも盗賊を皆殺しにしたい気持ちを抑えており、切っ掛け一つで暴発しかねない。正に一触即発である。
「ヒヒヒッ!…おっ、いい女」
「もったいねぇ、生きてる内にヤっておくんだった」
「「「ギャハハハハハハ!!」」」
ザクッ……ブチブチッ
ヒョイッ!
「ホラよ、返してやるぜ!」
「アデリアッ!…こんちくしょうッ!」
恋人の死体を眼前で
「まっ…待てッ!柵から出るな!」
ピニャは慌てて止めようとするが──
「ニコラに続け!奴らを赦すな!」
「ああ、もう勘弁ならねぇ!」
「旦那を返せぇ!」
「あいつらをブッ殺せ!」
──先ほどの若者を皮切りに、住民たちは次々と柵から飛び出していく。
オオオオオオ……!!
こうして戦況はピニャを思惑から外れ作戦は破綻、東門前は無秩序な乱戦の場と化して行った。
日本標準時 05:07頃
イタリカ中央市街地
現在、伊丹は建物の上へ跳び上がって東門へ向かうロゥリィとそれを追尾するハイセを追い、部下2人と東門へ向かっていた。伊丹と栗林はパジェロで、富田はSAAのクローラー機動を駆使して急行している。
「3Recより401。既に東門にて戦闘が始まっている。位置は白色信号にて送る。繰り返す、敵は東門」
助手席に座る伊丹が「既にアルヌスを発った」との連絡を受けていた401中隊に通信している。ハンドルを握る栗林の運転が
キイィィィィィイン……
「さすがね、富田ちゃん。あのSAAって、ベース機は前までハイセが使ってた物でしょ?もう、手足の様に扱えてるなんて……」
富田の様子を見て、栗林は感心していたが──
(ッ!何て加速だ!しかも反応速度が速すぎる!ちょっとでも気を抜いたら、あっという間に振り回されるぞ!佐々木二尉はこんな機体を…しかも
──富田はハイセのSAAクラダーとしての技量に、改めて慄然としていた。
以前からハイセと自分に、クラダーとしての技量に水を開けられている事には、なんとなく気付いていた。だが、ハイセの使っていた機体を自分が使うことになって──しかも、今使っている機体は富田に合わせてデチューンされている上、リミッターが再搭載されている──改めて、その技量差を実感させられる。
(こんなSAAを扱えるクラダーが、ゴロゴロいるって……特機教導隊は、そんなバケモノ揃いなのか?)
パシュッ!
擬似的な空中機動でロゥリィを追尾しているハイセと、伊丹の打ち上げた信号弾を視界に収めつつ、富田はそんな事を考えていた。
日本標準時 05:14頃
アルヌスより北北西 約百数十㎞地点上空
そこではアルヌスから出撃した第四戦闘団のヘリコプターの大編隊がイタリカへ急行していた。
『目標まで、あと5分!』
「健軍一佐!3Recからの報告では、既に東門で戦闘が始まってる様です!」
「了解した!」
用賀からの報告に健軍は頷く。
『イタリカを視認!目標まで3分!』
「全機、攻撃態勢を取れ!朝日を背に突入!」
健軍の指示でヘリ全機が上り始めた太陽を背にする形で回り込む。
「用賀二佐、後は任せる!コンポのスイッチを入れろ!」
その声に従い、機内の部下が音楽を再生する。
♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪~……
周囲に曲が響きわたり、隊員たちの意欲も向上する。中には悪ノリして、わざわざ被っていた鉄帽を脱いで尻の下に置き──
「何で、
「タマを守るためだよ!」
──と、某戦争映画のシーンの真似事をする隊員たちもいた。皆、ノリノリである。
「……ここまでやって、後で狭間さんに怒られないですかね?」
「……他所は他所だ、気にするな。俺たちは俺たちの任務に集中すればいい」
編隊の後方を飛んでいる
やがて、編隊の先頭を飛んでいた
シュパァッ!シュパァッ!……
敵も味方も斬られ、撲られ、血飛沫が舞い、馬蹄に踏み潰され、地面が鮮血で塗装されて行く。
もはや、東門付近で戦況を把握できている者は皆無であった。市街地の柵の程近くで、敵味方問わずひしめき合っていたためだ。
盗賊もイタリカ市民も、眼前の敵に剣や槍を叩き込む事に必死で、周りを見る余裕が無い。
ストッ!ヒュゴォッ!
その時、突如として乱戦の真っ只中に1人の少女が降り立った。盗賊も市民も何事かと振り向き、一斉に静まり返る。
その右手には、少女が持つには不釣り合いな、身の丈を越える肉厚のハルバード。その瞳には、少女の美貌に相反して、狂気の光を宿している。
バタバタバタバタバタ………
『Ho-jo to-ho ! Ho-jo to-ho ! Ho-jo to-ho ! 』
そして静まり返った事で、いつの間にか遠くから何か空気を叩く様な音と、聞いたことの無い旋律と歌声が聞こえて来る。
ズドオォォォォォオン!!
ドガアァァァァァアン!!
すると突如として、轟音と共に城門と盗賊集団が大爆発を起こし、盗賊たちが冗談みたいに吹き飛ばされる。
それが死神たちの手による、殺戮劇の幕開けだった。
兵器解説
・汎用型ドローン
比較的ペイロードの大きい民生品のマルチコプター型ドローンをベースに改良を加えられたもの。
機体中央上下にハードポイントを設けて、現場において運用目的ごとに、容易にパーツを付け替える事を可能としている。機体上面には気象観測ユニット、各種電波の送受信用ユニット、レーダードームユニット等を、下面には対地偵察用の各種センサーユニット、簡易運搬用フック、対人爆弾等を接続可能。(対地·対空観測用カメラは標準装備)
これにより偵察、索敵、対空警戒、砲撃·狙撃観測、電波通信·無線の中継、中距離の物資の運搬、簡単な爆装による爆撃での援護などの運用が可能となり、現場での汎用性を持たせている。
今回の任務に際し、運用テストを兼ねて5機(前回の任務から使用していた空撮用ドローンを含め8機)配備されている。
・無線操作式 遠隔攻撃車両
(Unmanned Grapple Vehicle:UGV)
無線操作式の攻撃型ロボット車両
元々は某星の模型メーカーの協力の下に開発された有線式の無人偵察車両で、車両部分とセンサー機器を流用する形でアメリカ製ロボット車両の「SWORDS」を参考に開発を進められた。有線操作のためのデバイスを取り外し高感度の受信用アンテナを搭載、元々搭載されていたセンサー機器を再利用してオペレーター側のFCSにリンクできるように改良されている。
武装は在日米軍基地の武器庫で埃を被っていたマイクロガン(5.56㎜NATO弾を使用するガトリングガン)を格安で引き取って本車両に搭載。また、06式小銃てき弾を使用するために空砲を利用した発射装置も別に搭載されている(ただし一度の出撃で使用できるのは1発限り)。
第3偵察隊では運用テストのため5両配備されており、中トラ改のオペレーター席から操作される。
スイマセン、投稿前の編集に手間取って遅れちゃいました!
もっと早く出したかったのですが……
ご意見、ご感想をお待ちしております