最近は蝉の声が聞こえて来るよーになって来て、もうすっかり夏ですね……気温だけは、とっくに夏のそれでしたが……
それでは、番外編スタートです!
……あ゛~~、暑い……死ぬ~~……
時は少し遡る………
特地派遣部隊出陣式の10日ほど前
東京渋谷区 渋谷駅近郊
その日の課業を終えた
とはいえ、これから赴く催しが「自分の昇進祝い」という名目で開かれている以上、
「あっ!佐々木くん!」
そうして、しばらく夜の渋谷を歩いていると、後ろから聞き覚えのある声で呼び止められた。ハイセが振り返ると、そこには伊達眼鏡と帽子で分かりにくくなっているが、オッドアイに左目に泣き
「
「久しぶりね、佐々木くん。君も向こうへ行く所だったのね?」
ハイセは長身女性こと
彼女とは仕事で東京に戻ってきた時に、ハイセと時間が合えば喫茶店で話をする、所謂“茶飲み友達”である。昔、ハイセが趣味のひとつである喫茶店めぐりをしていた時に偶然出会い、以降は連絡先を交換して偶にコーヒーの飲み交わす仲になっていた。
「さっきLI○Eを確認したけど、他のみんなはもうあっちに集まってるって!だから、早く行きましょ?」
「わ…わかりました」
そう言って、自分を先導する楓にハイセは後を付いて行き、
(やれやれ……
ハイセは内心ため息をつきつつ、初めて楓たちに呑みに誘われた時の事を思い返していた。
──2年ほど前
12:20頃 千葉県船橋市 習志野駐屯地
「えっ?楓さんの友達と?」
『ええ……「せっかくだから一緒に呑まない?」って。
電話口の向こうで、楓が説明する。
昼休みに楓から携帯に着信があり、挨拶の後に「今夜、一緒に呑みに行かない?」と誘われたのである。
その場でハイセが今日の予定を確認している最中に、電話の向こうで人の集まる気配があり、何やら騒がしくなる。楓に訊ねると、最近ちょくちょく話題に上がっている「佐々木くん」と電話している最中だったので、興味本位で友人たちが近づいて来たのだという。
そして、先ほどの会話を聞いて「なら丁度いいから私たちも一緒に」という話となったのだ。
ハイセは相手が楓だけだったら応じていたが、大勢一緒でとなるとハイセ自身が人見知り気味な事もあり、どうしても気後れしてしまう。
『そんなに緊張しなくても大丈夫よ。行き先は私たちが行き付けにしてる居酒屋で、
「周子ちゃんの?」
楓は346プロの同僚アイドルである
他にも別口から知り合った346のアイドルの友人が多数いて、
3人ともハイセと
(周子ちゃんか……顔を合わせる度に何か奢らされるのは困ったものだけど、志希ちゃんと同じで根は悪い娘じゃないしな。それに楓さんの友達だったら、それほど無遠慮な人じゃないだろうし、道理も弁えてるだろうから……)
「わかりました。今日は空いてますから、何処で何時に待ち合わせしましょうか?」
ハイセは黙考の末、そう答えていた。
『良かったぁ~。最近は君を紹介してって、瑞樹さんたちから、よく言われてたものだから……』
「あー……なるほど」
時間があれば喫茶店で顔を合わせる男女、となれば周囲から関係を変に勘繰られるというのも理解は出来る──いささか不本意ではあるが。
(僕にとっては「気軽に相談事が出来るお姉さん」って感じなんだけどなぁ……)
『お姉さん』と呼ぶには、ずいぶん
『………君、今失礼な事考えなかった?』
「イイエ、キノセイデス」
『……そう、それじゃあ……』
それから2人は互いの都合に合わせて、待ち合わせの時間と場所を決めていく。
「……あまりとやかく言う気はないが、大勢の女と一緒に呑みに行くと、大抵悲惨な目に遭うぞハイセ」
「ッ!?
いつの間にそこに居たのか、伊丹
「相変わらずの神出鬼没ぶりですね……まあ、伊丹さんの
「それな?何で
などと話していると──
「居たか!?」
「いえ、こっちではまだ……」
「もっと、よく探せ!俺は向こうを探す!」
──と、いった声が聞こえ始めた。
「おっと、ヤバい!ずらからないと!」
そう言って、伊丹はその場から離れて行った。
「……また、抜き打ちの
「あちらさんも、随分ムキになってるな」とハイセは呆れ返る。
実は、伊丹はこの訓練で
一時はその道のプロ──つまり、警察からの出向者を中心に本気で捕まえに来た事もあったのだが、その追跡すら振り切り逃げ仰せたのである。
「いい加減、諦めてスタート地点に戻って来たら、そこで伊丹が寝っ転がって漫画を読んでいた、なんて事が何度あった事か!」
──とは伊丹の上官のセリフである。
ハイセが内心呆れつつ、伊丹の背中を見送ってからしばし──
『佐々木くん?急にどうしたの?』
「ああ、いえ……知らない間に、すぐ近くに知り合いがいたものだから、驚いてしまって……」
「話し声?……ってことは……」
などと言いつつ、1人の若手自衛官が近づいて来る。
「
「ん?ああ、ハイセじゃねえか」
若手自衛官──伊丹の同僚である剣崎三尉が、ハイセに気づいて声をかける。
『佐々木くん?』
「ああ!すいません、楓さん!」
「あー…こっちは気にするな。続けてくれ」
ハイセが電話中であるのを知って、剣崎は気を使って若干距離を取る。
『えーと……それじゃあ、午後の6時半ぐらいに渋谷駅の近くで……』
「あっ、はい!その時間なら大丈夫なんで!」
それから一言二言、言葉を交わしてハイセは電話を切った。
「何だ?デートの約束か?」
「奥手な顔してやるじゃねぇか」と剣崎はからかう。
「あ…いえ、そう言う訳じゃ……」
「照れるな、照れるな!こういう仕事だから、外での男女の交流なんて皆無だし、こんなチャンス滅多に無いからな!」
「後で成果聞かせろよ~」と剣崎は伊丹の捜索に戻って行った。
(まあ、女性と呑みに行く事に違いはないか)
ハイセは剣崎の言動に半ば呆れたものの、そう考え直すのであった。
同日 19:30頃
東京某所 居酒屋「しんでれら」店内
──さてはて、そんなこんなで呑み本番。
始まる前までは、淡い期待(どんな?とは言わないが……)を抱いていたハイセであったが──
「ちょっとちょっと、佐々木くん!呑みが足りないわよ!若いんだから、まだまだいけるでしょ?」
「ちょっ……楓さん!?
ゴクゴク……
「
「うっ…」
グビグビ……
「
「店長♪瓶ビール追加だぞ☆」
「
「オイ!“佐藤”じゃなくて“はぁと♡”だと言ったろ?覚えとけコラ!」
「ア、ハイ」
「店長~!日本酒を追加で!」
「あ、こっちもお願い!」
「楓さん!川島さんも!2人とも、そんな呑み方してると、一気に悪酔いしますよ!」
「あら、なぁに?「私たちが、もうそんなに若くないから」って言いたいのかしら?」
「ア、イエ……ベツニ、ソウイウワケデハ……」
「店長!生中追加で!」
「
「そっから先を口にしたら、シメるわよ?佐々木くん」
「ア、ハイ」
──秒で後悔した。
(
それが現在の偽らざるハイセの心情だ。
「はじめまして。習志野駐屯地所属の佐々木 琲世、階級は准陸尉です」
「まあまあ、堅い挨拶は抜きにして。ホラ、カンパ~イ!」
──と自己紹介もそこそこに、呑みが始まってから、わずか1時間足らず。ハイセが餌付けされる野良猫よろしく、酒や肴を次々と薦められるがまま口にしていて、気がつけばこの有様である。
現在ハイセの周りでは、駐屯地の同僚が見れば唖然とする光景が繰り広げられていた。
(ちょっと、仕事は?見てないで、止めてくださいよぉ!)
チラリとカウンターを見ると、店長の塩見
ハイセが目線でヘルプを求めていても、2人はどこ吹く風。全く意に介した様子は無い。それどころか、こちらの様子を見て腹を抱えて大笑いしている。その有様には、さすがのハイセもイラッとする。
「ちょっとぉ~!聞いてるの?佐々木くん!」
「ああ、はいはい!聞いてますよ」
酔った勢いで、ハイセに愚痴をこぼしていた元346プロ所属のアナウンサーで、現在は同所属のアイドル──川島 瑞樹が、ハイセが余所見をしている事に気づき絡んで来る。
「全く……あのセクハラ常習の、ディレクターときたら……」
──と、本日何度目かわからない、愚痴が始まっていた。
ハイセも最初は真面目に話を聞いていたのだが、こう何度も同じ話を聞かされると、さすがに酔っぱらい相手にまともな会話は成り立たないと悟り、適当に聞き流す様になっていた。
ドスッ!
そこへ突如、ハイセの背中に柔らかい感触がのし掛かってくる。同時にやたらと酒臭いにおいが漂うため、全くありがたく感じない。
「佐々木くん!楽しんでる?」
「片桐さん?ええ、まあ……」
ハイセは声の主──元婦警で、現346プロ所属のアイドルである片桐 早苗に、曖昧な笑顔で答える。
カシャッ!キュィン……
「何よ、グラス空になってるじゃない」
トクトクトクトクトク………
そう言って、早苗は瓶に残っているビールを、ハイセのグラスに注いでいく。呑まないと何を言われるかわからないので、ハイセは注がれた先からビールをすぐさま呑んでいく。
「ぐすっ、ううっ……佐々木さん!聞いてくださいよぉ~!ぐすっ……」
「
「オイ、佐々木!美優ちゃんが酔ってるのをいいことに、変なことするなよ?殺すぞ?」
「三船さんを泥酔させた張本人が、何を言ってるんですか?佐藤さん」
周囲の友人たちに弄られ続けて、とうとうハイセにヘルプ要請してきた女性──元OLで、346所属のアイドルである三船 美優を宥めつつ、同じく346所属のアイドル佐藤 心(自称しゅがーはぁと♡)に、ハイセは思わず突っ込む。
ヴーーッ!ヴーーッ!……
と、その時ハイセの懐のスマホから、バイブレーターコールが響く。
すぐさまスマホを取り出して画面を見ると、L○NEで複数のメッセージが送られていた。中身を確認してみると──
うづき♡
『大変ですね、佐々木さん』
『まあ、その……がんばってください』
MIO☆
『ドンマイ!佐々木さん!』
『大変だろうけど、ファイト!おー!』
Rin
『佐々木、御愁傷様』
『私でよければ、後で愚痴ぐらい聞くよ』
「………………」
──何故か、今のハイセの状況を知っているかの様なメッセージが、送られて来ていた。
他にも、複数人から同様のメッセージが送られていたが、内容にはどれも佐々木に対する同情的な心情が見られる。それらの事実から、どうやら楓たちの酒グセの悪さは、346プロ内部での共通認識の様である。
それはさておき……
(何故、みんな今日の呑みの事を知ってたんだ?この事は今日の昼に決まった事で、楓さんたち以外に話してないから、知ってる人はいないはずなのに……)
「そー言えば、さっきシャッター音が聞こえたよーな」と、カウンターの方に目を向けると──
「気付くん遅いで、佐々木」
──周子が異様にムカつくニヤケ顔で、スマホを振り振りしていた。
ヴーーッ!ヴーーッ!……
そこへ、再びハイセのスマホにメッセージが送られていた。中身を確認してみると──
鷺沢 文香
『これは一体どういう事ですか?』
『どうして、私の知らない所で、他の女性と呑みに行ってるんですか?』
『どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?……』
「…………」
──ハイセは見なかった事にして、スマホを懐にしまい直した。
カウンターを見ると、周子も自身のスマホを見て顔を引きつらせている。
「あーあ……余計なちょっかいかけて、飛び火しちまったな。俺ぁ、知~らねぇ」
周介は、ここの有様をハイセの知人のアイドルに送信するように焚き付けた張本人だったりするのだが、いかにも他人事の様な顔で周子を見捨てようとする。
「きさまぁぁぁぁぁぁ!!!!」
その態度に、周子が今にも掴みかからんばかりの勢いで周介に詰め寄った。
フッ……………パッ!
そして突如、店内の明かりが落ちたかと思えば、再び明かりが点いた時には、カウンターと座敷の間の通路で周介と周子が対峙していた。何故か2人とも、ファイティングポーズを取っている。
『Raundo 1 …… Fight !!』
そして、対戦格闘ゲームのよーなアナウンスの後、2人は猿◯哲也氏の傑作「タ◯」シリーズの格闘シーンを彷彿させるド突き合いを始めた。(なぜか2人とその周囲の風景の絵柄も猿渡◯也タッチになっている)あまりの急展開に、ハイセ(彼は素のタッチのまま)は茫然としている。
「あのー、止めなくてもいいんですか?」
「いーの、いーの。これは店長たちの宴会芸で、この店の余興みたいなものだから」
楓(なぜかモ◯猿の顔になっている)はハイセの質問にあっさりと答えて、他の酔っ払い(やっぱり◯ブ猿になっている)共々2人を煽り立てる。普段なら美優がオロオロしながらも止めに入るのだが、当の本人は現在酔い潰れて撃沈していた。
その間にも「斬空○動拳!」「竜巻○空脚!」などのかけ声と共に、ド突き合いは激化の一途を辿って行く。
その後2人のド突き合いは、周子が瞬○殺で周介をKO(何故かその時、某拳を極めし者のよーに周子の背中と
「……で、兄ちゃん。
「……気が済むどころか、お前に3倍返しされたんだが……」
「……まあ酔った上でとはいえ、
「普段だったら、周りに居るのは女ばかりだから、むしろご褒美なんだけどな」
「……いえ、こっちは酔っ払いに絡まれて、いい迷惑なんですが……」
突如、背後から響く声に周介たちが振り向くと、心底疲れきった顔をしたハイセが、そこにいた。見れば髪がボサボサになっており、着ている服もずいぶんと乱れている。
「あれ……佐々木?楓さんたちはどないしたん?」
その質問に対して、ハイセは無言で背後の座敷を指差す事で答える。
死 屍 累 々
座敷の有様はまさにその一言で、それを現す様に楓たちは全員酔い潰れていた。
「え、うそ?あれから、全然酒呑まんと断わり続けとったん?」
「……
「断れるわけないわな。けど、せやったら、結構な量呑んだはずやけど……」
「どういうわけか、平気だったんだよ……」
どうやら、ハイセは本人も気付かないほどの結構な酒豪の様である。これまで呑む機会がほぼなかったので、本人も知る由はなかったのだが……。
ゴトッ…ゴトッ…
「よーし、佐々木と言ったか?それじゃ、今度は俺と呑み比べと行こうじゃないか」
そう言って、周介はカウンターの奥の棚から500mlペットボトルのサイズの酒瓶を、2本取り出す。
「それは?」
「スピリタスと言って、ウォッカの一種だ。聞いたことはあるだろ?」
「まあ、名前ぐらいは」
「こいつを互いにストレートで潰れるまで呑む。先に潰れた方の負けだ」
ゴトン…ゴトン…ゴトン…
そして、更に同じ酒瓶をカウンターの上に並べていく。
「ちょっ……ちょっと!それ下手したら、急性アル中で救急車を呼ぶ事になりかねないんじゃ……」
「なーに言ってんだ?こんな酒の10本20本なんか、フツーに空けられるだろう?むしろ、他の連中が弱すぎるんだよ」
「それ一体、どんな常識なんですか!?」
何を当たり前の事を──と、言わんばかりの周介にハイセは必死にツッコむ。
「まあまあ、これは塩見家の軽いレクリエーションや。年末の披露宴なんかは、もっとすごい事になるで」
「披露宴で一体何やる気なの!?周子ちゃん!!」
「何って……
「嘘だッ!!」
ハイセは反射的に、某過疎集落の少女のよーなツッコミを入れる。
これらの事から分かるように、実は周介たちはこの年末に、兄妹合同で結婚披露宴を予定している(入籍自体は既に済んでいる)。んで、ハイセも一応その招待状を受けていた……のだが、彼はそれを無性に
「そんな吠えなさんな。そもそもコレは、お前さんと腹割って話すためだ」
「?」
「コレは、今回の呑みを見ていた時の印象だが……お前さん、他人に何処か壁を作って、本心をさらけ出してないだろ?」
「ッ!」
「まあ、人間誰しも秘密だの、隠し事だのを持ってるモンだから、その事自体は別にいい。だが、お前さんは、何処か他人を必要以上に遠ざけてる節が見えるんだ……周子も、昔は他人に心を閉ざしてた事があったもんで、どーも気になってな……」
ハイセは周介のその意外な言葉を聞き、感心していたが──
「だから、コレでベロベロに酔わせてしまえば、お前さんの恥ずかしい秘密も含めて、洗いざらい……」
「…………」
パッ
──続く言葉で、抱きかけた敬意が一瞬にして消え失せる。んで周介が話し終える前に、カウンターにあるスピリタスの瓶を1本手に取った。
バキッ!キュル…キュル……
グイッ!ゴクッゴクッゴクッ……
そして迷わず酒瓶の封を開け、その中身を一気に
ダァン!
「ぷはぁッ!」
「「おぉ~……」」
そして、スピリタスの瓶を、あっという間に1本空けてしまった。その様子に、周介たちは感嘆の声をあげる。
バキッ!キュル…キュル……
グイッ!ゴクッゴクッゴクッ……
ダァン!
「ぷはぁッ!ふう………」
続けてハイセは2本目を呷り始め、あっという間に空にする。
「………………………」
そこで周介たちも、ハイセの様子がおかしい事に気付くが、顔を俯けているため、その表情はわからない。
「いや、あの~………さ…佐々木?」
「…………いいだろう」
珍しく周子が遠慮がちに声をかけると、ハイセは顔を上げた。その目は完全に据わっている。
「……そんなに見たいなら、見るがいい!佐々木の本気!“佐々気”をォォォォオッ!!」
佐 々 鬼 降 臨 !
かくして、東京の片隅の居酒屋に“佐々気”ならぬ“
「おおっ!岡○芽武先生のマンガの、見開きページ並みの迫力や!」
「いや誰だよ、岡田○武って!」
興奮して捲し立てる周子に、周介は冷静にツッコむ。
普段よほどストレスを溜め込んでいたのか、一度
その後ハイセの暴走は、346アイドル部門の幹部である
──2年後
東京某所 居酒屋「しんでれら」店内
早苗が座敷を見回して、乾杯の音頭を取る。
「それでは!佐々木くんの二等陸尉への昇進と、特地派遣部隊での前途を祝して!」
「「「「「「カンパ~イ!」」」」」」
その声に合わせ、皆それぞれのグラスを合わせる。
そんな中、ハイセは最初にこの店に来た時の醜態と、その後の周介たちの扱いを頭に浮かべて、目が死んでいた。
例の暴走の後、我に返ったハイセは穴があったら入りたい気分になったため、ハイセは可能な限り飲酒を避ける様になっていた。
しかし、あれからハイセは地方の任務から首都圏に帰ってくる度に、楓たちのみならず周介たちにも何かと呼び出されて、たびたび呑みに付き合わされる様になっていったのである。
どうやら周介たちは、新しいオモチャを見つけた目でハイセを見ている様であり、呑みに来る度に何かと強い酒を勧めているのだ。
346プロの
ハイセにできることは、大過なくこの酒盛りが終えられる様に、周りの酔っ払いどもを宥め続ける事だけである。
……虚しい努力であったが……
本文中には表記していませんでしたが、この呑みの席には
名前が出なかったのは、この2人は静かに呑むタイプで、周りの醜態を見て静かに嗤いながら呑んでいた、と
次回からは、しばらく休載になります
話をある程度書き溜めたら、再び投稿を始める予定です
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