年末ジャンボいいな♪当たればいいな♪
あんなゆ~め♪こんなゆ~め♪
いっぱいある~けど~♪
みんなみんなみ~んな♪叶えてくれる♪
年末ジャンボが叶えてく~れ~る~♪
………あ~ハイハイそうですよ………
毎年夢破れている者のタワゴトですよ………
ええ、すいませんね……………
今回はアルヌス攻防戦後の帝国サイドです
それでは、本編スタート!
帝国首都 皇城ウラ·ビアンカ
元老院議事堂内部
「大失態でしたな!皇帝陛下!」
議事堂中央にある演説台。そこで元老院議員のカーゼル侯爵………元老院内でのハト派の筆頭である………は歯に衣着せぬ物言いで眼前の玉座に腰掛けている老人………帝国皇帝モルト·ソル·アウグスタスを糾弾していた。
「実に帝国の総戦力の六割の損失!この未曾有の大損害にいかなる対策を講じられるおつもりか!帝国をどのようにお導きなさるおつもりか!陛下の御考えを是非お聞かせ
カーゼルは更に追及する。
「やはり『門』の向こうの民を数人ばかり
だが玉座のモルト皇帝は余裕の態度を崩さず、逆にカーゼルをからかう様な口調で返す。
「カーゼル侯爵………卿の心中は察するものである。
その台詞の最後にはカーゼルを小馬鹿にした含み笑いすらあった。
「確かに此度の敗戦で帝国の軍事的優位が失せたのは事実だ。だが、我が帝国は
「この程度の危機など動ずるものでは無い」と言わんばかりに言葉を続けた。
「戦に百戦百勝は無い。よって、
その
(上手いやり方だ………。これでは陛下の責任を追及するどころか、小さな損失に恐れをなす軟弱者扱いになる。)
誰の責任も問わない。言い替えれば自分は責任を取るつもりが無いという事である。しかも「いつ敵がやって来るかも分からない時に責任者の追及をやっている場合ではない」と巧みに話題を逸らしたのである。
モルトのいかにも「どうだオイ?この状況で責任追及をやれるものならやってみろやコラ!アァン?」といったドヤ顔に、対してカーゼルは「テメェ!いけしゃあしゃあとこのヤロウ!」と苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「しかし敵の反撃からわずか2日ですぞ!たった2日で我が遠征軍は壊滅し『門』は敵に奪われてしまった!」
声を上げているのは頭に包帯を巻いたゴダセン議員である。彼はアルヌスの戦いから命からがら戻って来て、その足で今回の緊急御前会議に出席していた。
彼の言う様に帝国軍は『門』の向こうにあったギンザという街へ攻め入ったが、現地軍の素早い反撃で壊滅的な被害を受け、アルヌスへ撤退した。
しかし進攻の意志を失った訳ではなく『門』のすぐ手前に陣地を築き、更に本国へ援軍要請を行い再進攻に備えていた。
ところが陣地を築き始めた翌日、ゴブリンの背丈よりもふた回りほど小さく車輪に帯を巻いてある奇妙な物を備えた荷車が、馬も御者も無く陣地の手前をひとりでにチョロチョロ走り回っていたかと思えば、大量の鉄の戦象が『門』よりこちらへ押し寄せて来て陣地を押し潰し、その場に居た帝国軍の将兵を蹂躙していったのである。
そのため、帝国軍は『門』を放棄してアルヌスから後退せざるを得なくなった。
「無論、我が軍は『門』を取り戻そうと敵軍と戦火を交えました!」
ゴダセンは生き残った将兵をまとめて、アルヌスの丘の麓からやや離れた場所に陣を敷き直し、援軍を待って『門』を取り戻そうとした。結果どうなったかは
「パパパ!遠くに居る敵兵からこのような音がしたかと思えば我が兵が血を流して倒れておるのだ!あの様な凄まじい魔法は未だかつて見たことが無い!」
ゴダセンは興奮気味に敵の凄まじさを語った。アルヌスでの戦いから無策であの敵に挑む事の愚を思い知っていただけに必死である。
「しかも馬よりも速く走り、軽装歩兵よりも素早く動き、未知の魔法まで放つ敵の重装歩兵の軍勢!兵達はあれを紅眼の悪鬼の群れ、地獄の悪魔の遣い達だと言って畏れております!」
ゴダセンの言う通り、生き残った帝国軍は士気崩壊寸前であった。しかも彼が撤退を呼び掛けていた所、敗北を認めようとしない一部の将兵が敵に夜襲を仕掛けようとした………があっさりと返り討ちに会い、それで撤退を渋っていた将兵も完全に心が折れてしまい撤退に同意した。そして、今朝の早朝に帝都の門までやっとの思いで到着したのである。
彼らは皆、一様にボロボロであり正に“敗残の賊徒”という表現が当てはまる様な有り様であった。その様子からアルヌスでの戦闘の結果は明らかであり、その戦闘の凄まじさを物語っていた。
「更に敵は『門』よりこちらへ押し入って来て、周りに陣を築こうとしておるのです!」
「戦えばよいのだ!」
帝国軍の歴戦の老騎士であり元老院議員でもあるポダワン伯爵が発言する。
「兵が足りなければ属国から根こそぎかき集めればよい!件の重装歩兵には怪異どもをありったけぶつければ事足りる!本当に重装歩兵であればゴダセン議員の言う様な動きが出来るはずがない!どうせその者どもは見かけ倒しであろう!」
現実味に欠けるポダワンの意見にタカ派·ハト派議員達双方からヤジが飛ぶ。次第に彼らはヒートアップしていき、今にも掴み合いの乱闘が起こりかねない勢いで罵り合っている。
そんな中、モルトは悠然と手を上げ静かに立ち上がる。
皇帝が発言する事を察し、議員達は自然と罵り合いを止め、水を打ったように静まり返った。
「余はこの状況を座視する事は望まぬ。ならば戦うしかあるまい?」
皇帝陛下の言であれば否やは無い………しかし、どうやって?議員達に疑問符が浮かぶ。
「諸国に早馬で使節を送り援軍を要請するのだ!ファルマート大陸の侵略を目論む賊徒どもを撃退するため………」
モルトは一旦言葉を切り、高らかに宣言した。
「我々は
皇帝の(身勝手極まりない厚顔無恥な)宣言に議員達は歓声を上げ、議事堂内は拍手に包まれる。
そんな中カーゼルは一人、暗い顔をしていた。彼は皇帝の目論見をいち早く見抜いたためである。
「陛下………アルヌスは人馬の躯で埋まりましょうぞ?」
皇帝の悪辣なやり口にカーゼルは提言する。
「無論、余は必勝を祈願しておる。だが戦に絶対は無い。連合諸王国軍が賊徒に敗れる事もあろう。」
だが皇帝はその言葉にしれっと返答する。
「そうなっては悲しい事だな………。」と締めくくった皇帝にカーゼルはもはや言葉も無かった。
「お疲れ様です、ゴダセン閣下!」
元老院議事堂を出てからしばらく、皇城内の下男や召使いも出入りしているエリアに入り人目が少なくなった所で、一人の青年がゴダセンに声を掛けた。
「アントニオか………。」
青年はアルヌスでゴダセンを救助した兵卒………アントニオであった。彼はアルヌスから帝都まで戻る途上で紆余曲折あり、今はゴダセンの従卒になっていた。
「会議の結果はどうなったのですか?」
会議の内容と結果を聞いてくる彼に、ゴダセンはその会議の有り様に嘆息しつつ内容を伝えた。
「何ですかそれは?ゴダセン閣下ほどの御方が事実を過不足無く伝えたにも関わらず、議員達はその程度の認識しか持てなかったのですか!?」
「後方で
本国の者達の認識の甘さに思わず吐き捨てるアントニオに、解っていた事だとゴダセンは窘めた。
話をしながらゴダセン達は皇城の外へと歩いて行く。
「しかも、諸国の軍を集めてあの敵に無策でぶつけるなど、正気とは思えません………。」
アルヌスの敵軍の恐ろしさを知るアントニオは、無知というのはこれ程までに危険な物なのか………と驚愕せずにはいられなかった。今更ながらかつての自分の無知さ加減に背筋の凍る思いがする。
「せめて敵軍の情報を諸王国軍に伝えなければ、我々の二の舞に………」
「解らぬかアントニオ?
わずか数日の付き合いだが、ゴダセンはアントニオの察しの良さと頭の回転の早さを理解していた。だからこそアントニオは小さな農村出身の平民でありながら、ゴダセンの従卒になるという異例の抜擢を受けたのである。
それ故にゴダセンは皇帝の意図を短く伝え、アントニオもまたその短い言葉でゴダセンの言わんとしている事を察した。
「………仮にそれで帝国の軍事的優位性を維持出来たとしても、それと引き換えに周辺諸国の信頼が完全に失墜してしまいます………。」
「陛下は既に帝国軍の威信が地に墜ちていると御考えだ。ならば諸国の国力を削った方が帝国の利益になると御考えになったのであろう。」
アントニオはいくら帝国のためとはいえ、諸国軍を騙す様な形で死地へ向かわせる様なやり方に憤慨を隠せなかった。彼に言わせれば、それで苦しむ事になるのは前線で戦う兵達であり、ひいては民達なのである。
「………私ならばこれを機に融和政策に方向転換して他国との関係強化を図るのですが………。」
「それはお前のやり方だ。陛下には陛下のやり方がある。」
ゴダセンはアントニオに諭す様に言った。
やがて外へ出たあと背後にそびえ立つ皇城を見上げ、ゴダセンは語る。
「現場と後方との認識の解離は世の常だ。組織の規模が大きくなる程それは顕著だ。帝国は急速に大きくなりすぎた。」
「……………」
ゴダセンの言葉をアントニオは神妙な顔で聞く。
「そして組織が大きくなれば末端は腐り始める。樹木に例えるならば成長し切った枝葉が枯れる様なもので避けようがない。枝葉が枯れるだけならばまだよいが、腐り始めて幹に影響が出始めては最悪樹木そのものが枯れて倒れてしまう。」
「ならば帝国そのものに悪影響が出る前に我々が………」
「事はそう単純ではない。善意でやっていた事が却って周囲に悪影響が出る様に、我々自身が樹木にとっての腐った枝葉になるやも知れぬ。」
「……………」
「アントニオ、お前はまだ若い。まずは学べ。政を戦を商いを。それらを身に付けて行くうちにお前自身の目指す物も見えてこよう。」
それだけ言うと、ゴダセンは再び歩き始めた。アントニオは先程までのゴダセンの言葉を反芻しながら、ゴダセンに追従していくのだった。
おまけ
未公開シーン
「戦えばよいのだ!」
帝国軍の歴戦の老騎士であり元老院議員でもあるポダワン伯爵が発言する。
「兵が足りなければ属国から根こそぎかき集めればよい!件の重装歩兵には怪異どもをありったけぶつければ事足りる!本当に重装歩兵であればゴダセン議員の言う様な動きが出来るはずがない!どうせその者どもは見かけ倒しであろう!」
「連中が素直に従うものか!」
「引っ込め!“ピー”ジジイ!」
「何だと!“ピー”野郎!」
「うるせえ!所詮“ピー”するしか能の無い“ピー”ジジイが!テメェはとっとと隠居でもして“ピー”してりゃいいんだよ!この“ピー”が!」
「黙れ!お前こそ田舎に帰って“ピー”していろ!この“ピー”野郎!それとも“ピー”するだけの度胸も無いのか?この“ピー”め!」
「何だと!この“ピーーー”!」
徐々にヒートアップしていく議員達。あまりの罵詈雑言に皇帝は目が点となっており、カーゼルに至っては「栄えある帝国貴族が“ピー”などと……」と呆れ返る。
その間にも議員達は更にヒートアップしていった。
「この“ピー”の“ピー”ジジイ!いい加減“ピー”しやがれ!“ピーー”めが!」
「うるせえ!“ピーーー”!!“ピー”するしか能の無い“ピー”野郎が偉そうに!」
「やかましい!!この“ピーーーー”!!!」
ブツッ
元老院議員達による聞くに耐えない罵り合いが続いております
しばらくお待ち下さい
また、不適切な表現があった事をこの場を借りてお詫び致します
反省も後悔もないけどな!
オマケの未公開シーンは本編に組み込むかどうか最後まで迷ったのですが、雰囲気が壊れてしまうのとこのままボツにするのはもったいないためこんな形になりました
次回は特地派遣部隊と連合諸王国軍の激突!
出来れば年内に投稿出来ればと思っています
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