とんでもない馬鹿がガラル地方にいるらしいですよ?   作:命 翼

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準決勝編開幕です。何回かに分けてやっていきます。


アマチュアトーナメント準決勝![前編]

 前回のあらすじ!作者からお見苦しい試合をお見せして申し訳ないとの手紙が届きましたぁ。固いわボケェ!あ、始めますね。

 

 ビジョン越しで聞こえてくる大歓声。ガリュウを讃える声と実況が無意識でも耳に入ってくる中、第一試合にて決勝進出を決めた王者の姿をキョウスケは焼き付けるように無言で見つめている。緊張しているのが伝わったのか、ボールから突如ヨクバリスが飛び出し…

 

「らしくないですなマスター。ギャグ線捨てて真面目モードですかな?」

 

「らしくねぇだろうな。こんなに緊張した感情を抱くのはユウリと当たった時以来だ。ワクワクとドキドキが入れ混じった感情を整えるのが大変だ」

 

「我々はどんな時もアナタを信頼している。整えられないというのは無礼ではないですかな?」

 

「言うようになったなテメェも。…下克上起こすぞヨクバリス。俺たちを恥だって言った連中を後悔させてやる」

 

 ヨクバリスの棘のある言葉に抱いていたモヤモヤがスッキリしたのか。バトルコートの準備が出来たとの報告をしに来た大会スタッフに対し、その顔を見つめながら頷いたキョウスケはヨクバリスをボールの中に戻し座っていたベンチからスッと立ち上がる。

 

 来る第二試合に向けてクモンやリーリエ達が観客席に座り込む中、ざわざわとしている観客を黙らせるかのようにスタジアムDJが喋り始める。

 

「お待たせしました!アマチュアトーナメント準決勝!第二試合!まもなく開幕です!まずは左コーナー!ここまで上がって来たのは果たして奇跡か!それとも実力か!ガラルの恥がシュートに降臨!キョウスケ選手!」

 

「キョウスケ様ぁ!期待しておりますぞぉ!」

 

「そして右コーナー!仮面の下に包まれた表情は果たして誰のためか!何者か分からない天才がシュートにて輝きを見せられるか!ミケ選手!」

 

 左の通路からキョウスケが、そして右の通路からミケがゆっくりとバトルコート中央にへと足を運んでいく。キョウスケが真顔な事にリーリエ達が少し驚きを見せる中、キョウスケとミケ。違うブロックから進んで来た二人がガリュウというたった一人の王者の為に向き合う。

 

「先程の席では無礼を働いたわね」

 

「ホントだな…って。お前どこかで聞いた事のある声…」

 

「アニキには誤魔化せないとは思っていた。そう私よ」

 

「嘘…!?」

 

 キョウスケやミリさらにクモン達が驚きを見せる。ミケが仮面を外したその素顔は何とレイカ。この大会の前のキョウスケが戻って来た際には全く持って姿を見せなかったが、このまさかの出来事にキョウスケは呆気に取られたような感じたで大きく笑う。

 

「まさか大会にエントリーしてるなんてな。然も偽名で」

 

「最初からバラしたら面白くないでしょ?」

 

「俺の妹らしいわお前。それじゃ早くやろうぜミケさんよ」

 

「わざとらしくない?でも賛成。さ…やりましょ」

 

 まだリーリエ達が驚きを見せチャンピオン席で見つめていたユウリも思わず笑みを浮かべる中観客のざわめきを受け止めながら、二人は距離を取って行き再びボールを出してから向き合う。審判のロトムが降り立ってくる中、レイカは仮面を投げ捨てキョウスケに向かって笑みを浮かべる。

 

「3、2、1。バトル…スタート!」

 

「行くよヌケニン!」

 

「行くぜヨノワール!」

 

「ヌケニン…!?」

 

 レイカの一体目はヌケニン。そしてキョウスケの一体目はヨノワール。両者がポケモンを出し合った瞬間にスタジアム中から大歓声が巻き起こりキョウスケ、レイカ共に表情を引き締める。まさかのレイカとキョウスケという兄弟対決に複雑な思いで見ていたミリ。

 

 彼女の思いとは裏腹にガリュウとの決勝相手をかけた第二試合が幕を開ける。

 

「がんせきふうじ!」

 

「ヌケニン、かげうち!」

 

 ヨノワールが念力にて岩を浮かばせると岩をヌケニンに投げつけていく。ヌケニンは地面に潜り込み、岩を回避。そのまま物凄いスピードでヌケニンはヨノワールの背後に回り込むと、丁度振り返ったヨノワールに向け突進。腹部に直撃させヨノワールを吹き飛ばす。

 

「つ、強い!」

 

「大丈夫かヨノワール!?」

 

「追撃するよヌケニン!はいよるいちげき!」

 

「シャドーパンチ!」

 

 地面に手をつきキョウスケに声をかけられたヨノワールは頷くと再び浮かび始める。その隙を見逃さないとばかりに指示を出したレイカに対してキョウスケもヨノワールが一撃を耐える事を信じて指示を出す。背後から迫って来たヌケニンが再びヨノワールに突撃。

 

 ヨノワールに突進を喰らわすも何とか踏ん張り、ヨノワールが反撃に転じ背後にいるヌケニンの身体を掴みそのまま振り向きざまにパンチを直撃させる。殴り抜かれたヌケニンはレイカの前まで吹き飛ばされ…

 

「ヌケニン戦闘不能!ヨノワールの勝ち!」

 

「まさかヌケニンを出してくるとは…!」

 

「ヨノワールでホントに良かった…!」

 

「お疲れヌケニン。後は任せて」

 

 倒れたヌケニンをレイカはボールの中に戻し、2体目のモンスターボールを取り出すと前方に投げる。2体目はトゲキッス。トゲピーの最終進化系のポケモン。ひこうタイプが付いている為ヨノワールにとっては打点のつく相手となる。

 

「まさかのヌケニンからの速攻劇!さあレイカ選手どう対するのか!?」

 

「行くぜヨノワール!かみなりパンチ!」

 

「エアスラッシュ!」

 

 電気を拳に纏い勢いよくトゲキッスに向かっていくヨノワール。そのヨノワールに対抗するかのようにトゲキッスは羽を羽ばたかせ、風の刃を起こすとそのままヨノワールに向かって放って行く。ヨノワールの身体に風の刃が命中したその瞬間、ヨノワールが技を中断し怯む。

 

「っ!?」

 

「てんのめぐみか!」

 

「てんのめぐみ?」

 

「技の追加効果を発生させやすくする特性です。エアスラッシュは確率で怯ませる事が出来ますから…」

 

 怯ませる事が出来る技をしっかりと常備している事にキョウスケは苦笑いを見せていたがこれで怯むヨノワールではなく、ヨノワールがこちらを見つめて来たのを見てキョウスケはニヤリとした笑みに変えると…

 

「よっしゃ!1発かましてやろうぜ!ヨノワール、かげうち!」

 

「来るよトゲキッス!マジカルフレイム!」

 

 ヨノワールが地面に潜り込み影として迫って行く中でトゲキッスはその影に向かって思い切り炎を放って行くが、意外と俊敏なヨノワールの動きに翻弄された挙句、背後に回り込まれバッと飛び出したヨノワールのパンチを喰らう。

 

 大したダメージになってなかったのかトゲキッスは歯を食いしばりながらすぐに振り返ると…

 

「サイコキネシス!」

 

「かみなりパンチ!」

 

 トゲキッスはヨノワールのかみなりパンチを額にまともに食らいながら念力でヨノワールの動きを封じ込め、自分から離した挙句地面に叩きつけた。

 

「ヨノワール!」

 

「ヨノワール戦闘不能!トゲキッスの勝ち!」

 

「これで5対5のイーブン!互いに準決勝まで勝ち上がって来た強者!簡単には終わりません!」

 

 キョウスケはまさかのカウンターでのkoを受けて苦笑いを浮かべていたが苦笑いで済ませられないのが今の状況。ヨノワールをボールに戻すと彼が次に繰り出したのは…

 

「コイツで行くぜ…レックウザ!」

 

「ここで伝説…」

 

「無理もないですよ。多分トゲキッスに打点を付けてスピードでも張り合えるのはレックウザだけです」

 

 キョウスケの手持ちの半分がドラゴンタイプ。それだけにフェアリータイプであるトゲキッスは中々の難敵。レックウザで対処するしか今は思いつかない。

 

「押し切るよトゲキッス!エアスラッシュ!」

 

「アイアンテール!」

 

 トゲキッスの羽を羽ばたかしからの風の刃をレックウザは敢えて地面スレスレの低空飛行でかわして行くとトゲキッスに接近。尻尾を振り回しトゲキッスの顔面に直撃させるとそのまま吹き飛ばし、地面に叩きつけた。

 

「トゲキッス!」

 

「トゲキッス戦闘不能!レックウザの勝ち!」

 

「一歩も譲らない攻防!目が離せない!」

 

「お疲れ様トゲキッス…ゆっくり休んで」

 

 レイカはボールにトゲキッスを戻すと早くも3体目に繰り出したのはカメックス。みずタイプという事もありミリは氷技があるんじゃないかと密かに考える。激しい攻防で開幕したこの一戦、果たして流れを握るのはどちらか。




見てくださりありがとうございますー。
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