とんでもない馬鹿がガラル地方にいるらしいですよ?   作:命 翼

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ついに開戦です。今回は思い切りバトルに入るのではなく開始まで行こうかなと思っています。


王者対常識外。決戦の時

 前回のあらすじ!真面目回にしてしまってすいませんでしたぁ!

 

 アマチュア大会決勝当日。ガリュウ対キョウスケ、王者が優勝を果たすのかまたは下克上を果たすと発言したキョウスケが本当にそれを成し遂げるのか。世界中の注目がガラルのシュートスタジアムに注がれる中、下克上を果たすと言った当人は控え室にて闘志を燃やしていた。

 

「TV越しでもこんなに歓声が聞こえるんだぜ?どう思うよミリ」

 

「アンタはこの注目のガリュウと一緒の大目玉だよ。…さすがにこうなるのは予想外だったけど」

 

 TVを見つめながら笑みを浮かべるキョウスケのそばに居るミリは彼が着用する予定のマントを届けに来た。マントが入ったバッグを持って来た事によって彼女のここでの役割はもう終わっているのだが、一緒にTVを見つめていたミリがキョウスケに向かって呟く。

 

「クモンさん達はもう観客席にいるらしいよ」

 

「お前も今から行くのか?」

 

「うん。みんなアンタの勝ちを期待してんだから。胸張って戦って来い!」

 

「へ…!当たり前だ!」

 

 ミリの激励を受け笑みを浮かべたキョウスケに対して彼女自身安心をすると観客席に向かってその控え室を離れていく。観客席には既にクモンやリュウ、リーリエ、レイカ。そしてそこから離れた位置にキリキにミイ、カオルが今か今かとばかりにバトルコートを見つめている。

 

 観客はTVが伝えていたがシュートスタジアムにおけるジムチャレンジを除けば最大の観客数らしい。それはもうTV越しでも大歓声が聞こえてくる訳だ。バトルコートに出ると地響きが聞こえるぐらいになるのだろう。

 

「キョウスケ様。まもなく時間です。バトルコート前通路にへと足を運び下さい」

 

「なあゴリラ」

 

「ゴリラじゃないです」

 

「似合うか?このマント」

 

 マントを羽織っているキョウスケに声を掛けたのはナックルでもターフでもキョウスケを色々な意味で圧倒し続けたゴリラのような見た目をした大会スタッフ。キョウスケの問いかけにスタッフは無言ながらも頷くと、その頷きだけで十分だと呟いたキョウスケがバトルコート前通路にへと足を運んでいく。

 

 通路からも足元に伝わってくる地響き。ワクワクが止まらないキョウスケは一息吐いたが彼の中では緊張より興奮の方が勝っていた。溢れんばかりの思いを胸に今彼は決戦の舞台にへと足を運ぶ。

 

「お待たせいたしました!アマチュア大会決勝戦!大会王者の称号を手に入れるのはどちらか!まもなく選手入場です!」

 

「あ、ミリさん!こっちこっち!」

 

「ごめんごめん!つい話込んじゃって!」

 

 リーリエに手招きされる形でクモン達の元にミリが合流。大歓声が上がる中黒く何も映っていなかったビジョンにキョウスケの姿とガリュウの姿が映し出される。本気の本気、決勝は6体のフルバトル戦。その下のボールは6体。文字通り総力戦の一戦になるのは間違い無いだろう。

 

「さあ選手入場します!まずは右コーナー!誰がこの舞台に上がってくる事を期待したんでしょうか!下克上を果たすと豪語したその人物が決勝の舞台に立ちます!キョウスケ!」

 

「うおお!キョウスケ様ッ!」

 

「おや?キョウスケ選手、マントを羽織っております!ダンデ選手の真似事でしょうか!」

 

「何とでも言え。絶対勝って黙らしてやるからよ」

 

 右から入場して来たのはマントを羽織ったキョウスケ。歓声が驚きのような声に変わる中、事情を知っているマリィ、ユウリなどは特別席で笑みを浮かべる。それ以外のメンバーも特別席から観戦。全員真剣なのか、その真顔の表情がまるで変わる事はない。そして実況が息を整え…

 

「そして左コーナー!その目に見据えるは優勝の二文字か!チャンピオンコールはまたしても巻き起こるのか!生きる伝説にして絶対王者!無敗の男ガリュウが今登場だぁ!」

 

「チャンピオンッ!チャンピオンッ!」

 

 観客からチャンピオンコールが巻き起こる中、キョウスケとガリュウがついにバトルコートにて対面を果たす。自信満々のキョウスケと無敗の男はどちらも余裕気がありそうな表情で中央にてお互いを見つめる。ガリュウはキョウスケのマントに目をつけると…

 

「似合ってるの方がいいかい?」

 

「てめぇにだけはそれは言われたくねえなガリュウ」

 

「フッ…そうだろうね」

 

「てめぇを倒し無敗に土を付けてやる…覚悟しな」

 

 キョウスケの強気とも見える発言を受けても尚、ガリュウは余裕の笑みを崩さない。そうしているうちにも二人はお互いに背を向けて距離を空けていく。観客達はざわめく。目的が分かっているからだ。ミリ達も祈るような目で見つめる中、お互いが離れてモンスターボールを持ってのを見てロトムが動く。

 

「両者準備はよろしいでしょうか?」

 

「もちろん…!」

 

「ああ、始めてくれ」

 

「バトル…スタート!」

 

 観客がこのコールを受けて大歓声が上がる中、キョウスケは力強くマントを脱ぎ捨てボールを全力で投げる。中から出てきたのはエースのヨクバリス。一方のガリュウは冷静にボールを投げると中から出てきたのはこちらもエースであるケンタロス。

 

「まさかのエース対決…!」

 

「一番の鬼門にして一番の難敵…!兄貴…!」

 

「さぁ君のポケモンと私のポケモン!どちらが勝るか楽しもうではないか!ケンタロス、ギガインパクト!」

 

「ヨクバリス、カウンター!」

 

「無茶だ!耐え切れる筈がない!」

 

 足元が抉れるくらいに強く蹴り出したケンタロスが受け身の体勢を取るヨクバリスに一直線に向かって行く。リュウから思わず声が漏れ、レイカやリーリエ達も歯を食いしばる。そんな中勢いよくケンタロスがヨクバリスに激突。かわしなどしていない、直撃。

 

 観客達が大いに盛り上がりクモン達が息を呑む中、特別席にいたキバナただ一人が笑みを浮かべ…

 

「アイツがホントに何も考えずにカウンターを選んだとでも?」

 

「え?キバナ…それはどういう…」

 

 観客達がケンタロスの勝利を確信する中、ケンタロスがヨクバリスに衝突した際の爆煙が晴れたその時。クモン達が思わず喜びの表情を浮かべる。ヨクバリスは若干のダメージを受けつつもその場から一歩として吹き飛んでいない。あろう事かケンタロスの突進を受け止めている。

 

「ヨクバリス、ケンタロスのギガインパクトを受け止めたぁ!」

 

「…!?」

 

「ヨクバリス、カウンタァ!」

 

 ヨクバリスが目を力強く開けるとキョウスケの声を再び聞き、ケンタロスから少し離れると思い切りそのケンタロスの顔面をヨクバリスは殴り抜き、ケンタロスを自らの近くからガリュウの後方まで吹き飛ばす。確信していた勝利をなくされた観客達は驚きで言葉も出ず、ガリュウも思わず黙り込む。

 

 ガリュウが背後に振り返るとそこには起き上がったとはいえ確かに地面に刻まれたケンタロスが吹き飛ばされた跡。

 

「ごちゃごちゃうるせえな。さっきの言葉が本当に見せかけの言葉だったとでも?」

 

「……」

 

「来いよガリュウ。てめぇのポケモンと俺たちが背負った思い!その格の違いというのを見せてやる!」

 

 クモン達ファンクラブが声を張り上げリーリエ達も笑みを浮かべる。ヨクバリスも耐え切ったとはいえダメージは負っている。お楽しみを不意にしたくないと感じたのか、ガリュウは笑みを浮かべながらケンタロスをこの大会初めてボールに戻し交代。2体目のボールを構える。

 

「ヨクバリス、一旦戻ってくれ」

 

「ヨク?」

 

「大丈夫だ絶対再度お前に繋げっから」

 

「大した者だよ、まさかケンタロスが吹き飛ばされるとは。こういうのだよ…こう驚いてこそポケモンバトルだ!なあ下克上者!」

 

「その余裕をてめぇの負けで潰してやらぁ!」

 

 ヨクバリスをボールに戻したキョウスケ。お互いのエースが一度ボールの中に戻る中、次にガリュウが出したのはガブリアス、そしてキョウスケはヨノワール。一体もやられていないが早くも二人の対決は2体目に突入。まさかのケンタロスが吹き飛ばされる大波乱で幕を開けた決勝。勝つのはどちらか…

 




ここからしばらくガリュウ編が続きます。まさかのヨクバリスに吹き飛ばされる大波乱でしたが、彼はケンタロスだけじゃありません。
お楽しみに。
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