とんでもない馬鹿がガラル地方にいるらしいですよ? 作:命 翼
前回のあらすじ!オンドゥルウラギッタンデスカー!?
「先手必勝で叩き潰す…!ケンタロス、ギガインパクト!」
「いきなり!?」
「フリーズドライ!」
身体に緑のオーラを纏いながら突撃してくるケンタロスに対してラプラスは身体から冷気を放ち、地面を凍らせて行く。軽快に地面を蹴りながら突撃して来ていたケンタロス、然しこの氷がバランスを取れなくさせ勢いが消え失せた事によりオーラが消えた。
「何!?」
「ハイドロポンプ!」
ようやく踏ん張りが付いたのはラプラスの目の前。口から放たれた水流がケンタロスに直撃し、少し吹き飛ばされるがハイドロポンプを持ってしても吹き飛んだ距離は凍らされたラプラス範囲内の地面を抜けるまで。地面を抉りながら踏ん張ったケンタロスにミリ達は息を呑む。
「ハイドロポンプでも少しだけ…!」
「どんな技もかき消して来たケンタロスです。吹き飛んだ事を幸運と思わないと…」
「地面を凍らせてケンタロスのバランスを崩す…考えたな。だが二度は通用しない。アイアンヘッド!」
「10まんボルト!」
ガリュウの表情がさらに引き締まり、ケンタロスは声を張り上げながら再び地面を蹴り出すと、的を絞りにくくするように左右に動きながらラプラスに接近して行く。ラプラスは溜め込んだ電撃をケンタロスに向かって放つが、スレスレの所で当たらず。
驚くラプラス、キョウスケを目の前にしてケンタロスはラプラスの目の前に現れると後ろ足をさらに強く蹴り出してラプラスの身体に突撃。突進をまともに食らったラプラスは一瞬にして、バトルコート外にへと弾き飛ばされるが何とか踏ん張った様子。
「キュウ!」
「ラプラス踏ん張った!一撃でやられていたポケモン達とは違う耐久力だ!」
(アイアンヘッドであんなに吹き飛ぶのか…!他のポケモンとはまるで桁が違う…!勝ち筋はあるのか…!)
「10まんばりき!」
「迎え撃つぞラプラス、ハイドロポンプ!」
ケンタロスは再び足元を蹴り出すと足音を響かせながらラプラスに接近して行く。ラプラスは口を広げると大量の水を放ち、ケンタロスに当てて行くが勢いが少し弱まった程度。吹き飛ばす事も勢いを止める事もできない。
「フリーズドライ!」
「再び勢いを止めにくるつもりか!」
「いいや違うね!」
ラプラスにフリーズドライで凍らせたのはラプラス自身が放っていた水流。凍らせた水流を木っ端微塵に砕いたケンタロスだったがその先にラプラスの姿はなく、ラプラスはケンタロスの左の方から現れ…
「アイアンヘッド!」
「水流は囮か!インファイト!」
「不意を突かれたとはいえパワーはケンタロスの方が…!」
首を思い切り振り下ろすラプラスに対してケンタロスは振り向き様ラプラスに突進して行く。両者の頭部が激しく火花を散らしながらぶつかり合い爆発。その爆煙から吹き飛んできたのはラプラス。だが威力が殺されていた為か大したダメージは受けていない様子。
リュウはその様子を見て一息を吐く。ケンタロスはその場から一歩たりとも吹き飛んでいない。キョウスケの中では大博打の一撃だった。不意を突かれたのに微動だにしないケンタロスにキョウスケは苦笑いを浮かべ…
「パワーだけじゃねえって事かよ…反射神経も狂ってやがる…!」
「どう思いますかリーリエさん」
「よくやっているとは思いますが、どう見てもパワーはラプラスとは桁違い…地道な策は押し切られる気配しか今のところは…」
「自分の相棒を見くびらないで欲しいな。ケンタロス、10まんばりき!」
「攻め手はある…!考えろキョウスケ…!ラプラス、ハイドロポンプ!」
三度地面を蹴り出して迫ってくるケンタロスに対してキョウスケはハイドロポンプを選択。これで3発目。そう何回も使えるものでは無くなってきている。再び左右に動き回るケンタロスを前にして、薙ぎ払うように水流を放って行くラプラス。
だが水流に切れ目が出始めたその時を狙われ、死角となっている方角からの接近。気付きはしたが対処は出来ず、ケンタロスの突進をまともに喰らいまたしても地面を抉りながらではあったがバトルコート内で踏ん張る。
「あらゆる手を使うラプラスに対して力で粉砕して行くケンタロス!これで2つの直撃!被弾を許せない状況になってきました!」
キョウスケが息を吐き、ガリュウが少し睨んだような目つきからその戦況を見つめる。歓声とは違い現場はかなり緊迫とした空気だ。ラプラスの体力は食らった2発の一撃によりかなり削られている、この状況を打破する打開策を求める方が難題という物だ。
だがその策はきっとある。それだけを信じキョウスケはラプラスの方を見つめる。
「10まんボルト!」
「ギガインパクト!」
「ここで2発目を…!?」
「さっきはフリーズドライで勢いを消したが今度は10まんボルトだ。勢いを消す手立てはないよ」
サラッと話すメロン。そしてケンタロスは緑のオーラを纏いながらラプラスに突撃して行く。ラプラスから放たれた電撃は明らかにケンタロスに命中して行くが、命中した電撃がかき消されて行く始末。驚いてはキリがない。迫ってくるケンタロスに対してキョウスケは苦肉の策に出る。
「アイアンヘッド!」
「無理だアニキ!パワーが違いすぎる!」
迫ってくるケンタロスに対してラプラスは頭を振り回し、当てにかかる。レイカの声がクモン達の周りで響き渡る中、勢いが最大値のケンタロスと頭部をぶつけ合うがあっさりと弾き返され、そのままラプラスにケンタロスが衝突。
緑のオーラが爆発に変わって行く中ラプラスはキョウスケの真後ろにへと飛んでいき、壁に叩きつけられる。キョウスケが唖然としビジョンから見ていたカブ達が一息を吐く。
「ラプラスッ!」
「終わったな」
「……」
地面に落ちて来たラプラスに対して誰もがラプラスの敗北を悟ったその時だった。駆け寄ったキョウスケに聞こえて来たラプラスの鳴き声。フラフラながらも立ち上がったラプラスに対してスタジアム中がざわめき始める。
「ラプラス…!」
「あの子まだ戦う気で…」
「ポケモンが無理をする場合、そのラプラスは敗北扱いとなりますが」
「キュウ!」
「……もう少しだけ戦わせてくれ。後一撃でも立ち上がったらこのバトルを引き下げる」
近寄ったロトムがキョウスケの元から離れて行く。身体中傷だらけであり、ケンタロスと比べてもダメージがあまりに違いすぎる。どう見たって勝ち目なんて見当たらない。それでもいい、ラプラスの放つ気迫にキョウスケはたった一撃のハンデの中かけてみたくなった。
「まだやるか。後一撃だ。起き上がれないように仕留める。ケンタロス、インファイト!」
「フリーズドライ!」
「またか!二度の戦術はケンタロスには通用しない!」
そう言い放ったガリュウ。その瞬間何人かがラプラスの目付きが変わったようなそんな気がしていた。ラプラスから放たれた冷気が分厚い氷となって地面を凍らせて行く。ケンタロスがその地面を掻っ切るかと思えば、つまずきバランスを崩す。
二度の事態にガリュウが驚いた中…
「アイアンヘッド!」
「キュウ!」
バランスを崩したケンタロスに一気に近づいたラプラスが頭部をケンタロスに当て、ケンタロスを吹き飛ばす。地面を抉りながら踏ん張ったケンタロスに対してレイカ達が…
「当たった!」
「次で決める!ギガインパクトッ!」
「ハイドロポンプッ!」
「正真正銘最後の一撃となるのかッ!?」
緑のオーラを纏いながら突撃して行くケンタロスに対して4発目となるハイドロポンプを撃ち込んでいくラプラス。激しい光が2匹の間から放たれて行く中、光の後に巻き上がった爆煙。その行方を懸命に見つめていた観客達とキョウスケとガリュウ。
2匹は睨み合いながらその場に立っていたが吹き飛ばされた水飛沫が雨となって降り注いでいく中、そのまま左に倒れ込んだのはケンタロス。ロトムが近づいて行く中、誰も言葉を発さない。見ていたダンデ達も黙り込んでいた。
「ケンタロス…戦闘不能!ラプラスの勝ち!」
「ケンタロス敗れたッ!ラプラスの起こした奇跡がケンタロスの40年間の無敗記録を途絶えさせたッ!」
「勝った…!うおお!勝ちましたぞミリ殿ッ!」
「言わなくても分かってるよ!夢見てるみたい…」
元気に声を上げるラプラスに向かって驚きながらも「お前やっぱすげえよ」と思わず本音を溢すキョウスケ。ガリュウも驚きながらも笑みを浮かべる。観客から驚きの声が上がる中…
「まさかお前が倒れる日を見る事になるとはなケンタロス。よくやってくれた。後は任せてくれ」
「牙城ついに崩れる!さあガリュウ選手、エースを失いどうするか!」
「キョウスケ選手。1体終えました、ラプラスを戻してください」
「一撃とは言ったよな?」
「一体の意味合いに変わりました」
「…分かった」
ラプラスがボールの中に戻され3対2。ビジョンを見るとラプラスの体力ゲージは僅か1。とんでもない底力を見せた事にキョウスケは笑みを浮かべると、ガリュウは次に繰り出したのがエルフーン。キョウスケが繰り出したのがレックウザ。
ケンタロスを出してまで出そうとしなかった2体。その1体目という事になる。真剣な表情となり対する両者。この場にいる誰もがバトルの展開を読めずにいた…
見てくださりありがとうございます!長いバトルになってますが楽しんでくれているなら幸いです。後一踏ん張り。頑張ります!