Rance/Grand Order    作:ベゼルアイ

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お気に入り、評価、感想など、大変ありがとうございます。
ここまで多くの方に見られるとは思っていなかったので、感謝感激です。
これからも頑張っていきます。


ランス04早くでないかなぁ





強くてコンティニュー

「フォウ……フォウ……フォーウ」

 

 真っ暗な世界、そんな意識に響いた動物らしき鳴き声。この鳴き声は……? 

 

 

「フォウ……」

「……ぅぅん」

「先輩! やっと目を覚まされたんですね。体に何かおかしな所はありませんか?」

「……ぇ?」

「どうかしましたか?」

「私……なんで生きてるの?」

 

 それは当然の疑問。あの時、マシュを庇って、化け物の攻撃をもろに受けた私は瀕死の状態で、内心死ぬと思っていた。だって腹に大穴が空いて生きていられる訳がないから。それなのに、目が覚めれば腹に空いていたはずの大穴が、何事もなかったかの様に綺麗に治療されている。人生ゲームオーバーかと思ったら、まさかのコンティニュー。まったく訳が分からない。何が起きたらそんな事になるのよ。

 

「それは……この人が助けてくださったからです」

 

 私の考えを見抜いたのか、マシュはそう言うと、露骨に顔を逸らしながら、自分の後ろにいた人物に振り向く。そこに立っていたのは何処かで見た覚えのある男。

 

「おお、ようやく起きたか立花!」

「……なんで私の名前知ってるんですか?」

「ん? そんなのマシュに聞いたからに決まってるだろ」

「…………」

 

 今だに顔を逸らしているマシュにジト目を送りつける。誰とも分からない人、それも男の人に個人情報を漏洩させた罪は重い。あとでお仕置きしなくちゃ。

 

 それよりも、今は目の前の命の恩人? についてだ。大きな口が特徴的で、まぁまぁ格好良いこの鎧の男性は、何処かであった事があると感じていたが、思い出した。この人は気を失う前に助けてくれると言っていた人だ。まさか、本当に助けてくれるなんて思ってもみなかった。どうやって治したのか気になる所ではあるけど、とりあえずお礼は言わないといけない。私よりも大きく逞しい体に向き合って姿勢を正す。

 

「あの、助けてくださってありがとうございます」

「うむ、気にするな! 可愛い女の子がいたら助けるのは当然の事だからな! がはははは!」

「……あ、あなたの名前はなんて言うんですか? 私だけ名前を知られてるのは、ちょっとずるい気がします」

 

 なんとなく誤魔化しながら男の名前を尋ねる。いきなり可愛いと言われて動揺したとかでは断じてない。そう、絶対にない……はずだ。

 

「俺か? 俺様の名前はランスだ!」

 

 高らかに自分の名を宣言した彼はランスというらしい。そのランスは自己紹介の後に耳を疑うような衝撃的な発言を放つ。

 

 

「魔人になった君のご主人様だ! よーく覚えておくように!」

 

 

(…………え?)

 

 この人は何を言っているのだろう? 魔人って何? え、私人間じゃないの? だからあの怪我も治ったの? そっかぁ……いやいや、おかしいでしょ。あの傷が治るなんて、それこそ、不老不死レベルじゃないと無理。私にそんな力があるとは到底思えないし。というかご主人様って誰が? ランスが? え、え、え??? 

 聞いた事のない単語に、身に覚えのない状況。もう私の頭はオーバーヒート寸前だ。

 

「うむ、じゃあ立香も起きた事だし、さっさとこんな所から脱出するぞ、俺様に付いて来い!」

「……」

「おい、聞いてんのかー?」

「タイム! ちょっと待って! 一旦、マシュと話をさせて!」

「お、おう」

 

 私の鬼気迫る表情に、渋々といった感じだったが、どうやら待ってくれるらしい。すぐにマシュを呼び問い詰める。さっきから、無言を貫いている彼女には聞きたい事が山ほどあった。

 

 

 

 

 

「マシュ」

「……はい」

「ねぇ、あの人なんなの!? 私のご主人様って何? 私がマスター(ご主人様)じゃなかったの!?」

「お、落ち着いてください、先輩! 先輩は私のマスター(ご主人様)ですから! 大丈夫です!」

「違う! 私が言いたいのはそういうことじゃない!」

 

 話が噛み合わない。私もマシュも混乱していてる事は明確だった。

 

「てか魔人って何? いつから私はそんなに強そうな人種に……?」

「それは……多分ランスさんの使った薬の様な物の所為だと思います」

「薬? それは、私の傷を治す為に使った物?」

「そうです。その薬は致命傷だったはずの先輩の傷を癒し、瞬く間に再生させてしまったのです」

「え? すごっ」

 

 そういえば、気を失う前に何かを口に入れさせられた気がする。あれがそんなに凄い物とは知らなかった。でも、人体実験の感覚で変身薬を投与されては、なんだか複雑な気分になる。これは素直に助かった事を喜んでいいものだろうか? 

 

「でも、魔人っていう大層な名前の割には、体は何にも変わってない気がする……」

 

 もしや、魔人っていうのは再生能力に優れただけの超人なのかもしれない。それでも十分、人間離れしているのは変わりないが。自分の体を動かしながら、そんな事を思っていると、突然、空間に見た事のある顔が現れた。

 

「ああ、やっと繋がった! もしもし、こちらカルデア管制室だ、聞こえるかい!?」

 

 それは、ここに来る前に出会ったサボりの医者だった。あの後、予備電源を復旧させるみたいな事を言っていたけど、どうやら目的は果たせたらしい。

 

「こちらはAチームメンバーのマシュ・キリエライトです。現在、特異点Fにシフトを完了しました。同伴者は藤丸立香一名。大きな問題はありましたが、さきほど無事解決しました」

 

 いやいや、解決してないから。私、もう人間じゃないかも知れないんですよ? 別の大問題が発生してますから。それと、向こうでずっと待ってる、ランスを同伴者に入れないのは流石にちょっと可愛そうだよ。一応、君のマスターの命の恩人よ? 

 

「それは本当に良かった。特異点では何があってもおかしくないからね。……でも立香ちゃんまで、レイシフトに巻きこまれたのか……」

「あの、Dr」

「なんだい、マシュ? ──ってなんだその格好は!? よく見たらすごいハレンチじゃないか!?」

「うるさいです。少し黙っててください」

 

 それは私もずっと気にはなってた。マシュの今の格好は、正直エッチすぎると思う。サーヴァントって皆こんな姿でもしてるのだろうか? 

 

「私達の状態をチェックしてください。私はともかく先輩に、何か異常はありませんか?」

「キミ達の身体状況? おお? これは……マシュはサーヴァントになったのか! ……そうか、デミ・サーヴァント、ようやく成功したのか」

「そうです。私は色々あってサーヴァントになりました。それはまた後で説明します。それより先輩はどうですか?」

「ん? 立香ちゃん? ……え、身体能力が向上している! これは普通の人間じゃ有り得ない数値だよ! 一体何が起きたんだ!?」

 

 あぁ、どうやら私は本当に人間ではなくなってしまったみたい。実際には強くなった感じがしないし、半分くらい信じていなかったのに……希望を無残に粉砕された気分だ。

 

「私は魔人っていう、何かよく分からない者になったみたいです」

「……本当に何があったんだい?」

「それは──」

 

 その説明は最後までできなかった。当然といえばそうかもしれない。誰だって放置され続けたら怒ると思うし。まぁ、簡潔にいうと──私のご主人様がすぐ後ろにいた。

 

 




途中からフォウ君の存在を忘れていたぜ……





是非もないヨネ!
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