オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ 作:ぶーく・ぶくぶく
/*/ ナザリック地下大墳墓・第九階層 薔薇のサロン /*/
豪奢なサロンに漂う紅茶の香り。
守護者たちはテーブルを囲み、それぞれカップを手にしていた。
アルベドがうっとりと微笑み、静かに言葉を落とす。
「至高のお方を想いながらいただく紅茶……まるで聖なる祝福を受けているようですわ」
「ふふん、惚気まくりんすね、大口ゴリラ」
シャルティアがにやりと笑い、紅い瞳を輝かせる。
「けれども私かて同じでありんす。モモンガ様のためだったら、命ひとつやふたつ、惜しまないんすよ」
「ひとつやふたつって……シャルティア、命は一個だよ」
アウラが冷静につっこみながらも、苦笑してケーキを口に運ぶ。
「ま、細かいことは良いじゃない。気持ちの話やし♪」
ルプスレギナがわざとらしく肩をすくめ、犬歯を覗かせた。
「でもほんと、こうやってのんびりお茶できるのって贅沢だよねぇ」
「そらそうよぇ。こんな上等なお菓子とお茶、モモンガ様のお導きあればこそでありんす?」
シャルティアはうっとりとカップを傾ける。
アルベドは満足げに頷き、扇をそっと口元に添える。
「……ええ、結局はそこに行き着きますわ」
四人のカップが軽やかな音を立てて触れ合い、サロンに小さな和やかさが広がった。
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シャルティアが紅茶を置き、にやりと口角を上げた。
「そういえば……ルプスレギナ。カルバイン様との間に子供、まだこさえてへんの?」
「懐妊せんのかしら?」
アルベドも首を傾げ、意味ありげな笑みを浮かべる。
「御方の血を受け継ぐ存在――ああ、想像するだけで胸が震えますわ」
「……あんたたち、話が急すぎない?」
アウラが呆れ顔でケーキをつつく。
当のルプスレギナは肩を竦め、気楽そうに答えた。
「いやぁ~、アタシはいつでもOKなんすけどねぇ。ジョン様の方が、ちゃんと避妊してくるんすよ~」
「避妊……?」
アウラがぽかんとし、アルベドとシャルティアは同時に目を剥いた。
「なんて勿体ないことを……!」
アルベドは思わず立ち上がりかけ、胸に手を当てて震える。
「至高のお方の血筋を残さぬだなんて、なんという――」
「ほんまや! 私なんか、いつでも産める準備万端やのに!」
シャルティアは拳を握りしめ、机を叩かんばかりの勢い。
ルプスレギナはけろっとした笑顔のまま、首を傾げた。
「うふふ~、でもまあ、ジョン様がその気になったら一瞬でしょ。アタシ、待つのは慣れてますから♪」
「……軽いなぁ、ほんと」
アウラは深くため息をつきながらも、呆れと同時に少しだけ笑ってしまうのだった。