オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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夕飯は養殖魚のムニエル

カルネ=ダーシュ村アインズ・ウール・ゴウン教会の厨房に、今日は人間形態のジョンとルプスレギナが立っていた。

目の前には様々な道具と村で取れた作物やらが並んでいる。これから夕飯の用意をするのだ。だから、毛が入らないようにジョンは人間形態になっていた。

 

「さてさて、先ずはこの錬金容器に入れて一晩おいた牛乳。こいつの上澄みを〈小さな願い〉で冷やしながら振る」

「振るっす!」

 

シャカシャカシャカと勢い良く瓶を振るルプスレギナ。彼女の豊かな双丘も良く揺れる。

それを眼福眼福と眺める駄犬(ジョン)

 

「……どのくらい振ってれば良いっすか?」

「20分くらいかなぁ」

「結構、振るっすね」

「うん」

 

20分ほど振って塊が出来たら、ザルに濾し布を敷いたところへ瓶の中身を出して包み、軽く重して水分を抜いていく。残った塊をヘラで混ぜて更に水分を出したら、無塩バターの出来上がり。

残った水分はバターミルクと呼ばれ、栄養価も高いので料理などに使っても良いし、そのまま飲んでも良い。

 

「大分、少なくなったっすね」

「体積比で40分の1くらいに減るんだったかな?」

「魔法が無いと作るのメンドイっすねぇ」

 

なんでもそうさ。と笑って、揃った材料を見直す。

 

リザードマンとの交易で手に入れた養殖魚。

〈小さな願い〉で作った塩と胡椒。

昼間作った小麦粉。

たった今出来上がった無塩バター。

一昨日おすそ分けも貰ったイノシシの脂を少々。

無かったのでナザリックから持ってきたレモン。

 

「では、今日は養殖魚のムニエルを作るぜ!」

「おーっす!」

 

養殖魚はトラウト(マス)のような感じだったが、餌の関係か身は赤ではなく白っぽい。それをジョンが切り身にする。ルプスレギナは切り身を受け取るとさっと水洗いして、余分な水分は飛ばしてしまう。その間にジョンはレモンを4つのくし切りにしている。

 

「……ふんふん。そんな臭みがないから、このままで大丈夫そうだな。これに塩胡椒して、全体に薄く小麦粉をつけていくぜ」

「こんな感じっすか……」

「上手い上手い」

「うへへへ」

 

二人で6つほどの切り身を処理すると、今度はフライパンを温め、バター、脂を入れて中火にかける。良い匂いがし始める、が。

 

「おー臭いがしてきたっす。……けど、厨房のとはちょっと違うっすね」

「そりゃナザリックの1級品と比べたらなぁ」

 

1級品しか食べた事のないルプスレギナは、ある意味で自分よりずっとお嬢様なんだよなぁと、ジョンは思いながら料理を続ける。

 

「盛り付けた時に表になる側を下にして、焼き色を付ける。ついたら、裏返して反対側も焼くんだぜ」

「了解っす!」

「……そろそろいいかな」

 

器に盛り付け、レモンを添えたら。

 

「養殖魚のムニエルの出来上がりだ!」

 

平行して作っていたスープと、温めたクルミ入りのパンで今日の夕食だ。ナザリックでの食事と比べるまでもない質素な食事だ。

 

「料理長と比べたら全然っすけど、なんか不思議な感じっすね」

 

いつも食べてるものと比べれば、拙い味だ。だが、自分で、自分と愛するものと一緒に用意したものと思うと達成感と満足感がこみ上げてきて、なんとも言えない味になる。

 

「そりゃそうだ。でも、このムニエル。外はサクッと仕上がって、中はふわっと火が通ってて、ちゃんと美味しいぞ」

「本当っすか!」

「おう!( ´∀`)bグッ!」

 

ジョンの満足げな表情とサムズアップに「嬉しい」と感極まって、ルプスレギナの瞳から涙が零れ落ちる。

ルプスレギナの涙に驚いたジョンだったが、食事の手を止めると彼女を抱きとめ、そのままルプスレギナが落ち着くまで、二人は一緒だった。

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