オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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2020.12.23.21:00 言い回しとかちょっとだけ修正


至高の模擬戦

どうしてこうなった?

ナザリック地下大墳墓第6層の闘技場でジョンは空を見上げた。

自分は弱体化して、クレマンティーヌかブレインと戦って見たかっただけなのに、どうして目の前に〈完璧な戦士(パーフェクト・ウォリアー)〉を使ったモモンガがいるんだろう。遠い目をしてジョンは考えた。

 

最近、村や弟子、ペットを構っていて、冒険者として活動してなかった所為だろうか。

 

変に焼餅焼きなのは、アルベドと似ているというか。アルベドがモモンガに似ているのかと納得する。

モモンガも、スケジュールの合間を縫って、コキュートスやシャルティアに近接戦闘の手ほどきを受けていたので、その成果を試したいと言う気持ちは分かる。

 

「さぁ、ジョンさん。いきますよ」

「ああ、魔法無し。〈特殊技術(スキル)〉無しね」

 

ウキウキしてるのが、全身鎧越しでも分かる声色だ。

5m程の距離を無駄の減った足さばきで詰めながら、右の大剣を振り下ろしてくるモモンガ。素手相手の1手目としては申し分ない。

だが、ジョンは半歩前に出て、刀身を捌きながら左の回し蹴りをモモンガの右腕に被せるように当てていく。

 

バランスを崩され、右腕を上から蹴られたモモンガは、その勢いのまま身体を回転させると左の肘をジョンに当てに来る。

 

背中からの回転で肘を当てるのは意外と難しいのだが、訓練の賜物か。肘は狙ったようにジョンの頭部を目掛けてきた。ダッキング――身をかがめ――で肘を避けると、そのままモモンガの脇腹に1・2パンチを見舞う。モモンガは堪らず飛び退った。

 

それをそのまま逃すほどジョンは甘くない。

 

飛び退るモモンガを低い姿勢のまま追い掛け、拳を浴びせ続ける。これがクレマンティーヌであれば彼我の攻防力の差から眼を狙うしかない彼女は、高い位置にくるので対処は楽だ。だが、腰当りの低い位置から攻撃してくるジョンに、武器で対処するのは難しい。人体構造上、超接近戦では腰の高さより下にくるものに、武器の威力は発揮し難いのだ。

 

連撃を鎧で受けながら、モモンガは両手を大きく上げて大剣をくるりと逆手に持ち替え、一息に突き落とした。

 

人間種には無い広い視界でそれを視界に収めていたジョンは、上からの突き落としを八卦掌のような円を描く動きで回避し、踏み込んだ足でモモンガの足を引っかけると下方向に背中から体当たり――いわゆる鉄山靠をぶちかます!

 

モモンガは地面に叩きつけられながら、吹き飛び、転がりながら、地面に大剣を突き刺して立ち上がる。……全身鎧の左半身がひびだらけだった。

 

「ちょっっっ〈特殊技術(スキル)〉無しって言ったじゃないですか!」

「今のは俺が覚えた鉄山靠で、〈特殊技術(スキル)〉の鉄山靠じゃないよ」

「はぁ――普通の人間の技術でも、100Lvで使うと馬鹿に出来ないんですねぇ」

 

特殊技術(スキル)〉のネタになるくらいだからねーと笑い合う。

 

「二手目の肘うちが、もうちょっと早かったら良かったね。そしたら、俺はダッキングじゃなくて、スウェーで躱したから、懐に張り付けなくて、仕切り直し出来たよ」

「身体能力的に二手目は右腕の下から、突きを放っても良かったかもしれませんね。それならジョンさんはくるくる回りながら、逃げられなかったでしょう?」

 

こうかな?と身振り手振りを交えて、戦闘考察をするジョンとモモンガ。

久しぶりにギルメンと汗を流し、充実した時間を過ごせたとモモンガも満足したようだ。

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