オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ 作:ぶーく・ぶくぶく
/*/ エ・ランテル冒険者組合・訓練場/*/
ダインは訓練場に立ち、グリズリー形態を取りながら考えていた。
「ムーンウルフの速度は十分に扱える……だが、野獣としての総合力を活かすには、もっと戦い方を磨かないと」
ふと、彼の目にひらめきが走る。
「……そうだ、ハムスケ殿に教えを乞おう。野獣の力を生かすには、野獣の王にして森の賢王――白銀の魔銃の力を知る者にしか道はないである」
訓練場の奥、白銀の毛並みが光る場所に足を踏み入れると、ハムスケが振り向いた。
「拙者の出番でござるか!?」
その声には期待と誇りが混じっている。
ダインは頷き、真剣な目で言った。
「お願いします、ハムスケ殿。グリズリーの力を最大限に引き出せる戦い方を教えてくださいである」
ハムスケはにやりと笑い、鎧を軽く叩く。
「よかろう! 拙者の知恵と力を余すことなく授けようぞ、野獣の若き使い手よ!」
ダインは心を引き締める。
野獣の王に学び、己の力を研ぎ澄ませる――それは単なる訓練ではない、生きるための知恵と戦術の修行だ。
ハムスケは腕を組み、鋭い目でグリズリー形態のダインを見下ろす。
「まずは体の使い方、森の地形の読み方、そして力の出し方からだ!
野獣の力を使いこなす者は、闇も光も自然のすべてを味方にできる者よ!」
ダインは深く息を吸い込み、覚悟を決めた。
「はい! 全力で学ぶのである!」
森の賢王と呼ばれた白銀の魔銃――ハムスケの指導の下、
ダインの野獣としての戦闘力は、一歩一歩、確実に研ぎ澄まされていくのだった。
/*/ エ・ランテル冒険者組合・訓練場/*/
グリズリー形態のダインと白銀の魔銃ハムスケが、訓練場の中央で対峙する。
日差しが二人を照らし、毛並みや鎧が光を反射してまぶしいほどだ。
周囲には冒険者たちが集まり、息をのんでその光景を見守っている。
「うわ……グリズリーと白金の魔獣の格闘……あんな迫力見たことない」
「さ、さすが漆黒の剣……!」
「さあ、次は実戦形式だ! 全力でぶつかってくるでござるよ!」
ハムスケの号令で二人は衝突する。
ドンッ! グリズリーの爪が空気を裂き、地面に轟音を響かせる。
ハムスケは銀色の鎧をしならせてかわし、瞬時に反撃。
冒険者たちは思わず後ずさる。
「すご……風圧が……!」
「地面が揺れる……本物の野獣同士の戦いだ……!」
ダインは体をひねり、ハムスケの技をかわしながら前足で反撃。
腕や肩に伝わる衝撃が、まるで自然の猛威を受けているかのようだ。
木々の葉が散り、砂埃が舞い上がる。
日差しに照らされた二人の動きは、まるで戦場の嵐そのもの。
ジョンは観察しながら、手を腰に当てて呟く。
「はは……帝国闘技場でやったら、客取れるんだけどなー」
「……オスクがいなくてよかった」
もしあの興行人がここにいたら、どちらが勝つかで大騒ぎになっていたに違いない。
冒険者たちは口を開け、息をのむ。
その迫力に誰もが圧倒されつつ、自然の力と技の融合に目を奪われていた。
森の奥に響く轟音と足音。
ダインは必死に戦いながら、少しずつ野獣としての感覚を体に刻み込んでいった。