オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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フライドポテト

 

 

/*/ カルネ・ダーシュ村・昼下がり/*/

 

 

村の広場にある簡素なかまどの前で、ジョンは手際よくフライトポテトを揚げていた。油が小さく弾ける音とともに、ポテトの甘い香りが立ち上がる。表面は黄金色にカリッと揚がり、中はほくほくのまま。ジョンは丁寧に塩を振りかけ、ルプスレギナの好みに合わせて少しハーブも加える。

 

「よし、出来たぞ、ルプー」

 

ルプスレギナは手を差し伸べ、じっとポテトの香りを吸い込む。彼女の目が輝き、顔には自然な笑みが浮かぶ。

 

「わぁ……いい匂い……すごく……食欲をそそる」

 

ジョンは小さなバスケットに揚げたてのポテトを入れ、二人で腰を下ろす。村の木陰に腰掛け、日差しが柔らかく差し込む中、揚げたての香りが周囲に漂う。ルプスレギナは小さな手でポテトを掴み、一口かじる。

 

「ん……うんっ、これ……最高に美味しい……!」

 

外はカリッと、口の中でほくほくとした食感が広がる。ハーブの香りがふんわりと口内に漂い、噛むたびに自然な甘みと塩気が絶妙に絡む。ルプスレギナは思わず目を閉じ、笑みを浮かべながらポテトを次々と口に運ぶ。

 

ジョンも一口かじり、彼女の喜ぶ姿を見つめる。「気に入ってくれたか?ルプー」

 

「ええ、ジョン様……が作ったから、余計に美味しい……」

 

その言葉にジョンは照れくさそうに笑い、彼女の隣に座り直す。手が自然に触れ合い、指先が軽く絡む。ルプスレギナは恥ずかしそうに顔を赤らめながらも、ポテトをかじる手を止めない。

 

「もっと食べてくれ、ルプー。揚げたてだから、冷める前に食べた方が美味いぞ」

 

二人は揃ってポテトを頬張る。甘く香ばしい香り、カリッとした音、ほくほくの食感。互いの笑顔を見ながら、何も言わずとも満足が伝わるひととき。

 

ルプスレギナが小さく吐息を漏らしながら、「ジョン様、……本当に料理上手っすね」と呟くと、ジョンは少し得意げに胸を張る。「そりゃあ、好物を作るときは真剣だしな」

 

木漏れ日の下、二人の距離は自然と近くなる。ジョンが揚げたてのポテトをひとつ手で差し出すと、ルプスレギナはその手を取り、軽く指を絡めながら口元に運ぶ。ジョンも同じように彼女の口元にポテトを運び、互いに小さな笑いを交わす。

 

「ん……んん、美味しい……!」

 

「良かったな、ルプー。喜んでもらえて俺も幸せだ」

 

笑顔のまま、二人はゆっくりとポテトを分け合う。口元に微かにソースや塩がつくたび、互いの指先でそっと拭い合う。手の温もりが伝わり、揚げたての香ばしさと共に、心地よい幸福が二人を包む。

 

「もっと食べる?」ジョンが尋ねると、ルプスレギナは小さくうなずき、「ええ、あなたと一緒ならいくらでも……」と答える。

 

二人で揚げたてのフライトポテトを口に運びながら、笑い声や香りが村の木陰に溶けていく。料理の喜びと、互いの存在を楽しむ時間。揚げたての香ばしさが、二人の間に柔らかな幸福を紡いでいった。

 

 

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