オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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ピザとクラフトコーラ

/*/ カルネ・ダーシュ村・夕暮れ/*/

 

ジョンは村の小さな台所で、手際よくクラフトコーラを作り始める。香辛料やハーブ、果実の甘みと酸味を絶妙に配合し、炭酸のシュワシュワとした泡立ちがグラスに注がれる。隣ではルプスレギナが薄く伸ばした生地にアンチョビとチーズ、トマトソースを丁寧にのせ、オーブンに入れる。生地がじんわりと焼かれ、香ばしい香りが部屋中に広がる。

 

「ジョン様、いい香りすね……早く食べたいっす」ルプスレギナが笑顔で呟く。

 

「もうすぐだ、ルプー。ピザは焼きたて、コーラは冷えたてが一番だからな」ジョンは手元を忙しく動かしながらも、穏やかな笑みを浮かべる。

 

やがてオーブンの扉を開けると、チーズがとろりと溶け、アンチョビの塩気と旨味がふんわり香るピザが顔を出す。ジョンはクラフトコーラをグラスに注ぎ、炭酸の泡がきらきらと光る。香りと色合い、見た目だけでも食欲をそそる。

 

「お待たせ、みんな。焼きたてピザと冷たいクラフトコーラだ」

 

漆黒の剣の面々、ペテル、ルクルット、ニニャ、ダインが目を輝かせながらテーブルに座る。グラスを手に取り、まずはクラフトコーラを口に含む。炭酸が弾け、ハーブと果実の爽やかさが舌の上で広がる。

 

「うわ……これ、美味い!甘すぎず、スパイスが効いてる」ペテルが感嘆する。

 

ピザを手に取り、ニニャがひと口かじる。チーズがとろけ、アンチョビの塩気が濃厚に舌に広がる。生地は外はカリッと、中はふんわり。トマトソースの酸味がアクセントとなり、一口ごとに香りと旨味が混ざり合う。

 

「このアンチョビ……塩気が絶妙でチーズとすごく合う!」ルクルットも目を輝かせる。

 

ダインは少し大胆にピザを頬張り、クラフトコーラで口を潤す。炭酸の爽快感がアンチョビの濃厚さと混ざり、口の中で旨味と酸味が弾ける。彼らは無言で味を楽しむが、目の奥に喜びの光が宿る。

 

ルプスレギナはジョンの隣で微笑みながらピザをかじり、「ジョン様の作る料理って、毎回心まで満たされるっす」と嬉しそうに囁く。ジョンはその言葉に照れくさそうに笑い、彼女と同じピザを口に運ぶ。手が触れ合うわずかな瞬間に、二人の間には自然な親密さが流れる。

 

「さすが漆黒の剣の面々だ。食べっぷりがいいな」ジョンが冗談めかすと、ペテルが「美味しいものは黙って食べるに限る!」と応じ、皆で笑い声が広がる。

 

一口ごとに香ばしい香りと濃厚な味が広がり、炭酸の爽快感が後味を引き立てる。ルプスレギナはピザを頬張るたびに目を輝かせ、ジョンはその表情に微笑みを返す。四人もルプスレギナも、ジョンも、次々と口に運び、自然と会話と笑いが絶えない。

 

夕暮れのオレンジ色の光が窓から差し込み、テーブルには焼きたてピザと冷えたクラフトコーラ、そして笑顔が並ぶ。料理を通じて生まれる温かさと楽しさが皆の心を包み込み、短いひとときの幸せが村に広がる。

 

ジョンはルプスレギナと視線を交わし、互いに微笑む。料理と笑顔で繋がったこの瞬間は、戦いや冒険の合間にある、かけがえのない安息の時間だった。外の風が窓をそっと揺らし、ピザの香りと笑い声が村の夕暮れに溶けていく。

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