オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ 作:ぶーく・ぶくぶく
/*/ カルネ・ダーシュ村・広場/*/
村の広場には、大きな焚き火が焚かれ、黄金色に輝くハチミツ酒の樽と、じっくりと回る豚の丸焼きが用意されていた。香ばしい煙が立ち上り、夕陽に照らされて肉の表面が黄金色に輝く。ジョンは手際よく肉を切り分け、香りが漂う空気の中でバイアクヘーたちに声をかける。
「さあ、遠慮せず食べてくれ。たまにはこうしてゆっくり楽しむのも悪くないだろう?」
体長2~3メートルほどのバイアクヘーたちは、蟻や蜂を思わせる複眼と硬質な外骨格、翼竜のような大きな翼を持つ異形の存在だ。その巨大な体を揺らしながら、羽ばたきつつ前脚で肉をつかみ、口に運ぶ。片言のカタカナで歓喜の声をあげながら、豪快にかぶりつく。
「ウマイ……デス!」一体が低く唸るように言い、複眼がキラキラと輝く。
「オオキイ、マルイ、ウメー!」別の個体も翼を震わせ、熱気を帯びた口元から煙のような吐息を漏らす。
「ジョン……アリガト、ゴザイマス」
ジョンは笑いながら、自分も丸焼きにかじりつく。外は香ばしく、内は肉汁がじんわりと染み出す。ハチミツ酒を口に含むと、甘みと香ばしさが混ざり合い、口腔全体に豊かな味わいが広がる。バイアクヘーたちの複眼が喜びに輝き、満足そうな音声を漏らすのを聞きながら、ジョンはゆっくりと噛みしめる。
「どうだ、気に入ったか?」ジョンが尋ねると、バイアクヘーたちは揃って翼を大きく羽ばたかせ、満足の意思を示す。
「ウマイ、ジョン……モット、タベタイ!」
「ハチミツ、サイコー!」
「デカイ、ウマイ、サイコー!」
彼らの複眼が喜びに輝き、前脚で肉を器用につかむ仕草は人間の手のように見えながら、異形らしい力強さも感じさせる。ジョンは微笑み、彼らが満足する姿を眺めながら、自分の一口をさらに味わう。外は香ばしく、中はジューシーで柔らかい豚肉、甘いハチミツ酒が口の中で絡み合い、夕暮れの涼しい風と混ざり合って絶妙な味覚となる。
「たまにはこうして、皆で食事を楽しむのも悪くないな」ジョンは胸の奥で思いながら、バイアクヘーたちの大きな手で肉を受け取る様子や、翼を揺らして喜ぶ姿に目を細める。彼らの体格や見た目こそ異形だが、食事の喜びや満足は人間と同じだった。
焚き火の暖かさと、炙られた肉の香ばしさ、甘いハチミツ酒の香りが広場に漂い、笑い声や歓声が絶えない。バイアクヘーたちは片言でジョンに感謝を伝え、翼を小刻みに震わせながら再び肉にかぶりつく。ジョンも一緒に食べながら、肉の旨味と甘み、香辛料のアクセントを楽しむ。
夕陽が空をオレンジ色に染め、広場には笑顔と幸福感が満ちる。異形の仲間たちとの食事は、戦いや任務の緊張を忘れさせ、心を満たす至福のひとときとなった。ジョンはルプスレギナやバイアクヘーたちの楽しそうな声を聞き、静かに胸の中で温かい満足感を噛みしめる。広場に広がる香ばしい香りと甘い風味、笑い声が混ざり合い、カルネ・ダーシュ村の夕暮れは、日常と冒険の間の平和な時間に包まれていった。