オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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空で波乗り

 

 

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魔導国・ジョンの工房。大型飛空艇の整備が落ち着くと、ジョンは新たな実験机に向かっていた。目の前には細長い板状の試作機が置かれ、微かに魔力結晶が埋め込まれている。

 

「さて……空でも波乗りできるようにしてみるか」ジョンは手を叩き、ワクワクした表情を浮かべる。個人が風脈に乗って滑空できれば、都市間の飛行だけでなく、空を舞う楽しみも生まれる。

 

ルプスレギナは腕を組んで首を傾げる。

「……メーヴェみたいな滑空板? 本当に操縦できるっすか?」

「もちろん低空飛行や都市間輸送みたいにルートが決まってるわけじゃないから、操作は自由度が高くなる。風脈を読みつつ、板に乗って滑るんだ。まるで空のサーフィンだな」ジョンは笑う。

 

板状の試作機を持ち上げ、工房の上層へ移動する。微かに光る魔力結晶が周囲の風脈を感知し、板の底面に流れる魔力の層を形成する。ジョンは試作機に乗り、手でバランスを取りながら板を押し出す。

 

空中で風脈を捉え、板は滑るように進む。下を見下ろすと、都市の屋根や広場が風景のように流れていく。左右の旋回も自由自在で、思わず声が出る。

「うおっ……これは……楽しい!」

 

ルプスレギナも目を輝かせる。

「まるで空を波乗りしてるみたいっすよ! ジョン様、これ楽しすぎるわん」

 

ジョンは空中で軽く回転し、風脈を利用して高度を変えながら滑る。大型飛空艇の安定航行とは違い、個人用の滑空板は自由度が高く、操る楽しさが直に伝わってくる。

 

「よし、これを改良して都市間移動用にも使えそうだな。ちょっとした冒険にもなるし、物流の補助にもなるかも」ジョンは笑いながら工房に戻る。空でも波乗り――新しい空の遊びと実用が、ここから始まろうとしていた。

 

 

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魔導国・ジョンの工房。大型飛空艇の格納庫で、ジョンは商会からの依頼書を眺めていた。近隣諸国や都市の商会から、「ぜひ自社でも飛空艇を購入したい」との申し出が増えてきたのだ。

 

「なるほど、これだけ需要があるなら売るのは構わないか……」ジョンは唇の端に笑みを浮かべる。

ルプスレギナが横から覗き込み、興味津々で訊ねる。

「売っちゃうの? あんたの宝物みたいな飛空艇を?」

「売るのはいいが、そうすると乗組み員の育成も考えないとな」ジョンは眉をひそめる。

「ええ、操縦だけじゃなくて帆の扱いも、風脈の読み方も、全部教えないといけないってことね」ルプスレギナはうなずく。

 

ジョンは格納庫に並ぶ飛空艇を見渡しながら考える。

「まあ……海の航行の知識を応用すれば、ある程度までは教えられるだろう。帆船の操船技術と風読みの応用で、最初の乗組みは何とかなるはずだ」

ルプスレギナは腕を組んで首を傾げる。

「ふーん、でも風脈は海の風と違って自由度が少ないんでしょ? それでも十分に教えられるのかしらん」

「最初は航路も決まってるし、帆の操作も安定してる。慣れれば海上航行の延長で応用可能だ。問題は自由度の高い空中航行の経験者をどう育てるかだな」ジョンは笑みを浮かべる。

 

格納庫の隅で、すでに試験飛行を終えた飛空艇が微かに魔力結晶を光らせている。その光を見つめながら、ジョンは考えた。商会に売る飛空艇と、それを操る新しい冒険者や船員たちの育成――空の物流革命は、ここからさらに広がろうとしていた。

 

 

 

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