オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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理の回収

/*/ 魔導国・冒険者ギルド 本庁舎 提出室 /*/

 

 大理石の床に、朝陽が斜めに射し込む。

 蒼い薔薇の一行は、塔から戻ったままの疲労を抱えながら、静かに報告室へと足を踏み入れた。

 室内には、魔導国側の代表として、モモンガ、ジョン、そしてぐりもあが待っている。

 

 ティナが資料を広げ、報告を始める。

「我々は夢幻郷ドリームランドを探索しました。塔の内部構造は時間が逆流する異常な魔法場で、古代の竜王たちの記録が保存されていました」

 

 ティアが補足する。

「そして、八欲王によって書き換えられた世界の理も観測しています。竜王文明はすでに崩壊し、神秘体系の大部分は人の理に置き換えられています」

 

 モモンガが腕を組み、目を細めた。

「なるほど……やはり予想以上に複雑だったようだな。夢幻郷の魔法場は、普通の解析方法じゃ太刀打ちできない」

 

 ジョンは椅子に腰掛け、長い間黙って資料に目を通していたが、やがて口を開く。

「ラキュース、お前の中に残った竜王の断片、回収させてもらってもいいか?」

 彼の声には、冷静さの中に探究心と慎重さが混ざっていた。

 

 ラキュースは微かにうなずく。

「ええ。塔で見たものを知った今、その欠片は危険でもあります。放置すれば、私の意思に関係なく暴走しかねない」

 

 ぐりもあが資料をめくりながら言った。

「我々としても、夢幻郷の調査は非常に重要です。ですが、竜王の断片は強大な魔力を帯びています。安全に回収できるのであれば、この申し出を受けます」

 

 ジョンではなく、同席のモモンガが言葉を続ける。

「ただし、回収すればラキュース自身には多少の代償がある。魂の一部が一時的に失われるかもしれないが、それを理解した上での決断だな?」

 

 ラキュースは胸の紋章を押さえ、微笑む。

「わかっています。それでも、これは必要なこと」

 

 ジョンが手を差し伸べ、手をラキュースの前にかざす。

「よし。それじゃ、儀式を始めよう」

 

 ぐりもあが慎重に魔導式を唱え、モモンガが結界の制御を担当する。

 呼び出されたルプスレギナが〈星に願いを〉を唱え、奇跡を起す。立体魔法陣が広がり、長い長い詠唱のあとに青白い光がラキュースの体を包み、魂の奥にある竜王の断片が浮かび上がる。

 光はゆっくりと吸い込まれ、やがて結界の中に安定して収まった。

 

 ラキュースの胸の奥には、わずかな空白が残る。

 だが、塔で得た知識と経験、そして魂の断片を回収したことで得られた安全は、蒼い薔薇の胸に深く刻まれていた。

 

 

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