オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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デトネーション波ぁッ!!ってカッコイイよね?

 

 

 

死者の大魔法使い(エルダーリッチ)〉が20体。エ・ランテル郊外の演習場に整列していた。

その前に立つのは青と白の毛並みの人狼。ジョン・カルバインである。

 

「よし!それじゃ説明した通り〈伝言(メッセージ)〉で同期を取りながら、同時に〈火球(ファイヤーボール)〉を的に打ち込め!」

 

死者の大魔法使い(エルダーリッチ)〉が20体が動き出す。

実験台らしい〈骨の竜(スケリトル・ドラゴン)〉の周囲に、小さな的20個が〈骨の竜(スケリトル・ドラゴン)〉を囲むように配置されている。

 

《エルダー1。射線確保》

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《エルダー20。射線確保》

 

《こちらエルダー1。〈火球(ファイヤーボール)〉発射準備完了》

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《エルダー20。〈火球(ファイヤーボール)〉発射準備完了》

 

 

《こちらエルダー1。〈火球(ファイヤーボール)〉発射カウント開始。3……2……1……発射》

 

 

死者の大魔法使い(エルダーリッチ)〉20体から、人の頭ほどの炎の玉が標的に向かって寸分の狂いもなく発射される。それは完璧な同期を持って、〈骨の竜(スケリトル・ドラゴン)〉の周囲20個の的に着弾。着弾と同時に弾け飛び、内部にため込んだ炎を一気にまき散らした。

 

同時に炸裂した20の〈火球(ファイヤーボール)〉は内部に向かって衝撃波を同時に放つ。その衝撃波は互いに押し合い圧し合い内部の標的を圧縮する!

 

標的を中心に縒り合された衝撃波と爆炎は出口を求めて上方向へ逃げ出す。それは爆轟波(デトネーション波)となって上空へ放出されるとキノコ形の雲を作り出した。

 

「……おお…」

 

ジョンの前で凝縮された〈火球(ファイヤーボール)〉の爆炎が噴き上がる。稲妻のような轟音が響き渡り、演習場を波打たせるような突風が吹きすさび、激しい土煙が立ち昇る。それは火山の噴火のようであり、炎を巻き込みながら土煙は巨大なキノコ形となった。

 

 

予想以上の破壊の顕現にジョンの口から思わず声が漏れた。

 

 

爆炎と土煙がおさまった後には上から押しつぶされたように、ぺしゃりとうずくまる姿勢の〈骨の竜(スケリトル・ドラゴン)〉があった。第6位階魔法までを無効化する〈骨の竜(スケリトル・ドラゴン)〉だが、〈火球(ファイヤーボール)〉による爆縮で発生した爆轟波(デトネーション波)によって、地面に押し付けられ、その背中には大きくヒビが入っていた。

 

 

このような実験を繰り返し、完全耐性と言っても実は上限があるのではないかと疑うモモンガにより、警戒レベルが更に高まる事になるのであった。

 

ただ、アンデッドの集団でなければ精密な同期が取れないとか、〈火球(ファイヤーボール)〉が着弾しないと炸裂しないので予め空中に的が必要とか、色々条件があり、実用性は皆無とされた。

 

/*/

 

〈死者の大魔法使い〉20体が整列した演習場の空気は、まだ熱を帯びていた。焦げた土の匂いと硝煙の残り香が、火球の炸裂を物語る。

 

ジョン・カルバインは青と白の毛並みを揺らし、噴き上がったキノコ雲を見上げる。

「予想以上の威力だな……20体揃わないと無理だったな」

 

モモンガは両手を組み、眉をひそめて言った。

「……耐性があるとはいえ、爆縮の連携でここまで圧縮できるとは。これは、第6位階魔法でも押されるわけだ」

 

ルプスレギナは興奮気味に跳ねるように近づく。

「すごーいっす!この煙!あんなに全部一気に爆発するなんて、圧巻っすよ!」

 

ジョンは肩をすくめ、冷静に答える。

「面白いが、実用性はほぼ無い。条件が厳しすぎる。死者の大魔法使い20体、的の設置、着弾後の炸裂タイミング……どれか一つでも狂えば全部無駄だ」

 

モモンガは少し考え込み、手元の魔導書をめくる。

「……でも、このデータは応用できるかもしれない。集団でのアンデッド同期戦術……城塞防衛や大規模戦闘の抑止力に、可能性はある」

 

ルプスレギナは目を輝かせ、ジョンを見上げる。

「ジョン様、これって……私たちが実戦で使うことも……?」

 

ジョンは微笑みながら首を振った。

「いや、これはあくまで実験。戦場で使うには条件が厳しすぎる。でも、戦術の研究としては価値がある。次はこのデータをどう活かすか考えよう」

 

三人は煙が落ち着いた演習場に立ち、静かな余韻とともに、次の実験の構想を胸に思い描いた。

 

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