オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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オーガ料理は君に決めた!

/*/うどーん。

 

 

 

「うどーん!ぱわー!」

 

ドシーン!ドシーン!とカルネ=ダーシュ村の広場から柔らかいものを叩き付ける音が響いてくる。

 

「神獣様ーこんなに力一杯やって大丈夫なの?」

「大丈夫、大丈夫、いけいけごーごー!」

 

ジョンが笑顔で返した相手はオーガの一人だ。知能が向上した為か料理などに興味を向ける個体も出てきており、何か自分も料理をしてみたいと言ってきたオーガに、なにかオーガの特性を生かした料理はないかと考えた末が「うどん」だった。

 

大雑把に説明すれば、大きなボウルは無いので――大きな鉄釜に小麦粉と塩と水を入れて、捏ねて捏ねて出来上がったうどんタネをオーガパワーで叩いて伸ばす。

 

人間なら全体重を掛けて足踏みするところだが、身長2m後半で横幅もあるオーガのパワーなら手捏ねで人間以上のコシが出せるだろう。

 

 

そんなオーガパワーで捏ね捏ねして、2時間ほど寝かせたうどんタネがこちら!

 

 

流石にオーガパワーで捏ねたうどんのコシは凄まじく、オーガが全体重を掛けながらでないと上手く延ばせないようだ。

 

「俺がやれば簡単だけど、頑張れ!」

「ふんぬー!ふんがー!」

 

真ん中から徐々に四角形に広がるように延ばしていく。

オーガの頑張りで良い感じに広がったら、打ち粉をかけて、畳んでやって、オーガ用の大ぶりの包丁でズダンズダンと切って……

 

「完成!」

「やったー!」

「食べるのはまだ早い!茹でてから!」

「えー完成って言ったのに」

 

茹でたうどんを器に盛り、豚肉やきのこなどを煮込んだ汁につけて食べる。つけ汁うどんにしてみた。

 

一口啜り、プチっと噛みちぎる。

口の中で跳ねるようなコシが感じられる。このコシの強さは人間では再現できないオーガ料理だろう。

 

「うんうん。これだけ美味いなら街で店を出せるかもな」

「本当に!?うーん、頑張ってみようかなぁ」

 

厳つい顔を喜びに染めながら、オーガはそう言って笑った。

 

 

 

/*/オラサーダルク、君(の骨)に決めた!

 

 

 

「モモンガさーん。オラサーダルクの骨全部ちょーだい」

 

執務室にやってきたジョンのお願いに、モモンガは報告書をめくる手を止めて視線を上げた。

 

「あれは使い道を決めたところなんですが……」

「本当は死体全部欲しかったんだけど、多分、骨格だけでも媒介に出来ると思うんだよね!」

「媒介?何に使うんです」

「うちのリンドウ(課金ガチャのドラゴン)の永続召喚の媒介」

「ああ、レベル足りますかね?」

 

ジョンのペットのドラゴンは限界まで成長させてあったハズ。〈 心臓掌握(グラスプ・ハート)〉一発で死亡したドラゴンの骨格でレベルは足りるだろうか。

それに対しての答えは「骨格を補強してみるよ」との事だった。

 

ふむ、とモモンガは考え込む。

 

竜の骨はもう一体分ある事だし、副官NPCに匹敵するリンドウを永続召喚できればナザリックの戦力的には、そちらの方がメリットが大きいかと考える。

 

「まあ良いでしょう」

 

オラサーダルクの骨の使用を全部中止すると、ジョンへ骨格一式を明け渡すように指示を出すのだった。

 

 

 

リンドウはリンドブルム型の巨大な蛇のような長い胴体に一対の前足、蝙蝠のような翼を持つドラゴンだ。

欧州では稲妻や流星はリンドブルムが発したものとされる伝説を持つ飛行速度に優れたドラゴンでもある。

 

少し細く、蛇に似たところのある霜の竜(フロスト・ドラゴン)の骨格は媒介に丁度良いように思えた。

 

第6階層での召喚実験は成功。続けての時間経過もペットの召喚時間を過ぎても送還される事なく存在し続ける事が出来た。

これにより、90Lvを上回り、モモンガの副官NPCに匹敵する戦力を常駐させる事が可能となった。

 

取り敢えずはシャルティアのドラゴン航空便に所属し、足の速さを活かしながら、ドラゴンの交配なども視野に入れつつ、活動して貰う事となった。

 

 

 


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