オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ 作:ぶーく・ぶくぶく
ようこそ、ピッキーのナザリック・サタデー・ウェイティング・バーへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、この
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この
じゃあ、注文を聞こうか。
作中の情景描写におきまして『オーバーロードと大きな蜘蛛さん』粘体スライム狂い様より御許可を頂いております。
この場を借りてお礼申し上げます。
「第21話:何を隠そう! 俺は特訓の達人だ!」は予定を変更し、明日投稿致します。
これはパラレル時空でフィクションwです。本編および他所様の作品、ストーリーには一切関係ありません。
以上をご了承の上、お楽しみ下さい。
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ナザリック地下大墳墓第九階層。ロイヤルスイート。
キノコ頭の副料理長のショットバーをイメージした部屋は、落ち着いた照明が室内を照らし、酒を並べた棚にカウンター。椅子の数は僅かに八つ。
常連と呼べる者は片手で数えられる程度だったが、まれに至高の御方々が訪れる事もあった。
そんな夜は、決まって朝を迎えて考え込むのだ。
はて、自分の仕えるナザリック地下大墳墓にお残りになられた至高の御方は、お一人だったか? それとも……お二人だったか? と。
「風呂が…面倒です」
「クーゲルシュライバーさんも洗うの大変そうですものね」
今宵の来客は、至高の御方のまとめ役であるアインズ・ウール・ゴウン……至高の御方々の間では以前と同様にモモンガ……が、魔法で黒髪黒眼の青年の姿で。その隣には席を4人分程も占有しながら、至高の御方の記録役であるクーゲルシュライバーが黒檀色の甲殻に覆われた、逞しい人間状の上半身をモモンガとカウンターに並べていた。
「大変って……クーゲルさん、蜘蛛のお腹に手ぇ届くの?」
モモンガを挟んだ反対側では人狼、ジョン・カルバインが身を乗り出して、クーゲルシュライバーの巨大な蜘蛛の身体と人間状の上半身を見比べていた。
ジョンには柔軟性が如何とか以前に、物理的に手が届かないように見える。
「無理ですよ」肩を竦め、「ジョンさんこそ、毛深くって大変なんじゃないですか?」
クーゲルシュライバーの問いへ、ジョンは何でも無い様に、いとも簡単に「ああ、風呂入る時は人間形態になってるから」と答えた。
「……ふざけないで欲しいですね。駄犬さん、人間形態は甘えとか言ってたでしょう」
「……面倒には勝てませんでした」
ナザリック地下大墳墓において恐怖の極限として恐れられる強大なる邪神の怒りに、人狼はそっと眼を逸らした。
「サファイアスライム、良かったですよ」
ヘタレを告白した
「スライム。成る程、そう言う手段がありましたか」
モモンガの言葉にクーゲルシュライバーは感心し、
「何を想像してるのかな?」
「こいつさかりやがったぞ」
「んなわけないだろ」
駄犬を見る二人の冷め切った視線を即座に否定するジョンだったが、クーゲルシュライバーは彼に無慈悲な言葉をぶつける。
「なら、立って見て下さいよ」
なんと言う無慈悲な一言。男には立たねばならぬ時でも、立てぬ時があると言うのに。
この男は邪神と成り果て、人の心を忘れてしまったと言うのだろうか。
だが、ジョンはニヤリと牙をむき出して笑う。
「ふ、見てろ」
何も問題は無いと、ジョンは椅子から立ち上がって見せた。
「……たったのに、たってない――だと」
そんな馬鹿な。
クーゲルシュライバーの愕然とした声に、「モンクは精神鍛錬も積んでいるのさ」と、胸を張って良い気になるヘタレの駄犬。
モンクかぁ。セバスは王都で女を拾って来たっけなぁ。冷めた眼でジョンを見ているモモンガ。
種を明かすと、スキル《コツカケ》の使用だった。
肉体操作により内臓の位置すら変えて
「――駄犬さん、とうとう去勢されましたか?」
黒髪黒眼のイケメンになっているモモンガの一言が、そんなジョンの精神にクリティカルヒットした。
人狼の顔を大きく歪め、顔の横に『!?』を出しながら、「んだと骸骨」モモンガの額に額をぐりぐりと押し付けるようにメンチを切る。
人化しても精神作用無効が働いているモモンガは、まったく怯まず、寧ろ楽しげに返した。
「ふ、即死耐性貫通持ちに喧嘩を売るとは良い度胸です。NPC達がナザリック最強の支配者と呼ぶ存在。その真の力を見せてやろう」
「性能だけに頼る前衛職と一緒にされては困るなぁ。モモンガさんを12秒以内に骨粉にすれば俺の勝ちだよな?」
開幕即死貫通攻撃をされると、補給の効かなくなった課金アイテムを使わない限り、ジョンではどう頑張っても相打ちにしかならないのだが。
「舐めるなよ。俺の肉体武装(爪)はコキュートスと違って
「え? 肉体武装って、本当にそこまで性能上がったんですか?」
肉体武装には余り縁がなかったので、ジョンの発言に俄然興味を惹かれるモモンガ。
その様子に珍しく自分がモモンガに教えられる事があったと、ジョンは先程までのやり取りを忘れ、得意気に語り出した。
「爪の性能が格闘戦全般に適用されたから頑張りましたよ。手足の爪を全部使ってスキル併用して漸くだから、重課金者の廃人じゃないと無理です」
ジョンの得意げな語りにゲーム時代を思い出したのか、同じく前衛であったクーゲルシュライバーは納得したような声をあげた。
「ああ、それで『地上の如何なる名刀にも勝る余の腕が』とか『聖剣抜刀』とか言ってたんだ」
「でも、それって……性能だけに頼るそこらの前衛職より性能が高いですよね?」
モモンガに痛いところを突かれ、再び話を逸らすジョン。
「……それは兎も角、決め顔で眼を光らせるのはズルイよ。モモンガさんかっけー」
「あんた、スーパー化あるだろ」
「やれやれ」
話が飛び飛びだ。実はこいつら酔ってるんじゃないだろうか?
疑いながら
「クーゲルさんの飲み方って、
人間状の上半身と蜘蛛の頭部の接合部、蜘蛛本来の口から
びっしぃぃッ、とジョンの無造作な一言に店内の空気が凍った。
「ふ、ふふふ。駄犬、現実となった神話パワーを見せてやる。100や200では済まさんぞ」
「え?」
ジョンには、漫画的なゴゴゴと言った音が実際に聞こえるような勢いで、クーゲルシュライバーの気配、戦闘力が上昇していくのが感じられた。
それがスキル《恐怖を喰らうもの》の効果である事は理解していたが、自分の知っているそれとは明らかに違う。上昇し続ける力に、汗腺が殆ど無い筈の身体に冷や汗が流れるのを止められなかった。
「許さんぞ。この駄犬。2千を超える神話パワーで、じわじわと弄り殺しに(5分間で)してくれるわ」
「え? なにそのインフレ」
100神話パワーでも力負けするんですけど?
……なんと言う、圧倒的
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──時折、決して交わらぬ世界と世界を繋ぐ、不思議な扉が現れることがある。
──その扉を潜った先では、決して出会わぬ筈の至高の御方々が杯を交わす。
──不思議な、一夜限りの夢があるらしい。
レベル補正があるから、10神話力でも勝てないような気がします……
ところで、人狼状態のカルバイン様が生きたブラシとしてクーゲルシュライバー様やモモンガ様の体を洗えばいいんじゃないでしょうか!
多分一石二鳥な気がしますよ! なんてマットプレ……ゲフンゲフンくふー!
……(*゚ロ゚)ハッ!! 後書きがボールペンさんちのアルベド様に乗っ取られた!?