オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

41 / 392
エ・ナウイル再開発〈釣れたか丸〉

/*/リンデ海・エ・ナウイル港沖/*/

 

朝日が海面を金色に染める中、ジョンとナーガンは漁船〈釣れたか丸〉に乗り込み、港を後にした。青と白の毛並みの人狼と黒い毛並みの人狼、船上でもその雄々しい姿は目立つ。

 

「よーし、今日はどれだけ釣れるかね!」

ジョンが笑顔で叫ぶと、ナーガンも応える。

「負けねぇぞ、リーダー!」

 

二人は船の左右に分かれ、釣り竿を握って竿先に集中する。海は穏やかで、波は船を軽く揺らす程度。時折、海鳥が羽ばたき、波間に小魚が跳ねるのが見える。

 

「お、来た来た!」

ジョンが竿を引き上げると、銀色に光る魚が海面で跳ねる。ナーガンも負けじと大きな鯛を釣り上げた。互いに見せ合いながら笑い声を上げる二人。

 

途中、ジョンは船の縁から海に潜り、サザエやウニ、アワビを素潜りで収穫する。ナーガンも負けじと深く潜り、岩場に隠れた貝を手早く掴む。

 

「おいおい、これで今晩は豪華な海鮮だな!」

「釣りも潜りも、最高の気分だ!」

 

船上には笑い声と波の音が混ざり、二人の人狼たちの軽快な息遣いが響く。ジョンは釣り上げた魚をその場でさばき、海水で洗い、シンプルに炙って味見をする。

 

「うまい!やっぱり新鮮だと全然違うな」

ナーガンも大きく頷き、手にしたアワビを噛み締める。

「海の恵みを満喫できる、これぞ漁の醍醐味だな」

 

海の青と空の青が一体となる水平線を背景に、ジョンとナーガンは釣りと素潜りの楽しみを心から味わっていた。

 

二人はしばらく釣りを楽しんだ後、船の片隅で海鮮を並べて簡単な即席の昼食を作った。炙った魚は皮が香ばしく、身はふっくらと甘みがあった。サザエやアワビ、ウニもそのまま海水で洗い、貝殻を割って食べる。

 

「いやー、やっぱり海の幸は最高だな」

ジョンが満足そうに笑うと、ナーガンも同意する。

「こうやってのんびり漁するのも、時には必要だな」

 

港に戻る途中、二人は今日の漁の成果を確認する。魚は大小合わせて十分すぎる量が釣れており、素潜りで取った貝も豊富だ。これを村に持ち帰れば、漁業の試験的な拠点としてエ・ナウイルの可能性を示すことができる。

 

「これで小漁港の人たちに、『漁獲が豊富だから移住を考えろ』って説得材料になるな」

「ふふ、食べ物で釣るのが一番確実ってことだな」

 

二人は船を港に戻し、捕れた魚や貝を丁寧に箱詰めする。海風に濡れた体を乾かしながら、ジョンは思う。エ・ナウイルの漁港を拠点化すれば、村の食料事情だけでなく、経済や政治の基盤にも大きな影響を与えられる。

 

「よし、これでまずは第一歩だな」

ナーガンも大きく頷き、二人は次の計画について語り合いながら、港の桟橋を歩いていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。