オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ 作:ぶーく・ぶくぶく
/*/ナザリック地下大墳墓・第九階層 モモンガの執務室/*/
シャルティア・ブラッドフォールンは夜の静寂を切り裂くように、優雅に執務室へ舞い降りた。漆黒のドレスは闇に溶け込み、翼の影が壁に揺れる。
「モモンガさま、ありんす急便の効率化の為に……いや、1匹、いや、2、3匹ほど、反抗的なドラゴンを吸血鬼にする許可をおくんなまし」
モモンガは玉座の上で背もたれに寄りかかり、冷静な視線をシャルティアに向ける。骸骨の顔は微動だにせず、声だけが空間に響いた。
「ドラゴンは貴重だ。以前も却下したはずだが、どうしたのだ、シャルティア?」
シャルティアは肩をすくめ、瞳にわずかな光を宿す。
「でありんす。生産地と消費地を結ぶ急便でありんすが、生産地と消費地の作業員はアンデッドのため、物流がボトルネックになっておるでありんす。反抗的なドラゴンを吸血鬼にすれば、疲労知らずで完全に制御下に置けるでありんす」
モモンガは手元の書類を指で弾き、考え込む。確かに合理的な理由ではある。しかし、ドラゴンという存在はナザリックにおいて特別であり、慎重さは欠かせない。
「……なるほど、反抗的な個体に限定するのか。吸血鬼化すれば完全に制御可能とはいえ、ナザリックの力を安易に振るうものではない」
シャルティアは頬を膨らませながらも、声のトーンは可愛らしさを保つ。
「承知でありんす。少数で良いので、航空便の要員として活用させていただきたいでありんす!」
モモンガは玉座から立ち上がり、長いローブを翻す。冷たくも威厳に満ちた声で答えた。
「よかろう。ただし、吸血鬼にするのは選別された反抗的なドラゴンのみ。完全に制御可能な数に限る」
シャルティアの目が輝く。
「ありがとうございます、モモンガさま!これで、ありんす急便は疲労知らずの無敵航空便になりんす!」
モモンガは小さく頭を傾ける。
「……効率化のためとはいえ、力を安易に振るわぬように。ナザリックの名に傷をつけるな」
シャルティアは軽くひざまずき、深々と頭を下げた。
「かしこまりでありんす、モモンガさま!」
その瞬間、執務室の空気に鋭い緊張が漂うと同時に、地下大墳墓の闇の奥深く、ナザリックの力が静かに波紋のように広がった。これから始まる「反抗的ドラゴン吸血鬼計画」の序章であった。
「……ナザリックをホワイト企業化するつもりであったのに、これではブラック企業化では?」
静寂の中、骸骨の眼窩に思索の影が揺れる。地下大墳墓の奥深くで、計画の波紋が静かに広がる――だが、ナザリックの秩序を守るための、慎重な舵取りがこれから問われるのであった。
モモンガはしばらく玉座に沈黙したまま座っていた。骸骨の顔には表情こそないが、その眼窩の奥で思考の火花がちらついている。シャルティアは少し不安そうに、しかし忠実に待っていた。
「……わかった。まずは実験的に一匹だけだ。選別された反抗的なドラゴンを、完全に制御可能な範囲で吸血鬼化する」
シャルティアの顔に希望の光が差す。
「はっ、かしこまりでありんす!一匹から始めれば、ブラック化も最小限で済むでありんすね!」
「だが、忘れるな」モモンガはゆっくりと指を揺らす。「吸血鬼化したドラゴンは強力だ。指揮系統を乱せば、ホワイト企業化の理念に反する結果を招く」
シャルティアは深くうなずき、礼儀正しく返す。
「承知でありんす、モモンガさま。全力で統制するでありんす!」
その瞬間、執務室の扉が開き、守護者たちの控え室から数名の戦闘メイドが姿を現した。ナーベラル・ガンマ、ソリュシャン・イプシロンが揃って敬礼する。
「モモンガさま、作戦開始の準備は整っております」ナーベラルの冷静な声が響く。
「ドラゴンの個体情報も既に選別済みですわ」ソリュシャンが続け、手元のタブレットに詳細を示す。
モモンガは小さくうなずき、椅子を降りて中央に立つ。
「よろしい。では、実験対象開始だ」
/*/エ・ランテル郊外ありんす急便航空便発着場/*/
空は澄み渡り、風が高く吹き抜ける。広大な発着場には、すでに選別されたドラゴンたちが控え、見学の冒険者や職員が遠巻きに見守っていた。フレイム・ドラゴンが一匹、赤い鱗を光らせて炎を吐く度に、観客の間から歓声と小さな悲鳴が入り混じる。
「……ドラゴン如きが至高の御方の手を煩わすとは」ナーベラルは低い声で呟く。ソリュシャンが隣でうなずく。
シャルティアは静かに姿勢を正し、次のフレイム・ドラゴンに歩み寄った。その巨体は空間を圧するが、シャルティアの影は一切揺るがない。翼を広げて威嚇するドラゴンに、彼女はふわりと跳び上がる。鋭い拳が腹部に突き刺さると、ドラゴンは轟音と共に地面に膝をついた。
「……うむ、効率的だ」モモンガは観察を続け、声は冷静そのもの。「制御は順調だ」
ナーベラルとソリュシャンは魔法陣を展開し、制御支援を開始する。炎が吹き出すも、シャルティアの体当たりと魔力の波動によって、その勢いは簡単に封じられる。ドラゴンは低い唸り声をあげるだけで、もはや反抗の意思は見せない。
シャルティアはドラゴンの首に口を近づけ、軽く噛みつき血を吸う。微少な量ながら、吸血によってドラゴンの瞳は金色から深紅に変化し、恭順の色を帯びた。周囲の観客たちから小さな歓声が漏れた。
「成功です……一匹目、完全に制御下に置けました!」シャルティアの声は喜びに震え、ドラゴンの翼がわずかに羽ばたく。
モモンガは玉座から立ち上がり、低く冷たい声で指示を出す。
「よい。この調子で二匹目に進め。だが、慎重に行え」
シャルティアは背筋を伸ばし、瞳を輝かせてうなずく。
「もちろんでありんす、モモンガさま!疲労知らずの航空便、必ず実現させるでありんす!」
フロスト・ドラゴンたちは、アゼルリシア山脈からの出稼ぎ従業員として遠巻きにその様子を見つめていた。赤いフレイム・ドラゴンが次々と吸血鬼化され、忠実な目を輝かせる姿を見て、ささやき合う。
「あーあー、ラッパスレア山から来た連中、愚かだよね。至高の御方に逆らったらどうなるか分かるだろうに」
「手加減されて捕らえられたのも理解できんのか……」
観客たちのざわめきと緊張が混ざり合う発着場で、ナザリックの秩序とシャルティアの決意が空気を支配していた。赤い瞳のドラゴンたちが、これからの無敵航空便の先駆者として静かに、しかし確実に変貌を遂げつつあった。
/*/エ・ランテル郊外ありんす急便航空便発着場/*/
空を裂くような咆哮が鳴り響いた。二匹目のフレイム・ドラゴンが解き放たれ、広場の地面を爪で削りながら威嚇する。赤熱した鱗が陽光を反射し、吐き出される炎の熱気が見物人の頬を焦がした。
「ひっ……!」「すごい……」
冒険者や職員たちは後ずさりしつつも、その場から逃げようとはしない。至高の御方の御前で行われる実験を、目に焼き付けようとしていた。
「おとなしくするでありんす」
シャルティアは挑発するように笑みを浮かべると、影のような動きでドラゴンの懐へ滑り込む。巨腕が振り下ろされる前に、彼女の拳が胸部に直撃し、鼓膜を震わせる轟音と共に巨体が揺らいだ。
モモンガの眼窩に冷たい光が宿る。
「……よい。抵抗の度合いを測るにも、適した個体だ」
ナーベラルは即座に雷光の呪文を放ち、ソリュシャンが粘液の束縛を展開する。暴れ回る竜の動きを封じると、シャルティアが首筋へと牙を突き立てた。
じわり、と血が吸われていく。
金色の瞳が再び深紅に染まり、咆哮が鎮まる。巨体は膝を折り、吸血鬼の主へと頭を垂れた。
「二匹目も制御完了でありんす!」
シャルティアが誇らしげに振り返ると、見物人の間から歓声と安堵の吐息が混じって広がった。
モモンガは玉座のように設けられた席からゆっくりと頷き、静かに言葉を落とす。
「……順調だ。だが油断は禁物だ。この力を我らが秩序のために最大限活用するには、さらに検証が必要となろう」
その言葉に場が一層引き締まる。
一方、端に控えていたフロスト・ドラゴンたちは冷笑を浮かべていた。
「……あの愚か者ども、強情を張ってこの様か」
「吸血鬼に仕える方がまだ生存の道だというのに、学ばない」
彼らの吐く白い息が風に溶ける。赤い瞳を宿したフレイム・ドラゴンたちが隊列を整える姿は、もはや脅威ではなく“戦力”へと変貌していた。
ありんす急便の航空部門――その誕生を見届けた者たちは、今まさに歴史が塗り替えられる瞬間に立ち会っていたのだ。
――モモンガの胸奥には、成功の確信と共に、得体の知れぬ予感が静かに芽吹いていた。
続けて三匹目の制御へと視線が注がれる中、発着場の空気はさらなる緊張と期待に包まれていった。
/*/エ・ランテル郊外ありんす急便航空便発着場/*/
三匹目のフレイム・ドラゴンが解き放たれた瞬間、観客席に緊張が走った。
赤黒い炎が天へと吹き上がり、地面が溶けて煙を上げる。だがシャルティアは一歩も引かない。
「さぁ……最後の一匹、来るでありんす」
彼女の声は挑発のようでありながら、確信に満ちていた。
ドラゴンが顎を開き、灼熱の奔流を吐き出した。だがシャルティアは微動だにせず、影のように滑り込むと、その口を拳で打ち抜く。
轟音と共に炎が途切れ、竜の顎がぐらりと揺れた。
「……制御は容易いな」モモンガは冷静に観察を続ける。
ナーベラルの雷撃が龍鱗を貫き、ソリュシャンの粘液が脚を縛り付ける。抵抗の力は削がれ、最後の咆哮は空しく夜空へ溶けていった。
シャルティアが首元に牙を突き立てる。
一瞬の沈黙の後、三匹目の瞳もまた深紅へと変わり、完全なる従属を示すように頭を垂れた。
その瞬間、見学の冒険者や職員の間から歓声が巻き起こる。
「おおお……! 成功した!」
「竜が……完全に制御下に!」
モモンガはゆるやかに立ち上がり、広場全体へ声を響かせた。
「これにて、ありんす急便航空便部隊は正式に発足する。――疲労知らずの竜騎隊は、我らの物流を新たな次元へと引き上げるだろう」
歓声はさらに大きく広がり、遠巻きに見ていたフロスト・ドラゴンたちも思わず息を呑んだ。
「……あの三匹、完全に御方の支配下か」
「逆らうなど愚かだな。我らも従えば、力の恩恵を受けられる」
シャルティアは赤い瞳を宿した三匹の竜を背に立ち、誇らしげに胸を張る。
「モモンガさま! これでありんす急便、真に無敵の航空部隊を得たでありんす!」
モモンガはゆっくりと頷き、眼窩の赤光を静かに揺らした。
「よい。だがこの力は、我らの秩序と目的のために正しく使わねばならん。忘れるな」
「はっ!」
シャルティアの声は力強く響き、三匹のドラゴンもまた恭順の咆哮を空へと轟かせる。
――こうして、ありんす急便無限航空便部隊は正式に誕生した。
それは単なる輸送のための戦力であるはずだった。だが、その翼が広げる影が、未来にどれほどの波紋をもたらすのか――誰もまだ知る由もなかった。
/*/エ・ランテル郊外ありんす急便航空便発着場・就航初便/*/
夜明けの空は薄紅色に染まり、朝靄がまだ地平を覆っていた。
発着場には多くの冒険者や商人、そしてナザリックの従業員たちが集まり、今日という歴史的瞬間を見届けようと固唾をのんで見守っていた。
三匹の吸血鬼化されたフレイム・ドラゴンが並び立ち、赤い鱗は朝日を浴びて鈍く輝く。
その瞳は深紅に染まり、ただ一人の主――モモンガと、その代行者であるシャルティアにのみ従属の意を示していた。
「……ふふん、準備は整ったでありんす」
シャルティアは胸を張り、観衆を見渡す。
荷役のアンデッドたちが無駄なく動き、積み荷を次々と竜の背に固定していく。
木箱には魔導王国から聖王国へと届けられる救援物資が詰まっており、食糧、薬品、そして衣類まで多岐に渡る。
ナーベラルは冷ややかに監視を続け、ソリュシャンは荷の固定を確認して頷いた。
「……問題なし。積載完了です」
モモンガが一歩前に進み、集まった群衆を見渡す。骸骨の顔に表情は無いが、その声は厳粛さを帯びて響いた。
「――これより、ありんす急便無限航空便の初便を発つ。
この竜たちの翼は、物流を次の段階へ導くだろう」
沈黙。
そして次の瞬間、シャルティアの合図で三匹の竜が翼を大きく広げた。
ごう、と風が巻き起こり、観衆の外套や髪が激しく揺れる。
竜たちの咆哮が空を震わせ、朝靄を切り裂くように飛翔する。
「うおおおおおおっ!」
「飛んだぞ! ドラゴン便だ!」
観衆から歓声が上がる中、三匹の竜は一直線に南の空へと飛び去っていった。
その姿はやがて点となり、やがて視界から消える。
シャルティアは両手を腰に当て、得意げに鼻を鳴らした。
「これでありんす急便、正式に大空へ羽ばたいたでありんす!」
モモンガは静かに頷きながらも、内心に冷や汗を浮かべていた。
――効率化は成功だ。だが、これが本当にホワイト企業化なのだろうか?
背後でナーベラルとソリュシャンが冷淡な視線を交わす。
「……これで物流の隘路は解消されますね」
「ええ。けれど……この先はどうなるかしら」
観衆の歓声と竜の咆哮の余韻が残る発着場で、ありんす急便航空便は歴史的な第一歩を刻んだ。
/*/エ・ランテル郊外ありんす急便航空便発着場・数日後/*/
空は曇天、朝も夜も関係なく赤黒い影が空を横切っていた。
三匹の吸血化されたフレイム・ドラゴン――「無限航空便」と呼ばれる竜たちは、ひたすらに翼を羽ばたかせていた。
彼らに疲労は存在しない。
吸血鬼化された肉体は休眠を必要とせず、筋肉も骨も決して磨耗しない。
だが、その光景を見守る冒険者や労働者の目には、どこか痛ましいものとして映った。
「……あいつら、もう三日三晩、空を飛び続けてるぞ」
「着陸したと思ったら荷を積んで、すぐにまた飛び立つ……」
観衆が呟く。
発着場ではアンデッドの作業員たちが寸分違わぬ動作で荷を降ろし、新たな木箱や麻袋を積み込む。
すべては寸分違わぬ効率のもとで行われ、遅滞は一切無い。
赤い竜たちは荷を背負い、モモンガの命令一つで即座に飛翔する。
炎を吐くことも咆哮を上げることもなく、ただ忠実に、無限の往復を繰り返していた。
「――次便、聖王国西部への救援物資!」
「二便目、帝国からの特使の搬送!」
係員の声が響く度に、竜の背には新たな荷が固定される。
そして次の瞬間には、巨大な翼が空を裂いて舞い上がる。
昼も夜も関係なく、発着場に轟音が響き渡り、竜の影が月明かりを切り裂く。
その様はまるで、永劫に稼働する歯車の一部であった。
「はぁ……人間なら過労で死ぬところだが……」
「いや、アンデッドだからこそ、休みなく動けるんだろう……」
見学の冒険者たちの声は次第に小さくなり、畏怖と諦観が入り混じる。
彼らの目には「栄光ある効率化」よりも「止まることを許されぬ終わりなき労働」が映っていた。
シャルティアはその様子を見て満足げに頷く。
「ふふん、これでありんす急便は一切の滞りなく動き続けるでありんす! 24時間、365日、絶対に遅れないでありんす!」
モモンガは傍らで静かに観察していた。
骸骨の顔は変わらぬが、内心には冷たい疑念がこみ上げていた。
――これは……本当にホワイト企業化なのか?
アンデッドには休息は不要。だが、果たして「無限労働」を誇るのは正しいのか……?
竜たちの赤い瞳は感情を映さず、ただ従順に飛び続けていた。
その姿は、効率化の極致であり、同時に歪んだ鏡でもあった。
/*/ナザリック地下大墳墓・第九階層 モモンガの執務室/*/
夜の帳が降りても、ありんす急便航空便の竜たちは飛び続けていた。
その報告を受け、モモンガは深く玉座に腰掛けたまま、ゆっくりと腕を組む。
「……無限に働く航空便か。効率は素晴らしい。だが……」
骸骨の眼窩に灯る紅光が一瞬揺れる。
脳裏に浮かぶのは、昼夜を問わず飛び続ける赤竜の姿。
アンデッドであるが故に苦痛の声を上げることもなく、ただ忠実に空を切り裂く翼の影。
モモンガは思わず息の代わりにため息のような魔力を漏らした。
「……これでは、ブラック企業そのものではないか……?」
その呟きに、傍らに控えていたアルベドが静かに微笑みを浮かべる。
「モモンガさま。ブラック……企業、というのは、至高の御方の故郷にあった言葉でしょうか?」
モモンガは一瞬、言葉に詰まった。
「う、うむ。働き手を酷使し、休みなく使い潰す……そんな組織を指す比喩だ」
すると、アルベドは艶やかな黒髪を揺らしながら胸に手を当てた。
「ご安心ください、モモンガさま。ナザリックにおいては、そのような概念は存在しません。
なぜなら――全ては至高の御方の御意志に従うこと、これ以上の幸福はありえないからです」
続けてデミウルゴスが眼鏡を押し上げ、穏やかな口調で言葉を添えた。
「モモンガさま、むしろ『ホワイト企業化』の理想に近づいているかと。
なにせ、彼らは疲労も不満もなく、完全なる効率で奉仕しているのですから。
これ以上に健全で調和の取れた組織がどこにありましょう?」
「……そ、そうか?」
モモンガは内心でぐらりと揺れる。
(いや……確かに理屈はそうだが……あれは、どう見ても“使い潰し”だろう!?
ブラック企業化は避けたいのに……ホワイトどころか闇より黒い気がするぞ!?)
骸骨の顔は無表情のまま、モモンガは大きくうなずいた。
「……わかった。ならば、今はこの計画を推し進めるとしよう。だが――決してナザリックの名を汚すことのないように」
「「はっ!」」
アルベドとデミウルゴスは同時に頭を垂れた。
こうして、「無限航空便計画」は正式に推進されることとなる。
だが、モモンガの内心にはなおも冷たい疑念がこびりついていた。
――これは効率化か、それとも果てなきブラック化への道なのか。