オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ 作:ぶーく・ぶくぶく
/*/ ナザリック地下大墳墓・錬金実験室 /*/
鍛冶長から渡された小瓶の中で、ジョンの爪粉は淡い銀青色の光を帯びていた。
その輝きはただの爪の残滓とは思えず、ラボにいた錬金術師たちの目を釘付けにする。
「……これは……神話級の波動を帯びておる……」
エルダーリッチの錬金術師は震える手で小瓶を掲げ、呟いた。
「素材としての純度が常識外れだ。宝石や魔結晶の粉末を遥かに凌駕している……!」
「ふむ。爪を切っただけで素材になるとは、さすがジョンさん」
モモンガが感嘆の声を漏らす。
錬金術師たちは早速実験を開始した。
爪粉を溶解し、魔力を通すと――
ボウッ!
淡い光が弾け、小さな指輪のような形が自然と生成されていく。
「こ、これは……!」
完成したのは《爪精の指輪(そうせいのゆびわ)》
効果:装備者の手先の器用度+30%/クリティカル率+10%/さらに爪が常に美しく輝く。
「……至高の御方の爪粉から生まれし神器級指輪、だと……」
エルダーリッチは絶句する。
シャルティアは口元を押さえながら吹き出しそうになる。
「お爪の副産物が、また神器でありんすか……! しかも美爪効果付き……!」
ジョンは満面の笑みで指輪をはめる。
「おおっ! これはすげぇ! 指輪をしてるだけで、俺の爪が光沢を放ってる! 格好いい!」
さらに、余った粉を別の用途に回すと――
・《爪粉軟膏》:塗布した部分が瞬時に回復し、傷跡も残さない万能薬。
・《爪粉香》:薫らせると心身が落ち着き、集中力が高まる。
・《爪粉護符》:持ち歩くだけで物理防御+魔法耐性を付与。
錬金術師たちは歓喜の声を上げる。
「これは……至高の御方の爪粉が、新たなる資源の鉱脈になる……!」
ジョンは拳を握りしめ、堂々と宣言した。
「――よし! 今後は定期的に《キリキリくん1号》で爪を整え、その粉をナザリックの資源として活用する! 俺の生活とナザリックの繁栄を両立させるんだ!」
モモンガは玉座から深くため息をつき、しかし内心で笑みを漏らす。
「……まさか、爪粉が資源循環システムになるとはな……」
――こうして、ナザリックには「爪粉精錬計画」という、前代未聞の生活発・資源循環プロジェクトが誕生したのであった。
/*/ ナザリック地下大墳墓・錬金実験室 /*/
小瓶に並べられたのは――切り落とされたジョンの狼爪。
ただの爪に見えるが、神話級の光を帯び、鼓動するかのように淡く輝いている。
錬金術師が震える声で告げた。
「……爪粉ですら神話級素材でした。まして、切り落とされたそのものとなれば……これはもはや神器の原石……」
モモンガは腕を組み、真剣に爪を見つめる。
「……生活の産物が、そのままアイテムになってしまうのか……」
試しに一本を封印術式で加工すると――
――ゴウンッ!
爪はたちまち変質し、黒曜石の短剣のような形を取った。
【神器級アイテム:狼爪刃《クロウ・ファング》】
効果:攻撃力+300%/切創に出血+麻痺付与/さらに装備者の爪が常に美しく整えられる。
エルダーリッチは絶句する。
「……斬撃武器になった……しかも並みの刀では到底及ばぬ切れ味だ……」
「ふふっ……至高の御方の爪が武器化するなんて……」
シャルティアは口元を押さえて笑いを堪える。
さらに別の一本を別の方法で加工すると――
【護符《至高の狼爪》】
効果:携帯者の物理防御+50%、精神支配完全耐性。持つ者は常に“至高の威圧”を放ち、低位存在を従わせる。
【首飾り《月爪のペンダント》】
効果:夜間に魔力回復速度+200%、爪の輝きが周囲を照らし、闇を祓う。
【神器級楽器《狼爪ハープ》】
効果:爪を弦に加工。奏でるだけで聴衆の精神を浄化し、士気を最大化。副作用として「爪がキレイになりたい」という謎の欲求を呼び起こす。
錬金術師たちは感涙した。
「……至高の御方の爪は、一本ごとに別の神器へと変貌する……! これはもはや、新たな資源鉱脈に等しい!」
ジョンは胸を張り、爪切り神器を掲げる。
「よし! 《キリキリくん1号》で切り落とした爪は、粉は粉で精錬、爪本体は神器化! 完全に無駄なしだ!」
モモンガは頭を抱えつつも、心のどこかで笑みを浮かべる。
「……日常の爪切りが、ここまでの神話級資源サイクルになるとは……」
こうして――
ナザリックには「爪粉精錬計画」を超える、新たな伝説的プロジェクト――
《爪資源完全循環計画》
が始動するのだった。