オーバーロード~狼(以下略)~その他まとめ   作:ぶーく・ぶくぶく

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ペロロンチーノ様の方がカルバイン様より優れていたとの証明では?byシャルティア

――そうっすねぇ。今だけは賛同できそうっす。(匿名希望さん



第29話+2:パラレル:ゆく年くる年2

これはパラレル時空でフィクションwです。本編および他所様の作品、ストーリーには一切関係ありません。

以上をご了承の上、お楽しみ下さい。

 

 

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とっぷりと夜も更けたカルネ=ダーシュ村では守護神獣を迎える篝火が赤々と燃えあがっていた。

 

エンリ達、村人達の基準では日が沈んだら1日は終わりだが、村を救ってくれたカルバイン達にとって1日とは深夜に変わるものらしい。

星か月か、何を基準にしているのか村人達には分からなかったが、自分達より遥かにものを知っていて惜しみなく知恵を授けてくれる彼等がそうなのだから、自分達には知らない何かがあるのだろう。

 

彼等の1日の終わり、1年の終わりを目前に控える中、遠くから地響きの音と振動が村へ近づいてくる。

 

今日の始まりに駆け出していったカルバインが王国、帝国、法国を巡り戻って来る足音だろう。

1日で村人達にとって遥か遠い世界を駆け巡って戻って来るなど、まさに神話の世界の出来事だ。

 

そして、彼を迎える列もまた神話の再現のようだった。

 

生と死の神アインズ・ウール・ゴウンに、それに仕える御使いの列。

その後ろに控えるカルバインと同じ人狼の時王達が見た事もない楽器で演奏を始めると、生と死の神アインズ・ウール・ゴウンがカルバインを迎える歌を歌いだした。

 

それは夢を捨てられず、故郷を離れ、それでも故郷を捨てられずに何時の日にか愛する故郷へ帰る流離人の歌だった。

 

歌が巡り、2週目に入ると神の側に仕える白いドレスの翼ある女性が一緒に歌いだす。それに続いて次々と異形の御使い達も歌いだしていく光景はまさに神話の光景だ。

3週目に入ると、事前に歌を教えられていた村人達と漆黒の剣、ブレインやクレマンティーヌ達も歌に加わる。

 

その他、法国から儀式に参加しているクアイエッセ・ハゼイア・クインティアは奇跡の光景に感動の余り号泣しながら歌っている。

 

村を王国の領土ではなく法国の奉じる神の領域と認めてくれた神官長ニグンの代理として、村に派遣されたクアイエッセだったが、カルバイン達のシモベとなったクレマンティーヌの生き別れの兄だったようで、その再会で一悶着があった。今回は重要ではないので省略する。

 

その感動の大安売り会場へ息を切らせて戻ってきた守護神獣カルバインは人狼の姿に戻ると、生と死の神アインズ・ウール・ゴウンに人類領域を無事に巡回してきた報告を行う。支配者に相応しい威厳を持ってカルバインを迎えた神は、村人達へ祝福の言葉をかけると御使いとカルバインを伴って、アゼルリシア山脈にある彼等の神域へ、人類では及ばない高位魔法を持って移動していく。

 

ここからはヒトはヒト。神は神で新年を祝う時間となる。

 

村人達は時王の指導の下、僅かではあるが自分達で用意できた食材も惜しげなく使って、新年と自分達の幸運、神への感謝の宴を始めるのであった。

 

 

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アゼルリシア山脈の中腹に転移直後からアウラが建設を命じられ、建築を続けてきた偽装ナザリックも半年以上の時間が経って内装はまだ至高の御方に相応しくなくとも外見は相応しいだけの威容を見せられるようになってきていた。

 

その前庭には巨大な魔法陣が描かれ、モモンガはシモベ達に魔法陣の説明を行っていた。

 

「……我々が世界間を行き来出来なくなった事は守護者達へ語った通りだ。だが、それはあちら側がこちらと断絶しているに過ぎない。こちらから私自身を鍵、縁として召喚を行うならば接触できる可能性はある。特に1日の変わり目、1年の変わり目は世界間の境界が緩み、啓示や召喚を行いやすくなるとダブラさんも語っていた。そこで私達はこの機会にジョンさんの走行軌跡を魔法陣に見立てた巨大な召喚陣を用意する事で……」

 

「……モモンガさーん、そろそろ始めないと……説明長いよー」

 

目をキラキラさせてモモンガの説明に聞き惚れるシモベ達と違い、何度も説明を聞きながら、一緒に計画を立てたジョンはモモンガの語りに食傷気味だった。耳と尻尾を情けなく垂らしながら、時間が迫っているとモモンガへ告げる。

 

それに気がつくよりも、時間が迫っている事に気がついたモモンガは説明を打ち切り、配置につく。

年の変わり目。年を飛び越える瞬間に向かって、モモンガは目の前の巨大な魔法陣を起動させ、魔力を注ぎ込みながら詠唱を始めた。

 

眼前の魔法陣と連動した人類領域見回りと称したジョンの軌跡も地脈の霊気を吸い上げ、大小2つの魔法陣が共鳴しながら遥か彼方の世界へと接続する為の銀の道への扉をこじ開けようと起動し、明滅し始める。

 

 

歌うような詠唱と魔法陣の明滅、脈動が最高潮に達した時、光が爆発的に膨らみ弾け、一時であるが真昼のように夜を明るく照らした。

 

 

この現象はジョンが走った後、全てで起こっており、神の奇跡として人々の心に様々な影響を与えていく事になるが、今、大森林の住人達が滅びの建物と呼ぶ存在に集う者達の目の前には、彼らをして信じられない光景が広がっていた。

 

 

爆発的な明かりが去り、星明かりのように微かに魔法陣が光る中、その中央には魔法による発光を伴った華美な装飾の施された鎧で全身を包んだ戦士風の鳥人がいたのだ。

 

 

「……モモンガさん? ああ、夢でもまた会えて嬉しいですよ。姉ちゃんが羨ましがるだろうなぁ」

 

 

視線を異形の者達の上を彷徨わせた後、モモンガに視線を固定した爆撃の翼王は夢現の口調でそう言った。

その姿に赤い瞳を潤ませるシャルティアの背中を、ジョンは了承の意味を込めて軽く叩いてやった。

 

「ペロロンチーノ様ぁぁぁッ!!」

 

黒いボールガウンにメガ盛りの偽乳。普段は偽乳が動かぬよう決して走る事の無い彼女が、パッドがどっかへ行く事も顧みず、砲弾のような勢いでペロロンチーノへ突撃する。

 

身長差があるので首に飛びつくようしがみ付くシャルティアの突撃は、状況を理解していないペロロンチーノに不意打ちに近いものだったが、飛行能力を自前で持ち、抜群のバランス感覚を持つガチ勢の彼の身体は巧みに衝撃を殺し、バランスをとって、シャルティアを抱えさせた。

 

「え? シャ、シャルティアか!?」

「はい! ペロロンチーノ様の嫁! シャルティアでありんす!!」

 

涙に塗れた表情に精一杯の笑顔を浮かべて答えるシャルティアにペロロンチーノ理性が決壊した。

無理も無い。男子であったら、自分の理想が動き出し、自分を慕う姿に理性を保てるだろうか?

 

 

「夢でもありがとう! モモンガさんありがとう! ジョンもついでにありがとう! 皆、ありがとう!」

 

 

ペロロンチーノは現実の厳しさも忘れ、今は一時、この夢に溺れても良いかと夢に感謝しながらシャルティアの首筋に顔を埋め、彼女を支える両腕を忙しく動かし始める。

その動きにぎょっとしたジョンが叫ぶ。

 

「俺ついでかよ! ペロさんにとっては夢でも、俺たちには現実なんだよ! ヤるならせめて部屋に行ってくれよ! 最初から公開羞恥ぷれいとかシャルティアどんだけ上級者なんだよ!!」

 

「わ、妾はペロロンチーノ様がお望みになるなら、どんなぷれいでも……」

ペロロンチーノの腕の中で顔を赤らめながら見上げるシャルティアの表情は、勿論、ペロロンチーノの理想の通りで彼の理性は白旗を上げっぱなしだ。

 

「ヤバっ! なんて可愛いんだ! シャルティア! 流石は俺の嫁!!」

「はい! 私はペロロンチーノ様の嫁でありんす!!」

 

俺の嫁を恥じる事無く連呼するペロロンチーノ。

それに喜びの表情を浮かべるシャルティアへ羨ましげな表情を向けるアルベドとルプスレギナ。

二人とも、この時ばかりはペロロンチーノの方が、モモンガとジョンより優れていると豪語するシャルティアの評価を認めてしまいそうだった。

 

そんな男として不名誉な評価を下されそうになっている事にも気がつかず、ジョンは諦めたようにペロロンチーノへ声をかけ、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンをペロロンチーノへ投げ渡していた。

 

「……向こうで俺たちどうなってるのか聞こうと思ってたけど、もう良いや。時間までシャルティアを可愛がってて下さい。また召喚しますから」

 

 

今だここを夢だと思っているペロロンチーノがリングを受け取り、転移していったのを見送って、ジョンはモモンガに向き直る。

 

 

「召喚はどうでしたか、モモンガさん?」

「魔法陣の感じからすると90分ぐらいですかね。私達と違って異形種の身体を持ってこの世界に来たのではなくて、世界のデータベース(?)からデータを引き出して魔力で構築しているような状態だから……触媒とか、何か考えないと駄目でしょうね」

 

「……一応、メッセで時間制限あるって教えといた方が良いかぁ。来年は誰呼ぼうか? 茶釜さん?」

 

げんなりした様子でペロロンチーノへメッセージを送るジョンを見ながら、モモンガは取り合えず成功した召喚魔法についての考えを口にした。

 

「改良して一度に呼べる人数を増やしたいですね。あと大晦日じゃなくても使えるように改良して、最終的にはこっちに移住できるような選択肢をつくってやりたいです……冒険者やらなくも良かったかなぁ。こっちの研究に専念したいですね。でも、ジョンさんがいてくれたおかげで、超々巨大魔方陣を書く事も出来ました。ありがとうございます」

 

 

終わりを恐れながら、ゲームを続けていた昨年より今年は目標のある良い年になりそうです。

 

 

そう言ったモモンガの髑髏が確かに笑顔であるとジョンには感じられた。

 




あけましておめでとうございます。
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